2003年12月19日 戻るホーム民主党文書目次

2004年度税制改正について(談話)

民主党税制調査会
会長 峰崎 直樹

○政府与党は、国民に対して「どのような将来ビジョンに基づき、国民に負担増を求めるのか」「負担増の結果、国民にどのような受益があるのか」を全く説明しないままに、わが国史上かつて無いの大増税スケジュールを決めた。また、その過程は与党・霞が関の談合でドタバタの数合わせを強行するといった、極めて国民にわかりにくく、かつ不信感を抱かせるものであり、国民に開かれた議論とはかけ離れている。民主党は、今回の税制改正について、断固として反対する。

○仮に今回の税制改正案が実施されるとすれば、国民は来月から実施される配偶者特別控除の上乗せ部分の廃止に始まり、住民税均等割引き上げ、老年者控除廃止、公的年金控除縮小、所得税定率減税の廃止・縮小、消費税増税と急激な負担増を押しつけられることになる。景気の状況・見通しも無視し、ひたすらに自らの既得権益擁護と永田町内の調整に終始し、全く国民生活を顧みない政府与党の姿勢は、許されるものではない。

○民主党は、政府が国民に適切なサービスを安定的に提供し、また後世代に過重な負担を押しつけないために、一定の国民負担増は必要だと考える。しかし、その際にはまず政府自身が身を削り、また税金の使い道を根本から改めることが大前提であり、その上で各種制度について将来ビジョンに基づいた抜本改革を提案し、かつ国民に開かれた議論を行うことが不可欠である。

○小泉総理は、本年通常国会冒頭で「1.8兆の先行減税と多年度税収中立」を誇らしげに語った。しかし、今回の税制改正によって先行減税が1年限りであり、多年度税収中立が大増税プランであったことが明らかとなった。

「税は国家なり」との言葉があるが、年金保険料を含めれば、来年度より毎年度1兆円規模の負担増を求めることとなり、わが国は「理念無き大収奪国家」となりかねない。直前の総選挙でも青写真さえ示さずに、唐突にこのような負担増を求める小泉総理の責任は極めて大きい。総理は、その責任を真摯に受け止め、まずは本改正案を撤回し、改めて年金制度、地方分権、財政再建等の将来ビジョン、抜本改革案を示すべきである。 

以 上


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