2006年4月18日(火) 戻るホーム民主党文書目次記者会見目次

小沢一郎代表 定例記者会見要旨

○細川連立政権での反省点について
創価学会への挨拶の報道について
小沢代表に対する小泉総理の警戒感/非自民勢力との連携について
農政について
靖国神社問題について
教育基本法改正案について/政策立案の優先順位について
千葉7区補欠選挙について
著書「日本改造計画」の復刻

【役員室長】ただいまより小沢代表の定例記者会見を始めたいと思います。早速ではございますが、皆さんからのご質問をいただく形で会見を進めたいと思いますので、ご質問のある方は挙手をお願いします。

■細川連立政権での反省点について

【記者】4月8日から9日に、産経新聞社とFNNの世論調査で、小沢代表の民主党の政権担当能力について、45%の人が期待できると答え、期待感が高まっていますが、代表は最近、細川政権の崩壊・反省を込め、本当の政権交代を行うという趣旨を千葉7区の補選等で話していましたが、細川政権のどの点が一番の反省点だったと思われるのか。また今後どのように活かしていくお考えか、お聞かせください。

【代表】細川連立政権というのは、私ども同志と一緒に自民党を離党して、各会派、党派、グループと選挙後一緒になって政権をつくったという政権形成と構成の状況からいうと、本格的な与党、野党、二大政党と言ってもいいけれども、必ずしも2つの必要もないですが、そういう対決の中でのいわゆる議会制民主主義のオーソドックスな形での政権の交代ということではなかったと。それは日本の長年の自民党政権という中での1つの政権交代と議会制民主主義への挑戦であり、1つのスタートだったと思いますけれども、今度は民主党という立派な野党があって、総選挙、参議院選挙も含めて、国政選挙で政権が交代するという形になると、まさに成熟した民主主義国家で見られるような、本来の本格的な政権交代になるだろうということであり、また自分の仕事として、そういう議会制民主主義の日本での定着、本格的な政権交代が図れる民主主義を根付かせたいと。その意味で、最初の挑戦が細川政権のスタートだったけれども、今度、民主党として本格的な政権交代を実現したいということが、あの時との大きな違いです。

 あの時はまだ最初の時だったので、後に社会党が自民党と連立して自社政権になって、結局自民党へまた政権が戻る形になりましたが、その経過を踏まえながら、次の参議院選挙、総選挙へ向けて、民主党が政権交代を目指すと申し上げておきます。

■創価学会への挨拶の報道について

【記者】小沢代表は代表就任後、各団体や企業などを回られましたが、その中で創価学会のへ行って会長に会ったとの報道がありましたが、内容についてどのような話をされたのか、お伺いします。

【代表】創価学会の秋谷会長とは会っていません。

【記者】秋谷会長以外の方で、関係者と会って挨拶されたということはありますか。

【代表】会っていません。一部報道があったようですが、私はお会いしていません。

■小沢代表に対する小泉総理の警戒感/非自民勢力との連携について

【記者】最初の質問の関連ですが、小泉総理が自民党との連立を仕掛けてくるのではないか、自民党内に手を出してくるのではないかという警戒感を示しています。それに加えて非自民、反自民との連携について、代表はどのようなお考えを持っているか、改めてお伺いします。つまり、小沢代表は常日頃、まずは参院選で過半数を取ると主張していますが、非自民、反自民、選挙以外での連携について、お考えをお聞かせください。

【代表】前半の質問の、小泉総理が何か言ったということについて言えば、自民党は、政権を欲しい、維持したいという人の集まりで、それが唯一の求心力ですから、政権与党にある限りは、自民党は多分割れることはないと思いますので、私はそういう意味で、小泉総理がもしそうおっしゃったというのなら、そんな無駄な努力はしないとお伝えください。

 それから非自民、非自公、反自公。これは政権交代するという大目標で、民主党で単独過半数が取れれば、それは一番それに越したことはありませんが、そうでない場合には、反自公、非自公という人たちと力を合わせることは当たり前の話で、別に隠し立てする話でもないということです。

■農政について

【記者】WTO交渉が大詰めを迎えていますが、農業者の中には農産物の関税の大幅な引き下げなどに不安の声もありますが、交渉に対する基本的な考え方を教えてください。

【代表】いまのWTO交渉がどうなっているのか、詳しくは知りません。ただし私は、農産物については基本的に全面自由化論者です。それと国内で1つは食料を自給すること、食料政策に携わる人が安心して生産に励めるシステムをきちんとつくることとは全然別問題。私は自由貿易によってもたらされる日本の利益はものすごく大きいと思いますが、一方で、食料は自給しないといけない。それは他の産業に就いている国民を含めて、国家として行わなければならない。

 それは(食料自給率が)いま40%だから50%、60%に、といったような話をしていては駄目。100%自給しないといけない。先進国は、みんなそうです。イギリスは90%に近い。ドイツは東ドイツと合併して100%近い97〜8%。フランスは120%くらいで、アメリカは130%以上あるかもしれない。先進諸国も歴史を辿ると、一時は特にイギリスは産業革命で工業国家として儲けて、農産物などは植民地から安いものを得ればいいという論理で、食料生産がかなり落ちた経過はあるが、それによってイギリス社会は少しおかしくなったのです、論理的には解明されていませんけれども。そういう工業化、産業化の中での経験もあったのだと思いますが、イギリスは90%近くになった。先進国でもみんなそうです。だから日本が60%というような目標では駄目で、やはり100%自給するくらいの目標で、できると私は思います。

 私の考えは、後でゆっくり話す機会があればしますが、基本的に全部自由化と、基幹農産物あるいは水産物も含まれるかもしれませんが、あるいは林業を含めて農林水産1次産業は、もちろん限度数量は決めなければなりませんが、それぞれの基幹農産物について不足払いの制度を全面的に導入すべきという考えです。いまの農林水産省のいう通りに進めていったら、本当にどうしようもなくなります。農家は皆倒れてしまう。その意味で、私は全面自由化だが、きちんと生産者が安定して生産に従事できるシステムをきちんと入れればいい。「直接払い」という表現を我が党の案でもしていますが、農水省と同じ表現を私は使わないほうがいいと担当に言っています。なぜならば、中身の哲学が違うから。農水省は大規模経営でやっていく人たちに対して補助を与えようと。民主党は全部にということだから違うということですが、そうすると哲学の違いが出てこない。民主党は広範囲であるのに対し、農水省は特定のものだと。そのお金を出す範囲が違うだけだと思われてしまう。だから私は、なぜ役人と同じ言葉を使うのかと担当者にも話したが、私たちの考えは、そもそも哲学が違う。大規模経営といって農水省が進めているものは、本当に農家そのものの切捨て、弱小農家の切捨てになってしまうし、地域社会が持たない。

 農村の話になると長くなってしまいますが、自分自身も田んぼをつくっているから良く分かりますが、きちんとした体制が必要で、お金がかかるといいますが、大してかかりません。農林水産省の予算は全部で13兆円。日本のような豊かなレベルのところでは、日本のような高品質の産物は結構競争力がある。貧しいところは別だが、豊かになると、良い物志向が強くなる。例えば記者の皆さんは拠出米の値段ではお米は食べないでしょう。みんな3000円や4000円の米を食べるでしょう。牛肉も米国産やオーストラリアの肉と国内産の牛肉とは歴然としているが、それでも消費者に消費されている。果物でも最近はそうなってきている。りんごなどはもっと改良して輸出しろとも私は言っているのだけれども。最初はオレンジでも農協は非常に騒いでいた。私もかつて「農民の敵だ」などと記者の皆さんに書かれましたが、大したことはない、ちゃんとシステムをつくりさえすれば。

【記者】代表は代表選の時、国が変わるには自分も変わらなければならないと話していましたが、代表就任して10日余り経ち、代表自身が一番変わった部分についてお考えをお聞かせください。

【代表】自分のことだから、変わったとか何とかというものではないが、自分の欠点をできるだけ自分の理性によって補っていくようにしなければならない。それが「変わらなければならない」ということです。あとは本当に変わったかどうかは皆さんが判断する話で、だからできるだけ質問にも丁寧に答えなきゃならないなと。

■靖国神社問題について

【記者】靖国神社問題についてお伺いします。代表は靖国神社へのA級戦犯合祀が問題だという認識を示されていますが。

【代表】A級戦犯ではないけどね。(A級戦犯)と言われている人たち。

【記者】その合祀問題の解決策として、靖国神社の霊璽(れいじ)簿から名前を削除するという方向をお考えになっているのか、それで削除することで新たには祀らない、だから分祀ではない、というお考えと理解してよろしいでしょうか。

【代表】その具体的な手法は私も分からない、靖国神社に聞いたわけではないですから。祀るというのはどのようになっているのか、名札を書いて本殿に入れるのか、どうなっているのか分からないが、私が言ったのは、戦犯と呼ばれている人、その戦争の犯罪人だということ自体を極東軍事裁判そのものが全面的に正義で正しいと思っているわけではありませんし、戦犯というネーミングや決めつけを、私は全面的に受け入れるということではない。ただ戦争に対する責任が非常に大きいという意味では、戦争指導の責任者であり、だから俗に戦犯と言われている。そういう人たちは戦死したのではない。靖国神社というのは戦死した人を祀る、あるいは少なくとも戦場で傷ついて亡くなったとか、大きく言えば戦地で亡くなった方を祀るところであり、そもそもそれ以外の方を祀るところではない。だからその意味で、昭和53年以降、いっしょに祀られていますが、それは本来の靖国神社の考えでは筋違いだと。だから本来のその前の、天皇陛下にも参拝していただけるような、本来の靖国神社の姿に帰すべきである、間違いを正すべきであると考えているということです。具体的には政権とったらやりますから。靖国神社に今から別に聞いているわけではないので、どういう方向でどうするのかは分かりませんが、もし政権をとったときには、天皇陛下にもご参拝いただけるように、そういう本来の靖国神社の姿にしたいと思っています。

■教育基本法改正案について/政策立案の優先順位について

【記者】教育基本法改正案について与党が提出を検討していますが、民主党としてはどのような形で意見集約を図られるのか。また政策全般について、基本政策の確立も絡めて、今後どのような優先順位で政策課題に取り組むのか、お考えがあればお聞かせください。

【代表】教育問題については、鳩山幹事長を長として、教育基本問題調査会が設置されており、その中でワーキンググループがかなり内容を詰めてきたと報告を受けています。ただ党として最終的に中身も形も決まったものではないので、今回、政府・与党が提出するのか分かりませんが、提出された場合、それと合わせてまとめきれればそれでいいですが、拙速をする必要はないだろうと。我が党の考え方をきちんとまとめた上で対応すればいいのではないかと思っています。調査会も、正式には手続を経てからですが、まとめの体制をつくっていこうということで、今日の役員会でも話がありました。いずれにしても現在の政府案は伝えられるところでは、いろいろと問題があると。我々の考えをまずまとめることが先、というふうにしたいと思います。

 その他の基本政策についても、まだ若干曖昧さを残している問題がいくつもあるので、その点についてはできるだけみんなで議論して、私自身も機会を見つけて考え方を述べながら皆で議論し、基本政策についてきちんとした我々の明快な結論を得たいと思っています。参議院の候補者の擁立も、私の任期は9月までですが、9月以降になってからゆっくり検討するのでは間に合いませんから、少なくとも夏場くらいまでには候補者を決めなければならないだろうし、候補者が決まれば基本政策を国民にどのようにアピールしていくかも次の問題になりますから、その意味で事情や時期を勘案して、できるだけ基本政策の明快な結論を得たいと思っています。

■千葉7区補欠選挙について

【記者】今度の千葉7区補選ですが、代表就任して初めての国政選挙ですが、改めてどのように据えているか、お聞かせください。

【代表】街頭でも申し上げましたが、千葉7区は既に比例で内山晃議員がいます。自民党の選挙違反の辞任を受けて1議席を争うということですから、そのこと自体は勝っても負けても大きなことではないとは思います。ただ我が党が今までの様々な問題の経過を踏まえ、そして不肖、私が代表に選ばれ、そして直面する補選ですから、国政選挙は国民の意思表示でもあり、国民の皆さんの支持を得ることは、今後の我々民主党の再生にも、また評価に大きく影響を及ぼすだろうと思いますし、それがひいては今後の選挙戦その他政治状況にも影響があるだろうと思いますので、何とかして1票でも皆で積み重ねて勝利を得たいものだと思っています。

■創価学会関係者との会談に関する発言について/二大政党化への国民からの印象

【記者】1点は、先ほど秋谷会長の会談はないと話されましたが、創価学会サイドでは会ったという説明をしていますが、その食い違いはどういうことなのかと、もう1点はこの間10日間代表を行って、小泉自民党の手応えをどのように考え、代表になって、自民党の9月の総裁選に向けての動きが小さく見えていますが、小泉自民党対小沢民主党というような対決で、数の上では違いがありますが、二大政党化という印象が進んでいるように見えますが、その点についてお伺いしたいと思います。

【代表】第1の問題は、そちらの取材での範囲の問題だと思いますので、私の答えは先ほど申し上げた通りです。

 それから、第2の問題については、前の質問で答えたように、民主党という、数では先の衆院選では大負けしてしまいましたが、自民党と対抗できる政党、そしていまこの補選でも4つに組んで頑張っているということが、世間の目にそういう二大政党的な姿として映っているのではないかと思います。また小泉総理をはじめ、自民党の偉い方々が折に触れて私の論評をしていただいているので、それがまた輪をかけているのではないかと思います。

■著書「日本改造計画」の復刻

【記者】先ほどの農政に関して、政府とは哲学が違うと話されましたが、代表は哲学や理念について、9月の代表選までにまとめると伺っていますが、現時点で13年前に書かれた「日本改造計画」を復刻されて出されるようなことはあるのでしょうか。

【代表】私自身が最初の「日本改造計画」について、復刻して出す出さないということは考えていたわけではありませんが、出版社の方でそうしようかと思っているという話があったので、そうしていただけるというのなら私は異論はないと申し上げています。いつ、どのような形で出版されるかについては分かりません。私自身は次なるもの(著書)の推敲を重ねているところですので、いまは自分としては時間があるときは、そちらのほうに時間を取られています。

編集/民主党役員室


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