民主党FaxNews No.342 2000年10月23日(月) 戻るホームNews目次


[CONTENTS]
(1)<参議院選挙制度>審議ボイコットから転換、徹底審議で与党を追いつめる
(2)地方参政権は民主主義のバロメーター〜定住外国人の人権を考えるシンポ
(3)少年法改正で修正案まとめる=年齢引き下げで厳格運用求める


徹底審議で与党を追いつめる参議院選挙制度
審議ボイコットから転換

 国会は20日、参院比例代表に非拘束名簿方式を導入する公職選挙法改正案が参院を通過したのを受け、与野党攻防の場を衆院に移した。しかし、20日正午から行われた衆院議院運営委員会では、同法案の取り扱いをめぐって、与党側が本会議での趣旨説明と質疑を省略して、倫理選挙特別委員会に直接付託することを押し切り、徹底審議を求める野党側と、法案成立を急ぐ与党側とのせめぎ合いが強まっている。

 民主党は20日午前10時から両院議員総会を開き、審議ボイコットから徹底審議への転換について、幹部が説明し理解を求めた。

 まず、久保亘参議院議員会長が3週間にわたる参議院での闘いを振り返り、「マスコミの論調においても、国民世論の動向を見ても、われわれはけっして敗者ではない。むしろ、われわれは民主主義の敵を明らかにし、その正体を暴露する中で、われわれに課せられた民主主義を守る闘いを果敢に前進させることができた」と成果を強調した。

 菅直人幹事長は、「これからの闘いは、徹底的に衆議院でこの法案を議論し、審議する形に大転換する。満身創痍になっている与党の今の姿を国民の前に明らかにして、攻めて攻めて攻めまくっていくという意味だ。最終的には非拘束名簿方式を廃案に追い込んでいく」との意気込みを示した。

 赤松広隆国会対策委員長は、「当初はこの問題に関心の低かった世論を、この3週間の徹底した闘いの中で盛りあげることができた」として、今後も衆参一体・野党の結束を保った闘いを続けるよう要請した。

 続いて石井一副代表が、「国会の情勢はわれわれが思っているより厳しい。むこうは聞く耳を持たず、重武装し、数で押し切り、時間が来たら処理する態勢だ。マスコミは参議院で通ったからもう成立したと報道している。うかうかしていたら、あっという間に成立してしまう」と気を引き締め、「あとはわれわれの勇気と決意と知恵にかかっている」と檄を飛ばした。

 最後に鳩山由紀夫代表が、「国民は2000年10月19日に何が起きたか知っている。来年の参院選が楽しみだ。自壊現象を繰り返している自公保の息の根を止め、墓標をうち立てる日がまさにその日だ」と述べ、国会論戦で与党を徹底的に追いつめていくよう訴えた。


 野党側が公選法改正案について本会議で趣旨説明と質疑を行うように求めたのに対し、正午から開かれた衆院議院運営委員会で、与党側が特別委員会へ直接付託する動議を提出。

これに対し、民主党の伊藤忠治同委筆頭理事が、「公職選挙法は1票の有権者の立場に立って作られるべきものであり、広く国民の声に耳を傾けるべき。少数意見に耳を貸さず、参院同様の暴挙を繰り返そうとしていることは絶対に看過できない」「本会議での趣旨説明要求法案として扱うことを与野党が合意している。それを無視して直接当該委員会に付託することは、議運委レベルにおける与野党合意のあり方を真っ向から否定するもの」「今国会の会期は12月1日まであり、審議の時間は十分余裕がある。充分な審議を高めることが国民に理解を得るためにも大切ではないか」などの理由を挙げ、動議に反対した。しかし、与党側の賛成多数で、委員会への直接付託が決まった。

 この後、4野党の国会対策委員長は、与党に対し、(1)公選法、少年法、警察法、健康保険法、医療法の各改正案について慎重かつ十分な審議を行うこと。あっせん利得処罰法案と永住外国人地方参政権付与法案を直ちに審議入りすること(2)KSD問題、中川官房長官の疑惑問題などを審議するため速やかに予算委員会を開会すること(3)クエスチョンタイムを定例で開催すること−−の3項目を、12時30分からの与野党国対委員長会談で申し入れた。これに対し、与党側は、法案審議については慎重に取り扱うと回答したが、予算委員会の早期開会については難色を示した。



地方参政権は民主主義のバロメーター
定住外国人の人権を考えるシンポ開催

 民主党主催「定住外国人の人権を考えるシンポジウム」が18日午後、東京・平河町マツヤサロンで開催された。

 現在、外国人の地方参政権をめぐる議論は、与野党のみならず、マスコミをにぎわせているが、この日は、そのテーマにかかわるいくつかの定住外国人の人権問題を日本・スウェーデンという国際的な立場から検証。シンポジストは、板橋洋一さん、瀬口とも江さん、金政玉さんの3人。民主党からは鳩山由紀夫代表、中野寛成副代表、石毛改革ネクスト大臣が進行をつとめた。

 板橋さんは川崎市総合企画局の立場から、地方公務員の国籍条項撤廃の取組み、そのなかで「公の意思形成」と「公権力の行使」という法理が国籍条項撤廃のバリアになってきたこと、これが地方参政権にもかかわるという経緯を報告。在日障害者の金さんは、在日外国人の無年金問題解決にいかに地方参政権獲得が必要であるかと指摘、スウェーデンに20年以上在住の瀬口とも江さんは、同国では定住者であれば選挙権と被選挙権の両方があり、これはあたりまえの感覚としてあると報告。EUでは定住外国人の国政参政権も議論されているのに、日本では地方参政権さえないことに対して驚きを示した。

 あいさつにたった中野副代表は、「地方参政権保障は、日本の民主主義と人権のプライドにかけてとりくむべきことで、決して選挙目当ての政策ではない、民主主義をはかるバロメーターとしてぜひ実現させたい」と明言。

 会場には約100人が集まり、自治体では市民の意識調査の対象として外国人がはずされている実態、民主党への法案実現に対する期待、被選挙権実現への期待など活発な意見があげられた。



少年法改正で修正案まとめる
年齢引き下げで厳格運用求める

 民主党は20日のネクストキャビネット会議で、与党が提出している少年法改正法に対する民主党の修正案を決めた。引き続き小川敏夫司法ネクスト大臣、佐々木秀典法務部会長、平岡秀夫衆院議員が記者会見し、法案の内容を説明した。
 民主党案では与党案に対し、被害者への配慮や保護処分終了後における救済手続きの整備など、賛成できる部分があるとしながら、次の相違点を上げている。
(1)与党案が最大の柱としている「刑罰対象年齢の16歳から14歳への引下げ」は容認した上で、「罪状が重大で、刑事処分以外の措置では矯正の目的を達することが著しく困難な場合」と限定した。
(2)「家裁では(1)の決定の際、少年に弁護士である付き添い人をつける」として、厳格な判断を家裁に求めた(3)与党案で「16歳以上の少年による人の命を奪う犯罪では原則として刑事裁判を受けさせる」としているが、民主党案では「人を殺した罪」と変更。殺人の故意がある場合に限定している。
(4)懲役や禁錮の言い渡しを受けた少年は、16歳まで少年院に収容するとした与党案の改正規制を削除。「16歳未満の受刑者は、少年刑務所において、所定の作業に代えて、必要な教育を授ける」と修正。
(5)少年審判における事実認定能力の強化については、「検察官が少年裁判に直接関与する」と規定した与党案を否定。家裁のなかに、刑事裁判と同じように検察官と弁護士が事実究明を争い、裁判官によって判断する「事実認定裁判所」を新設する。これに伴い、与党案の「裁判官を3人にする裁定合議制」や「検察官に高裁に対する抗告受理申立制」の必要性を否定し、削除を求めた。

 記者会見では、小川NC大臣らは、「少年犯罪は単なる少年法改正だけでは解決し得ない」として、被害者に配慮した「犯罪被害者基本法」や成年年齢の引下げ等に関する法律案と関連づけて考える必要性があると述べた。


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