2006年5月23日(火) 戻るホーム民主党文書目次記者会見目次

小沢一郎代表 定例記者会見要旨

○医療関連法案:がん対策に積極的に対応しようとない政府・与党の状況は大変残念
東京裁判について
知事選、政令市長選挙の候補者擁立の対応について
長野県知事選への対応について
次期参議院選挙の女性候補擁立について/小沢代表に関する週刊誌の記事について
候補者公募を行う狙い
共謀罪について
田中康夫長野県知事について
日米ガイドラインに関する「周辺事態」について

■医療関連法案:がん対策に積極的に対応しようとない政府・与党の状況は大変残念

【代表】昨日、参議院で医療関連法案が審議入りしました。衆議院の審議の時から我が党が主張していますが、がん対策の問題について、山本孝史参議院議員が、自らもがんとたたかっているという自分の現実を踏まえて、がん対策の推進を大変切々と訴えました。しかし総理の答弁にしろ政府・与党サイドが、これについて積極的に対応しようとしない状況で大変残念に思っています。我々としては今後もこのことについて、機会を見つけながら主張していきたいと思っています。

<質疑応答>

■東京裁判について

【記者】最近政界では東京裁判について議論が盛り上がっていますが、小沢代表はこの東京裁判の議論について、どのように認識されていますか。

【代表】東京裁判、極東軍事裁判の結果については、平和条約の際にもこれを受け入れる前提の下で平和条約が結ばれているわけですから、その意味においてもこの間の戦争というものは無謀な戦い、戦争であったと。それについての日本、特に日本国民を指導する立場の人たちの責任は重いということ自体はその通りだと思います。ただ最近様々なことを言う人がいるから、その人たちの個々の意見がどうかということではありませんが、ある意味で、それはまた勝者が敗者を裁いたという側面もあるわけで、そういう点での議論が、意見がある人は言うということが、現状のそれについての議論じゃないかと思います。ですが、日本国民全体としては、戦争についての認識は素直にきちんと受け止めて判断していると思います。

■知事選、政令市長選挙の候補者擁立の対応について

【記者】地方選挙に関連して、知事選挙や政令指定都市の首長選挙では相乗りをしないという方針を決めたそうですが、例えば前回相乗りした現職が次回選挙に出る場合はどういうふうに対応されるのか、あるいは全く無所属でどの政党の支持や推薦を受けてないような首長が出られる場合は対立候補を出すのか、お考えをお聞かせください。

【代表】別に法律を決めたわけではありませんので、相乗りをしないという決め方をしたわけでもない。相乗りはできるだけ避けて、少なくとも知事や政令市の市長については、我が党の独自候補を擁立してたたかうという姿勢で、今後、選挙に臨んでいこうということです。

■長野県知事選への対応について

【記者】具体的に迫ってきた長野県知事選への対応についてですが、県連は現職の田中知事に対して、反田中という立場と聞いておりますが、民主党としての対応についてお聞かせください。

【代表】まずは県連ですね、県連は何と言っているか聞いていますか。

【記者】取材では田中知事に対立候補を立てたいという意向が強いようです。

【代表】県連が民主党ということで対立候補を立てるということになるとまた別ですが、対立候補を立てるにしても立てないにしても、できる限り自民党との相乗りという形は、長野県であれどこであれ避けてもらいたいということです。民主党の基盤をきちんと作っていくには、そうでないと強くならない。人の尻馬に乗るのではなく、自分自身でしっかりと県民、主権者に訴えていくという積極的な姿勢がなければ、選挙は勝てないと思います。

■次期参議院選挙の女性候補擁立について/小沢代表に関する週刊誌の記事について

【記者】昨日、女性議員ネットワーク会議で、参議院の女性候補が結構増えるとの考えを示されましたが、それを担保するような一定の枠や方針を決めて臨まれていくのでしょうか。また月曜日に発売された週刊誌の中で、政治資金管理団体が資産として届出しているマンションについて、隠し資産というような指摘がありますが、それについてのご感想と、それについて反論や対応を検討されているならばお聞かせ下さい。

【代表】女性候補をできるだけ擁立したいというのは、何も法律事項で決めることではありませんので、今日の日本社会の状況の中で、より女性に政治の場にも進出してもらいたいということは、多くの人が希望していることでもあります。現実にいま各地方を行脚し始めていますが、女性候補が多分、皆さんの耳に徐々に結構届いていくようになるだろうと思っています。

 週刊誌の件につきましては、これはすべて政治資金規正法に基づいて総務省に届け出て、しかも全て政治活動に使っているものですから、その意味においてそうでないかの如く、私個人の蓄財とイメージさせるような報道の仕方は遺憾でありまして、私個人としても、また代表という立場もあるので党という意味においても、きちんと法的手段を講じたいと思っています。

■候補者公募を行う狙い

【記者】新聞で候補者公募の広告を出しましたが、候補者公募について、どのような狙いを期待しているのでしょうか。

【代表】実は民主党は合併する前から公募の形を行っていましたが、また私どもも自由党の時にもしていましたが、私が念頭に置いているのは、イギリスの、議会政治というと私は「イギリスを見習え」とよく言うのですが、保守党、労働党も今はやっているのかもしれませんが、候補者の予備軍を常にストックとして持っているのです。以前、私がイギリスに行って聞いた時には、保守党で800人くらいいると話していました。常に補欠選挙であれ総選挙であれ、その中から何人か選んで各支部に推薦して、そして各支部の党員でもってその中から良い候補者を選ぶというように、常に人材をストックして持っている。私は民主党もそのようにしたらよいのではないかと思っています。ですから、今すぐ直接の候補者をどうこうという話だけではなく、そういう意味でのより幅広い人材を常に準備していく。その意味で、ぜひとも大勢の有意の人材が応募しくれることを期待しています。

■共謀罪について

【記者】昨日、渡部国対委員長が岡山市内の講演で、共謀罪を新設する組織犯罪処罰法改正案について、おそらく廃案になるだろうという見通しを示していましたが、代表の現時点での見通しについてお伺いします。

【代表】国会のことですから、国対委員長が通常一番よく知っているので、国対委員長の見通しが当たるはずですが、それは私は現場におりませんので良く分かりません。よくよく国対委員長に「本当か」とお尋ねください。

■田中康夫長野県知事について

【記者】先ほどの質問にもありましたが、長野県知事選について、田中康夫知事はかつて民主党の『次の内閣』の閣僚にも挙がったこともありますが、小沢代表としては個人的に田中康夫知事、あるいは長野県に対してどのような認識をお持ちでしょうか。

【代表】個人的には質問にあったようによく知っていますし、その意味では他の知事さんに比べれば親しい関係にあることは間違いありません。ただ、私はいつも申し上げていますが、政治の判断は情を交えてはいけません。あくまでも筋道を通して、政治として政党として判断をする。それに尽きます。

■日米ガイドラインに関する「周辺事態」について

【記者】以前、代表は日米ガイドラインについて「周辺」という表現がありました。代表はこの「周辺」という言い方の中には台湾海峡を含めているというご発言がありましたが、代表に就任されまして、「周辺」についてのご認識にお変わりありませんか?

【代表】あなたも事実関係を勉強してもらいたいのですが、あの時自由党として、自民党と、多分アメリカの意向もそうだったのでしょうが、周辺事態についてはお互いに共同作業という、それだけの文言だったんですよ、当初のガイドライン法案というのは。それについて、それではあまりにも周辺事態と言っても様々なことがあるのだから、何か起きたらアメリカと常に共同作戦ということになるのかと。それは日本国憲法の理念からしてもよろしくないということで、その周辺事態が我が国の安全を脅かすことに関わること、条文としては、その周辺事態を放置すると我が国の安全に関わるような事態の場合には、それはいわゆる「周辺事態」であると修正を、これは政府や外務省は非常に反対したのですが、「駄目だと」言って修正させました。ですから法律を見ていただければ、そのように「放置しておけば、我が国の安全に」ということが入っていると思いますので、それは事実として確認してください。

 また、これは中国に行った時に、実は話に出たのです。それで、それは当たり前だろうと。中国についても、朝鮮動乱の時に米軍は満州にまで入ってないよと。しかし周辺事態であなたたち(中国)の安全が脅かされるのではないかということで、朝鮮戦争に介入した。それは人民解放軍が介入したのだよと言ったら、黙っていましたが。そういう、放置すれば我が国の安全が脅かされるというような周辺事態の場合は、我々が共同して作業することが許されるということですから、台湾であれ、台湾に向けて鉄砲撃っても沖縄の方に飛んできたのでは困るでしょう。だからその時は完全にそれは攻撃だよと。そしたら「それはその通りで、沖縄には絶対いかなようにします」と言っていましたがね。それはそういうことです。

【記者】いつのことですか。

【代表】私が中国を訪問した時のことです。新進党の時もそうだし、その後、長城計画で行った時も。どなただったかな、会ったときに、そんな議論をしました。朝鮮動乱のことも。あれは国民党じゃないぞ、君らの中国人民解放軍だったぞと。中国はまだ領土が侵犯されてないのに、君らは介入したと。

編集/民主党役員室


2006年5月23日(火) 戻るホーム民主党文書目次記者会見目次