2000/10/19

戻るホーム主張目次会議録目次


参院・本会議

2時半から本会議再開。選挙法案採決に入る直前、議長不信任案を提出し、その扱いの協議のため休憩。その直前、私に不信任案賛成の賛成討論をするよう求められました。慌てましたが、精一杯のことをしなければなりません。原稿を書いている余裕はありません。腹をくくって、準備をしました。

いよいよ3時45分から議長不信任案処理の本会議です。久保会長が提案理由説明。自民党から反対討論。次いで私の番。井上議長の就任挨拶を引きながら、正常化のための何の努力もせず、逆に自民党執行部の指示に唯々諾々と従う井上議長の言葉の軽さを糾弾するところから、討論を始めました。35分間、思いの丈を述べましたが、冗漫になってもいけないので、自分の判断で討論を終えました。多くの人々から「よかった」と誉められましたが、それでどうなるの…と考えると、複雑な心境です。

不信任案否決で、野党議員は皆議場を出ました。付き合いきれないからです。テレビのぶら下がりインタビューが来ました。「なぜもっと、牛歩など徹底抗戦をしないのか」との質問。「古い抵抗戦術は、もう終わりにしたい」と答。「ならなぜ審議拒否か」との質問。「がんじがらめに決められた議事手続きの元で、審議に応ずれば、有無を言わさず採決まで持って行かれることが目に見えているのですよ」と答。「これからどうする」との質問。「選挙法についての攻防は、残念ながら終わりが来ます。次は別のテーマになるので、新しいテーマにつき、国会に籍を置くものとしての責任を果たさなければなりません」と答。「正常化に応ずるのか」との質問。「応ずるも応じないも、次はテーマが変わるのだから、起きあがるきっかけとか何とか考える必要はないと思う」と答。

今の国会の論戦は規制だらけで、市場原理が働いていません。厳重な議事規則を規制緩和し、自由な論戦を戦わせることにより有権者に十分な判断材料を示すやり方に変えるべきです。フィリバスター(言論による抵抗)を、もっとおおらかに認めれば、「スミス氏、都へ行く」の民主主義が復活します。論争民主主義を復活させるべきです。


○江田五月君 私は、ただいま議題となりました本院議長井上裕君に対する不信任案につき、民主党・新緑風会を代表して、賛成の立場から意見を申し述べます。(拍手)

 井上新議長には、けさほど選ばれたばかりで、本来なら就任のお祝いを申し上げたいところであります。しかし、就任のお祝いにかえて、不信任案提出ということになりました。まことに遺憾です。本当に残念至極でございます。

 実は、私は昨年夏、本日午前中に辞任が許可された斎藤前議長に対し、不信任案に賛成の立場からの討論をいたしました。そのときにも、大変緊張した国会の中で、ぶっつけ本番、ノー原稿、メモだけで意見を申し上げることになってしまいました。本日も、つい先ほど賛成討論をやれということで、たくさんペーパーはありますが、メモが何枚かあるだけ。決してこういう意見の申し上げ方は私の本意ではありません。しかし、私は、今回本当に井上新議長に対して腹の底から怒りを感じております。

 斎藤さんのときにはまだそれでも、議長の立場も苦しいだろう、こちらの立場もある、そういう思いを込めて斎藤議長に、私が今から二十三年前に初めて本院に当選させていただいたころのことを、思い出もまぜながらお話を申し上げました。

 しかし、今回はやや趣が違う。井上新議長、あなたはけさほど就任あいさつの中で一体何と言われましたか。まだけさのことですから、私もビデオを見て、そこから文字を起こしてみました。

 最初に、図らずもということで、職につくことと相なったということがありました。まことに身に余る光栄であり、同時にその職責の重さに身の引き締まる思いがいたしますと、こうおっしゃっているじゃありませんか。そして、微力ではございますが、国民主権の原則を大切にしながら、その次ですよ、公正無私を旨としと、こう言っているんです。議院の正常かつ円満な運営を図りと言っているんですよ。議院の正常かつ円満な運営を図り、もって本院の権威の高揚と使命達成のため、全力を尽くす覚悟でございますと、こうおっしゃったんですね。けさのことですよ。まだその舌の根の乾かないうちに、今度は一体何をしようとされるのか。

 最近、皆さん、政治家の言葉が随分軽くなったということが言われます。政治家の言葉の重さ、しっかりとお互いに思いをいたさなきゃならぬと思いますが、この井上新議長のけさのあいさつほど軽々しい、まさにかんなくずのような言葉はないんじゃないかと、私は怒りを込めて糾弾をしたい。(発言する者あり)

 まさにむなしいですよ。いいですか、公正無私を旨とし、議院の正常かつ円満な運営を図る、もって本院の権威の高揚と使命達成のため全力を尽くす。けさ就任されてただいままでの間に、井上議長は一体いかなる努力をされたのか、何をしたのか、何一つやっていないじゃないか。本院の権威の高揚、使命達成、議院の正常かつ円満な運営に逆行することしかしていない。そうやって、今この本会議で非拘束名簿方式の法案を採決しようとされる。まさに朝の言葉と逆行ですよ。これでは不信任案を出さざるを得ない。

 けさの新聞では、井上新議長について幾つか人物評が載っています。「温厚で控えめな性格には定評がある。」。そうでしょう。あるいは、ある新聞には、「座右の銘は「失意泰然、得意泰然」。」と、こう書いてある。私はこれは違うと思います。実は、お互い麹町の宿舎の前にある小さなお魚屋さん、存じておられる方も多いと思いますが、あそこに、御存じですか、井上議長の色紙がかかっていますね。あの言葉は、失意泰然 得意泰然ではありません。「得意淡然 失意泰然」、こう書いておられる。温厚で控え目、得意淡然 失意泰然、立派なことです。立派なことですが、それはこういうときに何もしないということでいいのかということですよ。温厚で控え目だから、全部何事も控え目で、自民党の国対筋の言いなりになってそれで議長と言えるかということなんです。(拍手)

 私は、それぞれいろんな立場があること、それはよくわかりますよ。しかし、皆さんね、けさ議長になったばかりで、しかも午前中にああいう立派なあいさつをされて、そして今ここで、国対筋か執行部か知りませんが、その言いなりで動いていくというので、一体、議長の権威はどこへ行くのか、本院の権威はどこへ行くのか。私たちは、今、けさほどの井上議長に投票したあの思いを砂をかむ思いで思い返しております。一体、私たちは何だったんだろう。

 今、もう一つの新聞には、井上議長、千葉に住む病弱の奥さんに「毎朝「がんばれよ」と激励の電話をするのが最近の日課だ。」と、こういうことが書いてあります。優しいお人柄です。しかし、朝、奥さんに頑張れよと激励の電話をかけたその電話に、今度は自民党執行部からの電話があったらそのまま従うんですか。

 私どもの中でも、けさ十時過ぎに議員総会はやりました。井上議長が与党第一党の候補者であることを知らされました。私たちの中にも、ここで「井上裕」と書くことに疑問の声もあった。しかし、それでもなお、慣例だから第一党から出す、それにみんなで従おう、これを応援しようと。そして、思いを込めて、井上さんを信頼して、みんなが「井上裕」と書けば私たちの思いもわかってくれるだろう、そういう思いでみんな井上裕さんの名前を投票用紙に書いた。

 ところが、私どもの思いは無残にも踏みにじられた。もちろん、踏みにじられた我々がばかだという、そういう説もあるかもしれない。しかし、皆さん、与党の皆さんにあえて申し上げる。本当にそういう信義のないやり方で本院の権威は守られると思っていますか。(発言する者多し)

 ここで平気でやじっている皆さんの顔を私はよく覚えておく。人の言葉の奥にある思いに何らの思いもいたすことができない、そういう人たちに言論の府を構成する資格はない。まことに言語道断な本日の措置であります。信義にもとる措置であります。

 井上議長、あなたは千葉で僻地の歯科医として仕事を始められ、どんどん発展をしていった。そして、衆議院議員から参議院に転ぜられ、海部内閣のときでしたか、文部大臣をやられた。教育に、あるいは環境に誠心誠意努力をされてきておられる、そのことを私たち皆よく知っているんです。しかし、今のこういう井上新議長の議事の采配の仕方では教育を語ってほしくない。少数意見を切り捨てる、そういう議事運営で教育を語る、そういうことでは、これは子供たちはちゃんと育つわけがない。

 私も千葉にいたことがあります。千葉のあの土地の中から出てこられた井上さんが、本当にしっかりとした議長として本院の権威を高め、今混乱状況にあるこの本院をしっかりと秩序を取り返して取り戻していく、そのために最大限の努力をされるものだと私たちは思っておりました。その思いを一顧だにせず、きょうのようなこういう議事をとられるということ、これはもうどうしても信任をするわけにはいきません。

 先ほど、斎藤前議長のことについて若干申し上げました。私は、昨日の斎藤前議長の辞職願の文言、本当に重大な文言をお書きになっていると思いますよ。今般、議長の権威保つことあたわず、議長の権威保つことあたわずと。斎藤さんにそういう言葉を書かせた、これは一体だれに責任があるか。与党じゃありませんか。与党は、与党が与党出身の斎藤議長にこういう言葉を書かせたということ、これを一体どう思っているんだ。(発言する者多し)

 思えば、今回の公選法改正案、随分長い議論がございました。私は、さっきもちょっと申し上げましたが、一九七七年、昭和五十二年に全国区で本院に当選をさせてもらいました。その全国区では、田英夫さんが一位で百五十八万票でしたね。私が二位で百三十九万余り。扇さんもおられました。今、衆議院に行かれましたが、八代英太さんもおられました。そういう全国区の選挙を私たちは、まあ私の場合はいろんな特殊事情ございましたから、銭酷区、残酷区をそれほど味わったわけじゃない。それでも知っている。あの全国区をもう一度復活させるんですか。

 あの全国区選挙のときに、皆さんわかっていますか、例えば村上孝太郎さんという人がおられました。村上さんは大蔵事務次官から参議院を目指して全国を走り回って、走れ走れ孝太郎。ところが、当選をして、その後お亡くなりになってしまった。私が当選するちょっと前です。私が当選した次の回では何が起きたか。向井長年さんという方がおられました。全国を走り回って、その結果、投票日の当日亡くなられてしまった。そのような例をいっぱい私たちは知っている。これはやっぱりいけない。

 一部のタレント候補、これは通るでしょう。しかし、本当に全国を走り回ってと思うと銭酷区あるいは残酷区、まさに身命を賭す。これはやはり人間のやることではない、こういうことで変えたわけでしょう。それを今、また全国を舞台に個人名投票を書かせるという制度にするのですか。何のために一体あのとき全国区制度を変えたんでしょう。そういう反省は一体どこへ行くのか。

 何よりまず、今回の非拘束名簿方式の導入は、先ほども久保亘さんが提案理由の説明で申し述べたとおり、動機不純ですよ、動機不純。(発言する者多し)

 久世公堯金融再生委員長の不祥事が明らかになった。幾らでしたかね、二億円でしたかね、金を出してもらった。だれに出してもらったか、某宗教団体。一万人の党員、某宗教団体で名前を出してもらった。二億円は某マンション業者でしたか、原稿がないので時々間違うかもしれませんが、そういうことが明らかになり、しかもその二億円は党費だかあるいは自民党の会館の運営費だかわからない。そのあたりのことも明らかにしようと予算委員会で証人あるいは参考人の招致をお願いしているところ。こういうことを全部隠してしまおう、国民の目をそらして、自民党の皆さんの比例名簿作成の困難、これを制度問題に変えようというだけじゃありませんか。動機不純。動機不純の第一です、それが。

 もう一つある、動機不純第二。衆議院選挙でどういうことが起きたか。ついこの六月、個人名投票で、自民党の皆さん、さすがですね、二千四百万票とっている。しかし、国民は自民党と書かない。自民党と書く人はわずか一千六百万票、その差八百万票。これを個人名の投票で何とかごまかそうという、動機不純の第二ですよ。

 手続的にもひどいですよ。二月二十五日のこと、六月二日のこと。
 私も、ここに二月二十五日の経過についてペーパーがあります。これをずっと読み出せば幾らだって時間はかけることはできますよ。(発言する者多し)読みますか。まあやめときましょう。読めば幾らだって時間はかかるけれども、時間かけるばかりが能じゃないから読みませんよ。読まないけれども、わかっているでしょうが、皆さんは。(発言する者多し)わかっていないんですか。じゃ、読みましょうか。

 報告書の「要旨」というところでは、「T 参議院の役割と在り方」、「U 当面の改革」、その次の「一、」で「拘束名簿式比例代表制と選挙区制について」、「現行の拘束名簿式比例代表制と選挙区制については、時間的な制約等もあり、現行制度を前提として議論を進めることとなった。」、「こととなった。」と書いてあるじゃありませんか。今のは要旨ですが、その後にはちゃんと全文がある。(発言する者多し)全文を読みますか。読んでもいいですよ。

 「当面の改革」「一、拘束名簿式比例代表制と選挙区制について」「(1)拘束名簿式比例代表制と選挙区制抜本改革について」、「協議会においては、当面は現行の比例代表制と選挙区制という制度の基本的な枠組みは維持することを前提としつつ、何らかの改革を行う余地があるかどうかを検討することとし、抜本改革案については、参議院の役割と在り方を踏まえつつ引き続き検討が行われるべきであることで意見が一致した。」。

 そして、その次に、「(2)拘束名簿式比例代表制について」というところで、いろいろ議論はある、いろいろ議論はあるが、「いずれにしても」から始まるんですよ。「いずれにしても、現行の拘束名簿式比例代表制の仕組みそのものを改めるとなると抜本的な改革となり、その実現は容易でないことから、」、このときにはこういうことがそんなに容易に行われちゃいけないということをみんな認識していたわけですよ。皆さんもそうなんですよ。「実現は容易でないことから、当面は現行の拘束名簿式比例代表制を維持することを前提として議論を進めることとなった。」と明確に書いてある。

 何だったら、これ、全部読みますか。(発言する者多し)余りばかばかしいことはやめましょう、お互いに。

 いいですか、六月二日のこともあるんですよ。議長が各派の代表者をお呼びになった。そして、定数のことだけはちゃんとやろうと、こういうことをおっしゃったじゃありませんか。そういうものをすべて弊履のごとく捨て去って、今のように不純な動機で出してきたのが今回の非拘束名簿方式じゃありませんか。

 しかも、内容がまたむちゃくちゃですよ。先ほど昔の全国区の残酷区、銭酷区、これを復活させる、このことは申しました。それだけじゃありませんよ。今度は全国区ではなくて比例代表制度ですから、個人名投票で票を書かせて、そして、それを自民党の方に横流しをして別の人を当選させる。顔が見える、委員会の中で発議者が、顔が見える制度だからいいんだと一生懸命強調しておられたこと、私も聞いておりました。しかし、顔が見える人で票をとっておいて、その票を横流しをして顔の見えない人を当選させる。何ですか、一体これは。顔が見えるが聞いてちゃんちゃらおかしいじゃありませんか。国民をだますも甚だしい。

 先日、自民党の比例代表候補十七人が発表されました。十七人をずっと、これも読み上げてもいいんですが、(発言する者多し)まあまあいいでしょう、そうまで言わずに。ずっと見ますと、官僚が八人でしょう、官僚。農水省が二人、厚生省が二人でしたかね、あと建設、郵政、自治、防衛。それに、遺族会とか医師会、歯科医師会、宗教団体、スポーツ関係者が三人というんでしょう。

 全国区時代に何があったか。官僚OBの皆さんがずっと出てきて、それぞれの省庁が全国に持っているいろんな地方の組織、そしてそこへ張りついた業界団体あるいは企業、そういうものを全部縦の系列で総動員をして票を集めたんですよ。しかも各市町村、特に町村はどうなったか。町長さん、村長さんが自分のところから、やれ建設省の河川局の関係は何票出さなきゃ、あるいは農水省の構造改善局の人には何票出さなきゃ、そうでなきゃ補助金、陳情するときにそっぽを向かれる。そういうことで、縦から横から締め上げて票を集めた。役所ぐるみ、企業ぐるみ、業界ぐるみと言われたじゃありませんか。それをもう一遍やりたい。夢よもう一度。だから早々と全国区比例公認候補を決定して、今恐らく昔のあの思いをもう一度というので全国に指令を出しているんじゃありませんか。そういう選挙をまたやるんですか。

 しかも非拘束名簿ですから、比例名簿に政党が政党の見識でこの人は議会で活躍してもらおうという人を上位に置く、そんなことをしてもこれが意味がないということになってしまう。こういう、どこから見ても改悪以外の何物でもないという、そういう選挙制度になってしまっているんです。

 議長のあっせんがありました。私どもも、斎藤議長がまさに乾坤一てき、職を賭して出されたあっせん案、これを一生懸命に検討させていただいた。しかし、残念ながらこの議長のあっせん案によっても、今申し上げたような票の横流しであるとか、あるいは業界団体など総ぐるみであるとか、こういうものが直っていない。比例名簿をつくるときの困難はもっともっと違う形で解決すべきですよ。

 例えば、私のところにある方からEメールが届きました。そこにはこういうことが書いてあった。私も十分研究はしていないんですが、スウェーデンではというんです、比例名簿の発表を半年か一年か前にちゃんとやる。しかも、透明な検討の中で順位を決めて発表し、国民的にその名簿を議論する。そういうことをやったらどうですか。それをやらずに昔の制度に戻すという、そういうこそくなやり方で選挙制度がよくなると思うと、大間違いですよ。こういう今の、まあむちゃくちゃな選挙制度の改悪。自民党の皆さんももうちょっと私は考えてほしいと思う。

 私どもも今の比例制度がそのままでいいと思っていない。だから、抜本改革はやろうと言うんですよ。それより何より、最高裁判所に五倍からの差があって、それでも憲法違反でないと言わせるようなことをいつまで続けるんですか。

 一票等価というのは憲法の大原則ですよ。そのためにこそ選挙制度の改革をやろうじゃないですか。それが今では全然できていないじゃないですか。こういう支離滅裂、改悪以外の何物でもないこの非拘束名簿式法案、これを突然出してきて、私どもは、二月二十五日のこと、六月二日のことなど全部弊履のごとく捨て去る信義のないやり方は本院に似つかわしくない、そういうことで、この法案については、これは皆さんがしつらえた土俵にそのまま上がる、そういうわけにはいかない、こういう態度をとってきた。

 ところが、皆さん、どうですか。九月二十一日に臨時国会が召集されました。そして、九月二十九日ですか、斎藤前議長、議長の職権で委員を指名する、それも、あいうえお順というんですから、もう聞いてあきれる。

 十月二日には特別委員会をあえて開いて委員長選任をし、十月六日、公選法改正案を特別委員会に付託した。本会議の趣旨説明もなく、あの議運は何だったのか。過剰警備も甚だしい。あれだけ衛視を動員して何を一体やろうとするんですか。言論の府なんですか、あれが。

 六日の金曜日でした。その次の金曜日が特別委員会での採決。自民党幹事長、島根県、地震で大変だったんですよ。私は翌日、早速見に行きました。大変な状態、地震が起きたのが一時半ですよ。阪神大震災を超えるとも言われる地震が起きているのに、これに何らの思いも寄せず委員会採決を強行。何をそんなに焦っているんですか。来年の参議院選挙は今回の制度でやる、定数問題だけは解決をする、なぜ一体それができないんだ。(発言する者多し)

 焦っているその焦りの裏に何があるかを国民はちゃんと見きわめている。皆さん方は恥を知るがよい。必ず、こういう暴挙をやっていると国民は自民党に対して鉄槌を下すと思う、与党に対して。

 こういう議長をけさほど選んだ私どももあるいは不明のそしりを免れないかもしれない。その反省の思いも込めて、心から先ほど私どもが提出した本院議長井上裕君に対する不信任案に賛成の意見を申し上げて、私の討論といたします。

 ありがとうございました。(拍手)


2000/10/19

戻るホーム主張目次会議録目次