2004/02/18 >>会議録全文

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(民主党ニュース)
【党首討論】菅代表、日本の方向性、イラク派遣で首相と論戦 

今国会初めての党首討論が18日に行われ、民主党の菅直人代表は食の安全と農業再生プラン、大義なきイラン戦争と自衛隊派遣の違憲性、道路公団民営化、自公連立などについて40分にわたって小泉首相と激論した。主なやりとりは以下の通り。

(第1次産業と技術革新が日本を救う)
菅代表
 安心できる安全な食べ物を欲する国民の声が強くなっている。食料自給率は30年前、日本60%、英国46%、今は日本40%、英国74%と、同じ島国で工業国として発展してきた両国が逆転している。自民党農政は失敗したのではないか。

小泉首相 農家を考えての施策が思うように進んでいなかった。改善の余地がかなりあると思う。

 私も昨年から各地を視察して農家の皆さんの話を聞くと、自民党政府の農政を評価する声はなかった。多くはいろいろ問題がある、将来が不安だ、後継者がいないという声ばかりだった。次の参院選までに私自身の責任で民主党の農林業、農山村の再生プランをマニフェストとして国民に提示したい。総理も小泉マニフェストという形でプランを出して欲しい。

小泉 農業改革、食料政策は必要だと思うので、民主党の提案は歓迎するし、良い点はどんどん取り入れたい。

 青色発光ダイオードの発明で中村修二氏に200億円の特許料を支払うよう裁判所が会社に命じたことは大変結構なこと。子どもたちは何億円という高額報酬をもらうスポーツマンに憧れていたのが、今度のことで会社勤めの技術屋に対して子どもたちに夢を与えるのではないか。高校生の物理・数学離れも改善されるのではないか。

小泉 喜ばしいことだ。本人の才能を会社としては過小評価していたのではないか。才能を開花させるような会社側の対応も必要だ。

 日本が行き詰まった今の状況を打開していくためには、第1次産業と流通革新の分野が両輪となって行かなければいけない。今までの自民党政治は両輪の劣化を招いてきたのではないか。

(誤った戦争には加担しない態度を)
 満州事変から終戦にいたる日本外交を検証した外務省報告書『日本外交の過誤』を基に前フランス大使の小倉和夫氏が著した『吉田茂の自問』で、柳条湖事件、盧溝橋事件などでっち上げの事件を大義名分に戦線拡大していった日本軍に対して当時の政治家、マスコミ、世論がここまで行ったら仕方がない、行け行けどんどんで、米国と戦争して勝てると誰も思わないけれども既成事実の積み重ねの中で開戦まで進んで行ったことが述べられている。今回のイラク自衛隊派遣に関して、米国民すらイラク戦争の大義名分がないのではないかと言う中で、戦争を支持して占領軍に加わる形で自衛隊を派遣することは歴史の流れの中で大きな間違いの第一歩を踏み出したのではないか。

小泉 大義名分があったと信じている。重なる国連決議にイラクは従わなかった、査察に対して妨害した、自ら大量破壊兵器を持っていないという立証責任を果たしていないことなど、日本は総合的に判断してこれを支持した。自衛隊派遣も菅さんの言うように憲法違反だと思っていない。自衛隊は武力行使に行くわけではない。イラクの復興支援、人道支援に行くのだ。

 総理はイラクの戦争が始まった時点では大量破壊兵器が存在しており、それが他の独裁国やテロリストに渡ると9・11を超える惨劇が繰り返される怖れがあるから、それを防ぐために先制攻撃を支持すると言った。その時は大量破壊兵器の存在を前提としていたのが、今や大量破壊兵器を破棄したことをイラクが証明しなかったからだと、総理は根本から違う論理を組み立てている。

総理は武力行使はしない、非戦闘地域にしか自衛隊を派遣しないと言っているが、今イラクに非戦闘地域がどこにあるのか。非戦闘地域であるからという論理が崩れた途端に憲法違反になる。

小泉 自衛隊は武力行使に行くのではない、戦争に行くのでもない。復興支援に、人道支援に行くのだ。戦争に行くのなら、憲法違反だが。現に非戦闘地域だからこそ現地で歓迎されている。非戦闘地域だったら自衛隊を派遣することはない。

 この説明を聞いて、なるほどサマワは、バクダッド空港は非戦闘地域だから自衛隊が派遣されたのだと受け止める国民が果たしてどれだけいるだろう。私どもは復興支援や人道支援が必要ないと言っているのではない。しかし、あの戦争は正しかったから行くのだという論理は間違っている。あの戦争は正しくなかったが、現状がこうなった以上は人道支援を行う、というのが民主党の考え方である。

(推進委答申を無視し骨抜きにされた道路公団改革)
 道路公団民営化について、「政府は推進委の答申の核心部分を抜き取って、今の道路公団以上に悪いスキームを選んでしまった。ところが困ったことに、当の小泉総理は改革が成功したと思い込んでいます」。これは誰の言葉か分かるか。

小泉 誰の言葉だか分からないが、私は稀に見る画期的な大改革だと思っている。野党だから批判する。自分たちの意見が正しいと思うのなら、それで結構。しかし、私は抜本的な大胆な改革案だと自負している。

 総理自身が任命した道路公団民営化推進委員会の田中一昭元委員長代理が「文藝春秋」今月号で述べているものだ。「一番悪いのは、失敗したのにそれを認めないことです。失敗なら早くやり直さなくてはならない。しかし、失敗を認めず、改革は進んでいます、と言い続けていれば、真の改革はますます遅れ、事態は悪化する一方です」。今の総理の言葉がまさにそれに当たる。これも推進委員の松田昌士JR東日本会長の言葉だ。つまり、総理はマニフェストで推進委の意見を尊重するとしておきながら、推進委のメンバーは総理が全く尊重しなかったと明確に言っている。総理はマニフェストに反している。

小泉 全然反してはいない。私は推進委の意見を基本的に尊重し、これからも必要な道路は作る。大胆で画期的な改革案だと将来評価されると確信している。

 基本的に尊重したとは総理の思い込みであって、客観的には誰も、当事者すらも思っていない。こんなメチャクチャナ話はない。これでは本当の改革は進まない。

(国民を欺く自民・公明融合新党)
 昨年の総選挙で自民党公認候補の多くが「比例は公明党に投票を」と訴え、その中では重複候補で自民党の比例で当選した者もいる。国民を欺く行為だ。

小泉 確かにいたことは承知している。できれば政党公認の候補者は選挙区は自らに、比例は所属政党に投票してくれと言うことが望ましい。しかし、候補者の立場があり、腐心の立場を現していると思う。政党人として節度を持ってやった方がいい。結果的にはそういう行為がどう判断されるか投票の結果に出てくる。候補者自身が問われてくる。

 その投票の結果が比例ではわが党が第1党の自民党より多くの票を得るという形で現れた。自民党が公明党と連立を組むことは結構だが、政策にまで公明党の顔色をうかがって自民党は自立した政党でなくなっている。中曽根元総理もそのことを心配している。自民党は公明党と連立ではなくて、「自民・公明融合新党」になっている。

小泉 自民党は自由で民主的な政党だ。国を考えて連立しているわけだから、お互い尊重し合い、協力し合い、言うべきときは言う。公明党とは安定した関係であり、この安定勢力を基盤に日本にとって必要な政策を推進していかなければいけない。

 正当なる政党の連立とは異なっている。国民的政党とは言えない。


平成十六年二月十八日(水曜日)   午後三時開会

菅直人君 総選挙後の初めての党首討論ということで、今日はまず農業問題から総理に質問をしたいと思います。

 今、安心できる食べ物あるいは安全な食べ物を欲する国民の声は大変強くなっております。地産地消という考え方を出された篠原さんも我が党の議員として加わっていただきました。

 そこで、総理にまず、現在の日本の食糧の自給率について御存じですか、総理。

内閣総理大臣(小泉純一郎君) 何か試験官にテストされている生徒みたいなことでありますが、これはカロリーベースで大体四〇%程度でありますが、取り方によって、お米に関してはもう九〇%以上なんです。しかし、えさ等はほとんど輸入ですからね、現物のものとカロリーと、取り方によって違いますが、今一般的に議論されているということではカロリーベースで議論されている。それについては大体四〇%程度であります。

菅直人君 今から三十年前を見てみますと、日本の食糧自給率が大体六〇%、そしてイギリスは四六%程度でした。そして今日は、今、総理が言われるように、日本はカロリーベースで四〇%を少し切っております。そして、イギリスは現在七四%まで自給率が上がっています。同じ島国で工業国として発展してきた両国が、正に自給率としては逆転をしている。

 私は、結果において日本の農政、長く政権を持っていた自民党農政は失敗してきたんではないかと、このように思いますが、総理、いかがですか。

内閣総理大臣(小泉純一郎君) 失敗と決め付けるわけにもいかないと思いますね。やっぱり時代の流れで国民の食生活も変化してまいりました。また、多くの国民の嗜好も変化していますね、お米中心からパン食、あるいは最近はかなり食生活に気を付けておりますから、おかずにつきましても栄養のバランスを考える。そして、世界の各地区から、貿易も盛んになってきましたので、できるだけ食生活を豊かにしたいというそういう国民の希望もあります。

 なおかつ、多くの国から農業品、やっぱり全部閉じるわけにはいかぬ、ある程度輸入しなきゃならぬということになりますと、日本の農家というのはどちらかというと小規模が多いですから、大量生産的な大農地を抱えた外国のそういう農家の農業経営ということに比べますと、どうもこう不利を被ると。

 そういう農家の、工業製品とは違った、自然を相手にしなきゃならない、自然の恵みに感謝しなきゃならないという農家の立場も考えて取ってきた政策が思うように進んでいなかったということだと思います。やはりこれから改善の余地がかなりあるのではないかと私は思っております。

菅直人君 いろいろ言われましたけれども、思うように進まなかったと、これまでの農政を改善しなければいけない、その点では総理と一致をしているようです。

 私も、昨年から今年にかけて、秋田の大潟村あるいは米どころ富山、さらには鳥インフルエンザの関係で山口県、また酪農の関係では昨年は米沢やあるいは熊本の阿蘇など、また林業に関しても奈良やあるいは能登など、あちらこちらを行ってまいりました。そこ、そういったところで、現地で農民の皆さんといろいろ話を聞きますと、残念ながら、現在の農林省、自民党政府の農政を評価をしている声は私の耳には全くと言っていいほど届きませんでした。多くは、大変問題がある、将来が不安だ、後継者がいない、こういう声ばかりでありました。

 私は、そういうことを踏まえて、次の参議院選挙までに私自身の責任で、民主党として農業、林業、そして農山村の再生プランというものを国民の皆さんに提示したい、ある意味ではマニフェストとして提示をしたいと、こう思っております。

 総理も是非、小泉マニフェストという形でこういった問題にも再生プランを出していただきたいと思いますが、いかがですか。

内閣総理大臣(小泉純一郎君) 別に小泉マニフェストとか名称を付けなくても、農業改革必要だということで、小泉内閣として政府一体となって与党とよく協議を重ねて、多くの国民が食生活に安心して安全な食品を食べることができる、また国として国民に提供できるというようなそういう食糧政策、農業政策必要だと思いますので、民主党の提案歓迎いたしますし、良い点は政府としてもどんどん取り入れていきたいと思っております。

菅直人君 こちらが出したものを取り入れていただくのは結構ですが、自らも出してほしいということを重ねて申し上げておきます。

 そこで、話を変えますが、小泉総理は自ら発明をしたことがありますか。

内閣総理大臣(小泉純一郎君) 発明というと、何か特許を取って。ないですね。才能が乏しいせいか、発明の才能はないですね。

菅直人君 私は小さな発明は自らしたこともありますが、最近のビッグニュースとしては、青色発光ダイオードの職務発明に関して中村修二さんに二百億円の特許料の支払を裁判所が会社に命じたというこのことがあります。私は大変結構なことだと思っています。

 これまで子供たちは、例えばサッカー選手とかプロ野球選手が年収何億円あるいは何年間で何十億円といった収入を得て、ある意味ではあこがれてスポーツ選手を目指す方も多いわけですが、残念ながら会社勤めの技術屋というのはそれほど優遇はされてきませんでした。そういった意味では、このことがある意味でのそうした子供たちに対する夢を与えることになる。最近は高校生の物理とか数学離れも目立っているわけですが、そういったことも改善されるんではないか、こう思いますが、総理はこの件についてどうお考えですか。

内閣総理大臣(小泉純一郎君) 中村博士の才能が認められたということは喜ばしいことだと思っております。

 ただ、今後、あの裁判でもいろいろ論点が論議されたようでありますが、二万円だったというのはちょっと驚きでしたね。二万円の発明料というんですか特許料、それが二百億。二万円というのは余りにも少ないんじゃないかと。本人の才能を会社としては過小評価していたんじゃないかなと、額がどうかというのはともかく。ああいう才能のある方をどんどん才能を開花させるような、そういう会社側の対応も私は必要だと、こうも思っております。

菅直人君 あえてこの二つのことを申し上げたのは、日本がこれから行き詰まった今の状況を打開していくには、やっぱり農林水産業といった第一次産業とそして技術革新といった、こういった分野とがある意味では両輪となっていかなければいけない。私は、これまでの自民党の長い政治はこの両方の劣化を招いてきたんではないか、このように思うからであります。

 そこで、今日は、次には外交問題について少し話をさせてもらおうと思っています。

 総理は、満州事変から終戦に至る日本外交を検証した外務省の報告書「日本外交の過誤」というものをベースにして前のフランス大使小倉和夫さんが書かれた「吉田茂の自問」というこの本がありますが、お読みになりましたか。

内閣総理大臣(小泉純一郎君) 読んでおりません。

菅直人君 もしよろしければ、後置いていきますから、お読みいただければと思いますが。

 これは御存じの方も多いと思いますが、吉田茂氏が総理大臣のころに当時の外務省の若手官僚に指示をして、なぜあの満州事変から太平洋戦争まで、あそこまで行ってしまったんだと、途中の過程で、何らかの段階で止めることができなかったんだろうか。まだ昭和の二十たしか六年ごろですから、多くの関係者が生存しているわけで、それを詳しく調べたその外交報告書が最近公開になったんですね。その公開になった文書をベースにして小倉さんが書かれた本で、一部で非常に注目をされていると思います。

 その中にどういうことが書いてあるか。いろんなことが書いてありますけれども、例えば柳条溝事件あるいは盧溝橋事件といった、今でいえばでっち上げの事件を大義名分として戦線を拡大していった軍部に対して、当時の政治家あるいはマスコミ、あるいは世論もそうかもしれません。まあそこまで行ったんなら仕方がないじゃないか、あるいは行け行けどんどんでいって、結果としてアメリカと戦争して勝てるというそういう確信を持った人があって日米開戦に至ったというのなら、まだそれはそれとして一つの判断ですから。だれもそんなことは思わないけれども、既成事実の積み重ねの中でそのことが進んでいきました。当時の政治家、その中には小泉又次郎内閣参事もおられるし、いろんな方がおられました。

 私は、今回のイラク自衛隊派遣に対して、イラクの戦争が本当に大義名分があるのか。つまりは、アメリカの国民ですら、アメリカの国民ですらイラクの戦争に対して大義名分がないんではないかと言う中で、その戦争に対して支持をして、そして占領軍に加わる形で自衛隊を派遣するというのは、私は歴史の流れの中で大きな間違いの第一歩を踏み出したんではないか、そう思うから本会議でも真っ正面からの議論を求めたわけであります。

 総理は、大義名分なきこのイラク戦争に自衛隊を派遣することは間違いではないかという私に対して、真正面からお答えください。

内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私、いつも真正面から答えていますよ。(「いや、いつも横にそれてますよ」と呼ぶ者あり)私は大義名分があったと思っております。(「どういう大義名分」と呼ぶ者あり)

 度重なる国連決議、これにイラクが従ってこなかった。そして、多くの今までの累次の査察に対しまして妨害してきたり、自ら大量破壊兵器を廃棄した、持っていないという立証責任を果たしてこなかった。そういう一連の国連決議の中で、日本としては総合的に判断してこれを支持したわけでありまして、自衛隊派遣したのも、菅さんが言われるように憲法違反だと思っていません。

 現に、自衛隊は、なぜ菅さんが憲法違反だと言うのか、私はなかなか理解に苦しんでいるんですが、武力行使に行くんじゃないんですよね、イラクの復興支援、人道支援に行くんですから……

菅直人君 ほかのことはいいんです、大義名分の話でいいですから。

内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは大義名分も含めて、今の私はイラクに対する自衛隊の派遣も憲法違反ではないと。どういう点がそれじゃ菅さんはこれが憲法違反なのかと、もし、なぜ憲法違反であるかと言うんだったらば聞かせていただきたいと思っております。

菅直人君 まず、総理はこの間、今のような答弁を繰り返してきました。しかし、少なくともイラクの戦争が始まった時点では、大量破壊兵器が存在する、それが他の独裁国やテロリストに渡ると九・一一を超えるような惨劇が繰り返されるおそれがあるから、それを防ぐために先制攻撃を支持するんだと言われました。そのときは大量破壊兵器の存在を前提とした言葉だったのが、今や大量破壊兵器を廃棄したことをイラクが証明しなかったからやったんだと。ないことを証明することが難しいというのは論理学の常識であります。

 そういった意味で、大義名分が、何度総理がこの場で同じことを言われても、少なくとも戦争が始まった時点におけるそのことと根本から違う論理を組み立てられているということをこの場で申し上げておきます。

 それからもう一つ、総理から、私が憲法に反しているということを言ったことに対して説明しろということですので、これは簡単です。総理自身が今言われました。つまり、武力行使はしない、あるいは非戦闘地域には自衛隊は出さないと言われるけれども、今、非戦闘地域には、地域にしか自衛隊は出さないと言われるけれども、今イラクが、非戦闘地域がどこにあるか。先日も迫撃砲がサマワにも撃ち込まれました。そういうことから考えれば、非戦闘地域であるから出すという論理が崩れた途端にこれは憲法違反になるという組立てになっているわけですから、そういった意味で、明らかに非戦闘地域ということが、例えば近くも、近くにでも、非戦闘地域、戦闘地域がなった場合は活動を停止すると、これは総理が言われたんですよ、私が言ったんじゃないですよ。そう言っている中で、総理がそのことを、ちゃんと非戦闘地域ということが国民に納得できるように説明できない。私に説明できるわけがないじゃないですかとまた言われるんですか。

 これが憲法違反の私が申し上げた理由です。何か反論がありますか。

内閣総理大臣(小泉純一郎君) 自衛隊は武力行使に行くのではないんです。戦争に行くのでもないんです。イラクの復興支援に行くんです。人道支援に行くんです。武力行使に行く、戦闘行為に参加するというんだったら憲法違反分かりますよ。そうじゃないんですから。現に非戦闘地域だからあのようにイラクの国民から歓迎されて、そして自衛隊の諸君はイラク人と戦っているわけでもないんです。いろいろ今テレビ等で報道されているように、非戦闘地域であるからこそ、あのような部族長の皆さんとか当地の地域のイラクの住民の皆さんと話合いをしながら復興支援活動をしているんであって、あの今現に自衛隊の諸君が行っている地域は非戦闘地域なんです。あれが戦闘地域だというんだったらば自衛隊を派遣することはいたしません。

菅直人君 このこと、この説明を聞いて、なるほどサマワあるいはイラクのバグダッド空港は非戦闘地域だから自衛隊が派遣されたんだと、そのとおりに受け止める国民が果たしてどれだけおられるでしょうか。

 私たちは、イラクに対する人道支援や復興支援が必要ないと言っているんじゃありません。しかし、少なくとも戦争をああいう形で大義名分なく始めたことと、この支援に対して、それを言わばあの戦争が正しかったから行くんだという論理は私は間違っている。ですから、そこはきちんと一線を画すべきだ。つまり、あの戦争は正しくなかった、しかし現状がこうなった以上は人道的な支援を行う、こういう考え方が私たち民主党の考え方であり、そのことが必要だと。そういった意味で、総理のこの大義名分なき戦争に支持を与えたことは歴史上の間違いであるということをこの場で重ねて申し上げておきます。

 もう一つ、総理は、戦争責任を話題にすると、あの当時の亡くなった人すべてが気の毒だという話にすり替えられます。先日は、靖国神社A級戦犯の合祀も自分は気にならないと言われました。私は、なぜこういう発言をされるのかなと思って、思い当たったのは、つまりは小泉総理にとっては自分のおじいさんのやったことを否定されることになる、そのことじゃないんですか。

 つまりは、戦争責任者として、の一人として公職追放に遭った何人かの方がおられますけれども、そういう人たちに対する思い入れの濃い総理ですから、そういった意味で、このことに対して、いや自分は全く疑問がないんだと言われると。私は疑問を持つのが当たり前だと。つまり、日本の国民の何百万もの人があの間違った戦争、少なくとも負けることによって亡くなったんですよ、命が。その日本人に対してまず責任を当時の政治家が負わないでだれが負うんですか。いいですか、そのことを無視してA級裁判のことを言うことはできないと思いますが、いかがですか。

内閣総理大臣(小泉純一郎君) 突然私の祖父の小泉又次郎の話が出ましたけれども、又次郎は私の祖父でありまして、戦前確かに衆議院議員、貴族院議員、両方経験しておりますし、確かに戦後公職追放されております。それは戦前に要職に就いていた人は追放されているんですね。

菅直人君 要職というのは責任があった人ですよ。

内閣総理大臣(小泉純一郎君) で、又次郎がそういう要職に就いて戦争責任があるというのは菅さんの理論でありますが、かなりの方、いろいろな方々、政界、経済界、マスコミ界含めて、(「鳩山さんのおじいさんも」と呼ぶ者あり)ああそうか、鳩山さんのおじいさんもそうですか、いろいろ公職追放されておりますが、そのことと、祖父がそういう戦前の戦争責任があるからといって、今の私にどういう関係があるんですか。私にこの戦争責任を負わせようというわけですか。

菅直人君 私は、この問題をこれ以上、別に小泉総理の個人的な攻撃のために使って言っているわけではありません。そうではなくて、私は昭和二十一年の生まれです。多分ここにおられる方も戦争中はまだそれこそ要職や責任ある立場におられなかったでしょう。しかし、この本には、その当時要職にあった人たち、責任ある立場にあった政治家や、政治家だけじゃありません、官僚も含めて、その人たちが結局既成事実をおかしいなと思いながら止めないために、結果的にあの太平洋戦争まで行ったんだと。この本の中に書かれていることを私たちは重く受け止めなきゃいけないんではないかという一つの例として申し上げたんです。

 そういった意味で、この総理の相変わらずのすり替え、つまりは大義名分なきそういう戦争拡大を既成事実として追認していくというやり方に対して、私は間違った判断だということを重ねて申し上げておきたいと思います。

 そこで、総理、次に道路公団について一つ申し上げておきます。

 「政府は、推進委の答申の核心部分を抜き取って、今の道路公団以上に悪いスキームを選んでしまった。ところが困ったことに、当の小泉総理は改革が成功したと思い込んでいます。」。これはだれの言葉かお分かりですか。

内閣総理大臣(小泉純一郎君) だれの言葉か分かりませんが、私はこれはまれに見る画期的な大改革だと思います。それは野党だから批判します。自分たちの意見が正しいと思われるのは、それは結構であります。しかし、この道路公団を民営化するという案、今、法案作成作業をしておりますが、これは私は抜本的な大胆な改革案だと自負しております。

菅直人君 今の言葉は、総理自身が任命された民営化推進委員会の委員長代理をやられた田中一昭さんが今月号の月刊文芸春秋でインタビューに応じられています。その言葉です。私たちの言葉じゃありません。

 そこで、「一番悪いのは、失敗したのにそれを認めないことです。失敗なら早くやり直さなくてはならない。しかし、失敗を認めず、改革は進んでいます、と言い続けていれば、真の改革はますます遅れ、事態は悪化する一方です。」。今の総理の言葉が正にそれに当たります。これも、総理が任命された、同じ推進委員の松田さんがインタビューで述べられているんです。

 つまり、小泉総理は、マニフェストによって推進委員会の意見を尊重する。引用どころか、当事者の発言ですよ、これは。つまりは、推進委員会のメンバーが、総理が全く自分たちを尊重しなかったと、ここまで明確に言っているんですから、これを総理が、いや大成功だと言っても、少なくともマニフェストに書かれた意見書を尊重するということは全くそれに反している。マニフェストに反しているじゃないですか。いかがですか。

内閣総理大臣(小泉純一郎君) 全然反していません。まず、私は民営化推進委員会の基本的な意見を尊重したと思っております。

菅直人君 全然そう言っていない、当事者が。

内閣総理大臣(小泉純一郎君) 言ってない人もおりますが、言っている人もおります。いろいろ、民主主義の時代ですから、賛否両論いろんな意見があるのは承知しておりますが、まず、この道路公団の民営化の議論が出てきたからこそ、有料道路事業、当初二十兆円掛かると言われたのが十兆五千億円で済むという、半減で済む、コスト削減ができたわけであります。そして、料金の引下げも可能となります。債務の償還も四十五年で確実に返済することになっております。ファミリー企業の見直しも進めることができるようになりました。

 私は、民営化委員会の意見を基本的に尊重し、これからも必要な道路は造る、そして有料道路、民間の会社が造らないという道路におきましては、住民の意見、多くの地方の意見を聞きながら、本当に必要か、不必要か、どの程度の費用に見合ったならばこの道路を造る価値があるかどうか、費用対効果、採算性、そういうのを考えて、どうしてもこの道路は税金を投入してでも造らなきゃならないというんだったらば、それは地域の皆さんと、じゃ、どの程度負担するか、民間会社が造らない場合はどういう規格で造るかというのはこれから相談する必要があると。

 しかし、今後、今までの公団方式だったら全部整備しなきゃならなかったいわゆる九千三百キロの道路、この点についても全部予定どおり造るということはできなくなったわけでありますので、見直しが必要な区間も出てまいります。そういうコストの削減もできますし、私はより効率的な、そして国民の負担をできるだけ軽くして、多くのツケを将来に回さないような形で必要な道路を造っていくという正に画期的な大胆な改革案ができたと。

 今後、御審議をいただきまして、できるだけ早く、民主党の皆さんの賛成もいただきましてこれが成立するならば、ああ、やっぱりやってよかったなと。後になれば、これは抜本的な画期的な改革案だということが将来評価されると確信しております。

菅直人君 自分で画期的画期的と何回言われましたかね。少なくとも、推進委員会の会長が事実上出席されなくなった後、委員長ですか、委員長代理を務めた方、あるいはそれに加えて国鉄改革をやったときのその経験を買われて委員になった松田さん、お二人とも、今読み上げましたように、画期的どころか現状より悪い、こうはっきり言っているんですよ。これでも、基本的に尊重した、意見書を尊重した、つまりそれは小泉総理の思い込みであって、客観的にはだれも尊重したと思っていない。当事者がまず思っていないんですから、提案をした意見書を書いた人が思っていないんですから。それを、当事者も思っていないのに、自分が尊重した尊重した、こんなむちゃくちゃな話はないわけです。

 そして、その後のことももう既に松田さんが言われていますね。つまりは、いや、成功した、うまくいったと言っているから本当の改革は一向に進まないということなんです。

 私はあえて申し上げます。私たちがマニフェストで高速道路の無料化を言いました。そしてそれは、九兆円の現在道路に掛かっている費用のうちの二兆円をその借金返しに充てれば、ある意味では、返済計画はそれで終わりますから、明日からでも無料にできると。かつて信長は関所をなくすることによって楽市楽座、全国行ってみてください、秋田に行っても、例えば高速道路が無料だったら野菜は東京まで運べますと私に言った方がたくさんありました。

 そして、総理は逆に、いや必要なところは税金で造りますと今度は言い出されました。つまり、過去の高速道路は税金は使えないけれども、これからの高速道路は税金が使える。なぜ過去はできないんですか。つまりは、未来に税金が使えるんだったら、過去も政策判断できるのは当たり前じゃないですか。こんな論理矛盾なことを言って、できたできた、画期的だ。四十五年後に総理がお幾つになられるか知りませんけれども、四十五年後に議事録を見た方は、ああ、当時の総理は何と画期的なことを言われたなと。つまり、自分で言えば画期的だというんであればだれだって言えます。

 そういった意味で、私は、私たちのいわゆる高速道路を無料化したことの方が二兆円の減税効果以上の大きな効果が必ず出てくる、地域にとって正に画期的な地域的な経済効果が出てくる、このことを改めてこの場で申し上げておきます。

 そこで総理、もう一つ申し上げてお聞きをしておきたいことがあります。
 さきの総選挙で、自由民主党の公認候補の多くが比例は公明党に投票してくださいと言って選挙をされたことは御承知ですよね。そして、その中には重複立候補で自民党の比例選挙で当選された人もいるわけですね。私は、これは国民を、有権者を欺く行為であると。もし、我が党にそういう関係者があるとすれば、我が党はそれはおかしいということで幹事長が注意をいたしました。

 総理は、自由民主党のこういうやり方について、それは構わないということなんですか、それとも、やはりそれはまずいなということなんですか、いずれかお答えください。

内閣総理大臣(小泉純一郎君) ああ、民主党にも公明党投票してくださいと言う方いたわけですか。そういう方に対して注意されたと。

菅直人君 聞いていることを答えてください、自民党のことを。

内閣総理大臣(小泉純一郎君) 自由民主党は、確かに中には、選挙区は自分に投票してくださいと、比例代表は公明党にと言う方がおられたということは承知しております。これは、やはりできれば政党公認の候補者は、自らに投票してくれと同時に政党にも比例の場合には投票してくれと言うことが私は望ましいと思っております。しかし、候補者の立場があります。公明党の皆さんの支援を得る必要があると、そのためには公明党にも配慮しようという中でなされた苦心の立場を表しているんだと思います。

 今後、こういうことにつきましては、お互い協力関係も大事だと思います、しかし節度を持って、政党人として節度を持ってやった方がいいのではないか。結果的には、そういう行為がどう判断されるかということは投票の結果出てきますから、それはやっぱり候補者自身が問われることになるんではないでしょうか。

菅直人君 その投票の結果が、比例では我が党の方が与党第一党の自民党よりも多くの支持を得るという結果でちゃんと出ました。総理はそれでも構わないんだという判断ですよね。そして、そのことはどういう効果で現れているでしょうか。

 私は、自民党が公明党と連立を組まれるのは、それは大いに結構、自主的な判断で結構です。しかし、今や自由民主党の国会議員、公明党に支援を受けた国会議員一人一人が公明党の顔色を見ながら、政策的な問題でも、いや、その意向に反することは余りすると次は応援してもらえなくなる。正に自由民主党というのは自立した党ではないんじゃないですか。既に中曽根元総理はそのことを心配されて発言をされています。(発言する者あり)違うと言うんなら、ちゃんとやってみてください。

 つまりは、今や自由民主党は、公明党と単に連立ではなくて融合した状況になっているんじゃないですか、自民、公明融合新党になっている、こう思いますが、総理、いかがですか。

内閣総理大臣(小泉純一郎君) 自由民主党は、名前のとおり自由で民主的な政党であります。それぞれ議員個人の自由な意見、尊重しますし、そして党内におきましても様々な意見を民主的に議論していく、そういう政党であります。

 そういう自由民主党が、どの政党と協力していこうか、そしてその協力した政党と、公明党であれかつての保守新党であれ、お互いの立場を尊重しながら、ある時点におきましては、意見が違う場合は違いとして、より大きな立場に立って協力していこうと。

 そして、全部が政策が一致するとは限りません、連立というのは。違いが出てきます、あるいは対立が出てきます。それはそれとして、国全体を考えて協力が必要だということで連立を組んでいるわけでありますから、私は、立場が違う、お互いの意見を尊重する、違った場合は違いを残してどういう点で協力していこうかというのが連立政権だと思います。

 これについては、政権を作るためには国会の議員の過半数の議席を得ようと努力するのは私はどの政党でも政権を取ろうと思ったら当然のことだと思っております。そういうことを考えまして、私は、今回の公明党と自民党との協力、極めて安定しておりますし、選挙におきましても、中には自民党と公明党が協力し合いながらやってまいりましたが、おかげさまで自民党は単独過半数の議席を獲得しておりますし、公明党と協力をしながら安定多数の議席も獲得しております。

 こういう安定勢力を基盤にして、今、日本にとって必要な政策を推進していかなきゃならないと思っております。

菅直人君 私も連立政権を経験しておりますから、政権そのものが連立することは、先ほども申し上げたように決して否定も批判もしておりません。しかし、一つの政党が他の党に比例を入れてくれ、それは、小選挙区で調整して一人に絞ったというのはよく分かります。我が党でもそういうことはしました。しかし、比例で入れてくれ、さらには、今申し上げたように、現実に読売新聞に当時の模様がいろいろ出ていますが、結局のところは名簿を出す出さないという問題までなって、一体これが自立した政党の在り方なのか、民主主義政党と言えるのか。

 かつて左翼の運動の中に加入戦術というのがありましたけれども、今度の、今度の選挙では自民党の支持者が、(発言する者あり)安倍幹事長、余りやじを飛ばさない方がいいですよ、安倍幹事長の後援会は知りませんけれども、多くの自民党の後援会の中の人たちを、つまりは逆加入戦術をさせられたんではないかと。

 私はそういう意味で、正当なる政党の連立とは私は異なっている、このことを強く申し上げておきたい。つまりは、そういったことをやっている政党は国民的な政党とは言えない、このことを申し上げて、私の質問を終わります。

会長(伊藤公介君) これにて菅君の発言は終了いたしました。(拍手)
 次に、志位和夫君。(拍手)

志位和夫君 私は、年金問題について質問いたします。
 小泉内閣が国会に提出した年金法案は、保険料の値上げと給付水準の引下げを今後は国会の審議抜きに自動的に進めるという非常に重要な内容のものであります。

 問題点は様々ありますが、今日は一点に絞って聞きます。
 それは、この法案がマクロ経済スライドという名で年金の給付水準の実質一五%もの引下げを一律にすべての年金受給者に押し付けるものとなっており、これは憲法二十五条が保障する国民の生存権を侵害するものではないかという問題であります。

 給付水準について政府は現役世代の収入の五割を保障するかのように言いますけれども、それはごく一部の世帯の問題であって、共稼ぎとかあるいは単身者の受給水準は三割台から四割台に減らされる。更に重大なことは、国民年金も給付引下げの対象とされることです。国民年金だけしか受給していないお年寄りは九百万人に上りますが、受給額は調べてみますと平均わずか月四万六千円です。こういう高齢者がどういう生活をされているか。

 私、最近、東京渋谷区に住むお年寄りからこういう訴えをいただきました。私ども、老人二人で年金は月十万円足らずです。介護保険料を二人で月四千六百円引かれ、国保料を月四千五百円払い、医療費は月平均四千三百円払い、残りは八万円余り。毎月赤字で、たばこの吸い殻回収や公園清掃などの仕事で生計をつないできましたが、それも続かなくなりました。これでは生きていけませんと、こういう訴えであります。

 政府の法案を見ますと、こうした苦しい生活を余儀なくされているお年寄りの年金も一律に実質一五%引き下げるものになっている。政府はこれまで、基礎年金、国民年金の給付水準について、高齢者の基礎的な生活費、食費、住居、衣服、水光熱費など、生きていくのに最低限度の生活を保障するということが建前だと言ってきました。しかし、その実態は、先ほど言ったように月平均して四万六千円。生活保護の平均水準というのは月平均しまして八万四千円、それにも遠く及ばない。そこにまで一律に実質一五%の給付水準の引下げを押し付ける。これは果たして憲法二十五条に照らして許されるかという問題です。

 安心できる年金制度をどう築くかについて、我が党は抜本的な対案を明らかにしておりますし、この問題大いに議論を闘わせたいと思います。

 しかし、どんな制度であっても、憲法二十五条が国に義務付けている健康で文化的な最低限度の生活をすべての国民に保障する、この土台に立ったものでなければならない。この土台を欠いていたら、もうその制度失格です。私は、生活保護の水準すらはるかに下回る国民年金にまで実質一五%もの給付水準の引下げを押し付けることは、憲法で保障された生存権を国自ら侵害することになる、こう考えますが、総理、この一点、端的にお答えください。

内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは全く違うんですよ。勘違いといいますかね、生活保護と年金と違いますから。それと、年金ですべて生活ということでなくて、やっぱり年金というのは生活においてかなり大きな糧になっております。そういう中で、やはりこの年金制度を持続的に安定的に将来不安のないようにしていくためには、年金をいただく、給付される方と、それからこれを負担する若い世代の保険料を負担する方々の両方考えなきゃいかぬ。

 今、平均、厚生年金におきまして、厚生年金と国民年金におきましても、それぞれ上限、保険料の負担の上限を定めましたし、国民年金でいえば、将来、今一万三千円ぐらいなんですが、将来も一番上げたとしても一万六千円。ところが、平均的には月四万から五万いただいているわけですから、どちらが、その間税金も投入していきますから、私はこれは、今後ますます高齢者が増えていくときに負担している方々のことを考えないで、これを全体で総合的に考えていく必要がありますので、私そういう点については、一部だけを取り上げないで、給付と負担を両面見て、その分更に税金をどの程度投入するかという両面を見ていただかないと、これは一面的な議論になってしまうのではないでしょうか。

 そして、生活保護と年金は違います。これをよくね、ごっちゃにしないでいただきたいと思うのであります。

志位和夫君 委員長。

会長(伊藤公介君) 志位君、申合せの時間が参っておりますので、御協力をお願いいたします。

志位和夫君 生活保護も基礎年金も憲法二十五条に定められた、そこから来ているんですよ。その最低保障を割り込んでしまう、削り込むということは許されない。
 私は、私の質問に答えがなかった。あなたは九条を破壊するだけじゃない、二十五条も破壊しようとしている。年金法案の撤回を求めて、質問を終わります。(拍手)

会長(伊藤公介君) これにて志位君の発言は終了いたしました。
 以上をもちまして、本日の合同審査会は終了いたしました。
 次回は、衆議院、参議院、それぞれの公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四十九分散会


2004/02/18

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