民主党FaxNews No.377 2001年3月14日(水) 戻る3月目次

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[CONTENTS]
(1)参議院野党5会派提出の森首相問責決議案、自公保が否決
(2)野党の30人学級法案が衆院で審議入り
  山元勉議員が趣旨説明・牧義夫議員が質問

先週の参議院予算委員会から
(3)厳しすぎる政府NPO税制を追及=江田五月議員 (3/8)
(4)経済状況で財務相と日銀総裁に温度差=内藤正光議員(3/8)
(5)公的金融機関のあり方を議論=桜井充議員(3/9)
(6)数値目標なき経済計画を批判=木俣佳丈議員(3/9)

(7)NPOの自立を支援する民主党案〜NPO委員会が大阪でフォーラム開催
(8)森首相の居座りは究極の政治空白〜菅幹事長が会見で批判
(9)自公保政権に国民の審判を!〜都内で連続街頭演説会スタート
(10)女性の元気で日本を変え隊!=第1次キャラバンが8日からスタート


指導力なし・緊張感なし・責任感なし
「最低・最悪」森内閣は即刻辞任を!
参議院野党5会派提出の森首相問責決議案、自公保が否決

 参議院の民主党・新緑風会が他の野党4会派と共同で13日に提出した、森首相に対する問責決議案が14日午前の参議院本会議で上程されたが、自公保与党などの反対多数で否決された。

 冒頭、民主党・新緑風会の直嶋正行参議院国会対策委員長が決議案の提案理由説明に立ち、まず「国権の最高機関で議決されたことが、それを議決した議員によって無視されるという状況は、甚だしい国会軽視で、議会制民主主義の否定」と自公保与党の表裏のある姿勢を批判。総裁選前倒しという事実上の退陣表明をしながら、辞意表明ではないと強弁する森首相に対して「死に体総理の下で予算審議を続けることはできない。日米、日露首脳会談はかえって国益を損ねる」と、即刻辞任するよう迫った。

 直嶋議員は、森内閣を「指導力なし・緊張感なし・責任感なしの“最低・最悪内閣”」と断じ、「KSD疑惑は自民党全体を覆う構造的な問題」「国民生活を破たんさせる経済政策」「機密費疑惑解明の消極姿勢」「えひめ丸事故への対応」などの“最低、最悪ぶり”を列挙。「森政権が続けば続くほど国益が損なわれる」と強調した。

 さらに、公明党・保守党に対して「いずれも反自民を掲げて当選された方ばかり。連立政権ができてからの行動は国民に対する裏切り行為の繰り返しだ。今こそ言葉と行動を一致させるべき」と、立場を乗り越えて決議案に賛成するよう求めて趣旨説明を終えた。

 各会派の討論に移り、民主党・新緑風会から岡崎トミ子議員が賛成討論に立った。岡崎議員は、日米、日露首脳会談を首相退陣の花道とするのと動きについて、「すぐ辞めることが決まっている首相が内輪の論理で首脳会談に出席するとはとんでもない非常識、国の利益を犠牲にする愚」と厳しく批判した。

 また、森政権下で起きた数々の事件や問題をあげ、「あなたがこの事態を深刻に受け止め、リーダーシップを発揮して立ち向かっている姿は全く見えてこない」と森首相の無策ぶりを指摘した。

 岡崎議員は、森首相が政策として掲げた「教育改革」についても、「様々なスキャンダルを引き起こし、真相究明から逃げているあなたが、どんなに立派なことを言っても、子どもたちは絶対にあなたの話を聞かないだろう」「あなたには教育をする、教育改革を語る資格はない」と断言。「あなたにできる唯一の教育は、静かにこの壇上から立ち去ること」と勧めた。

 各会派の討論を終え、記名採決が行われた結果、賛成105票、反対138票で、問責決議案は自公保与党などの反対で否決された。

 否決を受けて、民主、自由、共産、社民の野党4党は、国会対策委員長会談と幹事長・書記局長会談を相次いで開き、当面は審議拒否などは行わず、引き続き4党が足並みをそろえて森首相の即時退陣を求めていくことなどを確認した。



野党の30人学級法案が衆院で審議入り
「喜びのある学校生活に不可欠」
山元勉議員が趣旨説明・牧義夫議員が質問

 8日の衆議院本会議で、都道府県教育委員会の判断で小、中学校に習熟度学級を導入できるなどとした政府の「義務教育定数法改正案」と、民主党が共産、社民両党と共同提出した、公立小、中、高校の学級定員を30人に引き下げる対案について、趣旨説明と代表質問が行われた。

 民主党など野党案は、「公立義務教育諸学校の学級編成の標準に関する改善」として、(1)1学級の児童・生徒数を40人から30人に引き下げること(2)各都道府県教育委員会は標準により定めた数を下回る数を学級定員として定めることができる(3)複数指導、多様な選択教科等にかかる加配、通常の学級に障害を持つ児童、生徒が在籍する場合の加配など、教員の配置基準の改善、などの改正を求めている。

 政府案の趣旨説明を行った町村文部科学相に続いて、民主党の山元勉衆議院議員が登壇し、野党案の趣旨説明を行った。山元議員は、「学校が教育効果を高め、子どもたちが学校生活を通して喜びや楽しさを実感するには、教職員と子どもたちとの全人格的な触れあい、きめ細かな生活指導、生徒指導、丁寧でわかりやすい授業などが不可欠。そのためには現行の40人学級を見直し、その規模の縮小を図ることが先決であり、あわせて教員の専門的力量を高めるための人的確保とその適正配置が喫緊の課題だ」と説明。政府案に対しては、「40人という大規模学級をそのままに、特定教科だけは学級の子どもたちを分割して授業を行うという小手先の改善は、子どもたちと学校を混乱に陥れるだけ」と批判した。

 代表質問では、民主党・無所属クラブから牧義夫議員が初めての本会議質問に立った。牧議員は、まず町村文部科学相に対し、教育改革が進まなかった理由を単に「社会全体の意識の問題」と片づけるのは無責任だと追及。さらに、「教育現場の荒廃をくい止めるためには思い切った財政措置も必要」として、学級編成基準の引き下げを進めるよう主張した。

 また、牧議員は、地方の財政負担による少人数学級を進めた場合に、地域間格差が生じる危険性を指摘し、見解を質した。

 牧議員は、「国と地方の深刻な財政状況の中で少人数学級を実現することは容易ではない」とした上で、将来世代への責任を考え、20年先、30年先を見据えた議論をするべきと求めて、質問を終えた。



先週の参議院予算委員会から
厳しすぎる政府NPO税制を追及
■江田五月議員 (3/8)

 参議院予算委員会で8日、民主党・新緑風会の江田五月議員、内藤正光議員が発言に立ち、閣僚を追及した。

 江田議員は、まず、21世紀は人権の世紀、NPOの世紀だとして、新たに導入されるNPO税制について質問。政府が定めている制度の適用要件が厳しすぎるという声があることについて質した。麻生経済財政政策担当相は、「まだ申請を受け付けていない段階では何とも言えない」としたが、江田議員はさらに、「要件をクリアできるのは1%くらいという予想もある。そうした事態になれば、制度設計が違うことになる」と追及。宮沢財務相は「極端に厳しいモノサシになっているとなれば、見直すことになる」と言明した。

 KSD問題をめぐっては、公益法人改革の趣旨にも照らしながら、「これだけの問題を起こしたKSDに対して、なぜ財団法人の認可を取り消さないのか」と迫った。坂口厚生労働相は、「一から出直しということで、今後の努力を注意深く見守りたい」と歯切れの悪い答弁に終始した。



経済状況で財務相と日銀総裁に温度差
■内藤正光議員(3/8)

 関連質問に立った内藤議員は、政府の経済政策について質問。まず、消費者物価が下落を続けているなかでの経済状況認識を質した。宮沢財相は「デフレという呼び方は好きでない」などとし、景気は依然ゆるやかな回復過程にあるという認識に固執したが、速水日銀総裁は「景気回復のテンポは一段と鈍化している」と危機意識を露わにし、物価政策も入念に検討したいと述べた。

 さらに内藤議員は、ゼロ金利、量的緩和といった政策によっても効果がでないのは、体全体(民間)に血液(資金)を送ろうとしても血管(銀行)がつまってしまっているからではないか、として、不良債権処理の遅れを問題にした。これに対して、速水日銀総裁は、「そのとおり」と述べ、「財政、金融政策はやってきたが、それを需要拡大につなげるには、構造改革に向けた政府の総合的な対策が不可欠だ」という考えを明らかにした。



公的金融機関のあり方を議論
■桜井充議員(3/9)

 9日の参議院予算委員会で、民主党・新緑風会から桜井充議員が質問に立った。

 桜井議員は、まず公的金融機関のあり方について「公的金融機関の貸出し残高は対GDP比で34%。イギリスが1%、ドイツとアメリカが4%台であることから考えれば、かなり多い」として、これが民間を圧迫していると柳澤金融担当相に質した。柳澤大臣は「諸外国に比べて確かに高いが、それが即、民間金融への圧迫と解すべきかは疑問だ」とした。しかし、将来展望としては民間企業がリスクを負担しつつ、金融仲介機能を果たしてほしいと述べた。

 桜井議員は中でも住宅金融公庫が一番貸出残高が多いとして、住宅ローンの債券はリスクウェート50%という点からも、民間金融機関も意欲を示す対象であると分析。住宅ローン債券の整理・縮小のためにも、民間への移行も考え得るのではないかと主張した。

 また、機密費問題について、松尾元室長による横領が5400万円と確定した件について、「そうなると決算書を書き換えることになるのか」と迫ったのに対し、福田康夫官房長官は「確定した時期に考える」と答弁。宮沢財務相も「支出された時点で支出そのものは完了していると考えるので、決算書の修正には値しない」とした。

 桜井議員は「今の説明で国民が納得できると思うか」と厳しい口調で迫ったが、「使途を明確にしないという官房費の性格上、国民にもご理解いただくしかない」と開き直りの答弁が続いた。桜井議員は「明らかにしてもいい使途についてまでも公開しない、その方針を見直すべきだ」と指摘。今回の疑念の根源はそこにあると断じた。



数値目標なき経済計画を批判
■木俣佳丈議員(3/9)

 参議院予算委員会で9日、民主党・新緑風会の木俣佳丈議員が発言に立ち、KSD問題や経済政策をめぐって政府を追及した。

 KSD問題をめぐっては、新たにKSDの理事長に就任した中井宗夫氏が自民党に立て替え党費の返還を要請する意向を明らかにしたことを取り上げ、対応を質した。坂口厚労相は、本当に請求する意志があるか、どういう内部調査によって事態を把握しているのかを確認したい、と答弁。これに関連して、木俣議員は、中井理事長の参考人招致を要求、理事会に諮ることになった。

 さらに木俣議員は、本人が知らないまま党員登録がなされた場合の党費の扱いについて質問。片山総務相は、「意志疎通もなく行われたものは、党費の支払いとは認められない。(KSDからの)寄付になる」とした。木俣議員は、「ならば、KSDの収支報告で『党費』となっているのを、なぜ訂正させないのか。虚偽の報告を行うのは、政治資金規制法違反だ」と詰め寄った。だが、片山総務相は「実態を党で調査中なので」と議論を避けた。

 経済政策をめぐっては、政府が明確な数値目標を示さないことが経済の迷走の元凶だとし、「目標を掲げて国民を安心させることが大事ではないか」と追及。宮沢財務相は、プラス成長にならないと見通しが立ちにくい、誰がやっても読みにくい時期だ、などと述べたが、木俣議員は、地球温暖化対策、エネルギー政策などにまで敷衍しながら、政府計画が目標値を持っていないことが国の停滞状況をもたらしている、と強く批判した。



NPOの自立を支援する民主党案
NPO委員会が大阪でフォーラム開催

 民主党NPO委員会は11日、大阪市で政策フォーラム「どうするNPO税制」を開催した。今国会で審議されている政府提出のNPO税制案に対しては、対象となるNPO側から「実態にあわない」という強い反発があり、会場には関西地域の団体の代表者など約50名が集まった。

 民主党からは民主党NPO委員長の江田五月参議院議員と松本剛明衆議院議員が出席。江田議員は、NPO支援税制をめぐる与党案と野党案について、「みなし寄付金の控除」「3000円未満の寄付のカウント」「1市区町村を超える広がりの必要性」などの具体的な違いを説明した。その上で、根本的な違いとして、政府案はNPOを「行政の下請け」と考えているのに比べて、野党案は「自立した活動」と考えていると解説した。松本議員は、2月27日の衆議院財務金融委員会で行なわれた質疑と、政府側の答弁の内容を説明した。

 NPO側からは、大阪ボランティア協会の早瀬昇事務局長が 「パブリックサポートテストがこれほど与党と政府に歪められるとは思わなかった」とコメント。また、NPO事業サポートセンターの高比良正司さんは、「税制優遇が受けられるというが、NPO100団体の実態調査を行なったところ、この政府案のパブリックサポートテストをとおるのは、限りなく0%に近い」と指摘した。



森首相の居座りは究極の政治空白
菅幹事長が会見で批判


 民主党の菅直人幹事長は9日の定例記者会見で、森首相の退陣表明について、「退陣表明をする場合は即刻きちんとした手続きに基づき、総辞職をしてほしい」と述べた。居座り続けることだけはまちがってもあってはならないとし、「日本の政治にとって究極の政治空白を総理自ら生み出すことになる」と警告した。

 菅幹事長はさらに、「自民党内で総裁選出に時間がかかるのであれば、いったん下野し、政権そのものを野党に渡すのもひとつの考え方」だと主張。「単なる自民党内の首のすげかえだけではなく、憲法手続きに基づく退陣、そして新しい政権を野党に委ねる形につなげるべきだ」との考えを示した。

 また、KSDの新しい理事長が自民党に党費の返却を求めている点について、「速やかに実行するべきだ」と発言、早急な手続きをすべきと主張。「問題が起こったときは前向きな発言をしつつ、ほとぼりが冷めるとうやむやにするケースが多い」と自民党体質を批判し、改善を求めた。



自公保政権に国民の審判を!
都内で連続街頭演説会スタート


 民主党では、森内閣の早期退陣と政権交代を求める声が高まっていることを受けて、13日から東京都内の主要ターミナルで平日夕方の連続街頭演説会を始めた。

 初日は新宿駅西口で、羽田孜特別代表、岩國哲人副代表、吉田公一、田中甲、松沢成文、樽床伸二、川内博史、山村健、松原仁、伴野豊各衆議院議員が5〜10分ずつリレー方式でマイクを握った。

 また14日は渋谷駅ハチ公前で、羽田特別代表、横路孝弘副代表、生方幸夫、家西悟、首藤信彦、大出彰、川内博史、小林憲司、山村健の各衆議院議員が参加。この日は、羽田特別代表が演説を終えると、聴衆の中から若者が手を挙げて質問、特別代表が車を降りてそれに答える場面も。

 これに先立ち政権奪取運動委員会では、3月から毎週木曜日に新橋駅ゆりかもめ口での街頭演説を続けているが、党本部の担当スタッフは「会を追うごとに立ち止まる人が増え、聴衆の熱気が高まっているのを感じる」と話している。

●今後の予定は次の通り。
15日(木)17:30〜18:30 新橋駅ゆりかもめ口
21日(水)17:30〜18:30 錦糸町駅南口
22日(木)17:30〜18:30 新橋駅ゆりかもめ口
27日(火)17:30〜18:30 上野丸井前
28日(水)17:30〜18:30 三軒茶屋・世田谷キャロットタワー前
29日(木)17:30〜18:30 新橋駅ゆりかもめ口



女性の元気で日本を変え隊!
第1次キャラバンが8日からスタート

6日に発足した参議院女性選対の行動チーム「女性の元気で日本を変え隊」(隊長=小宮山洋子参議院議員)の第1次キャラバンが8日の新橋駅前の街頭演説会を皮切りに始まった。

初日の街頭演説には、民主党女性議員のうち広中和歌子副代表、竹村泰子、小宮山洋子各参議院議員、鎌田さゆり、肥田美代子、大石尚子、山谷えり子、石毛えい子各衆議院議員が参加。これに、女性候補を全力でバックアップする目的で誕生した1年生男性議員による「ケビンの会」の伴野豊、松原仁、小林憲司、中村哲治、山村健、松本剛明各衆議院議員や、この夏の参議院選挙東京選挙区候補予定者の鈴木寛さんも加わった。

街宣車の上はカラフルな女性議員のスーツでいつもの演説風景とはひと味違う雰囲気。マイクを握った議員は、口々に「国会にもっと女性の視点が必要」「女性議員が国会の半分いたら絶対に森首相は不信任」「生活者の視点でさまざまな政策を提言している民主党を注目してほしい」などと優しい言葉で訴えた。途中から鳩山代表も加わり、「ウソや曲がったことが嫌いなのは女性。力を合わせてあなたのための政治を作ります」と訴えた。


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