2010年6月22日

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江田五月政見放送原稿

 皆さん、民主党公認の江田五月です。参議院の議長を務め、緊張した国会でなかなか地元に帰れず、ご無沙汰しています。お許し下さい。

 さて、遂に菅直人さんが内閣総理大臣になりました。生活を最優先する政治への再スタートです。菅さんは、私の父・江田三郎の最後の弟子なのです。衝撃的な出会いと別れがあり、急逝した父の枕元で私と菅さんが初めて出会ってがっちりと握手をし、以来今日まで苦楽をともにして三十三年になりました。

 今、その菅さんが、まさに死中に活を求める思いで、歴史的政権交代の後、多くの困難に直面した民主党政権を、担うことになりました。サラリーマンの家庭に育ったごく普通のひとりの庶民が、総理大臣になったのです。彼の本籍地は岡山です。菅さんを指名したとき、私も感無量でした。「菅君にものが言えるのは、お前しかいないぞ」と、多くの人から、励ましのお電話をいただきました。私も、ここは責任重大。ぜひ皆さんの一票一票によるご支援をお願いします。

 日本は今、やっと有権者が政権を選ぶという、民主主義の新しい時代の扉を開けました。一票の力です。この歩みを、二度と再び、お偉方の政治や金儲けの政治に戻してはなりません。

 私は、裁判官から政治に飛び込み、社民連という小さな政党を率いて細川内閣では入閣して科学技術を担当しました。参議院で国政に復帰し民主党に参加して十二年、この党を育てるために全力を挙げました。この三年間は議長を務め、特にはじめの二年はねじれ国会で苦労しました。議長の最初の仕事は長崎の原爆式典出席で、沖縄の追悼式にも毎年出席し、平和への誓いを新たにしました。外国からのお客さんも数え切れません。これらの経験で得られた知識と知恵をすべて、これからの政治のために捧げます。今、生まれたての菅内閣と若い政権党には、この「経験智」が必要であり、私にしかできないことだと自負しています。

 菅首相は、先日の所信表明演説で、真の国民主権の確立と、政策課題として「戦後行政の大掃除」、「経済・財政・社会保障の一体的立て直し」と「責任ある外交・安全保障」の三つを掲げました。そして何より、誰ひとりも排除せず孤立させない新しい社会の絆を作り上げることを宣言しました。そして民主党は今回、新しくマニフェストを作り、景気や雇用、農林漁業や中小企業、子育てや教育、年金・医療・介護などにつき、具体策を示しました。税制論議も逃げずに、財政再建に道筋をつけます。私もその実現のために、「ゆるぎない情熱」で全力を尽くします。

 参議院は、任期六年で解散のない、長期的視野で議論ができる場です。そこで私はこの選挙に当たり、「二十一世紀ビジョン」を掲げました。先日、私の孫が岡山で生まれましたが、この幼子たちが成人するころまでに、必ず実現したいビジョンです。生活は支え合い、経済は分かち合い、公けの仕事は市民と協働で、そして世界は共生と平和で、細かく項目に分けてまとめました。同時に議長の経験を活かして、参議院の選挙制度をはじめ国会の改革にも取り組みます。国民の立場から憲法論議を深めることも必要です。

 戦後六十数年の日本は、奇跡の復興と成長でしたが、最近は綻びが酷く、人と人との関係ひとつ取ってみても、本当にばらばらで殺伐としてきました。過去を懐かしむのでなく、新しい絆を築かなければなりません。それには何よりも、しがらみだらけの自民党的なものを一掃することです。昨年の総選挙では、岡山県の若い仲間が大躍進をしました。新しい政治のうねりをさらに前へ。それには、ここで私が選ばれることが必要なのです。決して楽観できません。皆さんの一票一票が、結果を作るのです。どうかあなたの投票用紙に、私、江田五月と書いて下さい。心からお願いします。有難うございました。


2010年6月22日

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