民主党FaxNews No.365  2001年2月10日(土) 戻る2月目次

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[CONTENTS]
(1)衆院予算委/佐藤観樹・仙谷由人両議員が追及
  「ものつくり大学への巨額援助は憲法違反」
(2)「臭いものにふた」は許さない!〜菅幹事長がポスター示し与党を挑発


衆院予算委/佐藤観樹・仙谷由人両議員が追及
「ものつくり大学への巨額援助は憲法違反」

 衆議院予算委員会で9日、前日に引き続き森首相と全閣僚が出席して基本的質疑が行われた。民主党・無所属クラブからは佐藤観樹、仙谷由人両議員が質疑にたち、KSD疑惑、機密費疑惑を中心に論戦を挑んだ。


<佐藤観樹議員>

●同じポストに6年、公金を自由にする異常さ

 佐藤観樹衆院議員はまず、機密費横領疑惑について質問。政府が警視庁に提出した被害届と告発状の公開を求めたのに対し、福田官房長官は「捜査に支障をきたす可能性があるので差し控えたい」と答えた。佐藤議員は重ねて刑事訴訟法でも国会法でも“国益に必要なら公開していいとしている”と指摘。いずれにしても機密費を扱うポストに同一人物が6年間も居続けることは異常だと批判した。

 調査報告書で松尾克俊元室長の個人口座の1部しか調べていない点について、「信憑性に欠ける」と批判。具体的な金の経路・決済方法を明らかにするよう求めた。佐藤議員は「松尾元室長がどうして自由に使えたのか、報告書は答えていない。クレジットカードで自由に使えるとはズサンだ」と厳しく迫った。河野洋平外務大臣は「5400万円をもってすべてだとは思っていない」としながらも、今後は検察の調査に委ねるとの答弁を繰り返した。

 また、使われたのが内閣官房の金の可能性がある点について、「福田官房長官のところの金をなぜ河野大臣のところの人が使えるのか」と平たい言葉で質問。

これに対して河野外相は、「かつては外交先に合わせて各地域課が担当していたが、支援室ができてからはわかっている人にまかせた方がいいということで、松尾室長一人に集中した」と説明した。佐藤議員は「公金の扱いは慎重の上に慎重であるべき。兼任発令されてない人物がどうして内閣官房の金を使えるのか、法的根拠がわからない」とした。さらに佐藤議員は組織的な関与の疑いについても徹底的に調査する必要性を訴えた。

●機密費の減額を要求

 佐藤議員は外交費横領疑惑に関する報告書に「出ていった公金が5億円。外交上使ったであろう金は2億5000万円。そして3億1000万円はわからないままだ」とし、そうなると3億1000万円は計上する必要はない金ではないかと指摘。「いらないはずだ」とした。
河野外相は「情報収集・分析のために適切に使われている」として予算修正の意志がないと突っぱねた。福田長官は「国政の運営上必要。廃止・削減はできない。今後は機密費の必要性は高まっているとの見方もある」と開き直った。


<仙谷由人議員>

■ご都合主義的法解釈を徹底批判

 続いて質問に立った仙谷由人議員は、まず、「ものつくり大学」へのお金の流れについて追及。旧労働省が管轄する労働保険特別会計の公金が、学校法人国際技能工芸機構(KGS)をいったん経由し、民間からのお金という形をとって、ものつくり大学設立準備財団に入っていたという構造を明らかにし、「用途の明確な公金が民間の金にすりかえられるというようなことがあってはならない」と批判した。これに対して、坂口厚生労働相、町村文部科学相は、事実関係は認めたものの、どこが問題かわからないといった度し難い対応を繰り返した。

 続いて仙谷議員は、国が私立学校へ助成を行う場合の法律的根拠を問題にし、私立学校振興助成法(第4条で経常的経費の1/2以内と制限)や憲法89条(対象を「公の支配」に属すものに限定)に照らして、ものつくり大学への巨額の助成は違法だと追及した。

 政府側は、「私学といえども国の監督を受け『公の支配』に属している」「私学振興助成法は設立された学校への補助の話」(町村文科相)「特段問題はない」(津野内閣法制局長官)などと答弁。仙谷議員は、「それでは、誰にでも、いくらでも支出できることになるではないか。ご都合主義的解釈もいいところだ」と強く弾劾した。

 さらに仙谷議員は、平成13年度予算の改要求でものつくり大学への助成分が一気に20億円増額された経緯についても追及した。99年11月29日に、ものつくり大学設立推進議員連盟に名を連ねる自民党の幹部とKSD幹部、および労働省局長らがホテルで会合を持ち、その直後に要求の増額が決定。それを受けて、12月15日には、牧野隆守労相(当時)、中曽根弘文文相(当時)、中曽根康弘元首相らを含む推進議連の議員とKSD幹部が、赤坂の料亭で“祝勝会”を開いていたこと、などを詳細に暴露し、政官業の癒着の構造をあらためて浮き彫りにした。

■小売酒販をめぐる癒着も追及

 仙谷議員は、小売酒販業をめぐっても、自民党が業界と癒着して不正な画策を進めていることを暴露、追及した。

 すなわち、全国小売酒販組合が酒販の規制緩和の流れに抵抗するために、販売管理士や販売士の設置を盛り込んだ販売管理法の制定を自民党議員に働きかけ、同時に全国酒類管理士協会をつくって6億5千万円もの資金を集めており、自民党からも同法の議員立法による成立をめざす動きが出ているというものだ。

 答弁に立った宮沢財相は、同管理士協会が解散し、会員から集めた資金も全額返還することになっていると釈明。さらにこうした動きについての評価を問われ、「好ましくない」と述べた。森首相は「知らなかった」と述べるにとどまった。

 仙谷議員は、「業界団体と政治連盟、族議員が三位一体となって金と票を集めるという悪しき自民党型政治が、またぞろ増長しているではないか。断じて許せない」と厳しく糾弾した。



「臭いものにふた」は許さない!
菅幹事長がポスター示し与党を挑発

 民主党の菅直人幹事長は9日の定例記者会見で、昨日の予算委員会の質疑を振り返り、「一番バッターとして立たせてもらった。私が三振では次の打者につなげないので、塁に出て戦おうと私なりに精一杯議論した」と感想を語った。

 続けて、2年4ヶ月ぶりに1万3000円台を割った東京証券市場平均株価(日経平均)について、「森政権の発足時は2万4000円だった。7000円の下げ幅だ」と指摘。その結果、時価総額で440兆円が100兆円失われたと分析した上で、「さまざまな影響が出ないわけがない。政府は株価対策を検討しているようだが、一番の効果が上がる方法は森政権が変わることだ。自民党を変えればもっと効果があり、民主党政権が実現すれば2万円台への回復は間違いない」とした。

 また、予算委員会で取り上げた額賀福志郎・前経済財政担当相の問題について「森総理の答弁はまさに糠に釘だった」と批判。本人に聞く以外ないことが明らかになったとして、額賀氏を含む村上正邦元労相・小山孝雄元参議院らの証人喚問を求めていく考えを改めて示した。

 菅幹事長は、与党の“くさいものにふたをする”やり方は許せないと語気を強め、「もし実現しなかった時は、額賀・村上・小山3氏が浮かぶ証人喚問鍋にふたをする森首相・神埼公明党代表を描いたポスターを東京中に張り巡らす」として、現物を記者団に披露。抗議行動の用意があることも示し、証人喚問要求への意気込みを見せた。


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