1990/04/26

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118 衆議院・予算委員会第五分科会

場外馬券売り場について


○江田分科員 場外馬券売り場ということについてお伺いをいたします。

 日本中央競馬会法という法律がありまして、この法律を見ますと、第七条に競馬会の定款についてという規定が、その定款には目的を記載しなければならないとなっている。大体その競馬会の定款に記載されている目的というのは、今の日本中央競馬会法の第一条と同じような趣旨であると伺いました。第一条には「競馬の健全な発展を図って馬の改良増殖その他畜産の振興に寄与する」ということが書いてあるわけですが、競馬会の定款に記載の目的というのは大体そういう趣旨であると伺ってよろしいですか。

○岩崎政府委員 そういうふうに考えておる次第でございます。

○江田分科員 そうすると、場外馬券売り場を設置するというのはその目的とどういう関係があるのか。さらにもうちょっと突っ込んで聞きますと、場外馬券売り場というものについては、昭和三十六年の長沼答申があり、さらに昭和五十四年に吉国答申というものがある。三十六年の長沼答申は、馬券の場外売り場については現在のものを増加しないことを原則とするというふうにある。五十四年は多少それが変わっているわけですが、その今の定款の目的との関係でどういうふうにお考えか、お伺いします。

○岩崎政府委員 三十六年の長沼答申につきましては、全体の回数を増加させないということで、そういう形の中で中央競馬会の競馬が運営されているということでございます。

 それから、いわゆる長沼答申の次に吉国答申が出されたところでございます。私ども場外馬券売り場につきましては、これは中央競馬を初め地方競馬も含めまして競馬が大衆娯楽として漸次定着しつつあるということでございまして、例えば、遠隔地のファンにも購買機会を提供するというような形の中で全体として大衆娯楽として定着しつつあるというふうに考えておりますし、また、場外馬券売り場がのみ行為防止の上での効果が期待できるというようなことから、目的の範囲内で、目的を遂行するという上からも、妥当な範囲で設置していくことも必要であろうというふうに判断しているわけでございますが、先ほど申しましたいわゆる吉国答申との関係でも、地元の調整が十分行われているという前提に立ちまして弾力的な対応をとってよろしいという答申があるわけでございまして、私どもはこの原則に沿って今後とも適正に対応してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

○江田分科員 三十六年の答申と五十四年の答申は考え方において変わったわけですか。つまり、競馬会の定款で、競馬の健全な発展を図って馬の改良増殖その他畜産振興に寄与する、そういう大目的があって、三十六年のときにはそういう大きな目的のために競馬というものが健全に定着をし、その程度今定着しているから、それほどもうこれ以上場外の売り場はふやさなくてもいいだろうという、そういう考えになった、しかしその後、どういうことですか、のみ行為などが頻発をするので、それを防止するためにもう少しふやさなければならぬという考えに至った、こういうことになるのですか。

○岩崎政府委員 長沼答申の場合には、「馬券、車券等の場外売場については、現在のものを増加しないことを原則とし、設備及び販売方法の改善に努力する。」ということが言われておりますが、ただやはり競馬そのものが大衆娯楽として定着しつつあるというようなこともございまして、吉国答申におきましては、「場外売り場の設置については、ノミ行為の防止にも効果があると思われるので、弾力的に検討して」もよろしい、ただ「地域社会との調整を十分に行うこと」、こういうことでございます。

○江田分科員 同じことを繰り返してもらってもしょうがないので、では別の聞き方をしますが、三十六年当時は場外馬券売り場というのは幾つあって、五十四年の吉国答申当時は幾つで、現在は幾つあるのか、今計画中のものは幾つあるのか、その四つをお答えください。

○岩崎政府委員 今ちょっと手元に数字がございませんので、後ほど調べましてお答えいたします。

○江田分科員 ちょっと数字まで聞くように通告していなかったのでごめんなさい。では、おおむねの傾向はどうですか。

○岩崎政府委員 増加してきております。

○江田分科員 三十六年から五十四年までの間も増加したのですか。

○岩崎政府委員 今ちょっと調べておりますので、少し時間をかしてください。

○江田分科員 では、それはちょっと調べておいてください。もし増加しているのだとすると、三十六年の長沼答申の趣旨が守られていないということになって、これは問題ですがね。

 現在幾つあって、そして計画中のものが幾つあるのか、これはすぐお答えできるでしょう。

○岩崎政府委員 現在二十二でございます。

○江田分科員 計画中は。

○岩崎政府委員 私どもが申請されて受け付けているというものは今のところありません。

○江田分科員 そうですね。申請を受けて審査をしているというようなものはない。したがって、それは農水省から言わせれば、農水省が計画するというのは変ですが、別に農水省が考えているというようなものではない。しかし、現実に場外馬券場ということで、だれが計画しているかは別として、工事が進んでいたり計画が進んでいたり、あるいはその途中であったりというものはございますね。それはどのくらいありますか。把握をされているんですか、されてないんですか。

○岩崎政府委員 いろいろ何というのですか、実情というのか風聞的な話としては承っているものもございますが、現実にそういう形の中で私どもに上がってきているというものがない、こういうことでございます。

○江田分科員 非常に無責任なお答えと言わざるを得ないんですがね。風聞として上がってきていると言って、場外馬券売り場をつくるというのに、工事をやっている皆さんあるいはその工事でできた建物にテナントとして入る競馬会、その馬券売り場を承認をする農水省所管のどこになるんですか、部署は。風聞で事を進めるというのもおかしな話で、風聞なんて言うと、そんな答弁をされるんだったら、なるほど農水省と競馬会とそして工事をやる人と、全部風聞とかいう、裏で談合をやって事を進めているんじゃないかと疑いたくなりますが、もうちょっとはっきりしたお答えはできないのですか。

○岩崎政府委員 私どものところに来ているものにつきましてはただいま申し上げましたようにございませんが、競馬会の方に来ているものが幾つかあるということは承知いたしておりますが。

○江田分科員 それでは中央競馬会の方に伺いましょう。
 今現在あるのは二十二カ所、これはいいとして、計画中のものはどのくらいありますか。

○佐藤参考人 日本中央競馬会の副理事長の佐藤でございます。きょうは参考人として参りました。よろしくお願いします。
 現在私どもの方での場外発売所は二十二カ所ございまして、現在計画中と申しますか、話を具体的にオーナーの方と進めておりますのは六カ所ございます。

○江田分科員 二十二カ所中住居地域という建築基準法の用途地域に存在をしているもの、あるいはそれにかかって存在をしているもの、これが幾つあるか、そして計画中のものではそれが幾つあるか、答えてください。

○佐藤参考人 いわゆる用途地域別に見てみますと、東京都内の場合で渋谷場外発売所、これは住居地域でございまして、いわゆる場外の上に共同住宅があるという形になっております。その他の場外はほとんどが商業地域でございます。
 なお、現在計画している中でも住居地域にかかっておる場外発売所もございます。

○江田分科員 幾つありますか。

○佐藤参考人 計画中のものでは、住居地域にかかっておりますのは岡山場外発売所でございます。

○江田分科員 渋谷に住居地域にかかっているものがあるというお話ですが、今のお話のとおり上は俗に言えばマンションですね。周辺も恐らくビルといいますか高層住宅が建っていて、もちろん住居地域ではありますけれども、いわゆるお年寄りも子供たちも家族が住んで、そこに子育てから老後の生活からいろいろな生活が営まれておって人々がコミュニティーをつくっている、そういう住宅地とは若干違う、と言うと怒られるかもしれませんが、常識的な言い方で渋谷の場合は、駅の近くの高級マンション街というような感じではありませんか。

○佐藤参考人 渋谷場外発売所につきましては、当初から、あそこへ場外をつくるときから共同住宅というものと一体に考えたような建設をいたしたわけでございます。そういうふうな意味で、住居地域ではございますが、当初から上は住居、下は場外というふうな形で明確に区分してつくった場外でございます。

○江田分科員 場外馬券売り場がのみ行為の防止に役に立つかどうか、これは恐らく議論のあるところだと思いますね。しかし、今その議論に入る時間がちょっとありませんから、それは疑問ですよということだけ申し上げて次に進みたいのですが、それでは場外馬券売り場をつくればいいことだらけで悪いことは何もないのかといえば、なかなかそうもいかない。

 別に競馬を楽しむ皆さんを悪く言うつもりもないし、私も競馬の健全な発展というのは大切なことだと思いますけれども、しかしやはり、お年寄りも子供もいて良好な居住環境をつくって、そこで地域の皆さんが自分たちのコミュニティーをつくっているところに場外馬券売り場をおつくりになると、そのふだんの生活関係とは違った人、と言うと変だけれども、時には財布が空っぽになったり、もうかるかどうか目を血走らせたりするような人たちが車もたくさん使いながら集まってき、また散っていくということで、良好な居住環境、コミュニティーというものが、いろいろとふだん払わなくてもいい配慮をやはり払わなければならぬというようなことが起きる。そういう心配を少なくともそこに住んでいる皆さんがお持ちになるということは自然だ、そのことはやめてほしいと思うのもまた自然だと私は思いますけれども、そういう点の配慮は、農水省及び中央競馬会の皆さん、場外馬券売り場をお出しになるときにされているんですか、されていないんですか。

○岩崎政府委員 私ども、場外馬券場の場合に、平穏な市民生活の場にまで進出して売り場を増設するというようなことまで考えているわけではございませんで、あくまで設置を了解していただけるかどうかという地元の皆様方の気持ちを尊重して決定されることで、その意味でも地元の調整が基本だという考え方には変わりはないわけでございます。

○江田分科員 地元の調整が基本だということは、地元の皆さんが快くここにそういう馬券場が来ることは差し支えないということでない限りは、普通の良好な住宅地にどんとそういうものをつくるということは、そのことが引き起こすいろいろな生活環境に対する影響を考えれば慎重に考えざるを得ない、そういう立場だと理解していいですか。

○岩崎政府委員 基本的にはそういうことでございます。

○江田分科員 競馬会、どうですか。

○佐藤参考人 競馬会の基本的な姿勢といいますのは、五十四年の吉国答申にもございますように、のみ行為にも効果があると思われるので弾力的にふやしていく、検討していくということを基本にしまして、地域社会との調整は十分図っていくということを基本にしておるわけでございます。

○江田分科員 重ねて聞きますが、地域社会といってもいろいろな地域社会があるので、いろいろな家族が住んで、その家族同士のおつき合いの中で一つのコミュニティーをつくって、良好な居住空間をつくっているようなところに馬券場をつくる。馬券場が何もかも悪いと言っているんじゃないですよ。周囲の状況に照らしてそういう馬券場がいろいろな環境の変化をもたらして、その変化というものは住民の皆さんが望まない変化が起こることがある。したがって、そういう居住地域につくるときには、住民の皆さんがそうした意味での不安がないと十分納得の上で快く了解をしてくれる場合でなければ、そこはやはり慎重に考えていかなければいかぬものだという基本的なお立場があるのかどうかということを聞いているんです。

○佐藤参考人 私どもは、設置に当たりましては地元住民の意向を尊重するという考え方を基本にしておるわけでございます。

○江田分科員 地元によって違いはないですかということを聞いているんです。

○佐藤参考人 一般的に場外をつくる場合にはそういう地元の意向というふうなことを尊重してということでございます。

○江田分科員 一般的なことを聞いているんじゃなく、地元といってもいろいろあるでしょうというわけです。商業地域もあるし、工業地域もあるし、大都会の真ん中もあるし、それからずっと一戸建ての家が建っていて人々がいわゆる住みかの拠点としている、そういう家がずっと町をつくっているという場所もあるし、そういう地元地元によって皆さん方がお出しになるときに考慮する基本的な立場に違いはないですかということを聞いているんです。

○岩崎政府委員 私どもの考え方といたしましては、地元の調整という場合に、町村であれば町村長、あるいは市であれば地元の町内会の同意ということでございます。具体的にはどこの町内会かということにつきましては、場外発売所の設置に伴います影響が設置場所なり設備の規模等により区々であるということ等から、地元の調整の範囲につきましては一律に取り扱うことは必ずしも適当でないので、個別事例に応じまして判断するということにいたしております。

○江田分科員 これは余り押し問答しても仕方がないのですが、今具体的なケースで、岡山市の新福という地域にあるケースのことにちょっとお触れになりましたのでそのことを取り上げますと、ここはほとんどが住居地域という建築基準法の用途地域指定を受けている住宅地であって、しかも建築基準法の別表第二の二十七条、四十八条関係というものによると、住居地域や近隣商業地域には劇場、映画館、演芸場または観覧場などを建ててはならない、こういうことになっているわけで、場外馬券売り場が劇場、映画館、演芸場、観覧場にはぴたりは当たりません。当たりませんけれども、こういうものを建ててはいけないよということを法が規定している趣旨というものがあると思うのです。

 その趣旨からすると、これはやはり住居地域に場外馬券売り場を建てるときにはいろいろな注意をしなければいけないよということに当然なると思うのですが、大臣、その基本的な考え方だけちょっと聞かせてください。

○山本国務大臣 先生ほど時間をかけてきっちりやったわけではないのですけれども、私自身も、これからお話が出ると思いますが岡山の事例もございますので、事務方にこの場外馬券売り場の設置についての従来の経緯あるいは基本的な考え方はどうなんだということを聞いてみました。これは一つは先ほど来出ているのみ屋対策がある。それからもう一つは遠いところから来るファンの問題がある。遠隔地のファンの問題がある。これは要望の方々が多いわけでしょう。しかし、人数の関係もある。そこで、平穏な市民生活の場にまで売り上げを伸ばすためにただ進出をして売り場を増設するというようなことは適当ではない、こういうことも事務方が言っているのです。それから、あくまでも設置を了解していただけるかどうかという地元の皆様方の気持ちを尊重して決定されることで、その意味でも地元の調整が基本という考え方に立っております、こういう答えでしたから、それではあくまでも地元住民なんだな、一つは前提としてこういうのみ屋対策とかあるいは遠隔地ファンの問題もありまして、それはそれで意味がある、しかし、平穏な市民生活を送っているいわゆる住居地域、これにただ売り上げを伸ばしたいということだけで設置をするなどということは不適当だ、もし何らかの形で設置を進める場合にはあくまでも地元の皆さんの意向を尊重すべきものである、こういうことを確認した次第であります。

○江田分科員 昨年の十一月、衆議院の決算委員会で当時の鹿野農水大臣が、この新福という場所に場外馬券売り場を建築中の株式会社日隈という業者について、工事の中止についてさらに強力に中央競馬会を指導する考えであるという答弁をされた。これはつい先日予算委員会でも山本農水大臣から同様の趣旨の答弁をいただいているようで、まだ会議録できてないので詳細に拝見していませんが。

 これを受けて中央競馬会は十二月八日付でこの株式会社に対し、工事中止要請の文書を郵送したと伺いましたが、しかし、その株式会社の方はこれを無視して工事を続行して、二月上旬に建物そのものはできてしまった。二月上旬一応できて、そこでストップしたかのように見えたが、しかし実はそうではなくて、さらにその建物の例えばガラスを入れるとか、四月の初めまで工事自体は続いていた。こういうことが事実だというふうに私の調査では出てきているのですが、これは間違いありませんか。

○岩崎政府委員 そういうことと承っております。

○江田分科員 競馬会としてはその事実は把握されているんですか、把握されていないんですか。

○佐藤参考人 三月十日現在でその事実は知っております。三月十日に私どもも調べております。

○江田分科員 調べた結果はどうなんですか。

○佐藤参考人 外郭はできております。

○江田分科員 十二月八日に中止の要請の文書を出した。にもかかわらず、中止をされずに三月の何日かまでずっと工事が続いたという事実はどうなんですか。

○岩崎政府委員 私ども、農林水産省からの再三の要請を無視しまして工事を続行されたということにつきましては本当に遺憾なことと言わざるを得ないというふうに考えている次第でございます。

○江田分科員 競馬会は、農水省の皆さんのそういう認識なり立場なりというものを共通にしていないのですか。

○佐藤参考人 競馬会といたしましては、既に起工式の段階から数次にわたりましてその工事の中止を強く申し入れておりましたし、さらに昨年末の農水省からの指示もございまして、株式会社日隈に対して重ねて工事の中止を要請した、こういうことでございます。

○江田分科員 にもかかわらず工事が続けられたという事実はあるのかないのかと言っているんです。

○佐藤参考人 残念ながら、競馬会としては工事をいわゆる強制的に差しとめるという権限はないわけでございますけれども、実際に外装がつくられておりますけれども、ただ、内装関係につきましては競馬会の意向が反映されなければ工事に着手することができないわけでございまして、競馬会として現在馬券売り場としての内装施設については一切協議にも応じておりませんし、そういうふうなことになりますと場外馬券場としては機能できないということになっております。

○江田分科員 余計なことを余り答えられますと時間がないので。私が聞きたいのは、工事の中止をいろいろ要請しても中止はされずにどんどん続行されちゃった、しかし内装まではやらないから、だからいいやということで、農水省の方のお考えはこれはまことに遺憾なことだというお考えなのに、競馬会としては農水省の方にわからぬようにやってくれよというようなことなのか。それともそうではなくて農水省と同じ立場に立って、こういう業者は信頼できない、こういう業者に任せて場外馬券売り場をつくっていたらこれはとんでもない混乱が起きるんじゃないか、そういう強い態度をお持ちになるのか、そこのところを聞いているんです。

○佐藤参考人 そういうふうな私どもの工事中止を無視してやりましたところについては、甚だ遺憾に存じておる次第でございます。

○江田分科員 そういう競馬会なりあるいは農水省なりの要請やら指導やら、そういうものを無視して事実事を進めればそれで早い者勝ちだ、やった方が勝ちだ、そういうような業者が事を進めていったら、これは場外馬券売り場ができると私はいろいろな混乱もあると思いますよ。いろいろな規制もしていかなければならぬ、指導もしていかなければならぬと思います。そういうものがきちんとできないようなことになったら、それこそ住民の皆さんの心配というのは現実のことになるので、これは早速こういう計画はやめる、これはもうここに馬券場として中央競馬会がテナント契約を結ぶようなことはない、農水省としてはこれを承認することはない、こういうことをはっきりしてほしいと私は思います。いかがですか。

○岩崎政府委員 御存じのとおりで、農林水産省といたしましては、中央競馬会からの設置申請を受けましてその可否を判断するという立場でございますが、申請に必要な地元調整が十分整っていないということからまだ申請そのものが行われていないという段階であります。いずれにいたしましても、現状におきましては地元調整が十分になされているという判断はしがたく、現状で中央競馬会から承認の申請が出される状況にはないし、仮に出されるようなことがありましても、承認が下されることはあり得ないというふうに認識をしている次第でございます。

○江田分科員 中央競馬会、この申請を出さなかったら、この日隈という会社から損害賠償か何か請求されるような、そういう契約関係でもあるんですか。

○佐藤参考人 私どもの方では工事の着工を見合わせるようにというふうに再三要請しております。建築工事を進めてもリスクは一切負わない、競馬会としてはいわゆる責任を持てないということを何回も繰り返しておる次第でございまして、私どもは損害賠償請求されるような約束は一切ないものと考えております。

○江田分科員 きょうは競馬会の方は副理事長さんお見えでしたね。理事長さんからのお答えも同じお答えだと伺っておきます。

 最後に大臣、これは確かに農水省が承認をする、中央競馬会が出すところまでいかなかったら出ないわけですから、だからまた出てない出てないでずっといってしまうわけですが、地域住民としては、出てないといったっていつ出るかわからないから、いつつくられるかわからないから不安なわけです。やはりどこかで、これはもうここは出しませんという一つの判断が示されないと、地域住民はいつまでも不安で、毎週一回会議をやったりいろいろな立て看板を立てたりしなければいけないことになるので、地域住民の皆さん方の意向は十分配慮するのだから、どうぞそんなにいつもそのことばかりに注意をして毎日の生活が不安があるというような状態に置かれるのではなくて、平穏な安心した地域住民生活を送ってください、こういうことをおっしゃっていただけませんか。

○山本国務大臣 畜産局長からもあるいは競馬会、理事長はちょっと病気でして、代理で副理事長がおいでになりましたが、これは理事長と同じ考え方でございます。従来どおり、地元というのはそこに住んでおる方ですから、その方々の調整が行われない限りは承認を行うつもりはないということをはっきり申し上げておきたいと思います。

○江田分科員 終わります。ありがとうございました。


1990/04/26

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