2001/05/30 解決の道すじは ハンセン病判決確定

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今年中に解決の枠組み 責任検証のシステムを


 熊本地裁の判決から控訴断念への経緯を振り返っての感想は。

 「原告や弁護団が精力的に動く一方で、官僚も何度も巻き返しを図った。患者の訴えが総理の心を動かした。歴史に残る生のドラマではなかったか。ぎりぎりの段階で、小泉首相の心が控訴断念に傾いていったのは確かだ。こういう政治決断が、今後もなければいけない」
 この間、議員懇談会はどんな役割を。  「政府に控訴の動きがあったのは事実。われわれは、努力次第で控訴断念の道はあるとの思いで最後まで動き続けた。衆参両院の議長、副議長や官房長官などさまざまなところに働き掛け、それぞれの党内でも動いた。私も、坂口厚生労働相の心を何とか動かそうと、国会で直接話した。原告が首相と面会しているその時、われわれは控訴断念を市民に訴えていた。原告を励ましながら、それ以上に原告から励まされもした」  判決では立法不作為が問われ、国会議員に政治的責任があるとした。しかし国会の決議案はまとまらない。  「反省が見えない。自民党は、判決は法律上問題があるとした政府声明と同様の意見を盛り込むべきだと主張する。しかし、法的責任はないが謝る、という決議では駄目だ。全面解決の第一歩にならない。謝りながら舌を出すような内容では譲れない」  議員懇談会の目的の一つである、国会の責任検証を具体的にどう進めるのか。  「国会に特別委員会を設け、自身の責任を検証していくのがいい方法だ。特別委では、救済に向けた特別立法を立案から行えるし、今後の行政について方向付けをすることができるからだ。特別委ができなくても、責任を検証できる具体的なシステムを考えなければならない。全国の療養所に足を運ぶことも必要だ」  全面解決に向け、何から取り組むのか。  「当事者の声を十分聞くことが最も大事だ。特別立法も政府の施策も、勝手に国会や役所で考えていては駄目だ。社会的偏見の除去から始まり、生涯の生活保障や名誉回復など、いろんな課題がある。解決へ向けたメニューづくりの必要性を国会や政府に働き掛ける。この種の問題はいつも、当事者の話を聞かず行政の都合だけで政策を決めていく点にある」  議員懇談会が考える最終解決とは。  「どこまでできるか分からないが、各療養所の納骨堂に残る二万三千を超える小さな骨つぼが、すべてそれぞれの家族の元に帰り納まること。まだまだ、皆が汗をかかなければならない。解決に向けた枠組みづくりは今年中にはやり遂げたい。生活保障や損害賠償など、基本的には原告側の要望通りになされるべきだ。無理な要求はどこにもない」

熊本日日新聞 2001年5月30日朝刊掲載


2001/05/30

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