民主党FaxNews No.382  2001年4月4日(水) 戻る目次

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[CONTENTS]
(1)民主党経済対策を発表〜不良債権問題の一気解決とセーフティネットの整備
(2)国の施策に翻弄された農家の経営再建を支援〜農業経営再建特別措置法案まとめる
(3)ハンセン病問題の解決を政治主導で〜超党派の国会議員懇談会を呼びかけ
(4)公選法所管の片山総務大臣が違反ポスター=参院倫選特で山下八洲夫議員が追及
(5)米原潜の無通報入港に厳重抗議〜高木義明議員が再発防止申し入れ
(6)田中甲議員を除籍処分に


民主党経済対策を発表
〜不良債権問題の一気解決とセーフティネットの整備

 民主党は3日のネクストキャビネットで、不良債権問題の抜本処理とセーフティ・ネットの構築を柱とした「民主党経済対策」を政府与党に先駆けて決め、岡田克也政調会長が発表した。

 党がまとめた経済対策は、まず冒頭で、「強い経済を再生し、日本経済がよみがえる道は、自民党を頂点とする政官業癒着構造を打破し、経済構造改革と財政構造改革を断行することしかない」として、国民の将来不安を取り除くためにも、財政構造改革に着手し、財政健全化への道筋を示すべきと強調。(1)強い経済の再生(2)セーフティネットの整備(3)不良債権の抜本処理(4)金融政策の適切な運営(5)生命保険会社の破たんに備えたセーフティネットの見直し(6)証券市場の信頼回復と活性化−−の6項目からなっている。

●強い経済の再生
 「強い経済の再生」に向け、新規事業やベンチャー企業の支援のために創業5年以内の中小ベンチャー企業に対する法人課税の免除を盛り込んだ。また、雇用創出効果の高い重点分野への規制緩和を戦略的に進め、先端研究分野への研究開発投資を積極的に支援する。産業基盤技術を強化するために、すべての大学にインキュベーション(起業家予備軍育成)施設を整備し、ハイテク技術を持つ中小企業への補助金制度を質量両面で拡充。

 取引慣行を見直して、中小企業向けの資金供給を円滑化させるとともに、中小企業向けの資本・債権市場を創設し、直接金融重視の構造に変える。

●セーフティネットの整備
 次に、構造改革と不良債権処理の過程では失業率が一時的に上昇する恐れがあるとし、雇用における安心の確保を目指した、「セーフティーネットの整備」を提唱した。

 まず雇用保険の財政安定化のため、2兆円規模の基金を一般財源から創設する。財源は交付国債などを視野に入れながら検討する。

 また、「職業能力開発支援制度」として、雇用保険の給付が終わった失業者と自営業廃業者を対象に、「再チャレンジ生活支援制度」と「再チャレンジ教育支援制度」のふたつを3年間の時限措置として創設。

 生活支援では、国が認める職業訓練制度の受講を要件に、最長2年間、雇用保険の失業給付基本手当の日額最低額と同額を給付する。

 教育支援では、国による職業訓練費用を原則国庫負担とし、専門学校や大学、大学院などを含む民間職業教育訓練機関が提供するものについて、国からの委託機関を大幅に増やし、費用のうち1人につき年間60万円程度までを国庫から負担。残りの費用についても融資制度を設けるなど、労働市場のニーズにあった幅広い職業訓練の拡充を図る。

 高金利時代に住宅ローンを借りた債務者への金利減免などの支援策を検討する。

●不良債権の抜本処理
 不良債権処理では、半年間で金融システム危機を解消し、遅くとも2年以内に抜本処理を完了させる。システミック・リスク(多数の金融機関が債務超過または過少資本に陥るなど我が国の金融機能に著しい障害が生じる恐れ)対策として、ただちに大手銀行などの緊急一斉検査を実施し、債務超過など経営の健全性が確保できない金融機関については破たん処理に移行する。システミック・リスクがあると認められる場合は、株主・経営者の責任の明確化や徹底した経営合理化を前提として、公的資金による資本注入も検討する。

 不良債権の直接償却は、ルールが明確な法的整理と不良債権の売却を基本とし、資本注入を受けた金融機関の安易な債権放棄は認めない。

 金融システムを株価変動リスクから守るため、一定の経過期間を経て、決済業務を行う金融機関の株式保有を原則禁止する措置をとる。

 政府が検討している公的資金による銀行保有株買い上げ機構設立については、多くの問題をはらんでおり、特に公的資金による損失補てんには明確に反対する。

 バブル崩壊後の金融行政を総括するため、国会に金融問題監視院(日本版ペコラ委員会)を設置する。

●金融政策の適切な運営
 独立性を保証されているはずの日本銀行に責任転嫁し、露骨に政治的圧力をかける政府・与党の姿勢は容認できない。日銀が早期に正常な金融政策に戻すよう、構造改革と不良債権の抜本処理を通じた経済再生を図る。

●生保の破たんに備えたセーフティネットの見直し
 経営基盤が弱体化している生命保険会社の破たんは国民生活に大きな影響を及ぼすため、破たんに備えたセーフティネットの見直しを検討する。

●証券市場の信頼回復と活性化
 市場に対する信頼を失わせる不公正取引に対する罰則を厳格化し、証券取引等監視委員会を金融庁から独立させて、日本版SEC(証券取引委員会)に改組し、監視体制を強化。個人投資家が安心して株式投資を行うことができる環境整備として、投資家保護を強化した金融サービス法をつくる。税制を歪めない範囲で、株式譲渡益課税など証券税制を見直す。

★全文は民主党ホームページで http://www.dpj.or.jp



国の施策に翻弄された農家の経営再建を支援
農業経営再建特別措置法案まとめる

 民主党は3日、ネクストキャビネット会議で、国の農業施策に従って農業経営の規模拡大に取り組んできた結果、環境の変化や政策変更などによって農業経営に係る負債の償還が困難になった専業農家を救済するための「農業経営再建特別措置法案」を了承。佐藤謙一郎環境農水ネクスト大臣と小平忠正同副大臣が記者発表した。

 この法案は、「専ら農業を営む者で、国の施策に沿って経営規模の拡大、農用地の改良等に取り組んできた結果として、農業経営に係る負債を償還することが困難な状況」になった農家のうち、所定の農業経営再建計画を作成し、都道府県知事の認定を受けた「認定特定農業者」が対象。これらの農業者に対して、農林漁業金融公庫等による資金貸し付け、土地改良事業にかかる負担の軽減、農地等の買入れ及び貸付け等の措置を行う。

 国の「猫の目農政」の犠牲者ともいえる、北海道に特に多い大規模専業農家を念頭においた法案で、経営の再建を10年の時限立法で支援する。



ハンセン病問題の解決を
政治主導で超党派の国会議員懇談会を呼びかけ

 民主党の江田五月参議院議員と川内博史衆議院議員が3月29日、国会内で記者会見し、「ハンセン病問題の最終解決を進める国会議員懇談会」の設立を呼びかけることを発表した。

 非科学的で非人道的な「らい予防法」(1953年制定・1996年廃止)による強制隔離政策により、筆舌に尽くしがたい人権侵害を受けてきたハンセン病患者の方々による国家賠償訴訟が現在、東京・岡山・熊本の3地方裁判所で審理されており、今年5月には熊本地裁で判決が出される。しかし、患者や元患者の方々の平均年齢は70歳を超えており、訴訟による解決では時間がかかりすぎることから、政治主導で問題を最終解決するために懇談会の設立を呼びかけた。

 代表世話人に江田議員が就いたほか、世話人には与野党各党の幹事長や前幹事長が名前を連ねている。4月5日に設立総会が開催される予定。



公選法所管の総務大臣が違反ポスター
<参院倫選特>山下八洲夫議員が追及

 公職選挙法を所管する総務大臣が自ら違反行為!。3月30日の参議院政治倫理・選挙特別委員会の質疑で、民主党・新緑風会の山下八洲夫参議院議員が、片山虎之助総務相が地元岡山県内に公選法違反になる個人ポスターを貼っていることを暴露し、大臣の責任を追及した。

 公職選挙法では国会議員の任期が切れる6ヶ月前からは選挙区内での個人ポスターは禁止され、複数の弁士が記載された政党演説会告知ポスターだけが掲示できることになっている。ところが7月に改選期を迎える参議院議員の片山大臣は選挙区の岡山県内で、掲示が禁止される今年1月22日以降も、個人の写真と名前だけのポスターを掲示し続けていることが民主党岡山県連の調べで明らかになった。片山大臣は3月になってから、「国政報告会を毎週土曜日、片山事務所で開催」とのシールをポスターに貼っていたが、ポスター自体はそのままだった。

 山下議員が「違法ではないか」と片山大臣に迫ったのに対し、大臣は「1月22日以降は撤去しろと言った。そんなけちなことはしない。至急調べて撤去させる」と強弁したものの、「広い岡山県内で多少の目こぼしはあるかもしれない」と言い逃れ。ところが、逆に山下議員から「問題のポスターは岡山市内の大臣の後援会事務所前にも貼ってあり、単に目こぼしでは許されない。大臣としてゆゆしきことだ」と迫られ、強気でならす片山大臣も答弁に窮し、憮然とした表情だった。



米原潜の無通報入港に厳重抗議
高木義明議員が再発防止申し入れ


 民主党は3日、米海軍の原子力潜水艦が日米両国間で取り決めた必要な通報を怠ったまま2日長崎県佐世保港に入港したことについて、「事前通報の形骸化につながりかねないものであり、極めて問題」とする伊藤英成外交安保ネクスト大臣名の談話を発表し、アメリカ政府に対して、厳重に抗議する姿勢を表明した。

 また、長崎県選出の高木義明衆議院議員が3日夕、外務省を訪ね、北米局の河相参事官に対し、「地元は衝撃を受けている、米軍は緊張感を欠いているのではないか。原潜の入港禁止の声もある。現地は漁船も多く原潜事故はひとごとではない」と述べ、アメリカ側に厳重に抗議するよう申し入れた。河相参事官は、「通告無しの入港は遺憾であり、昨日、米側に抗議するとともに事実関係を調査して報告を求めた」として、米側から「潜水艦部隊は、在日海軍司令部部(横須賀)に入港を報告したが、司令部は潜水艦の通報を港外の停泊と勘違いし、参考情報として受け取り、外務省に通報しなかった」との説明があったことを明らかにした。高木議員は「えひめ丸と結び付けないが、64年以来初の事。綱紀の乱れがあるのではないか。また、アメリカは日本を軽く見ているのではないか」と指摘、再発防止を重ねて求めた。



田中甲議員を除籍処分に

 民主党は3日の常任幹事会で、党倫理委員会(委員長=藁科満治参議院議員)の答申を受けて田中甲衆議院議員を除籍処分とすることを決め、同日、衆議院に同議員の会派離脱届を提出した。これにより、民主党・無所属クラブの所属議員は128名となった。

 倫理委員会では、常任幹事会の諮問を受け、3月28日に委員会を開催。同日夜に藁科委員長が電話で田中議員から直接事情聴取を行った。また党千葉県連からも事情を聴いた。

 その結果、「田中甲氏を除籍処分とすることが妥当である」との結論を得た。

 理由としては、(1)民主党が参議院選挙の前哨戦と位置づけて取り組んできた千葉県知事選挙の投票日直前という、もっとも重要な時期での田中氏の言動は、民主党陣営の足元の乱れを有権者とマスコミに露呈させたばかりか、結果的に他候補陣営を大いに利する行為になったと考えられ、その責任は極めて重大である(2)民主党常任幹事の一人であったにもかかわらず、田中甲氏は、今回の問題をめぐって、常任幹事会の場では全く発言がないまま、重要な選挙戦の最中に党の姿勢と運営を批判する形で、一方的に意見表明を行った。その言動は、党執行部の一員としての責務を放棄したものであり、その責任は極めて大きいと言わざるを得ない――の2つをあげ、これらの行為は「民主党倫理規則」第2条(倫理規範)の三号「選挙または議会において他党を利する行為等、党の結束を乱す行為」に明らかに該当するものであり、「除籍処分」に値するものと判断した。


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