2002/03/11

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154 参院・予算委員会  鈴木宗男氏問題について

13時から、参議院予算委員会の一般質疑。15時まで自民党。次いで、福山哲郎さんと私とで、持ち時間片道40分で17時25分まで、川口外務大臣を中心に質疑。

私は、福山さんを引継ぎ、口では北方領土政策に何らの変更もないと言ってみても、現実には、何の有効な歯止めもないまま、ロシアの占拠を固定化するような建造物を建てていることにより、日本の外向的立場を自らの行為で大きく損なわせていること、これは鈴木議員の利権漁りのために、日本の国益が損なわれていることであり、重大問題だと追及しました。川口外相は私の指摘に同調され、調査を約束されました。

さらに、鈴木議員が会長を務める16のアフリカ関係議員連盟のリストも提出して貰い、これらに係るODA案件をすべて調査し、鈴木議員の関与を洗い出すよう求め、約束されました。ロシアからの水産物の密漁・密輸問題も追及し、早急な調査を約束されました。


(民主党ニュース)
江田議員、鈴木氏の不当な外交介入について追及

 民主党の江田五月議員は、11日の参議院予算委員会質疑で福山哲郎議員に続いて質問し、北方四島での診療所建設やディーゼル発電所建設問題、鈴木議員が友好議連会長職にあるアフリカのODA問題、ロシアからの水産物密輸疑惑をめぐって、鈴木議員による外務省への不当な圧力などを厳しく追及した。

 江田議員はまず、福山議員の質問との関連で「北方四島への支援は食料や人道に限られていたものが、診療所やディーゼル発電所建設までズルズルと拡大している。政策の変更があったのではないか」と質した。川口外相は「鈴木議員からの影響はあったと思う」「しかし、北方四島への支援のあり方に変更はない」と答え、鈴木議員と外務省の政策変更との関係については明言を避けた。

 また、四島への固定施設設置はロシアによる主権侵害の固定化につながらないかという疑問に対して、川口外相は「診療所やディーゼル発電所建設は、プロジェクトごとに口上書を取り交わしており、いかなる工事も両国の立場を害さないこととしている」とし、口上書により国益は担保されていると答弁。江田議員は「口上書を取り交わせばそれで日本の立場は害されないと言いきれるか」とさらに追及すると、外相は「(北方四島への支援は)好ましいものと言えない」ことを認めた。

 続いて鈴木議員が友好議連会長職にあるアフリカのODA問題について、江田議員は「鈴木議員が議連会長職にある16か国はフランス語圏。秘書のムルアカ氏の母国語もフランス語であり、鈴木議員とODAとの関係を調査すべきではないか」と質した。小田野アフリカ審議官は「99年2月の時点でムルアカ氏が公用旅券を所持していることを知り得たが、外務省としての対応は至らなかった」と陳謝。西田経済協力局長は「16か国のODAに関するものは72件あり、早急に提出する」と調査報告書の提出を明言した。

 ロシアからの水産物密輸疑惑について江田議員は、「密漁、密輸、ポートクリアランス(積み出し証明書)の偽造が行われている疑いがある」ことを指摘。武部農水相は「ポートクリアランスの発行が地方政府で行われているか確認中。現在、税関では写しをとることにしている」と答弁。福田官房長官から「速やかに事実解明に努める」との回答を引き出した。


○委員長(真鍋賢二君) 関連質疑を許します。江田五月君。

○江田五月君 関連質疑ですから、今の福山さんの質疑をもうちょっと続けてみたいと思います。

 財務大臣、私も一緒に笑いましたけれども、自民党の皆さん、ああいう態度でおられるけれども、これはやっぱりかなり日本の主権といいますか、あるいはこの我々の立法、司法、行政、それぞれ国の権限を分立をして行使をしているわけです。そういうものがじゅうりんをされているんだ、壟断されているんだと、そういう話だというふうに思いますよ。余り笑っていちゃいかぬなと。

 川口大臣にお伺いしますが、さっき川口大臣は口上書の問題言われました。個々のプロジェクトといいますか工事といいますか、それに全部口上書が付いているというふうにおっしゃいました。

○国務大臣(川口順子君) というふうに申しました。

○江田五月君 それは本当ですか。もう一遍。(発言する者あり)大臣、大臣、答えたの大臣だもの、さっき。さっき答えたのは大臣なんだから、大臣が答えなきゃ駄目ですよ。

 じゃ、もう一遍聞きましょう。
 大臣がそう答えたのはいい。それは事実ですか、本当に。(発言する者あり)

○委員長(真鍋賢二君) だから、大臣でないと答えられないでしょう、大臣の。

○国務大臣(川口順子君) 確認させていただきます。
 確認させていただきますというのは、申し上げたことはそういうこと、そのとおりだということを確認させていただきます。

 それから、ちょっと御参考までにもう少し前のところも読ませていただきますと、ここに書いてございますが、これは全部あれなんですが、人々の生命や健康に対する脅威の発生といった緊急事態の場合を含む緊急人道支援の実施及び当該支援に関連する技術協力を目的とする日本国民の諸島への訪問及び諸島の住民による日本諸地域への訪問は、上記、これはちょっと前に書簡があるんですけれども、及び口上書に規定された手続により実施されることを通報する光栄を有する。本件手続により行われる訪問及び協力は、これら訪問及び協力に関連するいかなる問題についてもいずれの一方の側の法的立場をも害するものとみなしてはならないと、そういうことになっております。

○江田五月君 よく調査していただきたいのですが、お願いをしますね。いいですか。

 このムネオハウス、診療所、それと三つのディーゼル発電所、このプロジェクトに付けた口上書を出してください。

○国務大臣(川口順子君) そのようにさせていただきたいと思います。

○江田五月君 それから、もう一つ川口大臣、先ほど入域の際に訪問と協力か、これがどちらの国の基本的立場をも害さないと、そういう口上書を出しているということをおっしゃいましたね。そして、これは間違いないですね、ちょっと一々やったら面倒くさいので、じゃ、はい。

○国務大臣(川口順子君) もう一度読ませていただきますが、本件手続により行われる訪問及び協力は、これら訪問及び協力に関連するいかなる問題についてもいずれの一方の側の法的立場をも害するものとみなしてはならないと、そういうことでございます。

○江田五月君 そういう口上書が付いていれば、その入域によって行われる工事がいかなる工事であっても両方の国の基本的立場は害されないということになるんですか。分かります、質問。

○国務大臣(川口順子君) 日本側はそういうことを言っておりますけれども、それの意味合いがいかなる恒久的な施設を建ててもいいかというと、そういうことではないということでして、それについて我が国の立場というのは、北方領土住民に対して我が国政府が行ってきている支援は、現地のニーズを踏まえ、あくまでも緊急、人道の観点から行うものであり、ロシアによる北方領土の不法占拠を助長し、その固定化、既成事実化に通ずる可能性のあるものなど、北方領土問題に関する我が国の基本的立場を損なうような可能性のある支援については認められないというのが我が国の政府の基本的な立場でございまして、これに変更はございません。

○江田五月君 日本政府の立場に変更はない、分かりました。その立場を守るために日本政府は精一杯努力しなきゃいけませんね。

 で、今、向こうの国に建つものがいろいろあります。だんだんでっかいものになってきました。物品なんて称してこういうプレハブの診療所を作るところまで来てしまいました。さあ、口上書を付けていますから日本の立場は害されないんですと、そういうふうに言い張って本当にいいんですかということ。どうですか。

○国務大臣(川口順子君) まず、先ほども申し上げたことですけれども、このロシア支援の在り方については、望ましい形で行われているとは私は思っておりません。
 したがいまして、繰り返しになりますけれども、別な監査法人により事業の仕方も含めて監査をしてもらうということを考えておりますし、それから専門家の方に集まっていただいて委員会を作りまして、ここでどのようなやり方で支援をやるということがいいのか検討をしていただいて、その結果を実際の仕事あるいは仕組み、やり方に反映をさせるつもりでおります。

 その上で、今の御質問についてでございますけれども、口上書によってそのようなことを担保しているというのが一つでございます。

 それからもう一つは、我が国の方針として、恒久的なものは作らない、先ほど申し上げたような基本的な立場を損なうような可能性のある支援については行わないという、この二つで今御指摘の問題を担保しているということでございます。

○江田五月君 外務大臣、苦しいと思います。本当に、それはなかなか、ゆがんじゃったんですよ、要するに。だから、これは好ましいやり方で行われていないんじゃなくて、好ましくないことになってしまったんですよ、今。だから改めなきゃいけないんじゃないですか。そこをはっきり答えてください。

○国務大臣(川口順子君) 私は、全くおっしゃるとおりだと思っております。

○江田五月君 そして、恒久的な建物と言うけれども、建物なんというのは、まあエジプトのピラミッドぐらいだったら恒久的かもしらぬけれども、それはワールド・トレード・センターだって壊れるんですから、やっぱり恒久的かどうかの判断なんというのは余りそう、いや返還のときにいろいろやればいいんですというようなことでごまかしちゃいけないと思いますよ。そこも一つしっかりさせてほしいと思います。

 ところで、先ほど福山委員の質問にも出てきましたが、例の「報告・供覧」と、今日の鈴木証人の衆議院での尋問に出てきたものですが、これはこのとおり事実だとおっしゃったんですが、この文書、この文書はだれが作ったんですか。

○政府参考人(齋藤泰雄君) この北方四島へのプレハブ診療所建設問題についての文書に……

○江田五月君 そうです。

○政府参考人(齋藤泰雄君) これは、当時、西田欧亜局参事官が鈴木宗男議員を往訪した際の状況について当時の担当者がメモったものだというふうに思います。

○江田五月君 担当者がメモったものだというふうに思いますと。あなた、どういうんですか、責任者ですから、思いますじゃ困るので。起案者というところが私どもの手元へ来ておるものは消してあります。この起案者が作成したと考えるんですか、それでいいんですか。

○政府参考人(齋藤泰雄君) 情報公開法の制度では六級未満の職員の名前は公表しないということになっているようでございまして、そういった意味でこの起案者のところの名前が消えているわけでございます。

 私の手元にあるのにも消えているものでございますので、と思いますというふうに先ほど申し上げたんですが、この起案者に口述したかあるいは同席したか、ちょっと私、今とっさのことで定かじゃございませんけれども、その起案者がメモにしたものだというふうに思います。

○江田五月君 電話番号二七九二という、これ外務省の内線番号ですね、この番号のところにいる外務省職員が起案を、起案というか作成をした文書であると。これはだから真正な文書であると、これでいいですね。もちろん、これはコピーですが、このコピーの元のものは真正な外務省職員作成の文書であると、これでいいですね。

○政府参考人(齋藤泰雄君) そのとおり御理解いただいて結構でございます。

○江田五月君 なお、もちろんそれぞれこの回覧した相手の、回覧先に小さくいろんなサインがありますが、このサインはそれぞれの者の作成に係るものだと、これもいいですね。

○政府参考人(齋藤泰雄君) サインの付いているものにつきましては、その名前のある当該者のサインであろうと思います。

○江田五月君 ちょっと私、余り知らないので教えてほしいんですが、無期限のマル秘、マル秘じゃない、カク秘ですが、無期限の秘、これはどういう指定になる、どういう手続で、だれが、どう、いつ指定するんですか。

○政府参考人(齋藤泰雄君) ちょっと私、責任持ってお答えする立場にございませんが、私の理解では、それぞれを主管いたします部署の課長が指定するのだろうと思います。

○江田五月君 後で調べて教えてください。
 秘密指定解除になっているんですが、この解除の手続及び時期。

○政府参考人(齋藤泰雄君) 今回、この無期限秘という外務省の文書を御提示するに当たりまして、必要な省内手続を取った上で秘密指定を解除したということでございます。

○江田五月君 今回、国会に出すについて解除したというふうに聞いていいんですか。

○政府参考人(齋藤泰雄君) これは先般、国会でお求めがございまして、調べた経緯につきまして二枚紙の表書きがございますが、それに別添する形で必要と思われる資料を、秘のものについては秘密指定を解除した上でお出ししたと、こういうことでございます。

○江田五月君 そこで、じゃ、伺うんですが、このペーパーに、先ほど福山さんの質問の中にも出ましたが、活字で打ってあるものが一ページ、二ページとあって、一ページ目に、初めに西田参事官より次のとおり述べたといって、このプレハブ診療所は検討中だが、日本の法的立場やあるいはロシアがどう受け止めるかとか、そういうことをよく考えて検討しなきゃならないということをるる述べているわけです。

 これは、この診療所がこの検討の結果オーケーになったということなんでしょうが、こうしたことを一々ちゃんと検討していかなきゃならないと、この日本政府の立場は変わったんですか、変わっていないんですか。これは外務大臣じゃないの。

○政府参考人(齋藤泰雄君) これは先ほど川口大臣からも御答弁申し上げたと思いますけれども、この件に関しましては平成六年の八月に南クリル副地区長からテレックスで要請がございまして、その後、北海道東方沖地震が起きたわけでございますけれども、平成七年の四月の十一日の段階で、外務省の中で平成七年度におけます北方四島住民支援について検討を開始いたしました。その検討の中にこのプレハブ診療所も含めてあったわけでございまして、外務省の中で検討を、協議を開始いたしまして、それ以降の経緯はこの紙に書いてあるとおりでございますけれども、日本政府として途中で考えが変わったということではございませんで、供与する方向で四月の時点で検討を開始したということを御理解いただきたいと思います。

○江田五月君 このプレハブ診療所についてのこれを進めるかそれとも進めないかというそういうことでなくて、こういう個別のプロジェクトを検討する際のチェックポイントといいますか、どういうことを検討してイエスとかノーとかの結論を出すのかという、その一番元になる判断基準となる政策、これは変わったことはないんでしょうと。これは川口大臣さっきそうお答えになったような気がするんですが、もう一遍確認。

○国務大臣(川口順子君) このイ、ロ、ハの三つは非常に普遍的なチェックポイントといいますか、検討に際してのチェックポイントだと考えます。

○江田五月君 だから、そこでそれが問題なんですよ。

 その北方領土問題については、日本の立場は領土の帰属を確定をして平和条約を結ぶんだ、それは全然変わっていないんだと。あるいはまた、そうした日本の立場を害するようなそういうことはやらないんだ、そういうところは全然変わらないんですが、しかし現実に行っていることはずるずるずるずる変わっていくと。そして、現実に行っていることを見たら、元々の大きな方針が何だかどこかへ吹っ飛んでしまうような、そういうことが行われてきたんじゃないですか、それが実は鈴木問題じゃないんですかということを我々は言っているわけですよ。分かりますか。

 鈴木宗男さんがここで声を荒らげたんでしょうね、恐らく。相当に激しい口調で以下を述べたと。そう言って、そもそも北方領土問題というのは国のメンツから領土返還を主張しているにすぎず云々ということが出てくるんですよね。これはどうです、この鈴木議員がここで言った、これは事実だというわけですから、中身も恐らく、少なくともお書きになった人はこういうふうに聞いているわけですが、これは全く政府の立場ではありませんよね。完全に違いますよね、大臣。

○国務大臣(川口順子君) 二点あるんですけれども、一つは委員がおっしゃられたように、この過程でいろいろな御意見が鈴木議員からあって影響を受けたかどうかということですけれども、これは私の推測ですけれども、鈴木議員のことを気にしてということは外務省の側にはあったのではないかと思います。

 それから次に、それでは外務省の判断がそれによって変わったかということで申し上げますと、先ほど齋藤局長から御答弁申し上げましたように、これは四月十一日の時点でこのプレハブの診療所も含む形で外務省としてはこれの検討をしていたということが、事実がございます。それから、日付はちょっと今頭に入っていませんけれども、その後の時点で、これは外務省の決裁文書として、これをやるということは様々な検討の末やるということで決めたわけでございまして、したがって外務省が気にし過ぎて影響を受けたということはあったかもしれないけれども、これは私の推測でございますけれども、その結果として、外務省が全くやらないというところからスタートして、やるということになったかというとそうではない。最初からやりましょうということで検討を進めていて、決裁をしたということでございまして、鈴木議員によって結論が変わったと、そういうことではないと私は思っております。

○江田五月君 その関係で更に話を次へ進めます。

 先ほど、福山議員、それぞれの皆さんに、鈴木証言をお聞きになってどうだったかという感想を伺いました。ちゃんと聞いておられなかった方、これももちろん当然です、別にそれを悪いと言うんじゃありません、は、それほどおられなかったようなので、ちゃんと聞いておられた方はそれほどおられなかったようなので、それはいいんですが、川口大臣はあの証言はずっと聞いておられましたか。

○国務大臣(川口順子君) かなりの部分聞いておりましたが、一〇〇%全部その時間を証言を聞くことに費やしたということでは残念ながらございませんでした。

○江田五月君 真摯に対決をして問題解明に努めたというような、そういう趣旨のことをさっきおっしゃったような気がしますが、さて聞いて、これ鈴木議員は、外務省の立場としてですよ、外務省のこの崩れた信頼を取り戻すために一体鈴木議員とどう川口さん、あなたはこれから対峙されていかれますか。あれを聞いていて、どう思われましたか、それは。

○国務大臣(川口順子君) 具体的にどういう改革の策を政と官の関係について取るかという御質問かと思いますけれども、この点については、私は今外務省の中で、問題のある点についてはこれは文書で残す、問題のない点についても文書で残すということではございますけれども、問題のある点については文書で政治指導層といいますか、大臣、二人の副大臣、三人の政務官に対して上げてくるようにと、そこで対応を決定するということを今外務省の中では周知をさせております。その上で、これは当分の考え方、対策ということでございまして、対象が鈴木議員に限っているということではございません。

 それで、この問題は、私は「開かれた外務省のための十の改革」で書かせていただきましたけれども、外務省と政治家の皆様の関係だけではございませんで、広く政と官の関係ということでとらえるべき問題だと思っております。

 政治家の方は当然に選挙で選挙民の方に選ばれてここにいらっしゃる方々でございますから、その方の御意見は選挙民の意見を代表するというふうに考えるべきであると思いますし、幅広く謙虚に伺うということでございます。ただ、その中で適切でないもの、「不当な圧力」という言葉も使わせていただきましたけれども、それについては排除をするということでございまして、そのやり方は外務省としては具体的に先ほど言いましたことですけれども、全体としては政と官の関係の中であちこちで御議論していただいて、国会でも御議論いただきたいと思いますし、政党でも御議論いただきたいと思いますし、広く国民の方にも御議論いただきたいと思いますし、また官でも議論をすべきだと思います。そうした議論を経て、どういうような形で政と官がいい関係を持つか、持てるかということが出てくるのではないかと思っております。

○江田五月君 私はそれでは駄目だと思います。
 川口大臣、申し訳ないんですが、外務省の行政が鈴木議員によって随分ゆがめられた。あなたは今ゆがめられたんじゃないと言うけれども、それでも鈴木議員がいることが随分気兼ねしたんでしょう、みんな外務省が。そういうことが書いてあるわけですよね、あの園部報告書の中に。そういう事態が背景にありながら、鈴木議員がいろんなことを証言をされた。その幾つかの点について、外務省はこれは我慢ならぬということが出てこなきゃおかしいと思いますよ。

 例えば、さっきの北方領土問題について、鈴木議員何と言ったか。北方四島返還を求めるのは私はもうそのことで一生懸命になったというようなことを言った。この文書が出てきたら、そうすると、いやこれにはその前のことが書いてあるんじゃないですかなんとか言ってぐにゃぐにゃ逃げた。

 あれについて外務省として、あなたは責任者として怒らないんですか。

○国務大臣(川口順子君) 鈴木議員によってゆがめられたことがないというふうに私が言ったとおっしゃいましたけれども、ゆがめられたともゆがめられていないとも、そういう言葉遣いは私は申し上げていないつもりでございます。

 それから、この外務省と鈴木議員のかかわり合いにつきましては、先ほど、先ほどといいますか、この調査を発表いたしました三月の四日に、私はプレスの方に対して、あるいは国会でも申し上げたかもしれませんけれども、鈴木議員と外務省との関係は社会通念に照らして異常だというふうには私は申し上げておりまして、そういうふうに私は思っています。

 それから、この上ほかに鈴木議員に対して何か措置を取るつもりかという御質問でございましたけれども、現在いろいろなことは精査をいたしておりますけれども、今後適切に対応していきたいと考えております。

○江田五月君 もう田中眞紀子さんと流儀が違うから、それはなかなか同じように考えるわけにいかないんですけれども、北方領土問題については、私は、鈴木議員のあの対応は、外務省はこれはよほど腹に据えかねるという態度を持つべきだと思いますし、もう一つ、ソンドゥ・ミリウ発電所ですね、これについてあれこれ言って、結局どうです、鈴木議員はかなり前から知っていたんじゃないかと思われません、あれを聞いていて。お聞きにならなかったですか、それともそこは。

○国務大臣(川口順子君) ソンドゥ・ミリウ水力発電所につきましては、外務省の報告書で御報告を申し上げているとおりに私は考えています。

○江田五月君 あれは最近になって初めてそんなものがあるというのを知ったんだと言うんですが、実は、しかし、ずっと詰めていくと、いやそうじゃないと、随分前からいろいろ知っていてやっていたんじゃないかということがもう言わず語りに明らかになってきていたのではないかと思います。

 もう一つ、例の鈴木議員の秘書の方の公務員資格の問題、これなんかも最後に何か、コンゴでの公務員はああだこうだ、やれサービスパスポートがどうとかこうとかいろいろ、あれはかなり前から公務員ということを知っていたという話じゃないですか。そう感じられませんでした。聞いていませんか。

○政府参考人(西田恒夫君) お答えいたします。
 ケニアのソンドゥ・ミリウ水力発電計画について、先ほど辻元議員の方から御提起になりました、鈴木議員のその前、三回にわたる訪問の件で、そもそもその際、例えば大統領と会ったんではないかと、あるいは本件についての話合いが行われたんではないかというような御指摘がございました。その御指摘を受けまして、現在、鋭意事実関係を確認中でございますが、取りあえず現時点において判明したことは以下のとおりでございます。

 調査の途中でございますので、あらかじめ取りあえずということをお断りしておきたいと思いますが、九一年七月の外務政務次官としてのケニア訪問でございますが、当時外務政務次官たる鈴木議員は、モイ大統領と会談をしておられ、経済協力についても話題になっておりますが、当該ソンドゥ・ミリウ水力発電計画についてやり取りが行われたとの記述はございませんでした。

 二番目、九二年十二月の選挙視察団長としてのケニア訪問でございますが、その際、鈴木団長はコスゲイ外務次官を表敬したとの記録がございますが、その際、経済協力案件についてのやり取りは行われたとの記述はございませんでした。

 なお、当時モイ大統領と会談があったかないかということについて、現時点であったということが確認をされておりませんが、更に調査を続けていく所存でございます。
 三番目、九四年十一月の当時の件につきましては、今現在、詳細調査中でございます。

○江田五月君 ムルアカさんの件は。

○政府参考人(小田野展丈君) お答えいたします。
 九九年の二月の時点でムルアカ私設秘書が公用旅券を持っているということを外務省は知るに至りました。議員の個人の判断で雇用した私設秘書ではございますが、この公用旅券を所持しているということで我が国が同氏を外交官として接受しているという認識ではございませんでしたが、それについて問題意識をきちんと持たなかったということについては、行為としてちょっと至らなかったところがあるかと思います。

○江田五月君 鈴木議員は、証言の中で、いや、公務員とはずっと知らなかったと言いながら、一番最後の方になったら、コンゴの公務員というのはああだこうだと、こういろいろ言って、正に語るに落ちるという話なんですが、川口大臣、私は、これは精査していかなきゃならぬし、衆議院の予算委員会が決めることではありますが、ずっと聞いていると、刑法九十六条の三、入札妨害罪、あるいは内閣官房副長官、北海道・沖縄開発庁長官として、刑法百九十七条の収賄、受託収賄あるいは加重収賄、こういうものに当たるんじゃないか。あるいは、例の七万ドル送金、これは外国為替管理法違反に当たるんじゃないか、そんな感じが強くしますよ。

 こういうことについてのこれから恐らく国会でいろんな審議が進むと思いますが、私は、衆議院もこれは再喚問をしなきゃならぬと思いますし、参議院の方の予算委員会でもやはり呼ぶべきではないかという気がしますが、これについてはこれから野党もいろいろ協議を始めます。そうした協議の際に外務省としてはきっちり協力してくれますか。

○国務大臣(川口順子君) 外務省としては委員会の御指示に従いたいと思います。

○江田五月君 委員会の御指示のことをそういえば聞くのをちょっと忘れ掛けましたが、川口大臣は、前回の福山さんの質問のときに、佐藤優前主任分析官の人事に対する鈴木議員の介入、それからもう一つ、支援委員会全体について、この調査については予算委員会の指示があれば調査をすると。指示があれば調査をするという答弁でした。これを後ろで聞いていて、私はこれは極めて消極的な態度をお示しになったなという気がいたします。

 川口大臣、あなたはこの二月十二日、いわゆる骨太方針、第一に「不当な圧力の排除」を掲げて、国会議員より職員に対して伝えられる問題については、書面で、大臣を含む政治指導層に報告し、省としての対応を決定する、この書面は情報公開の対象にすることを検討すると。こう、これ検討だけで実はやらないつもりだと、そうじゃないんでしょうね。ちょっとそこだけ。

○国務大臣(川口順子君) 私が一貫として申し上げてきておりますことは、今回の調査について、新しい御指摘があれば、その点については調査をしますということを申し上げてきております。その上で、それをお出しするかどうかについては委員会の御指示に従いますということを申し上げてきているわけでございまして、新しい御指摘があればということはもうずっと最初から申し上げています。

○江田五月君 ごめんなさい。ちょっとよく分かんなかった。
 新しい指摘があれば調査をする、それを出すかどうかは委員会の指示に従うということですか。

○国務大臣(川口順子君) ということでございますが、もう少し丁寧に申し上げさせていただき……

○江田五月君 いや、いいです、取りあえず。

○国務大臣(川口順子君) よろしいですか。じゃ、そういうことです。はい。

○江田五月君 ということは、新しい指摘がなけりゃ調査しないということですか。

○国務大臣(川口順子君) という点を先ほど御説明をさせていただこうと思っていたんですけれども、機会を今いただきましたので。

 私がずっと申し上げていますのは、外務省が行った調査ということについては、これは行政機関である外務省が国会で御指摘をいただいたようなことについてどういう対応をしたかという事実関係の調査である。で、強制権もない中で、十日間という限られた時間の中で、だけれども、資料の精査あるいはヒアリング等で最大限の調査は行いましたということでございます。

 ですから、そこで調べたこと、要するに、対象となったことでございますね、例えば、何でしょうか、そのムネオハウスとかそういうことですけれども、そういう対象になったことについていえば、新たな御指摘があればそれは調べますということでございますし、対象にならなかったことにつきましても、こういうことが問題であるということが御指摘があれば、それはいつでも外務省として調査をいたしますということです。
 その上で、それを国会に出せということであれば、それは委員会の御指示に従いますということでずっと申し上げてきております。

○江田五月君 私どもも、それ外務省にも強制調査権限ないだろうけれども、我々の方がもっとないんですからね。それでもいろんな調査をしているんで、こっちが指摘をすれば調査するじゃなくて、やっぱりこの鈴木宗男議員のいろんな介入について、外務省としてはすべて調査をすると、一切漏らさず調査をすると、そのくらいな決意をお示しになったらどうですか。

○国務大臣(川口順子君) これは、外務省としては、行政機関としてできる最大限のことは今までやってきておりますし、今後それをやるということに変わりはございません。

 それから、先ほどお問い合わせのあった、ちょっとおっしゃったことですけれども、国会で、鈴木議員による外務省人事への介入について調べたかと、調べるべきであるというお話がございまして、これについては調べさせていただきました。

 それで、鈴木議員の外務省人事への関与についての記録は、人事という問題もございますのでございません、記録はございませんけれども、関係者の記憶によれば、特定職員の人事について、鈴木議員の意向が当該職員の所属課より、所属課経由で人事当局に伝えられたことはあったということでございます。

 それから、その所属部局から伝えられた鈴木議員の意向の中には、人事課から提示した異動先は適当でないとするもの、あるいは特定職員を特定のポストに異動させるべきであるというものがあったとのことでございます。ということでございました。

 それから、入札の件について御質問が国会でございましたけれども、調査報告書におきまして、入札参加資格を有する他の三社と報告書に書いてございますけれども、これは必ずしも正確ではなかったということでございまして、この調査につきましては、これ支援委員会の事務局の当時の関係者からの聞き取りと書面の精査を通じて行われたものでございまして、支援委員会事務局は入札当時に三社とも公告を見た上で入札説明会に参加をしている以上入札資格を持つというふうに考えていたということでございました。

 その三社のうちですけれども、入札説明会に参加をした業者のうち、一つは実績が不足をし、それから、もう一つは本社が東京にあって入札参加資格を持っていなかったけれども、村井建設、これは入札参加資格を持っていたということでございましたが、一社は入札、三社のうち一社は入札資格があったということでございました。
 以上です。

○江田五月君 先日の予算委員会、総括質疑の際に、小泉総理大臣は調査を指示されましたね。あの調査はなさるんでしょうね。

○国務大臣(川口順子君) 支援委員会につきましては、これは新たなる別な監査法人にお願いをして、業務の仕方も含めて調査をしてもらうということで、既に発表をいたしております。その方針で進めるつもりでおります。

○江田五月君 調査はどのくらいかかりますか。

○国務大臣(川口順子君) できるだけ早くというふうに発表をいたしております。

○江田五月君 できるだけというのはどのくらい。

○国務大臣(川口順子君) 調査それ自体がどれぐらいかかるかということはできるだけ早くということでございますけれども、制度をどういうふうに改めるかということを専門委員会をつくって、これは四月中に発表をするというふうにお話を既にいたしておりますので、その両方を合わせて四月の終わりまでにはできるというふうに考えております。

○江田五月君 それではいけないと思います。
 これは、私ども、今、この間も公明党の委員の方からもたしかあったと思いますが、このロシアの支援の関係の予算をどうするかということがあるんですよ。ですから、私は、やはり参議院の予算の採決までには調査の結果は出していただきたいと思いますが、いかがですか。

○国務大臣(川口順子君) 最初に申しましたように、できるだけ早くこれはやりたいと考えております。

○江田五月君 予算の採決までに出してください。

○国務大臣(川口順子君) できるだけ早くこれをやりたいと考えております。

○江田五月君 予算の採決までに出すことを求めますので、委員長において取り計らってください。

○委員長(真鍋賢二君) 外務省等々の進捗状況もございますので、それを伺った上で理事会で協議の上、できるだけ早く処理をさせていただきます。

○江田五月君 これはやっぱり予算を、まあ賛成するということには我々ならぬと思いますけれども、それでもやっぱりちゃんと、予算の審議の過程で出てきている問題ですから、委員長、そこはやはり最終的にでき上がったものまで間に合わないとしても、予算の最後の採決の段階で、ここまではできた、こういうことをやってきたと、そういう中間報告ぐらいなきゃおかしいんじゃないですか。委員長、いかがです、それは。

○委員長(真鍋賢二君) その趣旨は十分理解できますので、理事会において検討いたします。

○江田五月君 よろしく頼みます。

 さて、外務大臣、アフリカ関係のODA、鈴木議員が会長を務めるアフリカ関係の議員連盟、これ御本人、十六あると言っていて、外務省からリストをもらいましたが、ちょっと配ってください。それでいいですか。
   〔資料配付〕

○委員長(真鍋賢二君) どうぞ。

○江田五月君 いやいや、この文書でいいですかと聞いたんです。

○政府参考人(小田野展丈君) お答え申し上げます。
 今、手元にいただきましたので、すぐに見ますが、私の承知する限り十五、六か国というのは、ガーナ、ガボン、カメルーン、ギニア、ケニア、コンゴ民主共和国、ザンビア、ジンバブエ、象牙海岸、ナイジェリア、ブルキナファソ、ブルンジ、ボツワナ、モザンビーク、モーリタニア、ルワンダ、この十六か国につきまして鈴木議員が友好議員連盟において会長を務めておると承知しております。

○江田五月君 この文書は私の名前で出していますが、これはアフリカ第一課、アフリカ第二課にお願いをしてまとめていただいたものを私がホチキスで留めて皆さんにお配りしたので、それでいいと思いますじゃなくて、その間の過程で私が作為を加えているということを心配ですか。

○政府参考人(小田野展丈君) お答え申し上げます。
 今手元にいただいたばかりですのでというふうに申し上げただけでございます。
 よく見ましたところ、これは外務省で作成した資料でございますので、そのとおりでございます。

○江田五月君 これは議員連盟、これだけあるので、ところが、中の人をずっと見ますと、一番少ないので十六、多いので二十幾つで、多い少ないありますが、大体皆そろって、そして全員ずっと見ますと、ほぼ三十人程度、あ、これが例のムネムネ会かと、こういう感じがするんですが、これは外務省、いかがですか。

○政府参考人(小田野展丈君) お答え申し上げます。
 議員連盟につきましては、その設立あるいは運営などにつきまして、関係議員自身のイニシアチブに基づくものでございますので、外務省におきましてすべての関連情報を把握しておるわけではございません。役員のリストにつきましてはおおむね把握しておりますので、それが今お配りになっておる資料でございます。

○江田五月君 そうですよね。ムネムネ会かどうか、分かるわけないですよね。
 「モーリタニアイスラム共和国議員連盟」の中に山下善彦さんが「共」となっていますが、実は、最初いただいたときにはもっと一杯間違いがあって、私の方で注意を喚起して間違いを正していただいたんですが、これだけ間違い直っていません。これは間違いですよね。

○政府参考人(小田野展丈君) お答え申し上げます。
 このリストといいますのは、それぞれそこの下に書いております時点での情報を基にして作りました。一部につきましてミスタイプがありまして、御迷惑を掛けたのは申し訳なく存じます。

○江田五月君 これについて、これだけのほぼ同時期に、鈴木宗男議員が全部会長で、こういう大体似たような人がメンバーになった議員連盟ができて、そして、この例えばケニアの議員連盟の設立、これを記念してといいますか、設立しましたということでケニアに鈴木議員が行かれたと、そして、その際いろんなODAについてお話をされたと。そうしますと、これ、私は、この十六の議員連盟は全部これに関係するODAのプロジェクトが付いているんじゃないかと思いますが、どうですか。それを明らかにしてくれますか。

○政府参考人(西田恒夫君) お答えを、いただきます。
 大臣の方から累次御答弁をさせていただいておりますが、衆議院の方において調査をするようにと指示をいただいておりますアフリカをめぐります百五十の案件についての今調査を鋭意やっているところでございます。

 ただいま江田委員の方から御指摘のありましたいわゆる友好議員連盟関係のものが、ざっと見ますと七十二件ほど今の申し上げました百五十件中にかかわって、つまり重なっておるわけでございます。したがいまして、百五十件の作業を進める中で、当然のことながらこの七十二件がカバーされるということになって、今現在鋭意作業をしているところでございます。

○江田五月君 私も、衆議院の方と同様にこのアフリカ関係について、ODA、そうですね、これから過去十年間のODA予算、十六か国についての、その執行状況、具体的案件、案件に関与した事業者のリスト、これを出してください。よろしいですか。

○政府参考人(西田恒夫君) お答えをいたします。
 先ほど、ただいま江田先生から御指摘の件につきましては、早急に提出するように努力いたします。

○江田五月君 そして、この十六は全部これはフランス語圏。さて、ムルアカ氏はフランス語が母国語ですかね。ムルアカ氏がこの十六に全部関与していると当然推測されますが、そしてムルアカ氏が関与しているということは、当然それは鈴木議員が、会長ですから当たり前といえば当たり前、全部これに関与して、この今のODAの関係についていろいろ介入をしているんじゃないかと疑われるんですが、川口大臣、この点について調査をお願いできますか。

○国務大臣(川口順子君) ムルアカ氏は鈴木議員の私設の秘書でいらっしゃると承知をしておりまして、それから議員連盟はこれは国会の議員の方々の集まりでございますので、この中でムルアカ秘書がどういう役割を果たしていらっしゃるかということについては、外務省の立場ではこれを調査することは困難かと思います。

○江田五月君 十六の国のODA案件につき、鈴木議員がどういう関与をしたかはいかがですか。

○政府参考人(西田恒夫君) お答えをいたします。
 そもそも、今、委員の方から御指摘をいただいた問題意識それから総理から調べよという御指示を得た問題意識はそのような問題意識だと思っておりますので、当然のことながら、その点についての調査をいたすことになると思います。

○江田五月君 それはしっかり調査をお願いします。
 時間がだんだんなくなりましたが、ロシアの問題についてもう一つ、ロシアからの密輸の関係。これは治安当局者会合か何かをおやりになった外務省、この関係について報告してください。

○政府参考人(齋藤泰雄君) お答えいたします。
 日ロ治安当局間会合では、一九九八年の第二回会合以降、水産物の密漁、密輸問題を取り上げてきております。この会合におきましては、日本側参加機関は外務省、警察庁、財務省、厚生労働省、経済産業省、海上保安庁、水産庁、内閣内政審議室でございます。

○江田五月君 外務大臣、この密輸というのは御存じでした。

○国務大臣(川口順子君) 水産物の輸出入のロシア側の数字と日本の数字が非常に差があるということから、この問題があるということは承知しています。

○江田五月君 どうされるつもり。

○国務大臣(川口順子君) この問題については、様々な会合が両国の当局者間で行われております。それから、ロシア側のポートクリアランスの問題については、外務省としては、水産庁とも協議をさせていただいておりまして、これについてはロシアの政府についての問い合わせを様々行わせていただきました。これについては、今後、水産庁を始め関係の省庁と協議をいたしまして、適切に対応したいと思います。

○江田五月君 今どうなっているんですか。今もロシアからの水産物については、そこへ付けられたポートクリアランスを見て、そしてただ見ただけですぐ返しているんですか。

○国務大臣(武部勤君) 外国人漁業の規制に関する法律におきましては、外国の中央政府または地方政府が発行した積出し証明書を保有している場合は許可なく寄港ができることとなっております。ロシア漁船についてはポートクリアランスが積出し証明書として用いられてきたために、このポートクリアランスが偽造である場合には違法な寄港となることから、農林水産省としましても重要な問題と認識しておりまして、ポートクリアランスの真偽についてはロシア政府に照会してきたところであります。

 ロシア政府としてはポートクリアランスを発行していないとの回答を得ているのでありますが、一方、地方でポートクリアランスを発行しているという情報もあります。このため、法務省等の関係省庁とも協議いたしましたが、ポートクリアランスが偽造か否か判断するためにはロシアの地方政府にもこれを発行していないかどうかについての確認が不可欠であるということでありまして、この確認が済んでいないことから、外形上ロシアの公的機関が発行しているポートクリアランスを違法なものとして取り締まる、取り扱うことができず、これを所持するロシア漁船の寄港を認めているということでございます。

○江田五月君 むちゃくちゃな数字の違いがあるんでしょう。そして、出てくるポートクリアランスのうちのかなりのものが、これは分からないんでしょう、本当のものかどうか。むしろ偽造だというおそれが非常に高いんでしょう。それが偽造だと確認できないから今はそのまま認めているという、ちょっと農水大臣、そう聞いたんですが、そうですか、本当に。

○国務大臣(武部勤君) まあ、私どももその大きな開きというものは重要な問題意識としてとらえております。しかし、ただいま申し上げましたように、外形上ロシアの公的機関が発行しているポートクリアランスを違法なものとして取り扱うことができない、これを所持するロシア漁船の寄港を認めているところでありまして、これが地方政府も発行していないかどうかについて確認が不可欠でありまして、現在、外交ルートを通じまして地方政府にも確認を行うこととしているわけでございます。

 さらに、税関等の関係機関に要請いたしまして、先週からポートクリアランスの写しを取ることとしておりまして、これを取りまとめ、外交ルートを通じて個別のポートクリアランスの真偽についても確認を行うこととしているわけでございます。

 ロシア側からの回答を踏まえまして、偽造されたポートクリアランスによる寄港が行われないように外国人漁業の規制に関する法律の適切な運用を図ってまいりたいと、かように考えている次第でございます。

○江田五月君 重要な問題意識、重要だという問題意識を持っている。やったことはコピーを取るだけ。それでいいんですか。ちょっと官房長官、そんな、分かります、今の話。密輸の話なんですけれども、これ官房長官にも聞こうとは思っていたんですが。

○国務大臣(福田康夫君) 実際、妙なことが起こるんだなと、こういうように思っております。これには何らかの理由、原因があるんだろうと思います。できるだけ速やかに事実解明をすべきであるというように思います。

○江田五月君 できるだけ速やかはいいんですけれども、それはもちろん何かの理由があるんで、理由があって、疑いが晴れて、ああそういう間違いだったのかならいいんですが、今までのところ物すごい数字の違いなんですよ。これは今までのところは、これはどうも密漁、密輸、そして文書の偽造、そういうことが絡んでいるんじゃないか。更に加えて、何だかムネオ旗を持っていったら日本の船もいいんだとかなんとかいろんなこと、これは本当のことかどうかわかりませんが、そういういろんなことが絡んでいるわけですから、もうちょっとまじめに、これは真剣に何とかしなきゃという気になっていただきたいと思いますが、官房長官、小泉総理にそのことを伝えてくれます。

○国務大臣(福田康夫君) いや、本当に妙なことだと思います。事実関係解明に努力するように、これは努力を、政府として努力をさせていただきます。

○江田五月君 妙なことが多過ぎるんで、大変です、これは。予算委員会、まだまだ参議院は、しりは切られていますが、いろいろ追及していきますので、ひとつ本当に真剣に対応していただきたいということを最後に申し上げて、終わります。


2002/03/11

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