河田英正の主張

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2001/01/12 成人式の混乱

成人式に騒いだとして5人が逮捕されました。全国いたるところで荒れた成人式となったようです。逮捕された5人がいたずらが過ぎたのか、それとも、とうてい社会に順応できない性格になってしまっているのか、その冷静な見極めが必要です。みせしめとしてのみの処理であってはならない。それにしても、成人式が感激をもって迎えられるような工夫のなさも問題とされなくてはならないでしょう。

学校崩壊、学級崩壊など既に成人式だけの問題ではなく、今回の事件はその象徴的な現れの一つと考えた方が良いのではないでしょうか。教育改革が論議されています。「道徳」を説くことによって、ボランティアを強制することによって、教育の改革が実現し、若者を変えていくことはできない。「道徳」の響きには、親を大切にする、目上の人を尊敬するという一方的な倫理の強制を感じます。人は、誰でも大切で、尊厳をもっている存在であるという、命を大切にする教育こそが必要です。それは、とりもなおさず、民主主義教育であると思います。ボランティアの強制ではなく、ボラティアをしたいという気持ちを育む教育なのです。

しかし、もしかしたらもう手遅れかもしれない。17歳を中心とした衝撃的な事件が相次いでいる。環境ホルモンに汚染された命は、もはや命の尊厳を感じ取る力をDNAのレベルで失ってきてしまっているのかもしれない。戦争と環境汚染の20世紀のつけかもしれない。かつて栄えた文明が、やがてその力を失って滅びたように、あだ花のように謳歌したこの文明も、そろそろ衰退の時期になったのかもしれない。ロボットを愛玩動物としようとしていることに、恐怖をおぼえませんか。小さいころ、鶏を抱え、その暖かさと鼓動を感じたあの命の感動を知らない世代となってしまっているのですよ。いまこそ、この流れを止める、いや少しでも遅くしていく施策にとりくまれなければならない。

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