2003年2月15日 戻るホーム民主党文書目次

国連の対イラク査察追加報告を受けて(談話)

民主党 政策調査会長 枝野 幸男 



本日、国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)と国際原子力機関(IAEA)から、イラクに対する査察状況の追加報告がなされた。

この報告では、大量破壊兵器の新たな「証拠」が未発見である中、査察継続の必要性を強調し、上空査察の実施など、査察を更に強化していく方針が示されている。イラクは、こうした方針に従って、残された疑惑の徹底的な検証に全面的に協力すべきであり、みずから積極的に大量破壊兵器に関する疑惑の完全な払拭に努めるべきである。

また、この報告の中では、米国によって示された「証拠」の一部について、疑義が示されている。日本政府は、米国による「証拠」の発表に対して、みずから検証することなく直ちに支持を表明しているが、こうした姿勢は問題である。民主党は、日本政府に対し、米国を含む様々な発表・情報について、みずからの立場に基づきしっかりとした検証を行った上で対応を判断すべきであると主張する。

民主党は、新たな国連安保理決議がない「武力行使」には反対である。米国及び英国は「武力行使」を容認する新たな決議案を提出する動きを見せているが、これは、今回の追加報告に照らして時期尚早であるばかりでなく、国連査察の意義を失わせかねない。今回の追加報告によって明らかになった疑惑の解明のため、国連による査察のさらなる強化・継続と、日本政府による明確な態度表明を求める。


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