2007年10月25日

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中学校教育60年式典での挨拶


 本日ここに、皇太子殿下のご臨席を仰ぎ、中学校教育六十周年記念式典が行われますことを、心からお慶び申し上げます。

 新制中学が発足した六十年前、わが国は、戦後の混乱と困窮の時代にあり、一日も早く平和で民主的な国を再建しようという熱い思いが満ち溢れていました。以来、わが国は着々と発展を遂げ、世界の中で、教育が行き届いた豊かな国として、確固たる地位を築いてまいりました。

 科学技術が進展し、社会が成熟する中、私たちがこれまでにない利便性や豊かさを享受するに至ったのは、すべての国民が高度の教育を系統的に受けることができる義務教育によるところが大きいといえます。とりわけ、子どもたちが、将来の夢と希望をふくらませ、自らの力を伸ばす場である中学校教育は、大変重要と考えています。

 しかしながら、現在、学校教育の現場では様々な課題が生じています。いじめや不登校、少年犯罪、受験の問題など、子どもたちはもちろんのこと、教育関係者や保護者もむずかしい課題に直面しています。こうした課題に、現場の教職員の方々が大きなエネルギーをもって向かい合い、努力されていることに深く敬意を表します。

 同時に、日本そして世界の未来を担う大切な子どもたちが、様々な問題に立ちすくむことなく、豊かな創造性と思いやりの心をもち、社会のために力を尽くす人として育つことを大いに期待しています。

 結びに当たり、本日、栄誉ある表彰を受けられる方々に対し、心からお祝い申し上げますとともに、全日本中学校長会が中学校教育のますますの発展に力を尽くされますようお願い申し上げ、お祝いの言葉といたします。

   平成十九年十月二十五日

参議院議長 江田 五月


2007年10月25日

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