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民主党「郵政改革法案」の概要

  1. 郵便及び郵便貯金については、国の責任で全国的サービスを維持する。2007年10月1日以降の経営形態は、郵便は公社、郵便貯金は公社の100%子会社である郵便貯金会社とする。

  2. 2006年度中に郵便貯金の預入限度額を700万円に引き下げる。2007年10月1日以降、郵便貯金については、定額貯金は廃止(新規預入を停止)し、預入限度額を500万円に引き下げる(*1)。旧貯金については郵便貯金会社に特別勘定を設け、公社の委託を受けて管理・運用を行う。

    *1 預入限度額引き下げ前に預け入れた定額貯金等については、満期到来前まで当初預入額は有効。

  3. 2007年10月1日以降、簡易生命保険は廃止する。旧契約については、公社の子会社として保険業法に基づき2つ以上の郵政保険会社を設立し、これらの会社に分割譲渡する(*2)。郵政保険会社は、窓口業務を公社に委託できるものとする。各郵政保険会社の株式は、2012年9月30日までにすべて売却し、完全民営化する。

    *2 実際には、公社と各郵政保険会社の間で再保険契約を締結。

  4. 郵政改革とあわせ、特殊法人・独立行政法人等の抜本的改革を進める。公社及び郵便貯金会社、完全民営化までの郵政保険会社による財投債・政府保証債・格付けのない財投機関債の購入を禁止する(*3)。

    *3 国債と財投債を明確に区別するための措置を講じる。

  5. 2007年10月1日以降、公社の役職員は非公務員とする。公社の役職員には、守秘義務、忠実義務等を課す。

  6. 天下りを禁止する。


民主党の郵政改革案とは?

  1. 国民の安心を守ります
    ・ 「郵便と決済・少額貯蓄のサービスを受けられる」という国民の権利を保障します。

  2. 官と民の役割分担をはっきりさせます
    ・ 「国でなければできないことは国でしっかり責任を持つ。民間にできることは完全に民間に任せる」が基本的な考え方です。
    ・ 郵便事業と決済・少額貯蓄機能については、公社の下で過疎地・離島なども含めた全国サービスを保証します。
    ・ 保険機能については、分割・完全民営化します。

  3. 資金を「官から民へ」確実に流します
    ・ 貯金部門は、限度額引下げ等によって現在約210兆円の残高を段階的に大幅縮小し、資金を地域や中小企業などに開放します。
    ・ 保険部門は、5年後に完全民営化します。
    ・ 新たに発行される財投債の購入を禁止します。

  4. 民業圧迫を許しません
    ・ 金融部門は、十分に規模を縮小して市場の公正性を担保します。
    ・ 保険部門は、複数に分割した上で完全民営化します。


政府案と民主党案の比較
  政府案 民主党案
経営形態 ・当初国100%出資の持株会社の下に「郵便」「郵便局」「貯金」「保険」の4社をぶら下げる
・10年後も持株会社への政府出資は3分の1以上残る
・「貯金」「保険」も、「10年後に完全民営化」と言いながら、持合いなどによって実質国有が続く可能性大
・郵便=公社
・決済・少額貯蓄=公社の100%子会社
・定額貯金と簡保=廃止
・保険=5年後には分割された完全民間会社
資金の流れ ・新会社が国債を大量に購入し続ける
・実質国有の色彩が色濃く残り、国や特殊法人のファイナンスに貢献
・規模縮小により官に流れる部分が激減し、民に流れる
・財投債購入禁止
・完全民営化した保険会社による国債購入は民間会社としてのALMによる
規模 ・現在の巨大な規模が維持される可能性大
・政府試算で「10年後の郵貯残高=140兆円」という数字はあるものの、預入限度額を撤廃することから肥大化の可能性大
・郵貯部分は限度額引下げにより段階的に規模縮小
・簡保の部分は分割して完全民営化
民業圧迫 ・半官半民の巨大会社による民業圧迫の怖れ大 ・郵貯部分の規模は十分に縮小し、納税義務あり
・簡保は分割民営化
過疎地対策 ・地方は基金等で維持
・完全民営化の郵貯・保険が不採算部門を維持できるかどうかは不安が残る
・郵便と決済・少額貯蓄については国の責任を明記
・金融代理店業務は可能
職員の身分 ・非公務員化 ・非公務員化

民主党案であなたの預貯金・保険はこうなります

  1. 全国どこでも郵便貯金のサービスが利用できます
     民主党は、郵便だけでなく、郵便貯金も国の責任で維持します。過疎地の郵便局を次々と閉鎖することはありません。全国どこでも郵便貯金のサービスが利用できます。

  2. 預入限度額は500万円にまで引き下げます
     郵便貯金の預入限度額は、現在1,000万円のところを、2006年度中に700万円、2007年10月1日には500万円に引き下げます。ただし、これ以前に預け入れた定額貯金や定期貯金については、満期到来まで当初預入額は有効です。

  3. 郵便貯金からあふれ出た資金は地域経済を活性化します
     預入限度額の引き下げによって郵便貯金からあふれ出た資金は、地域の民間金融機関や証券会社に分散し、最終的には中小企業などにも貸し出されます。この結果、地域経済は活性化します。民間部門からの税収も増えるので、財政再建にも寄与します。民主党は、郵便貯金の資金が国債引き受けや特殊法人に流れ、無駄遣いされている現在の仕組みを変え、民間資金を官から民へと流します。

  4. 簡易生命保険は廃止します
     2007年10月1日に簡易生命保険を廃止します。ただし、これ以前に締結した保険契約は引き続き有効です。簡易生命保険の廃止と同時に、郵政公社の子会社として新たな保険会社を設置し、郵便局で取り扱います。新たな保険会社は保険業法に基づく新規業務を行い、2012年9月30日までに完全民営化します。

民主党案についてのQ&A(暫定版)


1. 民主党案と自民党案は何が違うのか?

2. 民主党案では、郵便と貯金部門では税金を投入するのか?

3. 民主党案では、なぜ郵貯を公社の子会社とするのか?

4. 民主党案では、納税しないではないか?

5. 民主党案でも郵便局はコンビニをやるのか?

以 上


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