2003年8月29日(金)21:20〜 戻るホーム記者会見目次

菅 直人代表/記者会見要旨 編集/民主党役員室

【代表冒頭発言】
それでは記者会見を始めます。今日の(午後)8時から、社民党の土井党首、それから中西選対委員長と、そして民主党の私と赤松選対委員長、4人で両党間の会談を行いました。

そこで選挙協力について話をいたしまして、お手元にお配りしたような選挙区について、お互いに協力して当選を目指そうと、こういうことで合意をいたしました。もう中身はそこに書いてある通りですけれども、この時点で合意をしたのは、北海道を含めて7道県、社民党の10選挙区、民主党の19選挙区をお互いに支援をする。合わせて29選挙区ということになりました。まだ多くの県や多くの所で色々な協議が続いていますけれども、まあ色々な事情がありまして、地元の関係者が外遊して最終的な確認が得られないとか、部分的にはほぼ決まっているけれども、まだ部分的な議論が残っているとか、色々な経緯がありまして、今日のところでは、この7道県29選挙区での選挙協力が確認された、合意された、こういうことになりました。私からは以上です。

【記者】
確認だが、これはそれぞれが推薦するという形でいいのか。

【代表】
基本的にはそういうことです。それぞれが相手に協力すると。形式は推薦という理解でいいと思いますが、それぞれの選挙区事情などがありますので、表現が全て推薦ということになるのか、もう少しソフトな言い方になるのか、確認はしておりませんが、基本的にはお互いに支援し合うと、推薦し合うということで結構です。

【記者】
29選挙区でまとまったことについての代表の評価は。

【代表】
社民党の10選挙区を見ますと、かなり有力な候補者――現職の方を含めて――がその中に占められているわけでありまして、そういう点では、わが党の基本的な姿勢、つまりは与党に対して、野党の中で与党の候補者を破って当選可能性の高い所については積極的に支援していこうと、こういう姿勢が表れていると、このように見ていただけるのではないかと思っております。わが党についても、その関係で、つまりは社民党に比較的有力な候補者がおられる所、有力な現職議員がおられる所について、その県ごとに合意がなされたと、こう受け止めております。

わが党の候補者、ほぼ全県に数多くいるわけですが、逆に言えば、わが党の候補者全体を網羅するというところまではまだいっていない、これが現在の状況です。

【記者】
競合選挙区、民主党の公認候補がいる所に、社民党が候補をぶつけてきている現状について、先方からの話や代表からの申し入れはあったのか。

【代表】
この間、昨日も含めて、一般的な話はもう従来から何度かしておりますので、今日はその点については、あまり多くのことは申し上げませんでした。基本的な位置づけとして、与党に対して小選挙区で野党――今の例で言えば民主党か社民党のいずれか――の候補者が勝っていかなければ政権交代につなげられない。そういう姿勢でお互いに選挙協力を考えていくべきではないかと、こういうことは、今日はそうたくさんは言いませんでしたが、従来から言っておりますし、今日も基本的な姿勢は申し上げておきました。その基本的姿勢については、土井党首も、そうだと基本的には言われるわけですが、一方ではやはり社民党として比較的人口の多い、主要な都市が含まれる各県の1区などについては、なるべく出していきたいという議論が多いんだといった、そういう意見の紹介もありました。

それから若干補足して言いますと、これで7道県の選挙協力はこういう形で合意したわけですが、まだ議論がこれから続く選挙区としては、熊本、山口、鳥取、群馬、福岡、兵庫、こういった所では色々な形で議論が進んでいるし、今後も両党間で議論を続けていく、こういう点もお互い確認をいたしました。

【記者】
社民党との選挙協力への信頼関係はあり、今後も積極的に進めていくという理解でいいか。

【代表】
基本的な選挙協力については、更にお互いに努力しようと、こういうことでは今申し上げたように、そのことも確認をいたしました。

【記者】
選挙協力が進んだ段階で、改めて党首会談を開催して、それをもって最終合意という形をとるのか。

【代表】
扱いについては特にまだ決めていません。場合によっては、選対委員長の合意でいい場合もあるでしょうし、そこはどういう形で進むのかというのは、これからの問題で、特に形式は決めていません。

【記者】
紹介されたやり取りの中で、政権交代は必要だというところでは一致しながらも、具体的な対応では随分違った対応を社民党がしているような印象を受けるが、その点についてはどう考えるか。

【代表】
それぞれの政党には、それぞれの政党の一つの考え方なり、経緯なり、いろいろな事情があるわけですから、協力できる所は協力していこうと、そういう姿勢で臨んでいるわけで、もちろん私の考え方、或いは民主党からすれば、できれば全国の中で、できるだけバッティングをしないという目標に向かって、全体の話し合いをしたいということは、従来から申し上げてきたわけですが、社民党の事情としては県ごとだということでありますので、県ごとにこういう形で進めてきたと。ですからそこは、私たちが思う形と社民党の皆さんが考えられるところが一致する部分、しない部分があるわけですから、一致したところで進めるということでやってきたということです。

特に私が更に申し上げたのは、現職同士とか新人同士という所では色々あるけれども、特に現職とそこに新人がぶつかるような所については、多くの場合、現職の方が有力な場合が多いわけですから、そこはそういうことで調整が進められないだろうか、こういうことを特に申し上げました。それについても土井党首からは、そういうことも私の要請としては受け止めていただいたと思いますが、色々な事情がありますので、という話が中西さんからもあったりしました。そんなところでしょうか。

【記者】
元自民党の鈴木宗男議員が保釈されたが、感想など改めてあれば。

【代表】
二つ感想がありますが、一つは、そうは言っても、保釈までにいたる期間が非常に長いというのは、ちょっと気になることだなと思います。もう一つは、この事件そのものについては、まさに自民党を象徴する事件であると。自民党の体質を最も如実に、露骨に、はっきり表している事件であると、このように思っておりますので、今後、裁判などで明らかになると思いますけれども、鈴木宗男氏個人の責任であると同時に、いわばそういう体質を、党の非常に重要な議員という形で持っていた自民党そのものの責任というものも、改めて指摘をしておきたい。

いくら改革、改革と言っても、こういう鈴木宗男氏のような行動をとっている議員がより多くの影響力を持つ、今の経世会と言いましょうか、今の橋本派も、もし彼がいたら相当大きな力を総裁選でも発揮していたであろうということを想像しますと、つまりは自民党の中枢は、鈴木宗男氏のような形の政治家によって占められているということを、改めて指摘しておかなければならないと、このように思います。

以 上


(会見で配布された「両党合意」)

2003年8月29日
両党合意

選挙協力 7道県 29選挙区(社民党10・民主党19)

  社民党   民主党
北海道11区
茨城4区
新潟3区
長崎2区・4区
大分2区・3区
鹿児島4区
沖縄2区・3区
北海道1〜10区・12区
茨城1区
新潟6区
長崎1区・3区
大分1区
鹿児島1区
沖縄1区・4区

2003年8月29日 戻るホーム記者会見目次