2006年4月7日 戻るホーム民主党文書目次

民主党の再生と政権獲得に向けて

菅 直人

 昨年の総選挙の大敗とメール問題での失敗によって、民主党は結党以来、最大の危機にあります。民主党がもう一度、国民から政権交代の担い手として期待されるためには、本質的な党改革が必要です。私は、もう一度政権交代を目指せる党に民主党を再生させる先頭に立ちたいと考え、今回の代表選挙に立候補することを決意しました。

1.民主党の再生のために〜民主党はもっとよくなる。

(1)すばらしい人材を使い切る全員参加の体制を
 民主党の最大の宝は豊富な人材です。人間性豊かなべテラン、まさに働き盛り、経験豊かな壮年、そして優秀で行動力旺盛な多くの若手。これらの老壮青の人材を、適材適所でしっかり働いてもらえる全員参加の体制こそが、再生のスタートです。また、衆議院に偏りがちであった人事を、長い任期でしっかり政策課題に取り組める参議院議員にもより活躍していただける体制に変えていきます。地味で目立たない分野で地道に活動してきた多くの議員にも、しっかり光の当たる体制をつくります。女性にもまだまだ活躍の場を広げることも、重要な課題です。

(2)現場を何よりも大切に。
 民主党を国民に信頼される政党へと再生させるためには、国民が感じている矛盾や怒り、悲しみを共有すること、社会の現場や運動とつながりを持つ政党への脱皮が必要です。これまでも、例えば、農山漁村を回り、車座集会を重ねるなどの地道な活動の中から、多くの仲間とともにまとめた「農業再生プラン」は、これまで弱いとされてきた農村部での支持を確実に広げています。また、国民の不安をしっかり受け止めた「年金改革」など、国民の気持ちを受けとめた政策は、選挙でも大きな力を発揮してきました。

 前回総選挙で大敗した都市部での勝利のためにも、同じような活動、運動が必要です。人間関係が希薄になっている都市のコミュニケーションを再生するために、団塊世代の地域活動の支援、フリーター・ニート、少子化の当事者である若い世代の声をしっかり受けとめ、例えば「雇用における年齢差別禁止法」「パート、アルバイトなどの同一労働・同一賃金法制」など、真に生活実感に根ざした政策に繋げていきます。私は、持ち前のフットワークで現場を歩き、国民との直接対話を繰り返し、こうした活動、運動の最先頭に立ちます。

(3)オープンで透明性の高い党運営を。
 私たちは、しばしばバラバラと批判されながらも、激しい議論の末に、意見の違いを乗り越え、政策をまとめてきました。こうした政党の文化を育んできたことに、私たちは自信をもつべきです。全員参加で自由闊達に議論を尽くして、みんなで決めたことには一致団結して取り組む、こうした民主党の文化をさらに発展させます。

2.政権交代に向けて〜対立軸を鮮明に〜

 党を再生させた私たちが日指すことは、ただひとつ参議院、衆議院の選挙で勝利し政権交代を実現し、新しい日本をつくることです。そのためには、自民党との対立軸をより鮮明に打ち立て、国民にわかりやすく示すことが不可欠です。その主たる対立軸は以下の三点だと考えます。

(1)ホンモノの改革か、看板だけ改革か
 満5年を迎えた小泉政権は一体何を成し遂げたのか。税金のムダ遣いはなくならず、財政は破綻の寸前です。続発する官製談合でいくらの税金が無駄に費やされたのか。行政改革というのなら、何よりもまず「官僚の天下り先の企業には国の事業は一切発注しない」と言い切るべきです。こんなことさえできない小泉改革は、まさにスローガン、看板だけの改革です。税金のムダ遣いをなくすための、天下り禁止、特別会計改革など自民党には実現不可能なホンモノの行政改革を断行します。

(2)困っている人を少なくし救う政治か、格差拡大・弱肉強食の政治か
 私の考える「政治」とは、まず失業、倒産など様々な不幸やピンチで困っている人々を少なくし、ホームレスや自殺などさらなる不幸に追い込まれないように、救うことです。小泉内閣は、規制緩和や競争での格差拡大を容認しています。規制緩和や競争は必要ですが、格差拡大をこれ以上放置し、ホリエモンとホームレスに象徴されるように、社会を二極化してしまうことには絶対に賛成できません。一度失敗した人が、ホームレスや自殺にまで追い込まれないようなセーフティー・ネットをしっかり整備し、やりなおしのきく、ピンチをチャンスに変えることが可能な社会をつくります。

(3)自立の外交か、アメリカ追従外交か
 アメリカ一辺倒でアジアを軽視した小泉外交は、アジアとの関係を悪化させているのみならず、BSE問題でも明らかなように、対米関係すら行き詰まっています。日本にとって日米関係は最も重要であることは当然ですが、現在のような明らかに偏った関係は不健全です。例えば、EU諸国はアメリカとの良好な関係の維持に配慮しつつ、EUを中心とした自立外交を展開しています。アメリカと同時にアジアにも軸足を置き、東アジアでの経済、安全保障面での協力関係を深める外交政策を行います。

 私は、今回のピンチをチャンスに変える先頭に立ち、すべての国会議員、地方議員、党員・サポーターのみなさんとしっかり連携して、新しい民主党と新しい日本をつくるために、政治生命をかけ全力を尽くします。ともにがんばりましょう!


2006年4月7日 代表選挙 開票結果  菅 直人 72票  小沢 一郎 119票(当選)
参考
2006年4月7日
2006年4月7日
2006年4月7日
2006年4月
2005年9月17日
2002年12月 
2002年9月 
1999年9月
 
菅直人 代表選投票前の政見表明演説
民主党代表選挙 推薦人一覧
民主党代表選挙 立候補 政見 小沢一郎
民主党の未熟さ、そして再生への道(菅直人)
民主党代表選挙 推薦人一覧
民主党代表選挙関連リンク集
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民主党代表選(民主党ニュース)江田五月活動日誌

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