1993/10/20

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衆院・政治改革に関する調査特別委員会

○穂積委員 江田長官にお伺いします。

 私はかねてから、あなたは大変素質豊かな、将来ある政治家とお見受けしておるんですが、これはめぐり合わせですからね、小党の党首として今日までおいででありますが、あなたもあの社民連のこれまでの主張から大幅に路線転換、あるいは政権に入っての自民党の路線継承という中で、例えば原発問題や何やでいろいろとこれは、私、本当に見るに忍びないような立場で答弁に立たれているということもあるんですが、今山花さんにお伺いしたと同様の問題についていかがお感じになっておられるか、その所感の一端を御披瀝いただきたいと思います。

○江田国務大臣 原発問題その他についていろいろ御心配をいただきまして大変ありがとうございますが、原発のことは、これは所管のことですのでちょっと触れておきますと、私は小さな政党を確かに背負ってまいりました。やはり一番大切なことは、とにかく政党ですから、その規模の大小にかかわらず、政権をとったときに何ができるか、何をするか、そのことを一番念頭に置いて考えていかなきゃいかぬ、こういうことでやってまいりまして、お言葉ですけれども、私ども社民連という政党、確かにかつて脱原発というような主張をしたこともあるかと思いますが、三、四年前でしょうか、生活者の政権のための新しい政党はかくあるべしというそういう文書を発表したことがございまして、そのときには脱原発という言葉も外しておるんです。

 本当に今の現実というものを踏まえながら、よりいいあすをつくっていくために、どういう政治的スタンスをとっていかなきゃならぬかということについて厳しく自分たち自身を見詰め、そして政策的にもきちんとした判断をしてきたつもりでございますので、どうぞ心配は御無用と思いますのでよろしくお願いしたいと思います。

 ところで、選挙制度のことについてですが、先ほどちょっと制度疲労ということで切って捨てるという趣旨のような御発言ございましたが、私は、やはり中選挙区制度というのはいろんな意味でもう行き詰まりに来てしまっていると思うんですね。停滞をしてしまった日本の政治、難問山積なのにそれに対してきちんとした答えが出せなくなっている日本の政治、あるいは汚れ切ってしまった利権の構造をつくって、その中で動きがとれなくなってしまった日本の政治、その根本にやはり中選挙区制度というものもまたあっただろうと思うんですね。

 そこで、長い間、中選挙区制度をとにかく変えようじゃないかと言い続けてまいりました。中選挙区制度をどう変えるかということについて、確かに私ども併用制がいいという主張をしたことは、これは事実でございます。しかし私は、海部内閣のときにこの政治改革特別委員会の委員にも入れていただいて、当時の海部総理と議論をしたんですけれども、有権者の立場からすれば、並立制、併用制というものは水と油だという議論も実はなじまないんじゃないか。というのは、一つの選挙区から一人を選ぶ、その個人名を投票する、もう一つ政党というものを選ぶ。その二つのものを投票していただいて、それをどういうふうに議席へと結びつけていくかという、そういう技術的な違いが並立制と併用制の違いなのであって、有権者の立場からするとこの二つは実はそれほど違いはないんだ。あとはひとつ頭のいい人、その技術的なことはしっかり考えてくださいということで十分妥協の余地はあるんではないか、こういうことを海部総理と議論をしたわけでございます。

 その当時、海部総理はそこについてもう一歩踏み出すということをやられなかったものですから、残念ながら合意はできなかったわけですが、今こうして多くの人が、一部、本当に一部を除いて並立制ということに歩み寄ったわけですから、私はあとは、こうなると並立制ということで政府の方で責任を持って、こういう二百五十、二百五十あるいは二票制あるいは全国一本の比例代表、こういう制度で出しているわけですから、これについてぜひひとつ委員各位の御賛同をいただいてこの改正をやっていただきたい、こう思っている次第です。

1993/10/20

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