2001/10/26 戻るホーム民主党文書目次
これでいいのか! 衆院選挙制度改革

中選挙区制復活は、「票」が欲しい自民党、「議席」が欲しい公明党、との究極の談合政治だ。

いま、政党の良識、政治に対する国民の信頼を完全に失ってしまうようことが、自民、公明の間で行われています。

10月24日、自民・公明・保守の与党3党は、東京や岡山、川崎などで衆議院議員の定数を2〜3人にする中選挙区復活で大筋合意しました。

これは、「永久政権」を狙う自民党と、小選挙区制では「議席」が獲れない公明党の政党エゴ丸出しの改革案です。

衆議院の小選挙区制は、利権政治を断ち切り、日本にも欧米のように政権交代のある二大政党制を定着させようという理念のもとに導入されたものです。

しかし、中選挙区制復活は、その流れに逆行し、政権交代のない自民・公明の永久政権をめざすものです。民意の反映を第一とすべき選挙制度、自民・公明によって、ねじ曲げられようとしています。

重要な政策課題を人質に、自民党に中選挙区復活をせまる公明党。
公明党の政党エゴによる、制度改悪を許せますか?


理念なき自民・公明の中選挙区復活案

自民・公明・保守の中選挙区復活案(二人区を12、三人区を2つ新設)は、政権交替を可能とする小選挙区制をつぶすための改悪案です。

たとえば、政令指定都市は12ありますが、川崎市のみで合区を行い、三人区としています。川崎市は、現在、神奈川8区、9区、10区の三つの小選挙区に分かれていますが、民主党は重複立候補を含めて二人、無所属は一人当選していますが、自民党は一人しか当選していません。これをくつがえすために、川崎市を三人区にしているとしか考えられません。

その一方で、川崎市と同じ政令指定都市の福岡市では合区は考えられていません。自民党の山崎幹事長、公明党の神崎代表が選挙で住み分けるためと考えてもおかしくありません。

さらに、さいたま市や東京の世田谷区、静岡の浜松市、三重の四日市市などで合区を行い二人区を導入しようとしていますが、これらは民主党が議席を確保している小選挙区です。まさに自民・公明の政党エゴむき出しの改革案です。


政権交代のある政党政治こそが必要

現在の衆議院小選挙区比例代表並立制は、自民党長期政権が続いた結果生じたリクルート事件などの政治腐敗・利権政治を断ち切り、政権交代可能な政党政治を日本にも実現しようということで導入されています。

しかし、自民・公明の中選挙区復活案は、政権交代可能な政治の実現を完全に否定し、自民・公明の永久政権をめざすものです。


まずは、一票の格差是正こそやるべき改革

国民の投票する権利は、民主主義の基本です。しかし、一票の格差が2倍を超える選挙区は、現在95もあります。そのため民主党は、「一票の格差是正法案」を提出しています。いま必要な選挙制度改革は、中選挙区制の復活ではなく、一票の格差を是正することです。

マスコミ各社「与党3党の中選挙区復活案」をいっせいに批判

「あまりに軽い与党合意」(読売新聞九月二七日四面)
中選挙区制が復活できれば、定数削減にはこだわらないというのなら、政党のエゴが剥き出しと考えざるを得ない。

「恥ずべき政党エゴだ」(朝日新聞十月二六日社説)
選挙制度を政党の都合でココまで勝手にもてあそんでいいのか。
公明党は定数3にこだわるのは、そうしないと「第3党」が総選挙で当選する可能性が出てこないためだ。

「党利党略で選挙制度をもてあそぶな」(日本経済新聞十月二六日社説)
なぜ選挙制度を変えるのかという大義名分や理念はなく、相変わらず政党エゴだけがむき出しの案である。

「理念なき選挙区いじりは論外だ」(産経新聞十月二六日主張)
選挙制度は民主主義政治の基盤だ。党利党略が度を越している。到底、容認できない。筋の通らない、ご都合主義の改悪≠ナあることは明らかだ。

「選挙制度の私物化といわれても仕方がない」(毎日新聞十月二六日社説)
公明党の強い要求に、自民党が配慮した妥協の産物。同じ選挙に小選挙区と中選挙区が混在することは、有権者にとって法の下の平等にもかかわる問題だ。


日本は、政権交代でしか、変わらない  


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