1994/03 No.72 ホーム主張目次たより目次前へ次へ

江田五月に緊急インタビュー

社民連はどうなる?! 政界再編の行方は?!
江田五月は何をめざす?!

 政治改革法案が通った今、政界再編が急ピッチで進もうとしています。その大きな渦の中で、はたして江田五月は何をめざし、どう動こうとしているのか。

 また、今年に入って「社民連解散」を思わせる報道が目につきますが、「党首・江田五月」の真意はどこにあるのか気になるところです。

 そこで今回、江田五月議員に緊急インタビュー。「ホントのところ」を徹底的に聞いてみました。(インタビューは五月会だより編集部)

●「大臣になってから、新聞の『動静』欄にも載らないし、政治的な発言も聞こえてこない。江田さんは、一体何を考えどう動いてるんだ?」という声がチマタに満ちてまして、今日は一つ、大臣というカミシモを脱いでざっくばらんに語ってもらおうと(笑い)

江田 ハハハ。ご期待に添えるよう努力します。

●まずは、なんと言っても「社民連はどうなるんだ?」というところを聞かせてください。

新党が見えぬ前の社民連解散はない

江田 うん。ちょっと振り返ってみたいんだけど、社民連を結成した時、二つの大きな目標を掲げたわけです。

 一つは 「市民の政治をめざそう」ということ。これは 「ハイ、実現しました」というようなもんじゃなくて、永遠の課題というか、これからも追い求めていかなきゃならんことです。
 それともう一つは 「野党を結集して政権交代を実現させる」ということです。

 これに関しては、僕たちはまず政界再編を実現させて、それから政権交代というプロセスを考えていたんだけど、現実には皆さんご存じの通り、順序が逆になった。

 ま、しかし、当初の目的は曲がりなりにも達成したわけで、「コースギリギリのストライク」というところかな。そして社民連の歴史的役割は終わった、と。

●やっぱり社民連は解散、ということに…

江田 いやいや。そう一足飛びにはいかないんで。細川政権は8党派の連立政権ですが、政治改革法案が成立して、当然、政界再編が進む。「新党」という具体的目標が近づいてきた。国民の期待に応えられる新党ができた時、社民連は解散して新党に参加する、ということです。 いま即座に「ハイ、解散します」ではない。

●じゃあ、今回「さきがけ日本新党」と院内会派を結んだのも、新党に向けてのプロセスということですか?

さ・日新との統一会派は新党への布石

江田 そう。新党を考えるとき、日本新党、新党さきがけグループを核に結集を図ろうということです。もちろん社会党は重視しなきゃならない。しかし社会党を核に新党を構想するには限界がある。それと、言い方は悪いが社会党には「自分から何かの動きを作ろう」ということがなくなっている。もはや解体過程に入ったな、という感じです。

 社会党の中の改革派というか志を共有できる人たちに、「新しい勢力、これから目指す新党の核はここですよ」ということを、我々が行動でもって示そうという意味あいもある。

●ということは、江田さんの考える新党というのは…

江田 日本新党・新党さきがけプラス社民連。そしてそこに社会党のの改革派、民主改革連合、民社党、さらには自民党の良心派も含めた、保守・革新を乗り越えた政党、ということです。

●新生・公明ラインとは一線を画す、と。

連立政権維持し、自前の予算編成を

江田 ただし忘れちゃならんのは、大前提として連立与党の枠組みは壊してはダメということです。自民党政権が築いた巨大な利権の構造を完全に打ち壊してしまうまでは、自民党を再び政権の座につかせないよう、8党派がしっかりと手を握らなきゃならない。

●具体的には、たとえば連立与党で100%自前の再来年度予算を作るまでは、といったことですか?

江田 それもあるでしょう。これからいよいよ平成6年度予算の審議に入るわけですが、これは実を言うと骨格部分は昨年の夏までにはできあがってた、つまり自民党政権が作った骨組みの中で、我々なりの知恵を盛り込んだものです。

 だから、この予算が通って、通るとすぐに平成7年度予算案の作成にかかるんだけれど、これをちゃんとやって、成立させるまでは、連立政権を維持させていかなきゃならんということです。

透明度増した、政策決定のプロセス

●ところで、「細川政権が誕生しても、何も変わらんじゃないか」といった声も耳にしますが、ここで一つ、連立政権の成果をおおいにPRしてください(笑い)。

江田 なかなか連立政権の成果が見えにくいということはあるかと思います。政策というのは必ず予算を伴うんで、先ほども言いましたが、既に自民党が骨格を作っていた予算では、なかなか我々の望むようにはいかない。

 いま、予算も含めてあらゆる面で自民党政権との引き継ぎが続いている過渡期だ、ということをご理解いただきたいですね。

 ただ、そうはいっても変わりましたよ。まず、政策決定のプロセスが非常に透明になった。予算編成の最終段階で「何を連立与党内でゴタゴタやってるんだ」というお叱りの声も聞きましたが、じゃあ自民党時代はゴタゴタしてなかったかというと、決してそうじゃないんですよね。業界のごり押し、族議員の暗躍、派閥の長たちのボス交渉、裏取引といったものが、国民の目に触れないところで行われてたわけです。

●江田さん所轄の科学技術庁でいえば、連立与党になって何か大きな変化がありましたか?

対話、オープンが原子力政策の基本

江田 いちばん大きな変化は、あらゆる面でオープンになったということです。たとえば原子力政策を決めるのに、原発反対派の人も含め、広くみんなの意見を聞くとか…

●そう言えば、ちょうど政治改革法案がヤマ場を迎えてた時、新聞に広告が載りましたよね。

江田 そうそう。あれなんかは大きな変化です。それと、原子力に関する情報も可能な限りオープンにしていこうということで、準備を進めてます。

●「可能な限り」じゃなく、「全部情報公開します」とか言えばカッコいいのに。

江田 いやいや(苦笑)。これがそうはなかなかいかないんで。…というのも3つの制約があるんですよ、原子力情報の公開については。

 ひとつは 「核不拡散」ということ。つまり、原子力発電にしてもウランの濃縮にしても、あまり情報をオープンにしてしまったんでは、どこかの国がその技術を悪用して核兵器を開発、なんてことになりかねない。

 もうひとつは 「核物質の防護」ということです。事前に核物質の輸送経路を知らせることで、盗まれる危険性が高まる。これは避けなきゃならん。

 そして「ノウハウの保護」です。原子力技術は、どこの国も自前で開発してきた非常に重要なもので、これを簡単にお教えしますというわけにはいかない。

 ただ、輸送経路なんかは事前は無理にしても、輸送後は公開してもなんら不都合はない。そういう部分をきちんと洗い直していくことで、原子力に対する理解も深まっていくんじゃないかと思いますね。

新党で「市民の政治」の旗振り役に

●さて、最初にお話しましたが、大臣の職務に全力で取り組むという江田さんの基本方針は理解するとしても、やはり我々としては、これから起こる政界再編の嵐の中で、江田五月という政治家は何をめざし、どんな役割を担うのかが、非常に気になるところです。

 もっとストレートな言い方をすると、「江田さんには、やはりリーダーがふさわしい」というところでしょうか。

江田 ありがとうございます。…恐らく僕自身が望む望まないに係わらず、新党の「旗振り役」という役割は逃れられないんじゃないか、と思ってます。

 平和、環境、人権、福祉、あるいは「市民の政治」といった理念を新党の中で体現していく役割です。そうした理念は社会党をはじめ、いわゆる社会民主主義政党の中の貴重な「財産」なんですが、残念ながら「宝の持ち腐れ」になってしまっている。そういうものを新党の中で再生し、発展させてゆかなければならない。

●どうも我々は、江田さんが閣僚になってから、存在感が希薄になったようで、ごめんなさい(笑い)、心配でならないんですが、本当に大丈夫ですか?

江田 確かにね。今は閣僚の立場として他の20人の仲間と一体でがんばっていかなきゃ、そうでないと国がもたない。自分だけエエカッコなんてわけにはいかないんで。

 でも、ちゃんと頑張ってます。心配せず、大いに期待していてください。

●安心しました(笑い)。

連帯する世界、共生する社会めざす

●最後にお聞きしたいんですが、最近、小沢さんは「普通の国」、細川さんは「責任ある変革」、武村さんは「小さくともキラリと光る国」と、21世紀に向けての日本のビジョンを提唱していますが、江田さんの考えるこれからの日本を一言で言うと?

江田 こりゃ参ったな。どうもコピーライターの才能は乏しいからなぁ(笑い)。ま、「これは」というキーワードはおいおい考えるとして、やはり一つは 「日本は21世紀型国際社会の旗振り役になるべき」ということですね。

 恐らく小沢さんが「普通の国」と言う時イメージしておられるのは、18世紀以降に誕生した「主権国家」でしょう。しかし平和、環境、人権、どれをとっても一国で解決できる問題じゃない。経済だってそうでしょう。今や国家主権が万能という時代じゃない。お互いの国が譲り合って地球連帯時代を作るべき時なんです。

 国内的には「生活社会」をどう作っていくかでしょうね。

 これから先、高度経済成長は望めない。安定成長時代に即して社会や経済のシステムを変えていかなきゃならない。」

 規制緩和は重要ですよね。これまでの規制は産業保護のための規制だった。逆に言えば、生活者にとっでは不利益な規制です。もちろん消費者保護であるとか、社会的弱者を保護するための規制は残して、さらに強化していかなきゃならない。

 みんなが生活しやすい、努力がちゃんと生活の向上につながる、そして過労死するまで働かなくてもいい社会。自然と共生し、男性と女性、高齢者から子供までがともに生きられる社会をめざします。


保・革乗り越え大同団結を  倉敷市議会議員 金谷光男(63)

 政治改革四法案の成立した現在、日本の政治は選挙協力も含め、新しい政党をめざした政界再編に向けての動きが進行すると思います。

 まず、さきがけ日本新党の統一会派に参加することは、新しい政党をめざす第一歩として正しい選択であり、そのなかで一日も早く会派から理想とする新党の結集へとの発展に向け頑張ってほしい。

 自民党一党政治はこのまま終わらせ、国民に開かれた生活者優先の政治を確立し、次の総選挙においても勝利でき得る結集に向けて先駆的役割を期待する一人です。

 今日まで求め続けた社民連の政治信条が、いま開花しようとしています。保守、革新の枠組みを乗り越え、小異を捨て大同結集することが、いま国民への期待に応える道と思います。そしてこの結集の中核にいつも江田五月の顔があるように。…心から応援を送ります。


清新なイメージ持つ新党を    岡山市 須藤暁子(44)

 先日、安宅敬祐後援会のパーティーで自民党系政治家たちの挨拶を聞いたが、ビジョンより利害調整の政治が身に染みついているのを実感した。自民党的なものに政権を渡したら、元の木阿弥になってしまう。危なっかしい足取りだが、連立政権を維持してほしい。

 しかし、寄り合い所帯がいつまでも続くわけはない。鮮明な政治理念の新党を結成してほしい。二大政党では政権奪取が主になり、基本理念があまりにぼやけてしまう。また、新生・公明を含めての新党は、政治体質、基本政策に無理があるし、国民に新鮮なイメージを与えられない。日本新党、新党さきがけと社会党改革派、それに自民党改革派も含めたリベラルな新党を結成してほしい。若々しく、思慮深く、変化に対応できる新党ならば、求心力を持てると思う。

 江田さんには、与党の今、現実の政治にもまれて力をつけ、大胆に新党結成を成し遂げていただきたい。


「理念」を失わぬことが重要  岡山市 平田洋(32)

 連立政権が誕生して、早いものでもう半年が過ぎようとしています。この間、様々な波が「連立丸」に押し寄せてきました。時には転覆しそうになり、また時にはマストにあいた穴を修繕しながら、何とかここまで乗り切ってきたという感じです。

 しかし、現在のような呉越同舟の状態が長く続くとはとても思われません。政界再編の大きなうねりの中で、社民連のような少数政党がいずれ消滅していく運命にあることは、否定し難い事実であると思われます。

 けれども「虎は死して皮を残す」のごとく、政党は消滅しても「平和を愛し、国民本意の政治をめざす」という政治理念は生き続けなければなりません。そしてそのような確固たる理念を持ち続けることこそが、今後の政界再編の渦の中で、江田五月をはじめ私たちが支持する多くの政治家が生き残り、発展していくための最も重要な要素であろうと思います。


リーダーこそがふさわしい   備前市 千神幸雄(64)

 自民党一党支配の崩壊、連立与党、江田大臣の誕生は快挙だったが、この政界の大きなうねりに呑まれて、「一将功成り社民連、シリウス枯れる…」とも言えるような現状は極めて残念。

 これは、大臣になって江田さんの活動、発言が大幅に制約を受けたためだと思う。野党の党首として目ざましい活躍をしていたあの江田さんはどこへ行った。江田さんに陣笠大臣は似合わない。大将の兜がふさわしい。

 今後の政界再編に当たっては、一から出直し。現実はいろいろあろうが、ここではあえて夢を語らせてもらいたい。

 後輩のさきがけ・日本新党の傘下に入ることなく、江田さんの手腕、実績、人柄(これに財力があれば…)で、まず、20人〜30人の同志を糾合、独自の新党を結成して、連立与党の一翼を担い、さらに、他党を吸収し機の熟するのを待って政界のり一ダー(総理)にと、大きく羽ばたいてほしいものである。




 「リベラルってどういう意味?」という話になり、ひさかたぶりに英和辞典を繰ることになった。最初に載っていた訳語は「気前が良い」。思わず「僕らはリベラルにはなれんぞ」と笑ったものだ。

 戦前リベラルと呼ばれた人は、たとえば歴史学者の津田左右吉、憲法学者の美濃部達吉。至極常識的な考えを持ってるのに、時代が常識から大きく外れていたものだから、不幸にもとばっちりを受けた穏健な知識人、といった趣だ。

 レーガン時代のアメリカでは「リベラル」は、民主党の急進派を非難するのに用いられたそうだ。今の日本なら、さしずめ「護憲派」といったところか。かように言葉の意味するところは時代により国により大きく異なる。

 言葉といえば、筒井康隆氏の断筆宣言以来、「言葉狩り」が話題となっている。言葉を抹殺したところで差別がなくなるわけではない。だが差別意識のない者から、差別的な言葉が差別的な意図で発せられることはあり得ない。「言うのは勝手」的な一部ジャーナリストの論調には賛成しかねる。

 現代は言葉に淫した時代である。誰もが饒舌で、その実何も語らぬ時代である。心の底から発せられた本当の言葉を聞かなくなって久しい。言葉に対して畏敬の念を持つところから、すべては始まるような気がする。(K)


チボリは白紙撤回を!  岡山社民連、県に申し入れ

 岡山県は2月25日、チボリ公園特別委員会でチボリ公園の方針を提案した。

 阪急電鉄(株)が中核企業となることを断ったため、「あくまで民間主導で」という従来の方針から一転して県主導型となり、総事業費478億円のうち281億円を県が、100億円を倉敷市が負担することとしている。また、公園の内容自体、19もの娯楽施設を備えた「レジャーランド的」なものに変質している。

 岡山社民連は3月10日、県に対し、このチボリ公園計画の撤回を申し入れた。

 前市長の時代、岡山市の市政100周年記念事業の目玉として、「チボリ公園」が登場してからすでに6年が経過した。不透明な会計、前市長が知らぬ間に交わされた契約書などを巡って大問題となり、市議会百条委員会まで開かれた。

 その後、「チボリ見直し」を公約に掲げ当選した安宅市長は、市内10か所で 「市長と語る会」を開催。1万人アンケートも行い、市民の声を十分聞いた結果、「市民の声が二分しているので、岡山市の100周年事業としてはふさわしくない」と決断した。

 なぜかそれを県が引き継ぎ、倉敷の駅北、クラボウ(株)の土地を借用し公園計画を実現するということで突っ走ったが、その時点では県も「あくまで事業主体は民間で」という姿勢だけは保っていた。

 しかし、経営の中核となる企業がなかなか見つからなかった。ようやく見つけた頼みの綱が阪急電鉄(株)である。だが、1年間交渉を続けた結果、阪急はこの事業に中核企業として参加することは断り、レジャーランド経営のノウハウだけを提供することとなった。

 ここに至ってとうとう県は、「もう自分でやるしかない」と判断し、最後の手段として「県主導型チボリ公園」で押し切ることを決意、この度の県議会に提案したのである。

 以下、県が提案した計画を検証してみよう。

■公共性は?

 そもそも県が出資する、または融資するとなると、どんな事業にでも、というわけにはいかない。

 県はチボリ公園に出資する理由として、一貫して「高い公共性」を挙げてきた。

 しかし、この度の提案ではフライングカーペット、ファイヤーボールなど流行のアクション施設に加え、ゲームセンターまで含む19もの娯楽施設を揃えるという。「チボリ哲学」という表現で知事が県議会に説明してきた「花と緑、お年寄りから子供までが楽しめる、文化性の高い…」といったものとはかけ離れた、「レジャーランド化」 された公園である。

 入場料は大人2000円。平均一人5300円の平均消費額。4人家族なら2万1200円もかかる公園が、はたして「公共性が高い」と言えるだろうか。

■土地は?

 このような大事業を、50年という長期契約で民間の土地を借り借地料を払いながら、というのはいかにも不安定な形態である。しかも借地料は年間7億円程度。そのうち80%を県が支払うという。

 借地だから、どれだけお金を払い続けても土地は県の財産として残らない。

■採算性は?

 チボリ公園には、開園後、デンマークのチボリ・インターナショナル社に払い続けなければならない「ロイヤリティ」というものが存在し、そのパーセンテージいかんでは、経営を大きく圧迫する危険性がある。

 経営を左右しかねないロイヤリティの率、支払い方法などが、なんとこの期に及んでも決まっていないというのだから、事は深刻だ。

 計画によれば、年間200万人の入場者を見込んでいるとのことだ。現在、全国のテーマパークは軒並み経営に苦慮している中、この数字が達成できるかどうかははなはだ疑問だが、100歩譲って最初の1〜2年は計画通りにことが運んだとしよう。しかし、単年度黒字に転じるのは10年め、赤字解消には、なんと23年かかるというのが県の説明。気の遠くなるような話である。

 県が県民の税金で、半永久的に赤字を補填し続けなければならない危険性が極めて高い。そんなことに税金を使うより、この不況下、優先させるべき課題は山ほどあるはずだ。

■県民の声は?

 県は、チボリのイメージは極めて悪いということをよく認識するべきである。

 少なくとも安宅市長が行ったように「語る会」を開催するなり「県民アンケート」を実施するなりすべきである。しかもそれは計画が決定される前でなければならない。

 知事は県議会で橘民義県議が行った民主クラブ代表質問にする答弁で、「議会の承認が得られたら、県民に対して説明する機会を設けたい」と述べていたが、それでは順序が逆。まず県民の声を聞き、そして判断すべきである。


岡山県知事 長野 士郎殿

 岡山県社会民主連合
書記長 大亀 幸雄

チボリ公用建投計画の撤回の申し入れ

先日、県が発表したチボリ公園建設の新しい提案は、阪急電鉄(株)が中核企業とならないと決定したため従来からの方針である民間主導での経営が実現せず、そのため建設費478億円のうち281億円を県が負担するという、県主導型で「公設チボリ公園」を作ろうとするものである。我々は以下の理由によりこの計画の白紙撤回を申し入れる。

  1. 公園の内容はアクション施設やゲームコーナーなど19の 娯楽施設を備えたレジャーランド化されたもので、県が出資する根拠となる“公共性”は極めて低い。

  2. 全国のテーマパークが経営に苦慮している中、チボリインターナショナル社とのロイヤリティも決まらず、採算性の極めて不透明なこの計画は、今後県民に大きな負担  を強いる危険性が高い。

  3. 民間からの借地で「県営公園」が経営されるという形態は不安定であり、また7億円程度という巨額の借地料を向こう50年間にわたり支払うこと、さらにその80%を県が負担することは納得しがたい。

  4. チボリは多くの県民から悪いイメージを持たれている。不況下において、これに優先すべき課題は山積している。

  5. 今回の計画は、従来のものとは全く質を異にしており、 「知事と語る会」やアンケート調査等で県民の声を聞くことを優先させるべきであるのに、その姿勢がない。

江田五月の東京通信

 H2ロケット、宇宙へ

 2月3日、種子島宇宙センターで純国産の宇宙ロケット「H2」が打ち上げられました。

 本当なら打ち上げは2日前の2月1日の予定だったのですが、悪天候のため延期。3日には打ち上げということで、私も2日夜から種子島に飛び、胸をワクワワさせながら待っていたのですが、そこへ 「国民福祉税構想」を巡り政局混乱というニュースが飛び込み、急遽東京へ。残念ながら歴史的瞬間に立ち会うことはできませんでした。

 幸い、打ち上げは大成功。これで日本もようやく「宇宙技術先進国」の仲間入りを果たしたわけです。

 「感動! 科学の心」

 4月18日から24日の1週間は、「科学技術週間」です。今年の標語は「感動! 科学の心」。公募した標語の中から幾つかを選び、さらに私が合成して作ったものです。

 近年、若者の「科学技術離れ」が問題になっています。原因はいろいろ考えられますが、一つには科学技術があまりに複雑化・高度化し、暮らしの中で科学技術が見え難くなったことがあげられると思います。いわば「科学技術のブラックボックス化」です。

 教育のありかた、科学技術振興策など、政治が行わなければならない課題はいくつもありますが、たとえばアメリカで、人類が初めて月に降り立った映像に感激した世代から優れた科学者が数多く生まれたように、H2ロケットの打ち上げ成功に胸を踊らせた子供たちの中から、将来の日本の科学技術をしょって立つ人物がたくさん現れてくれたなら、これはまた、すばらしい「H2効果」と言えるかも知れません。

(なお、「若者の科学技術離れ」に関しては平成5年度の科学技術白書の冒頭で詳しく述べています。興味がおありの方は、ぜひご一読ください)


藤田清久秘書が高梁市議会議員選挙に立候補!

 江田五月秘書の藤田清久(ふじた・きよひさ)氏が、5月22日投票の高梁市議会議員選挙に立候補(予定)することになりました。

 藤田氏は昭和62年の入所以来、岡山県南の郡部を担当。誠実な人柄で支持者の皆様の信頼を得てきましたが、このたび故郷高梁のために、これまでの政治経験を役立てたいと出馬を決意しました。

 どうかご支援をよろしくお願いしたします。高梁市に親戚、友人がおられる方はぜひご一報ください。


 ごあいさつ  藤田 清久

 このたび、一念発起して5月に行われる高梁市議会議員選挙に立候補を決意いたしました。

 約7年間の秘書経験を活かし、この激動の政局の中、江田五月大臣とともに新しい政治の実現をめざすと同時に、郷土高梁市の発展のため全力を傾注する決意です。

 なにとぞご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。

●藤田清久氏のプロフィール
昭和39年11月11日生まれ/高梁中学、高梁高校を経て昭和58年、専修大学法学部に入学/昭和62年同大学卒業/同年江田五月秘書となる/県南郡部と備前市を担当するかたわら、「すばる会(江田五月グループ地方議員団)」の世話役、「五月会だより」の編集などを担当/現在29歳。独身。


アゼリア会2月例会 梁さんを講師に迎え「気孔」でリフレッシュ

 94年アゼリア会(江田五月を支える女性の会)新年会は、梁薇(リヤン・ウェイ)先生を迎えての気孔。気孔は、人間の体からでるエネルギーをパワー化して心身を鍛錬するというもので、梁先生と一緒に体を動かす参加者も真剣。

 2日前に政治改革法案がやっと成立し、江田大臣にもがんばってもらいたいと願いを込めて、皆さんの『気』を東京へ。江田さん、受けとってくれましたか? 全員体が軽くなって、橘民義県議を囲んでの食事会場へ歩いて向かった。


江田科技庁長官、倉敷で講演
科学技術の可能性について熱弁をふるう

 江田五月科学技術庁長官は2月19日(土)、倉敷市の倉敷公民館で「21世紀へ向けての科学技術の方向性」と題する講演を行った。

 これは社団法人・山陽技術振興会が主催したもの。岡山県下の製造業、電力事業をはじめ、さまざまな業種の技術関係者ら約300人が参加した。

 聴衆が専門家中心ということもあって、講演の内容はかなり突っ込んだものとなった。江田長官は、「私のような素人が皆さんのような専門家の前で、喋るのは…」と前置きしながらも、科学技術政策、科学技術振興、ガン、エイズ、地震予知研究の現状と展望、若者の「科学技術離れ」への対応なとについて、約1時間にわたり熱弁をふるった。


6党会議開催

 細川連立政権を構成する8党派のうち、岡山県内に党組織を持つ社会党、公明党、民社党、社民連、日本新党、新生党の6党代表が、去る2月25日に「6党代表者会議」を開いた。

 中心テーマは次期衆議院選挙問題であったが、率直な話し合いが行われ、以下の3点が確認された。

(1) 6党によって「細川連立政権岡山県連絡会議」を設置し、地方から細川政権を支える。(2) 次期衆議院選挙については、自民党対細川与党の「1対1」の対決となるよう努力する。(3) 来年4月の統一地方選挙(特に県会議員)を含め、あらゆる選挙を共同して闘うために努力する。

 以上の3点について各党は、それぞれの党機関において正式に確認、決定し、その上で3月下旬に第2回6党会議を開く。


保・革乗り越え、新しい理念の新党を
−江田五月会・拡大幹事会開催される−

 政界再編の動きが激しくなる中、江田五月グループ、社民連はどう動くか―。今後の方向性を定めるため、2月20日、岡山市の全逓会館で「江田五月会拡大幹事会」が開催された。

 当日は約100人が出席。江田五月議員も駆けつけ、「さきがけ日本新党」との院内会派結成の経緯、今後の政界再編の見通しなどについて報告した。

 議事では大亀・江田五月会常任顧問より「保守・革新を乗り越えた新党をめざす」との方針が提案され、満場一致で承認。次期衆議院選挙への対応、統一地方選挙への取り組みなどが話し合われた。


編集後記

 1月16日の社民連・江田五月会新春パーティー。今年で13回を数える恒例行事ですが、来賓の顔ぶれはこれまでと随分違いました。以前からご出席いただいていた社会党、公明党、民社党の代表に加え、日本新党、そして政真会の加藤六月代議士の顔も…。時代の変化を強く感じました。(K)


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