2006年5月17日(水) 戻るホーム民主党文書目次記者会見目次

小沢一郎代表 定例記者会見要旨

○党首討論について
医療制度改革法案の与党による強行採決について
韓国民団と朝鮮総連との和解声明について
教育基本法改正政府案について
党首討論の活用について

<質疑応答>

■党首討論について

【記者】初の党首討論を終えて、小泉総理の答弁を聞いて、あのような、まっすぐには答えないで逃げるような答え方は、ある程度想定の範囲内だったかと思いますが、率直な感想をお聞かせください。

【代表】党首討論でも言いましたが、よく分からなかったのではないかな、多分。私の質問の意味もそうですし、また与党で提出している教育基本法改正案という鳴り物入りの法案についても、よくご存じなかったのではないですか。

【記者】今日の党首討論ですが、代表は言葉遣いを含めて丁寧にされていたと思いますが、小泉総理に対しても低姿勢であったとお見受けしますが、心がけていたことがあればお聞かせください。

【代表】総理にだけではないですよ、諸君にも丁寧にしているよ(笑)。以前に比べたら、ものすごく丁寧になって、もう少し丁寧にしろとも言われていますが、別に総理だからというのではありません。

【記者】今日の党首討論、民主党代表として初めて対決したわけですが、その中で教育を最初のテーマに選んだ理由と、教育について小泉総理とどの程度議論が深められたか、お伺いします。

【代表】私は国としての様々な課題、問題がたくさんあると思いますが、党首討論の場でも話したとおり、日本人の、あるいは日本社会のすさんだこの状況を一番危惧していると。だから、教育基本法の問題も、いま大きなテーマになりつつあるので、私の思いと現状とがたまたま重なっているので、それを先に取り上げました。次は、また別のことを行うことになると思います。

 どのくらい議論が深まったかについては、見ている皆さんが一番よく分かるのではないですか。深まったのかどうかは、見ている人たちが判断することです。私は先ほど申し上げたように、よくご存じなかったのではないかと思ったということです。

【記者】きょう党首討論で予定されていた外交問題について、今日は取り上げなかった理由と、今後取り上げるかどうか、お伺いします。

【代表】時間になってしまいましたから。2〜3時間あればもっと行いましたが、私は早口で話せないもので、時間がちょっとかかってしまうのですけど、ですから、また来週でも、いつでも、向こうさえよければ、いくらでもテーマはありますから。

【記者】時間の制約はあったのですが、教育、外交、その他に今日もし時間が収まれば、他に。

【代表】それはとても30分〜40分くらいではいくつもできません。ただそういう様々なことが問題としてはあるなと考えていただけで、先ほども言ったように、自分の日本社会の現状に対する思いと、たまたま終盤国会で教育基本法という問題が重なったから、このことをテーマにしたということです。

■医療制度改革法案の与党による強行採決について

【記者】医療制度改革法案について、党首討論の冒頭でも話していましたが、議論が尽くされていないのに強行採決したと批判していましたが、改めて今日、強行採決した与党側の姿勢について、どのようにお考えでしょうか。

【代表】先ほどの党首討論でも言った通りです。「何でこんな・・・と言っては何ですが」と申し上げましたが、強行採決をしなければならないのか、小泉執行部の判断は解しかねます。

■韓国民団と朝鮮総連との和解声明について

【記者】今日午前中に、韓国民団と朝鮮総連が和解声明を発表しましたが、その受け止めをお伺いします。

【代表】特別ありません。同じ民族の血をひく人たちが、中身は分からないので論評しようがありませんが、仲良くしていこうということは、そのこと自体はいいことではないですか。

■教育基本法改正政府案について

【記者】教育基本法改正案の政府案について、これが成立した場合、日本にとって将来的にどのような恐れが生じるとお考えでしょうか。

【代表】それが通ったからおかしくなるということも若干ありますが、それよりも先ほど申し上げたように、基本的な理念とか制度とか、そういうものに対して、全く気が付いていないのでしょう。役所や役人がそうだからでしょう。役所は基本的な問題や制度論について触れたくないのです。ということは、自民党もそうだということ。だから、現状のままで首を傾げて泥沼へ、という形になりかねない。その中で、形式的な権力サイドからの秩序論や愛国論といった類いが行われる危険性は少しあるということ。そしてそれが、外交問題が主でしょうけれども、偏狭なナショナリズムと何かの拍子に結びつくというのが、日本にとっては最悪のシナリオです。その前に民主党が政権をとらなければなりません。

【記者】教育基本法と憲法はワンセットとして考えるべきだという人も多くいて、これが改正されたら、憲法も自民党案通りになってしまうのではないかという声がありますが。

【代表】別にそれとイコールではないです。教育基本法改正の自民党案は何も変えていません。字面をいじっているだけで、基本のことには一切ノータッチなのです。だから小泉総理もさっぱり分からなかったでしょう。私が何度質問しても、何なのだろう、といった顔をしていたでしょう。だから、自民党や役所は、そうした根本にメスを入れる感覚が最初からないですよ。

■党首討論の活用について

【記者】党首討論について、そもそも党首討論は自民・自由連立合意の下に導入されたと理解していますが、代表にとって、野党第1党が党首討論を利用して、どのようなことができるとお考えなのか、またそれが機能しているか、お聞かせください。

【代表】たまに忘れかけた頃に行うよりも、本当はもう少し回数を行った方がいいですね。イギリスでは毎週やっています。その代わり、もう少し野党が考えなければならないのは、仮に党首討論を毎週行うとしたら、そんなにあちこちの委員会に総理を引っ張りまわしてはいけないですね。だから、そういうことも野党も考えなければなりませんが、それ以上に政権を持っている、しかもその一番偉い人が、基本的な勉強をもう少ししていただければいいのではないかと思います。ただ我々としては、そのことをメディアを通して、勉強しているのかしていないのか、あるいは考えているのかいないのか、どういう意図なのかをはっきりさせることができますから、大変、手前みそになるかもしれませんが、いい仕組みだと思っています。これで本当にもう1つ、政府委員(政府参考人)がいなくなって政治家だけになったら、本当に面白くなる。変な問答もあるだろうけれども、それだけに面白くなると思います。

編集/民主党役員室


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