民主党FaxNews No.375  2001年3月7日(水) 戻る3月目次

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2001年3月7日(水) No.375 
(1)「機密費問題は政治が覚悟示すステージ」
  北澤参院幹事長が徹底解明・予算削減求める
(2)外務省の証拠隠滅疑惑を追及〜高嶋良充議員
(3)辞める首相の下での審議は意味がない〜鳩山代表が批判
(4)<参院選女性選対が発足>女性の元気で日本を変えたい!
(5)<参院選>和歌山・鳥取・山口で公認、宮崎で推薦決める
(6)<東京都議選>八王子市選挙区で相川さん公認
(7)民主党の招きで中国共産党青年訪日団が来日


「機密費問題は政治が覚悟示すステージ」
北澤参議院幹事長が徹底解明・予算削減求める

平成13年度予算案審議は参議院に場を移し、6日から参議院予算委員会で森首相ら全閣僚出席の総括質疑が始まった。民主党・新緑風会から北澤俊美参議院幹事長と高嶋良充予算委理事の二人が質問に立った。

政治への信頼回復テーマに質疑
●北澤俊美議員

 参院予算委員会のトップバッターとして北澤議員は、「政治への信頼回復」をテーマにさまざまな問題を取り上げた。

 まず冒頭、前日の衆院での不信任案否決を受けて、「ぶしつけだが、近々おやめになるのか」と森首相に切り込んだ。しかし首相は「国会が国家国民のことを優先に考えて不信任案を否決したものと受け止め、誠心誠意努力していきたい」と政権継続に意欲を見せた。

 続いて、えひめ丸衝突沈没事故への対応で、ゴルフ場でプレーをし続けたことや、友人が勝ったゴルフ会員権を使い続けていたことについて森首相が長口舌で弁明したのに対し、北澤議員は「遁辞を弄するという言葉を思い出して仕方がない。すぐに駆けつけるという姿勢があれば国民の信頼は損なわれなかった」「会員権はいわばステータス・シンボル、自ら汗したお金で買うのが社会の常識だ」とたしなめた。

●首脳会談は政権安定が前提

 次に、北澤議員は、与党内で森総理退陣論が取りざたされていることに関連し、日露、日米首脳会談の予定について「政治基盤がしっかりしたときにやるべきで、今はその時期ではない」と迫ったが、首相は「これはこれまでの延長線上にあるもので、新しい21世紀につながる外交課題だ」と譲らなかった。

 不良債権問題では、北澤議員は「直接償却はきわめてリスクが大きい。セーフティネットをつくるべきだ。また銀行への税金の再注入はないか」と質問。柳澤金融担当相は、「直接処理といってもかなりの引き当てが済んでおり、新たなセーフティネットが必要になるとは考えていない。再注入は目下全く頭にない」と答えた。

●与党の政策責任者の職務権限は?

 KSD汚職事件で、北澤議員は森首相に「KSDが肩代わりした党費は早く返還すべきだ」と迫ったのに対し、首相は「党員すべてに入党の意思確認を行うのは時間もかかるし、限界もある。党内の調査チームで状況把握につとめている」などと答弁。北澤議員は「自民党は党員管理が進んでいるときく。紹介議員がだれかで検索すればポンと出るはずだ。調査をしているといって1ヶ月たっている。そうやってほとぼりの冷めるのを待つ戦術か」と皮肉混じりに批判した。

 続けて、自民党の亀井政調会長がものつくり大学の補助金20億円上乗せに関与したことに関連し、北澤議員は「与党の政策責任者の職務権限」についての見解を高村法相と古田法務省刑事局長に質した。ところが先に答弁した古田局長が「私の立場から申し上げるのは非常に困難」、高村法相が「法律の専門家である刑事局長が困難なことは法務大臣も困難」などとまともに答えようとしなかったことから、委員会室は「それなら大臣はいらない」と騒然となり、質疑は一時中断。

 北澤議員は「政策決定に政党が重要な役割を果たすようになると議員としての活動と政党の一員としての活動の区別は困難。…現在の一般的職務権限の理論及び職務密接関連行為の考え方からすれば、このような場合には職務性を肯定することが論理的帰結」とした古田局長の論文を紹介し、「若い頃の正義感は偉くなると変わるのか」と痛烈に皮肉った。その上で、北澤議員は、「政治主導でやっていくには、このようなことをあらかじめ整理しておくべき」と提起した。

●政治は税の使い道厳しく見極めるべき

 最後に機密費問題を取り上げた北澤議員が、松尾元室長が各省の首相随行員への旅費差額分を着服していた疑いを質したのに対し、福田官房長官は「各省の首相随行員にも規定の旅費以外の補填分を支払ったと報告を受けているが、各省の発言を聞くと、実際には払っていなかったのかもしれない」と答弁した。

 北澤議員は「政治に税金の使い道を厳しく見極める姿勢がなければ、財政再建への国民の理解を得ることはできない。この機密費問題は政治が覚悟を示す大きなステージだ。予算修正で議会意思を国民に示す努力を怠れば国民は次の政治の問いかけには答えてくれない」とまとめ、質疑を終えた。



外務省の証拠隠滅疑惑を追及
●高嶋良充議員

 6日の参議院予算委員会で、民主党・新緑風会の2番手として高嶋良充議員が質疑に立ち、KSD問題、機密費横領問題を中心に政府を追及した。

 KSD問題では、平成12年度予算において、ものつくり大学設立への補助金が20億円増額された経緯について質問。増額決定の過程で、ものつくり大学設立推進議員連盟の政治家からの働きかけがあったかを質した。

 坂口厚生労働相は、「いろいろ話はあった」とし、亀井静香自民党政調会長からは“特色ある大学、学生に魅力のある大学をつくるために、体育館や学生寮も必要だ。これは党として、政調としての要請だ”といった働きかけがあったことを明らかにした。

 さらに高嶋議員は、KSD問題に関連した旧労働省職員の調査結果について、政治家からの働きかけを示す部分も含めて3月15日までに公表することを、坂口厚労相に確約させた。

 また、機密費横領問題では、外務省内で、問題発覚以降に関連文書の廃棄を指示する通達が出された事実を暴露し、「組織ぐるみの隠蔽工作ではないか」と追及。外務省の飯村官房長は、「4月の情報公開法施行に備えて、5年前以前の文書を処分したもので、ルールに従った適正な文書管理の一環だ」としたが、高嶋議員は、松尾元室長が在任した1993年以降の資料が残されていなければ、誰が処分したのかを調査すべきだ、と強く要求した。



辞める首相の下での審議は意味がない
鳩山代表が批判

 民主党の鳩山由紀夫代表は7日の定例記者会見で、森首相が辞意を固め、自民党首脳に伝えたとされる件について、厳しい表情で「辞意を表明されるのなら、今後の国会運営において民主党は責任を負いかねる」と言葉を強めた。予算関連法案をはじめ、辞意を表明した首相のもとでの審議は成立し得ないとし、「一国の総理が辞めると表明した上で答弁されても何の意味もない」と批判した。

 解散を求めていくのかとの記者の質問には、「国民に対して何の責任ももてない、支持率が1ケタ台の総理がそのまま信任されるなか、責任ある議論は進められない。そんな状況を考慮すれば、解散させるのがスジだ」と述べた。野党4党結束のなかで解散を求める議論が浮上してくるだろうと分析し、共同歩調をとっていくとした。



女性の元気で日本を変えたい!
<参院選女性選対が発足>


 民主党は6日、夏の参院選に向けて「参院選女性選対」(本部長=広中和歌子参議院議員、事務局長=鎌田さゆり衆議院議員)を設置し、本格的な女性票獲得作戦に乗り出した。

 第1回会議では、冒頭、広中本部長が「人口の半分は女性、女性の生き方も多様化しており、そういう女性に参加、共感してもらう政党でなければならない」とあいさつ。出席した鳩山代表も「女性のパワーを活かし、生活感あふれる政策づくり、行動をしてほしい」とエールを送った。

 女性選対の下には、行動チーム「女性の元気で日本をかえ隊」(隊長=小宮山洋子参議院議員)を編成し、街宣キャラバン、女性支援基金への募金活動、女性団体への働きかけなど行っていく。

 また、各都道府県連の参議院選対内に女性対策部門(女性選対)を置くよう要請し、各地でのキャラバン行動、連合女性選対との連携を目指して活動を行う。

 国際女性デーにあたる3月8日から活動を開始し、まず東京・新橋駅ゆりかもめ口で鳩山代表も参加しての街頭演説会を開催。その後、第1次キャラバンとして、女性候補を擁立した選挙区などでの遊説活動を行ったり、各地で党が開催する女性フォーラム、政治スクールへ参加。女性の立場に立った政策を訴える。



<参院選>
和歌山・鳥取・山口で公認宮崎で推薦決める


 民主党は3月6日の常任幹事会で夏の参議院議員選挙の公認候補3名と推薦候補1名を決めた。これまでに決まった候補予定者は選挙区で公認29名・推薦6名の計35名、比例で17名となった。

【公認】
○和歌山県選挙区(定数1)
木村 文則(きむら・ふみのり)男/1958年1月13日生まれ/43歳/新人
(システム開発会社代表)

○鳥取県選挙区(定数1)
佐藤  誠(さとう・まこと)男/1948年4月25日生まれ/52歳/新人
(鳥取県議・民主党鳥取県連副代表)

○山口県選挙区(定数1)
岩本  晋(いわもと・すすむ)男/1943年1月14日生まれ/58歳/新人
(山口県立大看護学部教授)

【推薦】
○宮崎県選挙区(定数1)
東  治男(ひがし・はるお)男/1945年7月5日生まれ/55歳/新人
(元宮崎放送ニュースキャスター)



東京都議選八王子市選挙区で相川さん公認
公認30名・推薦6名が決定

 民主党は6日の常任幹事会で、6月の東京都議会議員選挙の八王子市選挙区で相川博さんを公認することを決めた。また、先に公認が決定していた北多摩1選挙区の木内徹さんの公認辞退を了承した。これで、都議選の候補予定者は、公認が28選挙区30名、推薦が4選挙区6名となった。

○八王子市選挙区(定数4)
相川 博(あいかわ・ひろし)男/1948年11月14日生まれ/52歳/新人
NPO高齢者生活支援センターライフ舎理事長



民主党の招きで中国共産党青年訪日団が来日

 中国共産党青年訪日団が民主党の招きで5日から日本を訪れている。

 今回の訪日団は昨年12月に鳩山代表を団長とする民主党代表団が中国を訪れたのを機に、日中間の親交をより深める目的で実現したもの。陳鳳翔中国共産党中央対外連絡部(中連部)東欧中亜局局長を団長に16名が来日した。

 5日夜、東京都文京区にある鳩山会館(旧鳩山邸)で、歓迎夕食会が行われた。民主党からは鳩山由紀夫代表、羽田孜特別代表、岩國哲人、横路孝弘副代表、菅直人幹事長らが出席。古川元久国際交流委員長の司会で、まず鳩山代表が、「訪日を心から歓迎したい」とあいさつ。戦後政治史の舞台となり、自身が生まれ育った鳩山会館で民主党と中国共産党青年幹部と懇談することに「新しい時代の息吹を感じる」と感慨深げに語った。

 訪日団は3つのグループに分かれ、6泊7日の日程で宮城、愛知・長野、沖縄をそれぞれ訪問。先端技術の研究施設や、農業現場、自動車工場、沖縄の米軍基地周辺を視察しながら、地元の党関係者や青年と友好を深める予定だ。


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