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小沢一郎代表 定例記者会見要旨

○代表質問の総理答弁に対する感想
事務所費の公表の提案について/柳沢厚労相発言を代表質問に盛り込んだ意図
柳沢厚労相の辞任要求/憲法改正と生活維新「二者択一でない」という総理答弁について
事務所費の公表について
首長選での全野党共闘について
安倍内閣の支持率低下について
事務所費に関する代表質問での説明について
無党派層を意識した統一地方選・参院選への戦略の変化について
代表質問で示した財源論について

<質疑応答>

■代表質問の総理答弁に対する感想

【記者】今日、安倍総理の施政方針演説に対する代表質問が行われましたが、全般的な安倍総理の答弁に対する感想をお聞かせ下さい。

【代表】どの問題もですが、基本的な総理の考え方について、例えば教育再生といっても、「戦後体制の脱却」を掲げている総理が、ある意味において教育制度は占領政策の最大のものと言われるものであるわけですが、その仕組みを変えるという発想は、何回聞いても意味が分からないのか、出てこない。

 先ほども戦後レジームが何とかと言っていたが、何か繋がらない。彼の言っている政治思想・政治哲学の基本があるとするならば、それに立脚した教育問題だったりその他の問題だったりするはずでしょう。そこが全然繋がらないのではないかと私は言っているわけです。私の思うところは結局、総理の口からはなかなか聞けないということです。

■事務所費の公表の提案について/柳沢厚労相発言を代表質問に盛り込んだ意図

【記者】代表質問の中で事務所費について公表するように提案されましたが、その意図と、それに対しての安倍総理の答弁が「党に公表のあり方を指示しています」との答弁でしたが、それに対する受け止めと、また柳沢厚生労働大臣の発言について盛り込まれたようですがこれは盛り込まれようと思った意図と、いつ書き加えたのか教えて下さい。

【代表】この問題については、総理は全く答弁していないのと同じだと思います。最初問題にされたのは、これは公表しないでいい経費だが、それなのに会館にあるのにこんな金額だとか、要するに、公開されていないにも関わらず云々だという議論でしょう。それなら一番分かりやすくするには、公開するのが一番じゃないか。ただ、法律上公開しなければいけないとはされていない。しかし、私も含めて指摘されている少なくとも国務大臣や与党の幹部の人は、皆がそういう観点でおかしいことがあるのではないかと言っているわけだから、何もおかしいことはない、私たちは正当にお金を使っていて領収書もありますということなのでご覧下さいということになれば、みんなは「そうか」ということになるのではないか。私はそう思うから、国民の皆さんからも見えないということは判断のしようがないから、隠してるのかとか何かあるのではないかという話になるわけで、一番簡単なのはみんな見せればいいということだ。少なくとも重要な立場に立っていて、そのことが指摘されている人は、そうしようではないかということです。

 柳沢大臣の発言は昨日聞きました。ちょっとびっくりしました。どのように釈明しても中身が中身だから、それで済むような話ではないだろう。これはちょっと国務大臣としてはどうかなと思います。

■柳沢厚労相の辞任要求/憲法改正と生活維新「二者択一でない」という総理答弁について

【記者】今の柳沢大臣の発言に関して他の野党は辞任を求めていますが、そういう指摘について代表も同じようなお考えでしょうか。また今日の代表質問で憲法改正か生活維新かということを冒頭で問われましたが、総理のほうからは「二者択一ではない」という答弁でしたが、それについてどう思われたか、お聞かせ下さい。

【代表】まず最初のほうですが、いま申し上げたとおり国務大臣としてはいかがなものかと申し上げているのだから、私は上品に発言しているわけですが、結論は端的に言えばそういうことでしょう。ただ「辞任を求める」という発想や言い方はあまり好きではないのです。国務大臣の要職にある人、政治家それぞれの立場にある人は、自ら判断すべきであるというのが私の基本的な考え方だから、他の方とはちょっと違った表現をしています。

 憲法改正か生活維新か、「二者択一でない」と言っていましたが、総理自身が最大の焦点だと言っているのでしょう。「任期内に」とも言っていますが、いつまで任期なのか分かりませんが、何が何でもやると言っているのでしょう。憲法改正というのは議会の3分の2の発議で行う話ですから、それを任期内でやるというのは片手間でできる話ではないでしょう。ということは、最大の自分の目標だということになるのではないか。並列的に行うテーマだったら、そんなに力を入れて言う話ではなくなります。そういうところを含めて、先ほど申し上げたように、政治思想、政治姿勢の考え方が、その時々の問いに対して、その場その場で言葉遣いを変えるから、私はよく分からないと言っているわけです。

■事務所費の公表について

【記者】先ほどの政治とカネのことに関連してのことですが、代表自身は領収書を公表する用意があるという言い方をされていますが、今後与党が出さないということになれば代表が積極的に出していくということがあるのか。また野党共闘を考えたときにどのように対応するのか、聞かせ下さい。

【代表】あなたの新聞社の社会部の人も実質的にはもう皆見ています。私は事実上、全部公表しているのですが、しかしやはり正式にやったほうがいいと判断すれば出します。タイミングはその時の判断です。

■首長選での全野党共闘について

【記者】統一地方選挙についてお伺いします。札幌市長選などでは共産党が候補者擁立見送りするようなこともあり、場合によっては他の知事選などにも波及するのではないかと一部言われています。代表のお考えとして首長選での全野党共闘についてどうお考えでしょうか。

【代表】みんなが一人を推すのが一番いいのではないでしょうか。しかし共産党も立ててみたり引っ込めてみたりとよくわかりません。結果として、民主党も含めて各野党がそれぞれ立てたら勝てるわけがない。それは結果として自民党を利することになるだから、そこに野党は思いを馳せるべきでしょう。

■安倍内閣の支持率低下について

【記者】世論調査の件で、安倍内閣に対する支持率が39%、支持しない人が41%と、安倍内閣発足以来支持しない人のほうが支持する人を上回っていますが、これについてどうお考えでしょうか。

【代表】感想は言いませんが、先ほどから申し上げているように、安倍総理の全部含めれば政治姿勢ということになるし、もう少し中身的に言えば政治思想とか政治家としての哲学とか、そういうところがよく分からないのではないか。強いことを言ってみたり、俗な言葉で言えばタカ派的な発言をしてみて、それを追及されるとまた違う発言してみたりとか。そこがどういう考えでどうしようとしているのかというのが、その場その場で動いているような感じを私も感じます。小泉首相の場合はうそでも何でも「こうだ!」と言うほうだから、ある意味で彼の独特のパフォーマンスで人気を博したのでしょうが、そこはちょっと違うところでしょうね。旧来の自民党的な体質と、そうでないやり方が、まだら模様になって、分かりにくいところではないでしょうか。

■事務所費に関する代表質問での説明について

【記者】代表は党大会で、代表質問で事務所費の指摘をされた点について説明をするとお話されていましたが、今回の代表質問でこちらも公開するから与党側も公開しろと代表質問でおっしゃいましたが、代表質問である程度しか説明されなかったのはなぜなのでしょうか。

【代表】それは事務所費の話を全部したら、それだけで何時間もかかってしまうでしょう。ガソリン代がいくらとか何とか、様々あるのですから。それは全部まとめて、そういう判断になれば皆さんも含めてまとめて見ていただくということが基本的な説明ではないでしょうか。全部出すのだからそれが説明でしょう。

■無党派層を意識した統一地方選・参院選への戦略の変化について

【記者】無党派層の話ですが、そのまんま東氏が知事に当選し、また自民党の支持率も下がる一方で民主党の支持率も下がっている中で、統一地方選や参議院選への代表の戦略は変化があるのでしょうか。

【代表】ありません。民主主義の原点がその時々の状況で変わるということはありません。一人でも多くの大衆の中に飛び込むこと、それ以外に民主主義はない。

■代表質問で示した財源論について

【記者】代表が代表質問で示した財源の話ですが、地方への一括財源について、安倍総理は具体的な内容や方法が不明で実現可能性に疑問があると答弁されました。代表は抜本的な改革で財源を生み出すというお考えだと思いますが、代表と安倍総理の考え方が違ったことについてどのように受け止め、また総理がどれだけ理解されたかとお考えでしょうか。

【代表】理解はしてないのではないでしょうか。考え方が違うから交代しろと言っているわけです。官僚の牙城に切り込む話なので、自民党や公明党では絶対できる話ではありません。だから我々にやらせてください、いつでもやってみせる、ということです。

 いずれ詳しく話しますが、なぜそういうことで無駄が省けて6兆円も予算が浮くかというと、役所単位で似たような補助金がいっぱいあるわけです。地方は地方の予算を手当しながら無理やり事業をさせられるわけです。仕組みから何まで似たようなものを作らされて、幼稚園を作るにも文科省がここに入口を作れとか、一方で厚労省はこっちに作れとか、アホみたいなことが現実として起きているわけだ。

 これは以前に少し聞いたことですが、補助金の総額を自主財源として全部自由に使っていいと言ってもらったら、いまの8割で十分に今以上のことができるというのです。要するに、自分たちが必要なもの、自分たちのアイデアで自由に作れるのだったら、今よりはるかに良い行政ができるというのです。だから今度は「全部お使いください」と。彼らの言い値をそのまま採用しても2割の経費削減ができるわけです。

編集/民主党役員室


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