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2000年10月27日(金) 非拘束名簿方式について(1)

ついに法案が成立しました。悪法も法なり。来年7月の参議院選挙は新ルールでたたかわなければなりません。そして野党で過半数を制して、選挙制度をつくりかえなければなりません。

二つのたたかう方法を提案します。自民党を負けさせる方法と民主党が勝つ方法です。98年の参議院選挙の自民党の比例区得票は1412万8719票(得票率25.17%)、民主党の比例区得票は1220万9685票(得票率21.75%)で、その差は191万9074票でした。2000年の衆議院選挙の自民党の比例区総得票は1694万3425票(得票率28.31%)、民主党の比例区総得票は1506万7990票(得票率25.18%)、その差は187万5435票でした。逆転は可能だと思います。

自民党を負けさせる方法のポイントは公職選挙法136条の2(公務員等の地位利用による選挙運動の禁止)です。今年の総選挙では和歌山県第3区の二階俊博派の選挙違反事件で、和歌山県有田市の現職市長(当時)が136条の2違反で逮捕されました。今月の長野県知事選挙では落選した池田典隆派の選挙違反事件で県の土木事務所長や塩尻市の助役などが、同じく136条の2違反で逮捕されています。

上司が部下に後援会の支持者カードを渡して名前を書かせたら逮捕?! 自民党の比例代表候補の何人かの運動は、公職選挙法136条の2違反の告発運動で足を止めさせることができるのではないでしょうか。



2000年10月28日(土) 非拘束名簿方式について(2)

少し長くなりますが、公職選挙法136条の2(公務員等の地位利用による選挙運動の禁止)の全文を掲載します。

(公務員等の地位利用による選挙運動の禁止)
第136条の2 @次の各号の一に該当する者は、その地位を利用して選挙運動をすることができない。
一 国又は地方公共団体の公務員
二 日本道路公団、農用地整備公団、森林開発公団、石油公団、地域振興整備公団、日本鉄道建設公団、新東京国際空港公団、水資源開発公団、国民金融公庫、住宅金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫、北海道東北開発公庫、公営企業金融公庫、中小企業信用保険公庫、環境衛生金融公庫若しくは沖縄振興開発金融公庫の役員若しくは職員又は住宅・都市整備公団、首都高速道路公団、阪神高速道路公団若しくは本州四国連絡橋公団の管理委員会の委員、役員若しくは職員(以下「公団等の役職員等」という。)

A 前項各号に掲げる者が公職の候補者若しくは公職の候補者となろうとする者(公職にある者を含む。)を推薦し、支持し、若しくはこれに反対する目的をもってする次の各号に掲げる行為又は公職の候補者若しくは公職の候補者となろうとする者(公職にある者を含む。)である同項各号に掲げる者が公職の候補者として推薦され、若しくは支持される目的をもってする次の各号に掲げる行為は、同項に規定する禁止行為に該当するものとみなす。

一 その地位を利用して、公職の候補者の推薦に関与し、若しくは関与することを援助し、又は他人をしてこれらの行為をさせること。

二 その地位を利用して、投票の周旋勧誘、演説会の開催その他の選挙運動の企画に関与し、その企画の実施について指示し、若しくは指導し、又は他人をしてこれらの行為をさせること。

三 その地位を利用して、第199条の5(後援団体に関する寄附等の禁止)第一項に規定する後援団体を結成し、その結成の準備に関与し、同項に規定する後援団体の構成員となることを勧誘し、若しくはこれらの行為を援助し、又は他人をしてこれらの行為をさせること。

四 その地位を利用して、新聞その他の刊行物を発行し、文書図画を掲示し、若しくは頒布し、若しくはこれらの行為を援助し、又は他人をしてこれらの行為をさせること。

五 公職の候補者又は公職の候補者となろうとする者(公職にある者を含む。)を推薦し、支持し、若しくはこれに反対することを申しいで、又は約束した者に対し、その代償として、その職務の執行に当たり、当該申しいで、又は約束した者に係る利益を供与し、又は供与することを約束すること。

わかりにくいところもあるので、近々自治省の選挙課からレクチャーを受けて、わかりやすく書き込みたいと思います。



2000年10月29日(日) 非拘束名簿方式について(3)

自民党のことばかり書かずに、民主党が勝つ方法を書くべきなのですが、もう一つだけ。

現在の自民党の比例代表公認内定者は以下の17名です(現11名、元1名、新5名)。岩井國臣(現、元建設省河川局長)、尾辻秀久(現、日本遺族会)、釜本邦茂(現、日本サッカー協会)、小山孝雄(現、元村上正邦秘書)、清水嘉与子(現、元厚生省看護課長)、末広まきこ(現、タレント)、武見敬三(現、日本医師会)、中島啓雄(現、元国鉄金沢鉄道管理局長)、中原爽(現、日本歯科医師会)、橋本聖子(現、元スピードスケート選手)、依田智治(現、元防衛事務次官)、小野清子(元、元体操選手)、高祖憲治(新、元郵政省近畿郵政局長)、段本幸男(新、元農水省中国四国農政局長)、福島啓史郎(新、前農水省食品流通局長)、藤井基之(新、元厚生省医薬安全局麻薬課長)、森元恒雄(新、元自治省大臣官房総務審議官)。

17人中8人の官僚出身候補に対しては「公務員等の地位利用チェック」ですが、他の候補の場合でも、日本遺族会やKSD(小山孝雄候補)はともかくとして、日本医師会、日本歯科医師会、日本看護連盟やスポーツ団体などは、自民党一辺倒でいいのかと、内部から批判・反対の声をあげる努力をすべきではないでしょうか。

農協、土建業界、環境衛生、医療福祉関係など、自民党の支持基盤はまだまだ強力ですが、堅い板に力を込めて徐々に穴をあけていく努力が必要だと思います。



2000年11月2日(木) 非拘束名簿方式について(4)

非拘束名簿方式で民主党が勝つ方法は、「リアルスペース」(現実の世界)の運動と「サイバースペース」(インターネットの世界)の運動に分けて考える必要があります。勝利の決め手は「サイバースペース」(インターネットの世界)の運動ですが、まず「リアルスペース」(現実の世界)での運動について書きます。

自民党の比例区公認内定候補17人のうち8人が官僚出身ですが、民主党の方も8人くらいが労組出身になりそうです。自民党と民主党のたたかいが官僚対労組ということではどうにもなりません。民主党は10人くらいの「市民派」候補を立てなければなりません。

拘束名簿方式なら民主党は少なくとも5,6人の女性候補を当選圏内にランクしたはずです。自民党ですら17人中4人が女性候補です。民主党は6人以上の女性候補を立てるべきでしょう。しかし、非拘束名簿方式では、労組などの全国組織のバックアップなしに候補者個人が全国で運動することは到底不可能です。

そこで全国を50万票くらいの得票数を目安に、10くらいのブロックに分けて「市民派」(非労組)候補をブロック単位で擁立するしかないと思います。非拘束名簿への民主党の対案が「ブロック制」の創設でしたから、このやり方は整合性があると思います。

来年の参議院選挙の「リアルスペース」(現実の世界)での民主党の比例区得票目標は1500万票位だと思いますが、民主党の場合はかなりの割合で政党名投票もあると思われるので、候補者個人は50万票を「ブロック」での目標とし、あとは候補者個人のブロック外でのネットワークを上積みすることにすれば、運動のやり方も費用のかけ方も見えてくるのではないでしょうか。

大事なことは、民主党の関係者とサポーターのすべての人が、労組などの縦割りネットワークでも、ブロックの個人名投票でも、候補者個人のネットワークでも、政党名投票でも、何でもいいからどこかのチャンネルで比例区の運動に参加できるようにすることです。「選挙の得票数は”運動員”の数に比例する」からです。

この「リアルスペース」(現実の世界)での運動に加えて、「サイバースペース」(インターネットの世界)の運動が民主党勝利の決め手になると、私は考えているわけですが、今日はここまでとします。



2000年11月5日(日) 非拘束名簿方式について(5)

民主党が比例代表選挙で勝つための、「サイバースペース」(インターネットの世界)での運動を提案します。

「インターネットによる360万人のサポーター獲得大作戦」

(1)このネットワークの名称は「政権交代全国市区町村民委員会」(NETWORK FOR CIVIL DEMOCRACY 略称NCD)。目標は「政権交代」「市民政治」「構造改革」。

(2)全国に3600のアクセスポイントAP(事務所=国・地方の議員・候補者、弁護士・弁理士・公認会計士・税理士・司法書士・行政書士など、中小企業・個人事業・ベンチャー企業、各種店舗、NPOなど。要するに、志と人とパソコンと電話とFAXのあるところ)を作る。目安は全国300小選挙区ごとに12ヵ所。

(3)APごとに1000人のサポーター(年会費1000円)の獲得と名簿管理をしてもらう。目安はAPごとに10人から100人の呼びかけ人に、地域無限定で(全国どこでもよい)、友人・知人・親戚などにはたらきかけて、100人から10人のサポーターを獲得してもらう。

(4)毎年3ヶ月間を運動期間とし、あとの期間は準備にあてる。来年は3月1日から5月31日の3ヶ月間を想定。

(5)名簿管理はAPごとに行い、7けたの郵便番号ごとにセンターに登録する。センターは数の集計をするだけ。年会費はまとめてセンターに入金する。会費は「市民選挙基金」とする。

(6)参議院・衆議院の比例代表選挙では、NCDのサポーターのみなさんには「民主党」の政党名投票と10票の民主党票獲得をお願いする。したがってこの運動の最終獲得目標は3600万票となる。(参・衆の比例選挙のほかに、民主党代表選挙・憲法改正国民投票・首相公選選挙などを想定している)

細部はさらに詰めなければなりませんが、この運動の特徴は名簿をインターネットで登録して、集計するだけなので(もちろんインターネットでの情報提供・情報公開・情報交換は行う)、郵便などは一切使わないので(郵便振替は活用する)、ほとんど費用がかからないところだと思います。

この運動をどうやって立ち上げるかですが、おそらく民主党本部は採用しないと思うので、「国のかたち研究会」(菅グループ)に、「新・KANプロジェクト」として提案したいと思います。もちろん民主党本部が採用するなら民主党全体でやればよいと思います。


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