2003年9月18日 民主党政策集―私たちのめざす社会 戻る政策集目次

【1】分権・行革・政治改革

地方分権/行政改革・規制改革政治改革


【1】分権・行革・政治改革

<地方分権>

 民主党は、地域のことは地域で決めることができる「地域主権型社会」をめざしています。それぞれの地域がもっている個性や、本来の能力を発揮するためには、全国一律の押しつけではなく、自分たちの判断で決定することが必要です。地域の実情にあった決定が地域の活性化を実現し、そして国全体の活力へつながっていくと考えています。一方で現在の中央政府は、例えば外交、安全保障、金融など本来その機能を発揮しなければならない分野において弱体化しています。これは中央政府が何から何まで抱え込み肥大化・非効率化してしまったからです。民主党は、中央政府の役割を限定し、本来の中央政府の機能を十分に発揮させるべきであると考えています。

税源移譲
 
所得税収のうち、5.5兆円程度を住民税に移譲します。同額を補助金から削減することによって、現在3:2である国と地方の税源配分を1:1とします。これにより、地方の判断で自由に使える財源が飛躍的に増えます。同時に、税源配分に即した形に国・地方の役割分担を改めます。

補助金改革〜一括交付金制度の創設
 
現在の地方自治体向け個別補助金を原則全廃し、一括交付金へと転換させます。一括交付金の使途については、国は基本的には関与せず、原則、事業選択は自治体においては自由に行えるものとします。これにより、自治体の事業選択の幅が飛躍的に広がる一方で、何故その事業を選択したのかを住民に説明する義務が生ずることとなります。

地方交付税制度の抜本的改革
 
現行の地方交付税制度を抜本的に改め、簡素・透明でかつ地方の自立を進める制度へと転換させます。税源移譲と地方交付税制度改革によって、地方は財政的に国と対等な関係となり、自立が促進されることとなります。この改革の際の柱は、(1)不交付団体を増やす、(2)地方債の元利償還分の交付税措置は、段階的に縮小し、将来的には廃止する、(3)地方自治体の自主努力を阻害するような要因を排除する、(4)徐々に財源保障機能を縮小し、財政調整機能を拡充する、という、4点とします。

霞ヶ関の人員減に対する方策
 
一括交付金が実現すれば、法令や補助要綱などといった、国による義務付けや介入は大幅に減ることになります。その結果、霞ヶ関の人員は相当程度減ると考えられ、地方自治体、立法府などに吸収できるような仕組みを検討しています。

道州制への移行
 民主党は、政権をとってから10年後をメドに道州制に移行することをめざしています。国の権限や財源を思い切って地方に移すためには、現在の都道府県では小さ過ぎると考えています。わが国を10から12の道州に再編し、公共事業などの権限を大幅に地方に移譲します。国は、外交・安保、金融、治安維持、基礎的社会保障、地球環境保全など本来の役割に重点的に取り組み、その能力を十分に発揮できる体制を整えます。このため、中央省庁権限の限定、地方分権の道筋等に関する基本法案を制定します。そもそも、地方分権とは国の権限・財源を、都道府県や市町村という「役所」に移すことではなく、住民に身近な自治体が十分な権限・財源を有することによって、その決定に住民が参加し、また意思が反映されるようにすることです。「情報公開」「住民参加」という最も重要な部分を強化するために、民主党では「住民自治推進基本法(仮称)」や「住民投票法」の制定を検討しています。

市町村合併
 百花繚乱の地域の創造のために、「中央集権・全国一律・地方の東京依存」という戦後型構造から、「地域主権・多様性・自立した地方」という構造への転換が必要です。そのためには、税源・権限を地方に移譲する必要がありますが、その前提として、税源・権限を受け入れられるような体制を基礎自治体側が創る必要があります。ゆえに、民主党としては、住民もしくは市町村の自主性を尊重し、合意形成過程を重視しつつ、市町村合併を推進することを基本とします。市町村に有無を言わせないような強制合併は行いません。市町村合併を行って税源・権限の移譲を受けたとしても新しいまちづくりが実現できないという結論を出した市町村については、地方分権の本旨から見て、合併しないという選択を認めます。また、市町村合併のみを推進し、分権改革を先送りすることはしません。同時に税源・権限の移譲を推進し、地方分権改革を行います。

コミュニティの再生・強化
 住民と自治体をつなぐ場、住民がその能力を十分に発揮する場として、コミュニティを再生・強化することを掲げ、そのための法整備も検討しています。コミュニティが機能することによって、住民が単に公的サービスの受け手を脱し、公的サービスの提供者としても、また時には企画者としても積極的に地域づくりに参加する社会をめざしています。合併によって自治体の規模が拡大しても、コミュニティによってきめ細やかなサービスを提供できるようにしたいと考えています。


<行政改革・規制改革>

 官僚主導の政治から、政治主導の政治へと改革します。これまでの官僚主導型行政システムでは、中央省庁の権限が強すぎ、ここから裁量行政、政・官・業癒着による利益誘導、不必要な規制など、様々な問題が生まれる原因となっています。これまで、自民党を中心とする政権も、行政改革や規制改革を謳ってきました。しかし、特殊法人改革や郵政事業改革の例が示すように、結局は族議員や関連団体などの党内外の既得権益の壁を越えることはできず、後退・妥協を繰り返してきました。行政改革・規制改革を実現するためには、自民党に代わり民主党が中心となって政権を担う、政権交代でしかなし得ません。

天下り禁止
 現在、公務員が退職後2年以内に営利企業に天下りすることは、原則として禁止されています。しかし、特殊法人・認可法人・公益法人への天下りは認められており、複数の特殊法人等や営利企業を渡り歩き、高額の役員報酬や退職金を受け取る、いわゆる「渡り鳥」が後を絶ちません。民主党は、「天下り関連禁止法案」を国会に提出しており、営利企業だけでなく特殊法人等への天下りも5年間禁止するとともに、天下りのリストを公表します。

公益開示法の制定
 行政の不正、腐敗は国家の重大な損失であり、早急に是正する必要があります。そのための1つの有効な手段として、「内部告発の制度化」が考えられます。内部告発者の保護は、アメリカ・イギリスをはじめ韓国やオーストラリアにも同様の法律があり、現在、情報公開法の補完として機能しています。民主党は、行政内部の不正・不当な運営を内部告発した人が不利益な扱いを受けないよう保護する、「公益開示法案」を国会に提案していきます。

政治任用制の拡大
 現行制度のように巨大な官僚組織が大きな力をもったままでは、たとえ政権交代が実現しても、公約として掲げた諸施策を実行に移すことは多大な困難を伴うことが想定されます。政治主導・内閣主導の政治を実現するために、中央省庁の局長(約130名)に対して政治任用制(ポリティカル・アポインティ−)の導入をめざします。

官民交流・中途採用・任期付職員制度の促進
 高度・複雑化した行政に対して、内部で育成した人材だけで対応していくことは難しくなっています。民間企業や大学の研究者等の意欲と能力のある人材を外部から積極的に採用して、人材を確保する必要があります。そのために、これまで導入されてきた官民人事交流・中途採用・任期付職員制度をさらに活用していくことが必要です。また、官民人事交流制度については、民間企業を退職しなくとも公務員として採用できるよう法改正を行います。

公募制の活用と能力に応じた昇進
 幹部職員の人事を行うにあたっては、これまでの年功序列に偏った人事を改めるため公募制を活用します。公募制により、意欲・能力・実績を有する職員については入省年次にとらわれない登用・任用をすすめます。

早期勧奨退職慣行の是正
 中央省庁においては、現状52〜53歳で退職していく早期勧奨退職慣行があります。定年を前に退職するがゆえに、第2・第3の就職先として特殊法人や公益法人等に天下りしていく側面もあります。このような早期勧奨退職慣行を是正し、定年まで働く意志のある職員については引き続き勤務できるようにします。

公務員の労働基本権
 公務員の労働基本権については、まず、勤務時間等の労働条件について労使が対等の立場で協議ができるよう、労使協議制を整備します。また、地方公務員等も含めた公務員制度全体の制度を設計するうえで基本権付与について抜本的な見直しも検討します。

特殊法人等の改革
 特殊法人については、以前から非効率な事業運営、巨額の補助金・出資金、ファミリー企業等の事業独占、官僚の天下り等々、様々な問題点が指摘されてきました。民主党は、特殊法人という法人形態をすべて廃止することを前提として、(1)廃止、(2)民営化、(3)独立行政法人化、(4)国・地方の直轄事業化に整理・分類して改革を進めます。認可法人についても抜本的な改革を進めます。

独立行政法人改革
 独立行政法人は、国の組織をスリム化し事業を効率化することを目的として導入されたものです。しかし、実際は役員数や報酬が以前より増加したり、官僚の天下りの受け皿となるなど、「看板の掛け替え」、「焼け太り」と指摘せざるを得ない状況です。民主党は、独立行政法人に関する情報公開を徹底すると同時に、長の公募制等による民間からの人材登用を図り、運営の効率化をめざします。

公益法人改革
 公益法人(財団法人・社団法人)は省庁の許可により設立されますが、補助金により無駄な事業を行っていたり、役人の天下り先になっているなど様々な問題が指摘されています。民主党は、これらの官業公益法人の見直しをすすめる一方、公益法人を含む民間非営利セクターを活性化するため、法人税を原則非課税とする「非営利法人(仮称)」を簡便に設立できるようにします。また、それらの法人のうち社会貢献性の高い事業を行う法人には、寄付控除等の税制支援を広く付与する制度を提案します。

規制改革
 民主党は、規制改革について以下の3分野に整理して取り組みます。(1)規制強化:人権、雇用、環境、安全、医療、福祉等の社会的規制は、人が人であるために守られる分野として堅固なセーフティネットを明確に提示します、(2)社会的規制の見直し:本来救済されるべき社会的弱者が置き去りにされないよう、不必要な社会的規制は積極的に見直します、(3)経済的規制の見直し:競争至上主義にならないよう注意を払いながら、NPOなどの市民セクターの基盤整備等を重視した上で、市場や民間への分権化をはかるとともに、経済的規制のサンセット(時限)化に取り組みます。

国家資格制度の抜本的見直し
 現在、約300制度存在している国家資格について、その必要性が薄いと思われるものや、整理・統合できると思われる資格制度の抜本的見直しに取り組みます。例えば、監理技術者資格者証の必要性や、医療用具関係資格のあり方、浄化槽関係資格の統合検討など、改善すべき点があれば積極的に見直しを行います。

郵政事業改革
 郵政公社の長期的なあり方については、国民の利便性を低下させないよう十分な配慮を払いながら、新しい時代環境を踏まえた積極的な議論が必要です。公益性の観点からは、現行のネットワークを最大限活用すること等を検討しています。また、民間企業と公平な競争条件を整備するという観点から、郵便業務に関する全面的な民間参入、民間銀行における「預金保険料」相当分の納付等を検討しています。

警察改革
 枚挙に暇がない警察の不祥事は、国民の信頼を回復できないまま、なお増え続けています。民主党は、警察を国民の目線で必要な行動をとる組織に変えるための警察改革を実施します。警察を監督する国家公安委員会の事務を警察が行っているという矛盾を解消するために、公安委員会に独自の事務局を置いて公正な監察のための所掌事務ができるようにします。また、国民の意見を聞く苦情処理委員会を置き、迅速な対応と必要な勧告を行う態勢と権限を整備します。さらに、警察行政の運営の透明性を向上させる積極的な情報の公開を図り、国民が納得できる改革を行います。

構造改革特区制度
 民主党は、規制改革の実施は本来全国一律で行うべきと考えます。しかし、地方自治体等のアイデアや主体性を活かし、特別区域(特区)を設けて規制緩和の特例措置を試行的に実施する「特区制度」にも一定の理解を示します。その際、特例措置の評価をきちんと行い、経済効果など一定の成果が上がった措置は速やかに全国展開すべきです。2003年の第156国会では、一定の条件の下に株式会社やNPO法人の学校設置を認めることや、農業者等による「どぶろく」製造解禁などを内容とする「構造改革特別区域法」の成立に賛成しました。


<政治改革>

 政治改革に関しては、国民・有権者の政治参加機会とチェック機能向上のための主に選挙に関係する制度改革と、相次ぐ政治と金にまつわる腐敗を根絶し政治に対する信頼を再生するという視点からの政治資金規正に関する法整備が車の両輪となります。いずれも、議会制民主主義の土台を築くものであり、根本的には政治の場にある者が自らをきびしく律することから始まるものでもあります。民主党は常に具体的な制度改正をめざした法律案を掲げて国会の論議をリードしています。

首相・内閣権限強化
 与党による政策の事前調整システムを見直し、内閣による一元的な政策・法案決定を確立するとともに、「内閣」を単なる合議機関ではなく、総理大臣の統轄及び指揮監督の下に成立する執政機関とします。そのため、首長たる内閣総理大臣の統轄権を明記するなど内閣法の改正をはじめとして、一連の「内閣強化法」を制定し、首相・内閣の権限強化に努めます。首相を国民が直接選挙で選任する「首相公選制」も検討課題の1つとして取り組みます。

一票の価値の格差抜本是正(都道府県基数配分廃止)
 選挙における一票の価値の平等をめざします。現行制度では衆議院小選挙区割りの際に、まず47都道府県に1議席ずつ配分し(基数配分)、残り253議席を人口比例で振り分けています。そのために一票の格差を2倍以内に収めることは不可能となっています。民主党は、この「基数配分」を廃止し、小選挙区定数のすべてを人口比例で振り分ける「衆議院議員選挙区画定審議会設置法の一部改正案」を提出しています。

選挙権・被選挙権年齢引き下げ
 世界のほとんどの国では18歳で選挙権が付与されています。日本の若者がこれらの国の若者と比べ、政治に対する判断力の発達が遅いとはまったく考えられません。民主党は選挙権年齢を18歳に引き下げること等を内容とする法案を国会に提出しています。また、被選挙権年齢についても、引き下げを引き続き検討します。

永住外国人の地方選挙権
 民主党は結党時の「基本政策」に「定住外国人の地方参政権などを早期に実現する」と掲げており、これに基づいて永住外国人に地方選挙権を付与する法案を提案しています。

立候補休暇制度創設
 民主党は、政治参加の機会増大を図るため、雇用の継続を確保する「立候補休暇制度」創設法案を提案しています。被雇用者が公職の候補者となる場合、公示・告示前14日から選挙期日後3日までの期間、選挙運動または選挙運動の準備もしくは残務整理をするために「立候補休暇(無給)」を取得することができるものとします。

選挙制度改革の課題
 衆議院選挙は、当面は現行の小選挙区比例代表並立制を軸に、定数削減や重複立候補制度の改善等を検討します。衆参選挙制度の抜本改革については、まず、国会における衆議院・参議院の役割を明確にしたうえで、両院の改革をすすめ、また、その役割にあった代議員を選出する方法としてふさわしい選挙制度に改めていきます。また、地方自治体の首長の四選禁止を制度化します。

あっせん利得処罰法抜本改正
 国会議員や秘書による口利き事件・疑惑があとを絶ちませんが、民主党はまず「あっせん利得処罰法」を抜本改正すべきと考えます(2002年の第154国会及び第155国会において法案提出)。そのポイントは、(1)処罰の対象に政治家全般の私設秘書や親族を加えること、(2)犯罪の構成要件から「請託」や「権限に基づく影響力の行使」を外し立件しやすくすること、(3)政党支部などに「見返り」を迂回させる第三者供賄を禁止することなどで、現行法の「抜け道」を塞いでいきます。

企業・団体献金を受領できる政党支部の制限
 2000年から政治家個人の資金管理団体への企業・団体献金が禁止されたことを受けて、「政党支部を政治家個人への迂回献金の受け皿として悪用する、すなわち政党支部を政治家個人のサイフ代わりに悪用する」ケースが急増しているとの批判が高まっています。自民党の政党支部は既に7,000を超えていますが、民主党は「政治資金規正法等改正案」(2002年第154国会提出)によって、企業・団体献金を受領できる政党支部の数を制限し、政治資金の出入りと流れを透明化、簡素化していきます。

公開基準緩和に反対
 
自民党、公明党、保守新党の連立与党は、現在5万円以上の政党支部に対する企業団体献金の公開規定を改悪し、一定の条件のもと、年間24万円以下の献金を行った法人、団体名を非公開とする、政治改革に逆行する改悪をめざしています。民主党は、こうした動きに断固反対します。

公共事業受注者、利子補給対象の融資を受けている法人の献金禁止
 国・地方公共団体の公共事業や補助金等にまつわる「口利き」「見返り」を排除していきます。公職選挙法では、公共事業受注者・利子補給対象の融資を受けている法人の選挙時の献金を禁止していますが、選挙以外の時に献金を受けたように偽ることが可能なため、実効性には疑問が残ります。そこで「政治資金規正法等改正案」(2002年第154国会提出)によって、公共事業受注者、利子補給対象の融資を受けている法人の献金を常時禁止します。

後援会等の機関紙誌への広告規制
 後援会等の機関紙誌への広告掲載料の名を借りた実質的な政治献金が横行しています。この脱法的行為を規制するために、民主党は「政治資金規正法等改正案」(2002年第154国会提出)によって、後援会等の機関紙誌への広告費は年間150万円を上限とすること、また20万円以上の広告費については、広告料金の支払い者の氏名と金額を公表させることを制度化していきます。

収支報告書等の保存期間を5年に延長・インターネットで公開
 現行法では、収支報告書等の保存期間は3年とされています。民主党は「政治資金規正法等改正案」(2002年第154国会提出)によって、この保存期間を刑法の時効期間にあわせて5年に延長すること、さらに情報公開・政治活動費の透明化の観点から、収支報告書をインターネット上で公表することを義務づけ、国民の直接監視下に置くことで「政治とカネ」の透明度を高めていきます。

インターネット選挙運動解禁
 インターネットを利用した選挙運動を解禁することにより、ビラやハガキの処理が重負担となっていた無所属議員や少数政党にも政治参入の機会を広げるとともに、在外邦人を含めた幅広い有権者への情報提供が可能になります。民主党は既に、2001年第151国会において「インターネット選挙運動解禁法案(公職選挙法改正案/継続中)」を提出しています。同法案は、ホームページや電子メール、iモード等を利用した選挙運動を原則として解禁するものです。

電子投票制度
 タッチパネル方式の電子投票機で投票する国内初の選挙が2002年6月に岡山県新見市で行われました。この方式を国政選挙にも広げていくとともに、投票率向上等を目的として、インターネットで自宅パソコン等からも投票可能となるようめざしていきます。とくに、在外邦人に一部認められている国政選挙の投票制度は、郵便のやりとりに時間がかかるなど問題が指摘されており、在外邦人のインターネット投票を次期参議院選挙時に先行実施することをめざします。

大使の国会同意人事化法案
 外交立国・日本をめざすにあたり、外交上重要な職責を果たすべき大使・公使の役割は、わが国の国際社会における役割・責任と比例してますます重要になっています。外務官僚としての専門知識ばかりでなく、一層高い見識・人徳・品格・対人折衝能力が求められています。民主党は、大使・公使の任命について、その適正を期するため、両院の同意を必要とすることを内容とした「外務公務員法」の改正案をめざします。

立法調査権の強化
 官僚や与党は、自分たちに都合の悪い資料は出そうとしません。そんな閉鎖的な隠蔽体質を是正し、国会の調査権を強化するために、「国会の各委員会所属委員4分の1以上が要求した資料は、3日後には提出しなければならない」という国会法改正案を他の野党にも呼びかけ、4野党で国会に共同提案しています。国民への直接的情報公開を促進するとともに、国民を代表する議会の調査権、チェック権限強化のために、国会同意人事や行政監視機能を含めて議会機能の充実をめざします。

議員特権の見直し
 民間企業や自営業で働く市民よりも、国会議員や地方議員の待遇や手当が良すぎるのではないか―そんな市民の疑問と不満に民主党は積極的に応え、議員の特権や既得権に自ら鋭くメスを入れています。国会議員の歳費(給与)のカット、永く務めている議員への手当等の廃止などを実現し、議員の年金や逮捕・拘留中の議員歳費支給問題、その他の特権についても、普通の勤労者の権利と同じレベル・水準とすることをめざし、国会及び地方議会改革に取り組みます。

秘書制度改革
 国会議員の秘書をめぐる不祥事が続いています。公設秘書給与は税金からの支出であり、秘書は公務員として国から労働に見合う給与を得ています。民主党は党所属議員の実態調査を実施し、きびしく自らを律するよう徹底指導を行うとともに、秘書制度改革検討チームを党内に設置し、国民の疑惑を招くことのない秘書制度確立と運用をめざしています。

政と官のあり方
 鈴木宗男議員の汚職事件に象徴されるように、与党政治家と官僚の癒着、口利き、圧力や恫喝などにより、公正であるべき行政や官公需が歪められています。民主党は、国会機能の強化、政治家と官僚の接触に関する情報公開、個別事業に関する政治家と官庁の折衝窓口(副大臣や政務官の役割の明確化)の制限など、不当な圧力排除と透明性確保のための制度改善をめざし、政治家自身が政策を立案・決定する本来の制度に改めます。これによって政治家の官僚依存がなくなり、真の国民主導の政治が実現します。基本的には地方分権と情報公開をすすめ、族議員や官僚主導政治を排除します。


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