2001年11月29日

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地方自治法の一部を改正する法律案に対する修正案骨子(案)

 

 1 代位訴訟の廃止に関する改正規定の削除  代位訴訟を廃止し住民訴訟の訴訟類型を再構成する改正規定を削るものとすること。  2 代位訴訟の対象となる行為等の明確化

 地方公共団体が議会の議決を経て行った政策上の決定に基づく次に掲げる行為又は事実は、地方自治法第242条の2第1項に規定する違法な行為又は怠る事実に該当しないものとすること。

(1) 売買、貸借、請負その他の契約で、その相手方、内容等が正当なものの締結
(2) 地方公共団体が出資等をしている団体の事業の継続等に必要な財政援助で、正当な理由に基づくもの
(3) 地方公共団体が法令に基づいて実施しなければならない事務に係る正当な公金の支出
(4) (1)(2)(3)に掲げるもののほか、職員の正当な職務執行に係る行為又は事実

 3 代位訴訟の被告の限定 

 代位訴訟の被告となる職員を、管理又は監督の地位にある職員として条例で定める職員に限るものとすること。  4 職員の賠償責任の対象の拡大 (1) 3の職員以外の職員が、故意又は重大な過失により法令の規定に違反して財務会計上の行為をしたこと又は怠ったことにより地方公共団体に損害を与えたときは、これによって生じた損害を賠償しなければならないものとすること。

(2) 地方公共団体の長は、(1)の職員が(1)の行為によって当該地方公共団体に損害を与えたと認めるときは、監査委員に対し、その事実があるかどうかを監査し、賠償責任の有無及び賠償額を決定することを求め、その決定に基づき、期限を定めて賠償を命じなければならないものとすること。
 5 賠償責任の限度額  3の職員又は出納職員の財務会計上の行為に関する賠償責任は、当該職員が、職務を行うにつき、善意にして、かつ、重大な過失がなかったときは、賠償責任の原因となる行為を行った日の属する年において、当該職員が当該地方公共団体から受け又は受けるべき給与の額の4倍(地方公共団体の長については6倍)を限度とするものとする。  6 職員の賠償責任の転嫁  職員に上司が違法な行為をすることの要求をした場合において、職員が当該上司を経て地方公共団体の長に当該行為をすることができない旨の意見を表示したにもかかわらず、更に同一の行為をすべき旨の要求があったときは、その行為に基づく賠償責任は、その要求をした上司が負うものとすること。  7 住民訴訟の迅速な処理  住民訴訟については、裁判所は、迅速な審理及び判決に努めなければならないものとすること。  8 住民訴訟に係る地方公共団体の情報提供  地方公共団体は、住民訴訟が提起されたときは、当事者が必要とする情報の提供に努めなければならないものとすること。  9 住民訴訟に係る弁護士費用の地方公共団体による負担  代位訴訟が訴えの取下げ、請求の放棄又は裁判上の和解により完結した場合において、職員が弁護士に報酬を支払うべきときは、地方公共団体は、議会の議決によりその報酬額の範囲内で相当と認められる額を負担することができる。ただし、当該職員が訴訟外で原告の請求に係る損害賠償又は不当利得の返還を行った場合は、この限りでないものとすること。
2001年11月29日

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