2003/05/15

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第156回国会 個人情報の保護に関する特別委員会 第5号
平成十五年五月十五日(木曜日)   午前十時開会

○委員長(尾辻秀久君)
 個人情報の保護に関する法律案、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律案、独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律案、情報公開・個人情報保護審査会設置法案及び行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の以上五案を一括して議題とし、前回に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○大塚耕平君 民主党の大塚耕平でございます。
 両大臣は大分この問題では答弁に立たれておられてお疲れのようでございますが、今日もお付き合いいただきたいと思います。
 参議院の質疑での冒頭に自民党の世耕さんから大変御高説を賜ったわけでありますが、何分抽象的なテーマですので、どうしても具体例をもって話をしないとなかなかイメージがわかないという点がございまして、瑣末な話もいかがなものかと思いますが、余り抽象的な話ばっかりしていますと粗末な話になりますので、瑣末でもなく粗末でもない話をさしていただきたいと思っております。
 最初に、この間、世耕さんのお話を伺っていて大変興味深いなと思った点をちょっと確認さしてほしいんですけれども、たしか、組織内の職員の方で個人情報を盗み出して、それが言ってみれば紙の窃盗罪として逮捕されたという話があったんですけれども、これは内閣官房にお伺いした方がいいのかもしれませんが、もしその職員がコピー用紙を持ち込んでいたら、これは現行法では全く対処ができないということでございましょうか。
 ちょっと、通告していないんですが、頭の体操として聞かしていただきたいんですが。
○政府参考人(藤井昭夫君) ちょっと正確にはお答えできないかもしれませんけれども、私どもが把握している限りにおいては、やっぱりちょっと紙自体が元々、その方の場合はなかなか窃盗ということにはならないんじゃないかなというふうに考えております。
○大塚耕平君 恐らく、仮にその方が善意を持って持ち出した紙以上の紙を持ち込んだとしても、恐らく何らかの法的枠組みの中で何か処分をされたと思うんですけれども、ということは、恐らく今でもいろいろ個人情報を悪用した場合の様々な法的な枠組みというのは、何がしかいろんな法律の解釈によってやり得る面があって、今回のこの個人情報保護法というのは、それではカバーできない部分について、まず包括的に網を掛けるということではないかなと個人的に理解しているんですけれども。
 これも私どもの内藤委員が最初に御質問させていただいた点をちょっと確認させていただきたいんですが、今回のこの個人情報保護法並びにその他の法案の保護法益について、もう一度明確に御定義を大臣にしていただきたいと思います。
○国務大臣(細田博之君) これにつきましてはこの法案の第一条に書いてございますけれども、IT化の推進を進めておりますし、事実上どんどんインターネット等を通じてのIT化が促進されております我が国のこの社会の環境の下において、個人情報の有用には配慮しつつ個人の権利利益を保護することを目的としておりまして、そのことが保護法益であると考えております。
○大塚耕平君 これは、通告はしておりませんが、非常に基本の問題ですので是非お考えを聞かせていただきたいんですが、保護法益は今お伺いしました。今回のこの個人情報保護の法体系、目指している法体系は、これは個人情報あるいは個人の権利利益の保護の、あるいは侵害の未然防止なのか、救済なのか、この点はいかがでございましょうか。
○国務大臣(細田博之君) この基本的な枠組みは非常に言わば規制的な部分は緩やかであり、かつ事後的でございまして、まずは未然防止をすると。特に主務大臣等において関係団体などに基本方針を示しながらガイドラインを作ってもらうというようなことで、これまで八年間の事例でいえば七十件ほどの案件がありました。大きな案件がありましたけれども、その中では言わば過失が大半である、あるいはソフトウエアの不備が大半であると。本当に悪質なものが少ないという面で見ると、この法律のまず目指すところは未然防止がかなりこの法律によってできるのではないかということが第一点でございます。
 したがいまして、そこには本人からの苦情があって、そして求めがあって、そして個人情報取扱事業者がそれぞれに対応できるような、そしてその中には利用目的の通知とか開示とか訂正、利用停止というような項目を置いておりますので、こういう点はまずは未然防止、しかしそれでどうしても足りない部分はやはり行政庁の方にまた申出をして、認定団体等によって処理がし切れないようなものについては更に報告徴収、勧告、命令という、非常に故意かつ広範、悪質のようなケースには対応でき得ないとやはり困る場合があると。
 他方、刑法上も、先ほどのお話ありましたけれども、はっきりとした財物ということでないものですから、しかも個人情報というのは企業にとっては一種の財産的価値はありながら、しかし個人にとってみれば言わば個人の情報は一種のプライバシーの権利であるという観点から、保護すべき法益であることははっきりしておりますから、そういったものに対応できるような強制措置も最終的には用意しておくと、こういう考え方でございます。
○大塚耕平君 強制措置も最終的には用意しているというお答えだったんですが、今の御答弁、拝聴していると、もちろん中にも断片的に入っておりましたが、もう一度確認させていただきたいんですが、未然防止が第一の目的だとすると、抑止力、今北朝鮮は一生懸命ああいうカードを切って抑止力を行使していますけれども、この個人情報保護法の個人の権利利益の侵害の未然防止のための抑止力は何でしょう。
○国務大臣(細田博之君) 抑止力は、まず本人が自分のことについての情報が取り扱われていることを知り、又はどこかに流れている、どこかを見たら自分の情報が出ておるというようなことから、それに対して二十四条、二十五条、二十六条、二十七条等の規定によって、利用目的を通知するべきこと、開示すること、それから訂正を求めること、それから利用停止、そういった規定を用意しておることが今後の問題に対する未然防止にもなっておると。しかし、過去に行ったことについても対応できるようになっておるわけでございますから、もちろん両面ございますけれども、これから長い将来のことを考えますと、こういった点に配慮すれば必ず多くの分野においては未然防止になると考えておるわけです。
○大塚耕平君 ありがとうございます。
 それでは、本題に入らせていただきたいと思いますが、昨日、おとといの議論をお伺いしていましても、例えば昨日、最後に福島委員の方から、行政機関個人情報保護法の方は適正な取得の規制が入っていないという御議論がありましたけれども、今回の法の体系の中で、官の方に相対的に厳しいと思われる点、あるいは民の方に相対的に厳しいと思われる点について、それぞれ御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 私は官の方の担当ですから官の方を中心に申し上げますと、昨日も答弁させていただきましたけれども、民間については自主規律が基本なんですね、自分でやってもらうということが。しかし、それが基本なんですが必要最小限度の規律というものは加えると、こういうことでございますが、官の方はそういう意味では詳細かつ厳格な一応仕組みにしていると。元々電算についてはありましたしね。そういうことで、公開性、透明性の向上という観点を加えて詳細かつ厳格な制度としていると。
 具体的には、民間については五千件以上のデータベース化された情報が対象ですよね。ところが、行政機関については、行政機関が保有するすべての個人情報を対象にすると。それから二番目に、行政機関については、個人情報ファイルの保有に当たって総務大臣への事前通知を制度化してやる、事前チェック型。民間についてはこのような事前チェックの仕組みはありません。それから、行政機関については、個々の個人情報ファイルごとに厳格に管理する仕組みとしまして、個人情報ファイルの利用目的、記録項目、収集方法、提供先等詳細な事項を整理して公表すると。民間については、個々のファイルではなくてデータベース全体の包括的な利用目的を公表すれば足りると、こういうことにしております。それから、行政機関については、開示、不開示の基準、それから開示請求手続等についてかなり詳しい規定を置いておりますね。これらの請求に対する、また行政機関の決定について不服申立てがある場合には第三者的な審査会への諮問を制度化している。民間については、必要かつ最小限度の開示、不開示の基準でよろしいと。あるいは、手続も同じで、具体的なことは事業者が決めると。また、第三者的な審査会は民間の場合にはありませんで、事業者が自分で苦情処理、自律的な苦情処理で解決を図ると。
 大きい点でこういうことでございまして、こういうことからいいますと、行政機関の方が民間に比べて詳細かつ厳格な制度としておりますので、この制度を生かす運用ですよね、これからは、一人一人の。今度はすべての情報ですべての職員が関係しますから、そういう意味では、意識改革というのか、そこの精神を個々人にまで徹底するということが私は一番大きい課題ではなかろうか。仕組みはいいんですよ。あとは意識あるいは運用ですね、そういうふうに思っております。
○国務大臣(細田博之君) 個人情報保護法で官の問題を議論するときに、やや混同された議論も行われておりますが、それは、主務大臣というのがいるために、そして最終的に罰則があるためにこれ自体が非常に厳しい内容なのではないか、すべての経済活動等、私企業の活動等を規制するのではないかというようなお気持ちで質疑が何度も繰り返されているんですが、その真意は、先ほど大塚議員にお答えしましたように、まず民の間の調整が前提で、どうしても今の法体系上は救済し難いものは、やはり個人にとって大きな苦痛があり、しかも民の活動がそれは単なる経済行為というにしては著しい個人のプライバシーの権利等を侵害している実態があるときにそういう官が出てくるのであって、あとは、予防的な官の活動はやりましょうと。未然防止は、その基準、ガイドライン等を定めることについてはやりましょう、しかし原則は民対民の問題でありますねと。
 それは、例えば民間企業のそういうデータ事業者にとってみれば、それは多くは経済活動であって、自分が何らかの利益を得るための活動でありますから、それと一般個人という民間の方との間の調整をどう図っていくかという観点で考えられておるものでございますから、官の情報管理というのは、正に官の責任で自らやっておることでございますので、それなりの規律がなければいけない。これは自らを律する規定でございますので、おのずと、今、総務大臣がお答えしたように、官の規律は厳しくなっていることは論理的に必然であると思っております。
○大塚耕平君 ありがとうございます。
 今、片山大臣がるる御丁寧に御説明くださいましたが、冒頭のところですね、基本的な考え方で、民の方はあくまで自主的、自律的な規制ないしは運用を尊重し、官の方には厳格に制度化するとおっしゃったわけですが、厳格に制度化するのであるならば、先ほど、昨日の福島議員の議論に戻りますけれども、適正な取得ということについて明記しても何ら問題はないわけでありまして、しかし、適正な取得というOECD八原則にも盛り込まれているこの非常に重要な部分を民には求め、官には求めずして、どうして官の方により厳格だと言えるのでしょうか。
○副大臣(若松謙維君) お答えいたします。
 行政機関が法令を遵守して適法かつ適正に個人情報の取得に当たるべきことは、まず日本国憲法におきましては七十三条、「法律を誠実に執行し、」ということと、あわせて、職員につきましても、国家公務員法の法令遵守義務、九十八条でございますが、職員は、その職務を遂行するについて、法令に従い、従わなければいけないと、このように規律されておりまして、既に法規範としてしっかりと存在していると。こういうものを法律に改めて規定する必要はないんではないかと、そのような形で今回の法律の体系になっております。
○大塚耕平君 せっかく副大臣お立ちいただいたので、副大臣にお聞きしますが、そうすると、民というのは法律を守らなくていいんですか。
○副大臣(若松謙維君) あくまでも、民も官も日本国憲法に基づきまして、あるいは法令はしっかり遵守しなければいけないと、そういうふうに認識しております。
○大塚耕平君 いや、おっしゃるとおりですね。官も民も法の下に平等なわけだから、どうして官と民で適正な取得のところで差を付ける必要があるんですか。
 もう一回、副大臣にお伺いします。
○副大臣(若松謙維君) 先ほど、日本国憲法、また国家公務員法、こういった既にある法律を御紹介させていただきましたが、私どもとしては、その既にある法規範、これで十分であるという認識をしておりまして、今言ったようなこの行政機関個人情報保護法にも適正な取得というのを設けるべきじゃないかと。
 実は、そういった御要請というのをすべての法律にもいわゆるその時々に入れていきますと、すべての法律が基本的な日本国憲法また国家公務員倫理法で求められるところを全部入れますと、すべての法律が物すごい膨大になるんですね。私はそれは、法規範上もかえって不必要なものも当然あるわけでありまして、やはり法律は非常に収れんされた効果的なもの、そういうようなバランスを考えて、今回の行政機関の個人情報保護法のような体系にした次第でございます。
○大塚耕平君 法規範というのは、いろいろそのための整備が膨大な作業になるからその整備をあきらめていいというものではないと思いますね。
 今、副大臣のおっしゃることにも一理ありますけれども、確かに、また片山大臣がさっきおっしゃったように、あとは運用だと、意識改革の問題だというのも一理ありますけれども、しかし法の下において法規範として明文化する方が合理的に正しいことについては、いかに作業が膨大になろうともきちっと整備をしていくのが国会の役割ではないかと思います。
 今日は、私は、財金部門からこちらの方に所属をさせていただいていますので、金融を中心に残りの時間使わせていただきますけれども、副大臣、せっかくお立ちいただいたので、たくさん御答弁いただきたいと思うんですけれども。
 金融の最も中心的な法律は銀行法でございますが、銀行法の一条には何て書いてあるか御存じでしょうか。御存じでなければ、六法全書を見てお答えいただいても結構ですが。
○副大臣(若松謙維君) 所管ではございませんが、銀行法第一条を読まさせていただきます。「この法律は、銀行の業務の公共性にかんがみ、信用を維持し、預金者等の保護を確保するとともに金融の円滑を図るため、銀行の業務の健全かつ適切な運営を期し、もつて国民経済の健全な発展に資することを目的とする。」。
 二項も言いますか。
○大塚耕平君 いや、結構です。ありがとうございます。
 その冒頭のところですね、「業務の公共性にかんがみ、」と。文言こそ違いますけれども、公益についてはちゃんとうたわれているわけですよ。ということは、公益についてうたわれているということは、先ほどのあるいは昨日までの、なぜ官の方に適正な取得が必要ないかという根拠に関しては、表現の微妙な違いはありますけれども、官の皆さんは公益のために仕事をしているから大丈夫なんだというような文脈で御答弁いただいていると思いますが、そうすると、金融については今後個別法は必要ないという御認識でいいですか。伊藤副大臣にお伺いしたいと思いますが。
○副大臣(伊藤達也君) 私ども、金融分野においても、これはもう業態を問わずに個人情報の取扱いが大変重要な論点になると、このように認識をいたしておりまして、この個別法の必要性についても追加的な処置が必要かどうか、実は金融審議会において議論を続けております。
 その中で、どういう論点が今あるかということでございますけれども、第一には、金融取引に係る個人情報の同一企業内での多目的利用及び同一グループ内での複数企業による共同利用に関するルールの問題、そして第二に、信用情報機関及び会員事業者による個人信用情報の共同利用システムに関するルールの問題等々が挙げられておりまして、今後も当委員会を始めとして国会のその議論、また先生方からの問題提起、意見というものを参考にしつつ、金融分野における個人情報の取扱いについて私どもとして検討してまいりたいというふうに考えております。
○大塚耕平君 伊藤さん、それ、いつごろまでに結論を出されますか、金融審議会でこれから議論して。
○副大臣(伊藤達也君) 期限についてちょっと今ここで明言ができないわけでありますけれども、私どもとしては、国会の審議を注視をいたしておりますので、この法律が成立をさせていただくと同時に金融審議会での議論を進めさせていただき、また私どもとしても検討をさせていただいて早急に結論を出していきたいというふうに考えております。
○大塚耕平君 伊藤副大臣には、我々、我々というのは私たちの世代の気持ちを共有していただけると思いますのでお願いを申し上げますけれども。
 例えば、金融審議会は第一回の金融審議会、平成十三年、十二年ですかね、から行われていて、平成十三年のこの個人情報保護に関する部会の関係者の意見陳述の中では、早く決めてくれということを何回も言っている人がいるんですよね。
 昨日も、今日実は全銀協の方に参考人としておいでいただこうと思っていましたら、まだ業界として十分な検討ができていないのでお答えすることがないので出席は差し控えたいというお話で、おいでにならなかったんですけれども。どうして検討が十分じゃないんですかと聞きましたら、いやそれはこれから金融審議会でいろいろ議論をされることなので、それを踏まえてやりたいと。確かにもっともな話なんですけれども、今、日本の金融界、金融界のみならず産業界は、そういう悠長なことを言っている場合じゃないんですね。
 これは衆議院の方の審議でも出ましたけれども、個人情報保護の個別法がこれから出てきたときに、今の金融界の信用情報等の取扱いと異なるような取扱いをしなければならない法体系や金融庁の指導が出てきたときには、これは金融機関や金融機関の関連産業企業にとっては膨大な作業やコストがこれから発生するわけです。
 だから、伊藤さん、非常にいつも冷静な答弁をされますので、これから審議会で検討して早急にとおっしゃいましたけれども、金融庁にいつまでにやらせるのか、そういうことをここで政治家が責任持って答弁するのが国会の私は議論じゃないかと思うんですが、金融庁にこの個別法についての検討をいつまでに結論を出させますか。
○副大臣(伊藤達也君) 私どもとしましても、やはりこの国会の審議は非常に重要だというふうに思っておりますので、そして今までも金融審議会の中で、六回を開催をさせていただいて、主要な論点の整理もしてきたところでございます。先生から御指摘をされている点についてもいろいろ議論をいたしておりますし、また今、現行の事務ガイドラインというものがあるわけでありますが、この中で、個人情報の取扱いについても相当程度手当てが講じられているところでございます。
 この個人情報保護法が成立をいたしますと関係の法令が整備されてまいりますので、それに併せて、改めて事務ガイドラインとこの法令の整合性というものを確認、精査した上で規定の整備について検討していくということにいたしております。また、現行の事務ガイドラインにおいては、この個人情報保護法が成立した際には当該法律の規則に各銀行が服することになる旨も確認的に規定されているところでございます。
○大塚耕平君 そういう御答弁は余り聞きたくないんですよ。
 今日、金融庁いらっしゃっていると思いますので、じゃ金融庁に聞きますけれども、例えば第一回の金融審議会の金融分科会特別部会、平成十三年四月十六日、これは全国銀行個人信用情報センターの個人情報保護法に関する公式の意見陳述として様々おっしゃっておられますけれども、自主ルールのみでは担保できない問題が一杯起きていて、後で書面はごらんに入れますけれども、早く基本法で担保されないのであれば個別法において御配慮をくださいますといって、平成十三年四月十六日に言っているわけであります。
 これは別に、それこそ瑣末な一部を探し出して申し上げているわけではなくて、こういうたぐいの表現はこのときの部会でも一杯出ているんですけれども、この二年間、金融庁はどういう検討をしてきましたか。
○政府参考人(五味廣文君) 申し訳ございません、制度の方を必ずしも担当しておりませんが。
 信用情報、御指摘のありましたような信用情報の取扱いを含めまして、この法律の審議状況を勘案して検討している。これまでも、今、副大臣から御説明がありましたように、金融審議会において種々この個人情報保護についての法制上の必要性等について議論が行われているということでございます。
○大塚耕平君 いつまでに結論を出しますか。日本の金融機関、その間に合併、再編これから起きますけれども、いろいろそのときに、システム面の対応をしなきゃいけないとか、いろんな合併後のルール決めなきゃいけないとか。一体、民間企業はいつまで待っていたら、この個別法について明確な御方針を見せていただけるんですか、金融庁にお伺いしますけれども。
○政府参考人(五味廣文君) 申し訳ございません、ちょっと不案内な分野なんですが。
 いずれにいたしましても、そうしたもちろん合併の場合の取扱いというのは監督上はルールを作ってございまして、それに基づいて、今、個人情報保護についての運用はしておりますけれども、できるだけ早く必要なものであれば作る必要がございますし、いずれにせよ、無用の混乱が起こらないように制度面、監督面での対応を図ってまいりたいと思っております。
○大塚耕平君 局長は行政のお立場ですから断言はできないのは分かりますので、だから伊藤さんに頑張ってほしいわけですよ。今年度内にやらせるとか、私の責任を持って金融庁にやらせるとか、そういう御発言がない国会審議で政治家の答弁というのは一体いかほどの意味を持つんですか。
 いや、これね、ちょっと待ってください。自民党の皆さんも本当に日本の経済とか産業のことをお考えいただいて、様々いろんないい御提案をしていただいていると思うんですけれども、一番大きな問題は、とにかく遅いんですよ、このいろんなルール作りが。
 これ、今の調子だと、またそれぞれの局長のポストがお替わりになって、伊藤さんには私、是非長くやっていただきたいと思っていますけれども、伊藤さんもそのうちお替わりになって、また大臣がお替わりになると、同じ質問をすると、私は着任したばかりでございますのでこれからしっかりと勉強させていただきますという御答弁が続くわけですよ。
 日本の銀行、つぶれちゃいますよ、みんな。いつまでにやるんですか。
○副大臣(伊藤達也君) 今、いろいろなおしかりも、あるいは政治家としてというお話もいただいて……
○大塚耕平君 激励です、激励。
○副大臣(伊藤達也君) 激励というお話でございますけれども、私もIT分野を政策課題として取り組んで、また、今の仕事をさせていただいて、特に金融機関というのは大量の個人情報を取り扱うわけでありますから、今お話があったように、銀行の再編等々、いろいろ大きな波が押し寄せていることも十分承知をいたしておりますし、国会での審議の状況について注視をいたしているところでございます。
 私自身も、現行の事務ガイドラインを見る限りにおいて、この中で相当程度のやっぱり手当てができておりますし、また、この法律ができて、先ほどお話をさせていただいたように、その関連の法令というものを精査して検討して、そして私どもとしても所要の手当てをするということを考えておりますので、そうした中でいろいろな対応をしていきたいというふうに思っております。
 そして、個別法が必要かどうか、これも並行して私どもも議論をいたしておりますので、十分にこの問題についても私どもとして考えて、そして対応をしていきたいというふうに思っております。
○大塚耕平君 こればかりやっているわけにいきませんけれども、非常に重要な問題なので、ちょっと確認しておきますと、衆議院の方では共産党の吉井委員ですか、平成十二年の、銀行の、オブザーバーとして審議会に御出席された方の御答弁を引用されて、その方は個別法は必要ないというふうに御答弁、その銀行の方ですね、しているけれども、そうなのかということを衆議院で質疑されました。平成十二年です。しかし、さっき申し上げましたように、平成十三年の銀行業界の信用情報部門の方は早く個別法をやってくれと言っている。それから、衆議院の議論の中で、若干脈絡が違う部分はあるんですが、竹中大臣も、我々の認識では、いわゆる矛盾している、何らか急いで調整を必要としているようなものは存在していないというふうに金融分野についておっしゃっている。片やその一方、細田大臣は、金融分野に関しては、金融的な分野としてはまだもっと深掘りしなきゃならないという御趣旨には賛成でございますという御答弁、これは我が党の中村委員に対して言っておられますが、一体、金融については個人情報保護法に関して個別法が必要なのか必要でないのか、そこだけはっきりしてください。期限までは、いつまで聞いても出てきませんから、必要なのか必要でないのか、必要でないとすれば、金融庁は第一回金融審議会以降三年間何を議論していたのかということについて御答弁いただきたいと思います。
○副大臣(伊藤達也君) 先生の問題提起というのは十分承知をいたしているんですが、私ども今の段階で、その必要か必要じゃないかということについての一定の結論が出ているわけではございません。これは先ほどから繰り返し御答弁をさせていただいているように、この法律ができて、そして関連の法令も整備をされ、それと今の法律、そして私どもの事務ガイドライン、それの整合性というものを十分検証をして、そして今後の対応というものをしっかり考えていきたいというふうに思っているところでございます。
 また、金融審議会においても、先ほど主要な論点についてはお話をさせていただきましたように、審議会においても、先ほど一部御紹介がございましたが、これはいろいろな意見があるわけでありまして、その意見を受けて私ども行政としてしっかりとした判断をしていかなければいけないというふうに思っておりますので、そうした作業も並行して今行っているところでございます。
 また、この国会の審議を最後まで、もう大変重要ないろいろな御指摘をいただいておりますから、そうしたことも私どもとして十分参考にさせていただいて今後の検討をしっかりやっていきたいというふうに思っております。
○大塚耕平君 とにかく早くやっていただきたいと思います。
 金融機関に関しては、今年の二月に、金融機関が本人確認、預金者、利用者の本人確認をする際に住基ネットのデータを利用していたということが問題になりまして、最初片山大臣は、いや、そんなことはあり得ないという御答弁をしておられたわけですが、途中から君子豹変されたといいますか、事実をお認めになられていろいろと開陳していただいたわけでありますが、その後、調査をするということになっておったはずですが、調査結果、つまり、実際に金融機関が住基ネットのデータを本人確認に利用していたかどうかということについて調査結果を御答弁いただきたいと思います。
○政府参考人(畠中誠二郎君) 先生、住基ネットのデータと、こうおっしゃいましたけれども、本人確認書類の一つとして利用されましたのは住民票コードの通知票でございます。これは各市町村から、私どもにも来ましたが、各人に住民票コードを、あなたの住民票コードはこうですよという通知票を発出しておりますが、その通知票が利用されたということでございます。
 調査結果でございますが、これは本来なら金融庁の方からお答えがあるべきものでございますが、私ども聞いているところでは、全国銀行協会が調査をされまして、会員行において本人確認書類として全国で二百三十六件の利用が確認されたという報告を受けております。しかし、これらすべて、二百三十六件すべてについて銀行から御本人に告知を求めたというものではなくて、顧客自らが本人確認書類として自主的に提示したものというふうに聞いております。
○大塚耕平君 調査結果は、全銀協が会員行百八十八行に対して行った結果、七十九行、二百三十六件、一か月に約七十万件の本人確認があるうちの二百三十六件であったという御報告でありますが、金融界の体質は、私も元の村の一員でしたのでよく分かるんですが、全銀協さんがそういう方針を出すと、下位業態もみんな同じような業務指針を出していく非常に従順な業界なわけでございますが、下位業態については調査されましたか。下位業態においてこの本人確認についてどういう指針が提示されていて、実態はどうであったかということについて調査されましたでしょうか。
○副大臣(伊藤達也君) このQアンドAを出しましたのは全銀協だけなものですから、その全銀協に対する調査ということになっております。
○大塚耕平君 いろいろほかのお仕事もあるでしょうから、そうなかなか手広くできないのは分かりますが、しかし、こういう問題が起きたということは、やっぱりそこはきちっと悉皆調査をされるのが行政の仕事ではないかと思います。
 片山大臣は、去年の秋に、我が党の五十嵐委員が衆議院で、やみ金で住基ネットのデータが売買されているという話とか、あるいは今回のようなこういう本来の住基ネットの趣旨に合わない利用がされている可能性について聞かれて、事実を提示していただかないと調査のしようがない、具体的な例を提示してください、又聞きじゃ駄目ですよと、あの片山節を御披露しておられたんですが、現にこうやって事実が出てきたわけですよね。
 ということは、出てきたので、その事実だけを調査してそれで良しとするのか、もう少し住基ネットのデータの利用の仕方については幅広く調査する必要性があると思うのかないのか、その点についてちょっと御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 私はかつて、あれは衆議院だったと思いますけれども、予算委員会か何かで、全銀協からはその利用の事実はないという報告を聞いていると言っただけです。事実がありませんと私が断定できる立場にも何もないわけですから、全銀協からのそのときの、そのときですよ、その時点での報告によれば、そういう事実はないと言ったんですから、というふうに聞いていますと、こういうことを申し上げたんです。
 そこで、QアンドAですよね。QアンドAの中にあったんで、それは調べにゃいかぬということになって調べたら、全国で今、二百三十六件ですか、あったと。
 ただ、その告知を求めたんではなくて、本人が示した場合には、法律上はそれは違法じゃないんです。告知を求めれば違法ですよ。
 しかし、それだからそれでいいというわけではないんですから、それは我々も徹底せにゃいかぬと思いまして、あの問題が起こってから、各省庁所管の分野について、それぞれお願いしたり会議をやったり、状況の把握その他についてもやってほしいと、こうお願いしてるんです。うちが全部やるわけにはいきませんから、日本じゅうのいろんな業界を。それはそれぞれの所管の省庁にお願いして、今までのところ問題がないという報告を受けておりますが、何かあれば、またそれは、その分野からそのあれについては詳しく調べるということはあり得ると、こう思いますけれども、今そういう状況なんですよ。
 それで、昨日も御答弁したと思いますけれども、大きな問題は起こっていないんです、大きな問題は。基本的には四情報にコードでしょう、住民票コードと変更情報で。コードは、これは変更可能ですよね、御承知のように。
 だから、そういう意味では、ジュラルミンケースか何かで、予備のデータがジュラルミンケースごと盗まれて、三日ほどたったらまた置いてあったという、こういうことがありますけれども、中は暗号ですしね。
 そういう意味では、私は致命的な問題は起こっていないと思いますけれども、それで、それだからいいんだということにはなりません、二次稼働も始まりますしね。このセキュリティーについては万全を期していきたいと思いますし、各業界にも再度、所管の省庁を通じていろんな要請をしようとは思っております。
○大塚耕平君 大臣、昨日は、第三者機関の設置に関しては、その質疑があったときには、いやいやもうこの個人情報保護に関しては総務省が全部の取りまとめ部署としてやっているんだからという、こういう御答弁をしておられるわけですよね。
 これは別に与党の皆さんや行政の皆さんだけの責任にする気はありません。日本のこの現在の状況を生み出している構造的な原因の一つとして、さっき申し上げましたように遅いということがありますね、それは役所の皆さんのローテーションの問題もいろいろ影響していると思いますけれども。それからもう一つは、今、片山大臣が使われたロジックですね。ある時は、私たちが担当なんだから、新しい対処をしろと言われると、いやいやそれは必要ないとおっしゃりながら、しかし、じゃやってくださいと言うと、全部は私たちでできるわけがないという、この考え方のすり替えというのも日本を悪くしている大きな思考パターンの一つだと思いますが、いかがですか、それは。
○国務大臣(片山虎之助君) 昨日言いましたのは、行政機関や独立行政法人等の個人情報の保護の仕組み、これについてチェックするのは総務省ですよ。それは、事前通知をもらって、必要になったら調査をしたり報告を求めたり、それはやりますよ。
 私が今言っているのは全銀協やなんかの話で、日本じゅうの業界ですよ。これは私どもの方の元々、法律も私どもの所管ではないし、住基ネットの絡みでそういうあれがあるので、だから住基ネットの利用についても、もう釈迦に説法ですけれども、法律で決めた機関が法律で決めた目的しか使えないんですから、だから告知を求めちゃいかぬのですよ、本人確認も。
 そういうことで、それの徹底は、各業界については業界の所管の大臣がおるんですから、主務大臣が、それを通じてやりますと。行政機関の個人情報保護の仕組みややり方については、それは私どもの方が責任を持たにゃいかぬと、こういうことを言ったので、一つも論理はすり替えていない。私ぐらいそういう意味では素直なありのまま答弁をしておる者はいないと思っております。
○大塚耕平君 人生の先輩でありますので、素直に聞きますけれども、まあしかしもう一個、やはり今の大臣の答弁のプロセスで問題があるんです、日本の国会の。それは、私が聞いたのは、調査をする必要があると思うかないと思うかいかがですかと聞いたんです、最初。それに対して、いや、全部の分野の所管ではないから何とも言えませんなということから、こういうふうに時間を七分も無駄に使っているわけですよ。聞いたことに対してきちっとお答えいただけないというのも、日本の国会審議がなかなか内容のある議論ができない大きな理由の一つであります。
 だから、総務省は全体の枠組みの御担当で、個々の分野についての御対応は各役所の仕組みだ、そんなことは分かります。だから、全体の統括部門として調査の必要があると思われますか、ないと思われますか。もう一度御答弁ください。
○国務大臣(片山虎之助君) 行政機関の個人情報保護の関係は私の方ですよ。全部の方は細田さんの方ですから。今お尋ねは全部の方の話なんだけれども、住基ネット絡みだから私どもの方がお答えしているんです。
 私は、今のところ、各役所の住基ネットについての運用はお任せして十分だと思いますので、私どもの方から調査をお願いすることは考えておりません。
○大塚耕平君 また、やっぱりさすがうまいなと思いますね、おっしゃるとおりなんですけれども。住基ネットをいろんな分野の業界が使うかもしれないから、いろんな分野の業界を御担当になっている役所に対して、適正な使い方がされているかどうか、住基ネットの総括官庁として、所管大臣としてそういう必要性があると思うかどうか、あると思えば調査をしてくれと各役所に頼めばいいわけですから。たったこれだけのことを議論するために、もう十分も使っているわけであります。
 私は、例えば住基ネットのコードについても、さっき二百三十六件のお話がありましたけれども、これが本当に悪いと言えるのかどうか。つまり、さっきもお話しになりましたけれども、一応調査の結果としては銀行側が求めたわけではなくて御本人が提示したということになっているわけですから、御本人が提示する以上、別にこれは問題ないわけですよね、法律的には。そこをちょっと聞かせてください。
○政府参考人(畠中誠二郎君) お答えいたします。
 御本人が自主的に提示する以上、何ら問題はございません。
○大塚耕平君 とすれば、莫大なコストを掛けて作った住基ネットのデータを、例えば金融業界にかかわらず各産業分野が本人確認のためにもしこれが使っていい法体系になれば、これはこれで相当産業コストを低下させるわけですよ。
 そうすると、必要なのは、仮に金融機関の窓口で住基ネットのデータで本人確認をさせてくれというふうに顧客が言った場合に、そのコピーなりなんなりをどういうふうに管理するならば適法、しかしそれをコピーを取ってみんなの目に届くところにファイルしておくのは金融機関の善管注意義務に違反するとか、そういう個別法を早く、あるいはルールを決めてくれないと業界としては対応できませんというのが業界の今の悶々とした状況なわけですよね。
 だから、じゃそういうことを整備するためには各業態でどうなっているかという事実を知らなきゃいけない、まず。だから、我々野党も揚げ足取りみたいなことばっかり言っていてはいけないというのは、これは我々の中でもそういう議論はありますので、我々の世代としてそういうカルチャーは育てていきますけれども、今回の件に関して言えば、二百三十六件あったから駄目ですと言ってまた縮こまっちゃっているんじゃなくて、じゃ個別法として金融分野どうするんだという議論をいつまでに答え出すのかということをさっきから聞いているわけですよ。それをまた役所に任せちゃってこれから審議始めますと言っていたら、これはどんどん日本の産業は後れていきますよ。何のために住基ネットを作るのに膨大なコストを掛けているんですか。そういったことを申し上げているんです。正否の問題を申し上げているわけではないです、私は。
 何かこれについて、どなたでもいいですから、ちょっと御答弁いただけないですかね。
○国務大臣(片山虎之助君) 今の住基ネットは民間利用は一切考えていないんです。行政機関が取りあえずは本人確認省略のために使っているんですね。これもこの間法律を直していただきましたからかなり増えましたよね、二百六十幾つになって。それから、これから第二次稼働ということで広域利用が始まるんですね、住民票の。それからもう一つは、住基カードを本人が求めれば条例に基づいて市町村が発行できる。身分証明書の代わりになるし、これはいろんな空き領域を活用できますから大変便利になると私思いますしね。それから、これもこの前の国会で通していただきました公的個人認証制度、これがないといろんなことできませんから、Eコマースだって何だって、いろいろなことできない。これの関係の基礎データを提供することになるんです。公的な個人認証ですよ、そこは公的なというところあるんで。そういうことに使うことを考えておりまして、今の民間利用については考えておりません。
 もし民間利用もやらせるということなら、ひとつ国会で御議論いただいて国権の最高機関として意思決定していただければ、それはそれで一つの在り方だと、こう思いますけれども、我々は考えておりません。
○大塚耕平君 今、私の敬愛する宮本さんから、おれは反対だという声がありましたけれども、だから反対か賛成かはこれから議論すればいいんですけれども、そういうことを役所任せにしないで、役所の皆さんもかわいそうですよ、何でも役所にやれと言ったら。まあ、でもそれが仕事ですから本当はやってほしいんですけれどもね。なかなか役所が動けないんだったら、それを国会で議論してくださいよ、是非。それはお願いしておきます。
 随分変なところで時間取っちゃいましたけれども、全部質問し切れなかったら通告していた部分は質問できませんが、来ていただいた方にあらかじめおわび申し上げておきます。
 ちょっと法律そのものに戻りますけれども、個人情報保護法の二十三条の一項四号、これについて、つまり協力する必要がある場合であっても、本人の同意を得ることにより当該事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあるときには国などに協力しなくてもいいみたいなことが書いてあるわけですよね。これは衆議院でも実は刑事訴訟法百九十七条二項と貸金業法、貸金業規制法三十条二項との関係について質疑がありましたが、ちょっとここ確認させていただきたいんですが、これは当該事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあると判断するのはだれでありましょうか。
○政府参考人(藤井昭夫君) お答えいたします。
 法案の第二十三条というのは、個人情報取扱事業者が第三者に個人情報を提供する場合に、それが法律に違反する提供なのかどうか判断するための基準として設けているものでございます。
 したがいまして、御指摘の第一項第四号、当該事務の遂行、当該事務というのは国の機関等の当該事務ということになるわけでございますが、この当該事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあるかどうかということについても、いろいろ行政機関等から説明なんかを求めた上で個人情報取扱事業者自らが判断されるべきというような作り方になってございます。
○大塚耕平君 しかし、それは個人情報取扱事業者にとっては大変大きな負担でありますし、昨今のこのやみ金の問題も考えますと、やはり情報提供した方が特に信用情報についていい場合もあろうかと思うんですが、これは今行政当局はああいう御答弁でしたけれども、細田大臣、大臣としてはそれでいいですか、ここは本当に。これは、この御答弁で固まっちゃうと、結構、個人情報取扱事業者にとって大変な負担なんですけれども、警察当局から例えば情報を求められたようなときに。
 これはいつも財金問題は、若林先生や林先生に聞いていただいていて生意気なことを申し上げているんですけれども、これだけ大勢の人が集まって何も決まらない委員会とか国会というのは本当に時間の無駄だと思いますので、大臣の御答弁一つで議事録として残って決まることが一杯あるんですよ。例えばさっきの個別法、いつまでにやらせるかとかですね、そういうことを一個一個ここで決めていくともっと日本の改革は早く進むと思いますが。
 ちょっと蛇足を申し上げましたけれども、この二十三条四項について、個人情報取扱事業者に本当に例えば警察から情報提供を求められたときに判断させますか、これ。
○国務大臣(細田博之君) やはり判断するのは個人情報取扱事業者であると思っております。また、その判断というのは、やはりその個別の企業、事業者の判断も尊重されるべきでございますし、また根拠法との関係も様々あると思っております。
○大塚耕平君 そうすると、現在、これは全国信用情報センター連合会の内規によれば、公的機関からの照会が裁判所の命令による場合は信用情報を提供するという内規があるんですけれども、この場合はどう判断すればよろしいですか。この内規のままで今後よろしいですか。
○政府参考人(藤井昭夫君) 第二十三条におきましては、第一項で、法令で定める場合とあと今御質問のありました協力をする場合と、この二通りに分けておるんですが、その考え方は、当該個人情報取扱事業者が行政機関に対して情報提供するということが法律上直接義務として定められているか、あるいは任意というものをかんでいると書くかというようなそういう違いで書き分けているということでございます。
 したがいまして、今の御指摘の件もちょっと正確には今資料を持っていないんでお答えできないんですが、あくまで任意、その照会に対してお答えするのが任意であるということであれば、それは個人情報取扱事業者がやっぱり本当にその情報提供をすることをしないと、失礼、本人の同意を得ないで個人情報取扱事業者がその当該行政機関に対して情報を提供するということをしないとその当該行政機関の事務の遂行に支障があるかどうかということはやっぱり一応説明なんかを求めた上で判断していただくという、そういう考え方になります。
○大塚耕平君 私、頭悪いんで何言っているのかさっぱり分からなかったんですけれども。
 いずれにしても、この今回の法律が成立すると、例えば信用情報センター連合会のこの内規も、じゃ裁判所は、国の機関若しくは地方公共団体、地方公共団体ではないですね、しかし国の機関かと言われればこれは入るのかどうかというのは問題になるんですが、これ国の機関というのは裁判所は入るんですか。
○政府参考人(藤井昭夫君) 裁判所は、当然国の機関でございますので入ります。
○大塚耕平君 そうすると、私がこの信用情報センターの人間であれば、裁判所からの命令であってもこの法の二十三条一項四号に基づいて自分で判断しなきゃいけないんですね。
 この裁判所の命令、これに聞いた方がいいのかどうなのか、私、そんな判断できませんけれども。
○政府参考人(藤井昭夫君) 個別の実態を知らずに申し上げているので恐縮なんですが、あくまで仮定の上でのという話なんですが、裁判所から命令が出されている場合はこれは義務がありますので、それはむしろ一号の「法令に基づく場合」ということで、要は、命令が発せられているかどうかということを確認した上で個人情報取扱事業者はその機関に提供されればいいということになります。
 それから、単なる照会のような場合ですね、照会のような場合であって、そこが照会に応ずることが具体的に法律上の義務として定めていないというような場合はこの四号が利いてきまして、その場合は一応、本当にこの情報提供がされないとその国の機関等の事務の遂行に、本人の同意というのが取れる場合はそれでやってもらっていいんですけれども、本人の同意を取らないまま、でなければその事務の遂行に支障があるかどうかということは、一応説明なんかをお聞きになった上で判断した上で出すか出さないかを決めていただくと、そういう作り方になっているということでございます。
○大塚耕平君 今私が持ってお読み申し上げている資料は、さっきの平成十三年の四月の部会の資料なんですね。そのときに業界がこういう内規を出して御議論しておられる。金融庁は、こういう資料はそのとき添付資料として付けているだけで、その後、中身をよく見て検討して、今回の法案に合っているかどうか、二年間何も議論していなかったのかという、大変殺伐たる気持ちになってまいりますが。
 今、正しく藤井さんが、個別の事情はよく承知しておらないで答弁しておりますがというふうにおっしゃったように、これからそういう意味では個別の事情を各分野きちっと詰めていただかなくてはいけないわけですね。
 また最初の話に戻りますけれども、特に私は、ほかの業界のことは分かりません、金融業界について申し上げますと、早くきちっと方針を出してもらわないと困るんですよ、業界の人も。別に私、業界の代表としてしゃべっているわけじゃないんですが、そのことが結果として、例えばこれから合併、統合等、様々な問題が起きたときの対処とか本当に困っちゃうんです、みんな。早くやってください。伊藤さん、よろしくお願いしますね。
 もう時間もなくなってきたので、ちょっと次の問題に移らしていただきますが、私も今、携帯電話を持っていますけれども、この携帯電話にメールが、いろんなメール来ますけれども、片山大臣、携帯電話でメールはお使いになりますか。
○国務大臣(片山虎之助君) 余り使わないんです。私、携帯電話持っていますと落とすんですよね、忘れたり。もう二回なくしましてね。今は秘書官やSPさんが持っていますから、私は持たずに済ませています。
○大塚耕平君 担当大臣としてでもやっぱり持ってもらった方がいいですよ。どういうことが起きているかというのは持っていないと分からないんですよ。(「居場所が分かっちゃうよ」と呼ぶ者あり)いや、今、面白いやじが飛んできましたけれども、やじに反応しちゃいけないですね。
 インターネットを通じて、この携帯電話にいろんなメールが飛んできますけれども、去年、迷惑メール防止法と言われる、俗に言われる法律が制定されましたけれども、見ず知らずの人からメールが送られてきたときに、このメール欲しくない、もう送ってほしくないと思ったときには、この法律上はどういう対応ができることになっておりますでしょうか。
○政府参考人(有冨寛一郎君) 昨年の四月に成立をいたしました特定電子メールの送信の適正化等に関する法律の中で、いわゆる迷惑メールにつきまして、今、委員御質問の、いわゆる送信を受けた方が欲しくないと、こういったときにどういう義務があるか、どういうことがあるかということでございますが、この法律におきましては、広告あるいは宣伝メールを送信する営利の事業者に対しまして送信拒否の意思表示をした者に対する送信、再送信は禁止をするという義務規定がございまして、したがって、もしそれに対しましてなお大量にまだ送り付けるとなりますと、これは電気通信事業者が電気通信役務の提供を拒否できるというような規定がございます。
○大塚耕平君 ということは、送信拒否の返信をできないようになっているDMメールはどうなるんですか。
 最近あるんですよ、大臣、そういうのが。送ってくるでしょう、いや、もうこんなメールを欲しくないというときに送信拒否しようとすると、返信ができないようになっているメールがあるんですが、これについてはどうすればいいんですか。
○政府参考人(有冨寛一郎君) この法律におきますと、具体的な事例に即しまして措置命令ができるというふうになっておりますので、その事案に即した対応をすべきであるというふうに思います。
○大塚耕平君 そうすると、送ってきている人の送信元アドレスは分かりますわね。その送信元アドレスを総務省に連絡したら何か対応してくれるんですか。アドレスは分かっているけれども、返信できないんです。
○国務大臣(片山虎之助君) 大きい声でゆっくり言ってください。
○政府参考人(有冨寛一郎君) 済みません。いつも口が早いと怒られています。申し訳ありません。
 この規定によりますと、データ通信協会等の指定法人がありまして、そこで指導をするとかあるいは把握をするとかということで、資料の収集もございますけれども、具体的な送信元が分かれば対応できるということになります。
○大塚耕平君 それから、最近は大臣、ショートメールとかいって、個人で作っているアドレスじゃなくて電話番号に送ってくるやつがあるんですよ。
 それで、これは大人はいいです、どんなメールをもらっても自分で判断できますから。でも、今、出会い系のメールの問題とかいろいろ別途議論されていますけれども、子供の携帯電話に受信拒否もできないような技術的な対応のされたメールがばんばん送られてくるわけですよ。そうすると、携帯電話の番号というのは、携帯電話の事業者が言ってみれば顧客の番号リストをざっと持っているわけですね。これは個人情報ですよね、これは細田大臣にお伺いしますけれども。
○国務大臣(細田博之君) 個人情報であると思います。
○大塚耕平君 そうすると、そういうメールを送り付けてくる人というのは、携帯電話の番号を何らかの形で取得しているわけであります。つまり、何らかの形というのは、番号を〇〇〇からずっと順番に一つずつ変えていってヒットするやつを順番に検索していくシステムで、これは電話番号じゃないアドレスの場合もそうですけれども、そういうシステムで入手しているわけですが、これは適正な取得ですか。
○政府参考人(藤井昭夫君) 御質問の趣旨から推し量りますと、今御指摘の例というようなのは、データベース、個人情報データベースへの取得とかそういうケースじゃないようなふうに判断されるんですが、そういうことであれば、ちょっとこの法律の元々対象となるような行為ではないということになろうかと思います。
○大塚耕平君 今のケースで申し上げると、まず変なメールを送ってくる事業者が、まずその人たちは膨大な相手先に送っているわけですから、まずそのデータを取得する段階でそれが適正な取得であったかどうかという問題がありますが、いずれにしてもこれは個人情報取扱事業者になります。
 それから──ちょっと待ってください。元々、携帯電話網を運営しているドコモであれJフォンであれ、その皆さんも個人情報取扱事業者になりますね。両方とも個人情報取扱事業者です。この現象を、今回ここでお作りになるこの法的枠組みの中で、今後どういうふうに考えていけばいいですか。
○政府参考人(藤井昭夫君) 今のケースの場合で、いろいろメールのやりとりをする中で、メールの発信者の氏名あるいは場所、そういった情報を入手されていると。受け取った側が別途個人情報データベースを作るというような形で、一つのデータベースを作られ、そこに今またいろんな情報があって、その個人データベースに取り込むという段階になると、これはやっぱりこの法制の対象となる行為ということになると思います。
 問題は、ですから単に電子メールを受信しただけでいろいろなログが残るわけなんですけれども、そのログの状態だけであれば、ちょっとそれはこの法律の対象ということにはならないと思いますけれども、その中から改めて個人データベースとして構築するという段階では、やっぱりそのときはこの法律の定めるルールに従って取り扱っていただくということになるというふうに考えております。
○大塚耕平君 それは、さすが法匪の皆さんで、法解釈上はそうだというのはよく分かります、分かります。
 大臣にお願いしたいのは、だからその事業者も、そういう面白い商売をする事業者も、それから技術も日進月歩ですから、もう既に、去年、迷惑メール防止法を作って以降、それを、何といいますか、網をかいくぐるような現象がいろいろ起きていまして、これ、大人が相手の問題はいいですけれども、子供が相手で非常にいろいろまずいこともありますし、おまけに今回個人情報保護法というちょっとかする法案ができてきて、実態を調査して可及的速やかに、どういうふうに考えていけばいいのか、今後どういう方向で臨むのか、世耕さんともよく御相談していただいて御対応いただけるというふうに、ここでちょっとお約束していただけますか。
○国務大臣(片山虎之助君) 本当に今の、あれですね、こういう関係は日進月歩じゃないですね、秒進分歩だと言っているので、いろんな法律の網をくぐる技術の開発ややり方が出てくるでしょうね。本当に世耕議員始め皆さんのお骨折りで議員立法で見事な法律を作っていただいたので、状況を調べて、ドコモその他関係のところとも十分相談をして、必要な対応をするということになればしっかり考えてまいります。
○大塚耕平君 ありがとうございます。
 また方針が決まったら、調査結果が分かったら教えてください。よろしくお願いします。
 世耕さんが初日に……(発言する者あり)世耕さん好きなんですよ、私ね。大変面白い例をお出しいただいて、たしか東京新聞でしたかね、「こうなる二〇XX年」ということで、何でしたか、政界浄化を訴える保守系、金にきれいな、若手衆議院議員と書いてあるから世耕さんのことじゃないと思うんですけれども。この話と、あと労働組合からの名簿の件で御答弁をいただいたわけですが、これちょっと、これ全員にかかわる問題ですので、もう一回五十条と三十五条のところ、事実確認だけちょっとさせていただきたいんですけれども。
 藤井さんがいろいろ御答弁いただいたんですけれども、労働組合の皆さんが選挙の応援をしてくれるというので名簿を御提供くださるのも、それからあと、我々もそうですけれども、いろんな業界の皆さんとお付き合いがあって業界の名簿を御提供くださいますが、自民党の皆さんもそうだと思いますけれども、この間、労働組合のところでおっしゃったロジックというのは、業界から名簿をお預かりするというときも基本的には同じですね。同じか同じじゃないかだけ、ちょっとお答えください。
○政府参考人(藤井昭夫君) 同じであります。
○大塚耕平君 ということは、これは確認をしておきたいんですけれども、実はよく読むと、藤井さんがおっしゃったロジックも分かるんですよ。まず、個人情報取扱事業者に労働組合や、この間の例ですと同窓会ですけれども、これが該当するかどうかというところの判断と、そして今度は第二段階として、政治活動かどうかということで主務大臣が権限行使をしないという適用除外になるかどうか、二段階あるのは分かるんですよ。ところが、三十五条をよく読むと、三十五条の二項というのは、個人情報取扱事業者が第五十条に掲げる者に対して個人情報を提供する行為についてはその権限を行使しないとなっているんですね。第五十条というのは、個人情報取扱事業者について書かれているわけなんですね。
 ということは、三十五条二項というのは、個人情報取扱事業者が個人情報取扱事業者に対して情報を提供する場合を規定していると、まずそこだけ確認させてください。そういう理解でいいですか。
○政府参考人(藤井昭夫君) 三十五条の趣旨は、受け手が個人情報取扱事業者であるかどうかというのは明記はしておりません。むしろ、報道とかあるいは政治、報道とか表現の自由とか、適用除外を受ける者、失礼しました、個人情報、適用除外を受ける者自体は、いったん個人情報取扱事業者でありながら、五十条の一項の各号の要件に合致するというもので適用除外された者ということになるわけです。いったん観念的には個人情報取扱事業者ということでなるんですが、要件があるからこの法律の適用除外を受けた者ということになります。
 したがいまして、この提供先であるところは、やっぱり観念的にはいったんは個人情報取扱事業者であった者が五十条で適用除外されたものと、こういうことになります。
○大塚耕平君 もう少し具体的に確認しておきますけれども、つまりさっきのケースで申し上げると、労働組合とか業界団体とか、それから仮に会館なんかを建てている同窓会、それは事業者だとおっしゃっていましたけれども、そういう同窓会は三十五条二項に言う、まず主語である個人情報取扱事業者であって、そして情報の提供を受ける私たち政治家は第五十条に定める個人情報取扱事業者だと、こういう定義でよろしいですか。
○政府参考人(藤井昭夫君) おおむねそういう考え方で間違いないんですが、付け加えさせていただくならば、五十条で、本来であれば個人情報取扱事業者なんだけれども、第四章の規定の適用除外を受ける者と、こういうことになります。
○大塚耕平君 おおむねと付いちゃったんで分からないんですけれども、もう一回聞きますよ。
 これ、大変なんですよ。今回の答弁で議事録として残ったものを基にきちっと法に抵触しないように私も活動しますので、自分の問題として聞いているんですけれどもね。
 いいですか。私が、例えば選挙のときに、例えば業界団体から名簿をもらうときに、私は五十条に言う個人情報取扱事業者で、そして名簿をくださる業界団体は三十五条二項に言う個人情報取扱事業者、これでいいですね。
○政府参考人(藤井昭夫君) 説明がややこしくなったのは、法律の、三十五条の第二項の法律の条文上は、あくまで五十条第一項に掲げる者と、こうなっているんです。ですから、その第一項に掲げる者というようなのは、報道機関であったり、著述を業とする者であったり、あと政治団体、それから学術研究団体、こういった者に適用することということになります。
 ただ、ちょっと余計な御説明だったのかもしれませんけれども、その五十条の物の考え方というようなのは、ほっておけば、こういう報道機関であっても相当大規模な個人データファイル、情報データベースを持っていると。そういうことで、表現の自由等との関係で適用除外をする必要があるということで除外したものですから、ああいう説明になったということです。
○大塚耕平君 よく分かりました。つまり、私が聞いていたのとは事実は違うということをおっしゃっているわけです。
 三十五条の二項の「個人情報取扱事業者が」の「が」というのは、これはそこまでで主語を指しているわけではなくて、その事業者が五十条に該当する者である場合と言っておられるわけですから、それは非常によく分かります。そういうことですよね。
○政府参考人(藤井昭夫君) この二項の「主務大臣は、個人情報取扱事業者が」の「個人情報取扱事業者」というようなのは、情報を提供する者のことを言っているわけです。
○大塚耕平君 じゃ、さっき私が言ったとおりですね。
○政府参考人(藤井昭夫君) はい。
 それで、提供を受ける者、提供を受ける者は五十条の第一項の掲げる者と。今、繰り返しになりますけれども、報道機関等と、こういうことでございます。
 あと一点です。この対象にならないという場合は、これはもうこの法律の規律の対象から除かれるということでございますので、そこはちょっとお含みおきいただきたいと思います。
○大塚耕平君 そういうことであれば、分かります。五十条は、つまり提供する側にも受ける側にも両方に引っ掛かるということになってきますので、それは非常によく分かります。
 申し上げたいのは、元々この規定の対象になるということであるならば、世耕さんと決して仲が悪いわけじゃないんですけれども、世耕さんがあの新聞の例を出してここで御答弁いただいたことというのは、そもそも最初から対象外の話であるとすれば、そういう新聞の瑣末な情報をここに持ち込んで、それについて御答弁を求めていただくと大変困ったことになるわけですし、それから、私、一つ最後に申し上げたいのは、最初の法益の話、保護法益、大臣、その「個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護すること」というふうになっていて、我々国会議員は、それは党派問わず、悪いことをしている人は別として、みんな国民の権利利益を守るために仕事をしているつもりなわけでありますから、そうすると、我々が、それを支援してくださる有権者の皆さんの個人情報の有用性に配慮しつつ、しかし我々自身は個人の権利利益を保護することを念頭に置いて仕事をしているということであれば、政治家に対する情報提供、その情報提供というのは名簿ですね、これについてはむしろ、この法律でがちがちに規定して官僚の皆さんがいろいろ解釈するとこうなるということを言えば言うほど、後でこの議事録を読んだ人たちは、一体あの政治家に名簿を渡して大丈夫かなとか、どんどん政治が縁遠いものになっていっちゃうわけですよね。
 だから最初から、政治に参加していただくことが日本を良くすることなわけでありますので、そうであるならば、政治家に名簿を渡す、ただしその名簿を政治家が適切に使うというのは当然でありますけれども、そういうことについては何ら問題がないといって、十把一からげにきちっと御答弁いただければいいわけでありますが、これは野党の皆さんに関係がありますがといって、労働組合の名簿の例だけを出してそれが議事録に残ると、それはそれで、やはりいい意味での政治の発展を妨げることになりますので、政治は、政治家に名簿を渡すことについては、基本的にこれは何ら問題がないと、ただし、その政治家が努力義務を、この個人情報保護法に言う努力義務は五十条にも係っていますので、それをやらなければならないことについてはそうだと……
○委員長(尾辻秀久君) 質疑者に申し上げます。
 時間参っておりますから、おまとめをください。
○大塚耕平君 そうだということについて、最後に御答弁いただきたいと思います。
○政府参考人(藤井昭夫君) お答えいたします。
 法律の趣旨は、むしろ政治活動の分野等についても、この法律が逆に言えば不当な公権力関与になる可能性があるという考え方から、何重にもむしろ不当な公権力が行使されないように配慮しているところでございまして、御趣旨のとおりだというふうに考えております。
○大塚耕平君 ありがとうございました。
○山下栄一君 私は、行政機関の個人情報保護法案について質問させていただきたいというふうに思います。今まで長い時間審議されておりますので、幾つか重複する部分もあるかも分かりませんけれども、お許し願いたいと思います。
 まず、第一条の「目的」のところでございますけれども、全部は読みませんけれども、「この法律は、」「行政機関における個人情報の取扱いに関する基本的事項を定めることにより、行政の適正かつ円滑な運営を図りつつ、個人の権利利益を保護することを目的とする。」と。現行法では目的の、現行法と同じ規定になっておるわけでございますけれども、この「行政の適正かつ円滑な運営を図りつつ、個人の権利利益を保護することを目的とする。」という、ちょっとここが気になっておりまして、行政が適切な運営を図るのは当たり前のことだと思うんです。
 その次、「円滑な運営を図りつつ、個人の権利利益を保護することを目的とする。」と。場合によれば、円滑な運営のために個人の権利利益を保護する事柄をおろそかにされることがあるのかというような読み方もできぬことないと思いますが、その点の確認をさせてください。
○副大臣(若松謙維君) お答えいたします。
 この第一条の「行政の適正かつ円滑な運営を図りつつ、」、この「図りつつ、」の趣旨はいかがかというお尋ねですが、それに続きます個人の権利利益の保護、これがあくまでも第一義の目的であると、このように私どもは理解しております。よって、決して行政の都合を優先させるものではないということを断言いたします。政府案のこの個人の権利利益の保護を一方的に図るのではなくて、行政の適正かつ円滑な運営との適切な調和の下、図るべきだと、このような考え方に立っているところでございます。
○山下栄一君 次、二条ですけれども、今回、この個人情報保護、保護されるべき対象に紙文書情報、二条四項二号ですね、付け加えられたわけですけれども、これずっと確認しますと、総務大臣への事前通知、これは義務付けの適用外になっているわけですけれども、この紙文書情報について総務大臣への事前通知を義務付けないのはどうしてなのかということを確認させてください。
○副大臣(若松謙維君) 紙のファイルにつきましては、電子計算機処理に見られるようないわゆる大量高速処理、この特性が有していないと。そういうことで、個人の権利利益侵害のおそれも当然電子計算機処理の、処理に比べると、この個人情報、より少ないと。そのようなことから、紙のファイルについての事前通知を要しないこととした次第でございます。
 しかしながら、紙のファイルにつきましても、これ大臣も何度も答弁しておりますが、個人情報ファイル簿におきまして一定の事項の公表を自ら義務付けているところでございまして、これについてもやはり適正にしなければいけないと、そのように考えております。
○山下栄一君 次、四条でございます。
 四条は「利用目的の明示」というところなんですけれども、これは現行法にはない部分だというふうに思います。新たに利用目的の明示を義務付けるのはどうしてかということを確認させてください。
○副大臣(若松謙維君) 第四条第三号の「適正な遂行に支障を及ぼすおそれ」という意味でございますが、これは行政機関の長に広範な裁量権限を与える趣旨ではなくて、客観的に判断する必要があるもの、また事務事業の根拠となる規定、趣旨に照らしまして適正な遂行と言えるものでなければならないと、そういう趣旨でございます。
 さらに、この支障の程度でございますが、それは名目的なものでは足りず、実質的なものが要求されると。また、おそれの程度も、単なる確率的な可能性ではなくて法的保護に値する蓋然性が要求されるものであると考えております。
○山下栄一君 これは、四条のところのこういう規定を新たに設けたことが、結果的に国民にとってプラスにならないのではないかというふうに私は感じるんですね、これ。
 要するに、行政機関は、直接書面に記録された当該本人の個人情報を取得するときは、あらかじめ本人に対しその利用目的を明示しなくちゃならないと。これは当然といえば当然のことなんでしょうけれども、例外を作っている、「次に掲げる場合を除き」と。それが今ちょっと触れていただいた、特に私、気になるのはこの三号なんですけれども。要するに、行政の仕事上、適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるときは明示しなくていいと。支障を及ぼすか及ぼさぬかというのは、そんなのは行政の皆さんの判断ですから、拡大解釈がどんどんされる可能性があるというか、そういう心配があるんですね。
 だから、こういうのを初めから書いていない方がかえって慎重にされるんではないかと。書くことによって、例外規定を書くことによって、結局、なし崩しに本人に明示しなくてよい例が広がっていくという心配があるような規定ではないかと懸念するんですけれども、ちょっと重ねてで申し訳ありませんが、心配ございませんか。
○副大臣(若松謙維君) 委員の御懸念も一理あろうかと思いますが、やはりこの「利用目的を本人に明示することにより」と。当然、例えば犯罪の内偵捜査の際に捜査対象者に利用目的を明示する必要は、これは当然捜査上必要ないと。
 こういった私どもは常識的な場合を想定しておりまして、そういった行政の目的を達成するためにやはりこの条文は必要ではないかと、そういうことを考えてこの三号を規定した次第でございますので、是非御理解を賜りたいと思います。
○山下栄一君 懸念は最後にまとめて総務大臣にお聞きしたいと思いますけれども。
 次、八条、済みません。「利用及び提供の制限」のところでございますが、「行政機関の長は、法令に基づく場合を除き」、これもこういう規定になっているんですけれども、「法令に基づく場合を除き、利用目的以外の目的のために保有個人情報を自ら利用し、又は提供してはならない。」と。
 これももっともらしい規定なんですけれども、現行ではこれは九条一項に書いてあるんですけれども、ちょっと細かいんですけれども、現行法では法律の規定に基づく場合を除きと、そういうことになってくるわけですけれども、今度は法令に基づくと。この法令というのは、法律よりも広がるわけですけれども、この法令というのはどういう部分まで入っていくのか。政令、省令、ちょっと詳しく分かりませんけれども、その下の方の、例えば大臣告示、その他局長通知とか、どこまで広がるんでしょうか、これ、済みません。
○政府参考人(松田隆利君) 法令は、法律のほか、さらに政令とか省令というものがあるわけでございますが、今回、この法律の規定に基づきを法令の規定に基づきというふうに変更いたしておりますけれども、これはそもそも、この個人情報は利用目的を厳しく限定をしていくという考え方に立ちまして、実はこの目的外利用の前段階であります保有の段階から、現行法におきましては、法律の規定に基づく所掌事務に必要なためということになっておるわけでございますが、それを更に、法律が言う大枠の規定ではなくて、それを更に細分化しました政令、省令、そういう段階の範囲で更に限定して保有をするというふうに、利用目的を更に限定をして保有するようにしているわけでございます。
 それとの関係におきまして、目的外に利用する場合におきましても、法令の規定に基づきということで、法律のレベルだけじゃなくて、更に政令、省令の段階の細分化された利用目的に限定をしていくという趣旨で「法令」という用語に統一しているところでございます。
○山下栄一君 より明快に限定の中身が分かるように制限していくという趣旨であるならばそれで結構でございますけれども、同じこの利用目的外の利用・提供、これちょっと心配なことがございまして確認させていただきます。
 目的変更の場合は国民への公開規定があるんですけれども、利用目的以外の利用・提供をする場合、八条ですけれども、国民にそういう場合は知らされるのでしょうか。確認させてください。
○副大臣(若松謙維君) 目的外利用の際に事前通知の対象になっているかというお尋ねですね。それはなっておりません。それでよろしいですか。
○山下栄一君 目的変更の場合は、十条一項三号、十一条一項に基づいて、各行政機関、公表されると。ところが、目的外利用の場合には公開しなくてよいと。ということは、国民にとって非常に都合の悪い、場合によっては被害に遭う、そういう場合にこの三十六条一項一号の利用停止請求制度が機能しなくなってしまう、国民は知らされていないわけですから、こういう心配があるわけですけれども、この点はどうなんでしょうか。
 同じように、目的変更の場合と同じように目的外利用についても国民に知らせる必要あるのではないかというふうに懸念されるわけです、思うんですけれども、どうでしょうか。利用のことを聞かせてください。
○副大臣(若松謙維君) まず、三条の利用目的の変更、これはいわゆるそういったデータが、変更後の利用目的が恒常的なものであると、こういうことを想定しております。一方、八条の目的外利用・提供につきましては、これは今申し上げましたように、利用目的を変更せず一時的に認めているものと、こういうことで、基本的には三条の厳格運用を私どもは期待しております。そして、三条の利用目的の変更は、今申し上げましたように恒常的であるために、当初定めた利用目的と同等ということで事前通知を義務とした次第でございます。
 一方、八条の目的外利用・提供につきましては、原則禁止が解除をされる例外にふさわしい場合に限定されるということでありまして、かつ適切、必要なタイミングで行うことが必要になるために事前通知は義務付けていないと。
 こういう、極めて私どもが例外的なものとして、とはいいながらも、一年以内というもう議論もございましたが、先ほど申し上げました、やはり三条の、恒常的なもの、行政の業務を遂行するのに必要なものと、これについての事前通知という制度を導入した次第でございます。
 そして、個人情報ファイルの目的外利用・提供の状況につきましては、これは現行法におきましても、施行状況調査におきまして調査の上、公表しておりまして、新法におきましても引き続き行っているわけでありまして、結果的には公表されると、このような制度になっていることを御理解いただきたいと思います。
○山下栄一君 ちょっと今度、具体的な事案で今回の改正法の実効性を確認させていただきたいというふうに思いますけれども、昨年の五月に新聞報道によって発覚しました防衛庁の情報公開請求者リスト問題でございます。この情報公開請求者リストを保有し提供をしていたというふうなことが分かったわけですけれども、これはもちろん自衛隊法違反もあるわけですけれども、現行法の法令違反に基づいて懲戒処分がされております。現行法のどの部分に基づいて懲戒処分されたのかということをお答え願いたいと思います。
○政府参考人(宇田川新一君) 昨年の五月にありました防衛庁リスト事案でございます。これにつきましては、法的な問題、三つございました。
 一つは、海幕の情報公開室に勤務しておりました三等海佐の関係でございます。これは、個人情報ファイルに記録される情報は、当該個人情報ファイルの保有目的の達成に必要な限度を超えてはならないという旨を定めました行政機関電算処理個人情報保護法第四条第二項に反するものでありました。
 それからまた、彼の場合ですと、ファイル保有目的の達成に必要な限度を超えた内容も含む違法なリストを内局、各幕情報公開室などに配付しておりましたので、これは、個人情報の電算処理等を行う行政機関の職員は、その業務において知り得た個人情報の内容をみだりに他人に知らせてはならないとする同法第十二条の規定に違反するものでありました。
 それからさらに、空幕の情報公開室の三佐とその後任者が、開示請求書に記載された請求内容のほかに、受付番号と氏名をリスト化しまして印刷したものを東京地方調査隊に配付しておりました。これは、個人情報の内容をみだりに他人に知らせてはならないとする同法第十二条の規定に反するものであります。
 このほか、施設庁施設部所属の情報公開担当の専門官が、開示請求書に記載された氏名等の個人情報を含む資料を、一時期、情報公開業務に直接関係しない職員が閲覧可能な施設庁内LANの施設部掲示板に掲示しておりましたが、これは目的外の利用につながりまして、同法第九条第一項に違反するものでございました。
○山下栄一君 ちょっと今の説明よく分からへんのやけど。
 現行法第四条第二項、現行法第四条第二項ね、それから第十二条、それ以外にもう一つ九条一項。九条一項というのはありましたかね。利用及び提供の制限のところですね。それ、間違いないですか。
○政府参考人(宇田川新一君) 委員御指摘のように、施設庁の施設部所属の情報公開担当者が施設庁施設部内のLANに掲載した事案ございました。これは九条一項に違反するものでございました。
○山下栄一君 分かりました。
 現行法ではそうなんです。改正法では条文が変わると思うんですけれども、ちょっとどの条文になるか、確認できますね、これは総務省の方で。特に現行法どこか変えたということないでしょうね。現行法では四条と十二条と九条に違反だと。改正ではどの条文に違反になるんでしょうか。
○政府参考人(松田隆利君) お答え申し上げます。
 まず、現行法の第四条第二項の、利用目的に必要な範囲を超えた個人情報の保有ということにつきましては、新しい行政機関法におきましては第三条で個人情報の保有の制限を規定いたしておりまして、「法令の定める所掌事務を遂行するため必要な場合に限り、かつ、その利用の目的をできる限り特定しなければならない。」というところに相当たるわけでございます。
 それから、現行法で第十二条で、個人情報の内容をみだりに他人に知らせること等を禁止しておりますが、これにつきましては、七条におきまして、新しい法律の方では七条におきまして同じように、「その業務に関して知り得た個人情報の内容をみだりに他人に知らせ、又は不当な目的に利用してはならない。」ということになっております。
 それから、現行法第九条の目的以外の利用・提供の禁止でございますが、これは新しい行政機関法におきましては第八条で、「行政機関の長は、法令に基づく場合を除き、利用目的以外の目的のために保有個人情報を自ら利用し、又は提供してはならない。」というところに該当するわけでございます。
○山下栄一君 防衛庁の方、もう一遍確認しますけれども、現行法、この個人情報関連の法律は分かりましたけれども、大臣の補佐等にかかわる処分、事務次官以下ございますね。それと、実行行為、先ほどおっしゃった方も含めまして、職務上の注意義務違反というのがありますね、によって処分されている。それから上司の人、該当者の三等海佐ですか、その上司の人、上司の人に対して指揮監督義務違反。これはそれぞれ法律の根拠をちょっと教えてください。
○政府参考人(宇田川新一君) 昨年の防衛庁リスト事案につきましての処分は二つ根拠ありまして、一つは自衛隊法に基づきます懲戒処分でありまして、減給、戒告がこれに当たります。それとまた、防衛庁内におきます訓令がございまして、訓戒とか注意はこの訓令に基づくものでございます。
○山下栄一君 自衛隊法違反ということですね。
 次、罰則。この事案で罰則は適用されるのかと。五十条、五十三、特に五十五条でしょうか、五十三、五十四条、五十五条が罰則規定になっておりますけれども、去年の五月に起こった事案について、この罰則適用可能性というか、今回の改正では罰則対象になるのかということをお願いします。
○政府参考人(松田隆利君) お答え申し上げます。
 憲法の不遡及の原則によりまして、過去の事案について新しい刑罰法規が適用されるということはないわけでございます。
 したがいまして、仮に今後、防衛庁の事案のようなものが発生した場合に一般的にどうかということになるわけでありますが、これも刑罰の適用は司法当局及び裁判所が認定することになるわけでございますので、その認定いかんによるということに相なるわけでございます。
 なおかつ、一例として申し上げますと、例えば海幕三佐の例で申し上げますと、海幕三佐は、個人情報ファイルに記録される情報は当該ファイルの保有目的の達成に必要な限度を超えてはならない旨を定めた現行法第四条第二項に違反をしたり、あるいは業務に関して知り得た個人情報をみだりに他人に知らせてはならない旨を定めた現行法第十二条に違反したということであったわけですが、仮に、五十三条、この政府案、新しい政府案の五十三条におきまして、五十三条で、行政機関の職員等が正当な理由がないのに個人の秘密に属する事項が記録された電子計算機処理に係る個人情報ファイルを提供することを処罰しているものでございますが。ここで、アトピーで例えば不合格などの事項が個人の秘密に属するとか、あるいは、その海幕三佐が正当な理由がないというふうに認定されるとか、そういう事実認定がなされれば、本条の規定により処罰される可能性がないわけではないと考えております。
 そういうことでございますので、あくまでこれは一般論でお答え申し上げさせていただきます。
○山下栄一君 一般論で答えたか知らぬけれども、そういうことなんですけれどもね。同じような事案がこの改正法の下で起きた場合に、五十三条、五十五条は適用される可能性があるのかと。ただ、例えば総務省が知った、新聞情報で出たと、それで懲戒の対象になるのかも分からぬけれどもこれは告発できるのかと、刑事告発、というようなことは考えておいてもらわぬと困るんですけれども、余り考えていませんか。
○副大臣(若松謙維君) 委員の問題意識でございますけれども、そもそも行政機関が御存じのように法令を遵守するということは、もう先ほど申し上げましたように、日本国憲法、さらには国家公務員法、こういったところに法令遵守義務が課されているということでありまして、その違反に際しての懲戒処分という制度があるわけであります。さらに、職務を行うことにより犯罪があると、こういうふうに認められる場合は上司は告発しなければいけないと、いわゆる上司の告発義務が課されているところでありますね。
 ですから、今回の防衛庁リスト事案まで現行法に関連しての懲戒処分の例がなかったというのは、行政機関がそれなりに厳正に現行法の規律を履行してきた結果であるわけでありますが、先ほど申し上げましたように、この懲戒処分、極めて私たち行政を預かるものとして厳格にやはり適用しなければいけないと。そのためのやっぱり公務員の日々の行動というものをしっかりと見ていかなければ、そういう義務があると更に自覚しなければいけないと認識しております。
○山下栄一君 大臣にちょっと確認をさせてくださいね。
 現行法は昭和六十三年から施行されているんですね。ということは、十五年目を迎えているんでしょうか。その間、罰則はなかったわけですね、懲戒対象になるようなこと、何件あったのかということを。今ちょっと副大臣答えられましたので。要するに、この防衛庁以外は一件もなかったということですね。もう一回確認をさせてください。
○国務大臣(片山虎之助君) 詳しくは局長に答えてもらった方がいいと思いますが、私の記憶ではないと思います。
○政府参考人(松田隆利君) お答え申し上げます。
 現行法違反を理由として懲戒処分が行われた例はないものと承知をしております。
○山下栄一君 したがって、もう唯一の例が新聞報道によって分かったという懲戒、それ以外は懲戒はもうやったことがないと。要するに、基本的にはもう全部個人情報についてはすべての省庁で厳格にきちっとこの法律の下でやっていたということなはずなわけですけれども、これ唯一の事例が、これはもう新聞報道もされて詳しい状況も分かっている、そして今年の一月に処分もされた。じゃこれは、この実効性ということで罰則規定が入ったと。じゃ、この罰則に同じようなことが起こった場合に適用されるのかと。
 例えば五十三条、正当な理由がないのに、先ほど局長おっしゃいました、提供したときは懲役と。五十五条の職権を濫用してというふうなこと。特に今改正法の七条ですね。従事者の義務違反、七条違反。「みだりに他人に知らせ、又は不当な目的に利用してはならない。」と、こんなことが適用されるようなことになった場合は、罰則、適用されるのか適用されないのか。少なくとも改正法第七条違反で懲戒処分されているわけですよ。旧十二条ですか、改正法の第七条。先ほど確認させていただきました。
 罰則規定を設けている、何のために設けたのかという、唯一の事例はじゃそれに当てはまるのかと。それも分かりませんじゃ、これはちょっと何のために罰則、ほとんどそういう罰則なんて適用されるようなことはないと。少なくとも、新聞報道をされるような事案については各省庁はやるべきものやと思いますけれども、罰則適用されるかどうかは。それやらない場合は総務大臣が、総務省がやらないかぬような具合になるわけですから。だから、去年の事案については改正法では罰則適用可能なのかということぐらいの明快な見解は示せる状況に持ってきておかないと、何のためにこれ罰則規定を設けたのか、これも形だけかと、こうなってしまうと思うんですね。
 一般論じゃなくて、具体的な例として、同じような、同じ事例が去年の五月じゃなくて改正法施行されてから起こった場合は適用されるのかというぐらいの見解は明確にしておかないと駄目なんじゃないかと。
○政府参考人(松田隆利君) お答え申し上げます。
 昨年の防衛庁の事案を含めまして様々な御議論がございまして、それまでは行政機関におきましては公務員法の守秘義務違反による罰則、あるいは刑法の職権濫用罪等による罰則等がございましたが、なお一層このIT時代における個人情報処理についての行政の信頼性を確保すべしという与党三党の御方針、修正方針もございまして、今回新たに三点の罰則を付け加え、再提案させていただいたわけでございます。
 罰則につきましては、ちょっと時間の関係もございますので一々には御説明申し上げませんが、そういう経緯で罰則が追加され、そして今御審議願っているわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、この罰則の構成要件に該当するような事案が仮に今後生じた場合にはその罰則の適用があるということを申し上げました次第でございまして、それは司法当局及び裁判所による事実認定いかんにかかっているということでございます。
 以上でございます。
○山下栄一君 大臣、こういう場合、この新聞報道で国民の関心が高まり、そしてまた行政不信につながるようなことになってしまうと思うんです、私、中途半端なことをやれば。それで罰則が入ったと。じゃ、同じ事案がこの法律成立後に起きた場合は、捜査当局なんやと思いますが、告発するのかと、行政機関として。しない場合は、当該、例えば防衛庁なら防衛庁しない場合は、総務省がやらないかぬようになるわけですから、どうなんですかね、これ。
○国務大臣(片山虎之助君) 犯罪行為を知ったら、これは告発の義務があるんですよね。だから、それは告発してもらわないけませんが。
 今、山下委員、防衛庁のリスト問題についてのあるいはお尋ねかと思いますけれども、これは最終的には事実認定の問題になるんですね。五十三条は、正当な理由がなくて個人の秘密に属する個人情報ファイルを、これを提供した場合は罰則規定ですよね。だから、防衛庁の場合に、あれが個人の秘密に関する、例えば、何かの病気があって自衛隊の試験に落ちたなんというのが中にありましたよね。これは個人の秘密に属するということになる。それから、正当な理由があの場合にはないということになるんでしょうけれども、それが故意でやると、こういうことの事実認定ができれば、五十三条の私は適用の問題が出てくるんだろうと、こういうふうに思いますが、最終的には司法の事実認定、判断の問題になると。
 ただ、罰則を適用するという、罰則があるということが大変な抑止力になるんですね。最後は罰則があると、こういうことで、今の守秘義務や、刑法上には職権濫用や公文書毀棄罪がありますけれども、それ以外のパターンを三種類、今回の法律に書いたわけでございまして、これによって、罰則まであるよと、懲戒処分はもちろんあると、こういうことが大変な担保になるんではなかろうかという判断です。
 元々、我々は、特に罰則がなくても現行法制でやれるということを申し上げたんですが、その方が信頼性が更に増すと、こういう御意見ございましたんで、それじゃ、それに素直に従おうということで、与党修正要綱に従って今回新しい法案ではそれを入れさせていただいたわけでございます。
○山下栄一君 別にこれは、防衛庁に限らず、似たようなことが行われる可能性としてはあるわけですから。目的外利用、目的外利用違反もありましたし、特に、第七条の従事者義務違反ということで懲戒処分をされていると。この第七条違反の場合なんかはもうこれ、私は明快に告発対象になるというふうに私は思うんですけれども。
 いずれにしても、もっと、何といいますか、危機意識を持っていただいて、同じようなことが起きて、新聞の一面にでかでかと取り上げられたと。それ実際、去年五月に起こっているわけですから、その場合は告発対象になるのかどうかの厳密な検討ぐらいはやられているんでしょうけれども、今お聞きしている答弁ではなかなか分かりにくいなというのが私の印象でございます。
 最後ですけれども、結局これ、いろいろ配慮されて、国民の気持ちにかなうように現行法を改正して全面改定する法案が出てきたんですけれども、実際、最終的なこの実効性担保は各省庁に任せられているわけですね。こうしてはならない、何とかしてはならないと一杯書いてあります。書いてあるけれども、それがきちっと守られているのかと。厳しい内部告発がない限り一切発覚しないというようなことの可能性もあるというように私は思うんですけれども。
 それで、各省庁任せにはしないという部分が四十九条、五十条、五十一条やと思うんですね。これはもう私の、この法文読む限りでは、非常に調整権限の範囲内だと。できる規定にもなっているし、先ほどちょっとおっしゃったけれども、調査を独自に総務省ができるということじゃないですよね、これは。
 総務省設置法の行政評価に基づくものは調査報告権限があるわけですけれども、この四十九条、五十条、五十一条程度でこの制度管理がきちっとできるのかなと。総務大臣の権限、もう少し強化するような方向で考えた方がいいのではないかというようなことを率直に感じるんですけれども、四十九条、五十条、五十一条を積極的に運用、発動するでも構いませんけれども。
 いずれにしても、総務大臣のリーダーシップがないと、この行政機関個人情報保護法案は、今までも十四年間ですか、ほとんど懲戒規定はなしに、懲戒処分はなかったに等しいわけですから、もう全くこの正当な保護がなされていたということになってしまうわけで、そういう意味じゃ、総務大臣の、この法案所管省庁の最高責任者として、この実効性の担保の問題、チェック機能、総務大臣の役割について、最後、確認させてください。
○国務大臣(片山虎之助君) この四十九条、五十条、五十一条はかなり強いんですよ、規定としては。
 四十九条は、報告を求める、これは調査ができるんです、調査して報告出せという。それをまた私どもの方が公表するようになっているんですね、概要を。それから、資料の提出、説明の要求というのも、かなり権限として、事実上できるんですからね。それを規定で権限と置いている以上、私はかなり強いと思いますし、意見を五十一条で言えますから、これはもう言った以上、明らかに公表しますよね、メディアその他に。
 そういう意味では、使い方によっては私は大変強い権限だと、こう思いますが、ただ、今の内閣は各大臣が責任を持つ仕組みですよね。だから、各大臣がその是正、違反みたいなことがあったら是正すると、こういう仕組みなので、それは、それがちゃんとやるかやらぬかの担保は大変難しいんですけれども、それを全部総務省がやることになると総務大臣じゃなくて総理大臣になっちゃいますからね。そこはなかなか難しいんですが、各大臣の責任でやってもらうと。
 しかし、それがやや怪しいなと思ったら、それはこの四十九条、五十条、五十一条を使いまして、それは十分私どもの方でチェックしてまいりたいと、こう思っておりまして、また、国会で大いに言っていただくのが一番チェックになるんですよ。ひとつ今後ともよろしくお願いいたしたいと思います。
○山下栄一君 もちろん議会の行政監視機能は極めて重要ですので、それは議員としての役割だと思うので。
 今ちょっとおっしゃった、四十九条の報告を求める場合は、場合によっては調査もすることもあるという理解でよろしいですね、それ。
○国務大臣(片山虎之助君) 報告を求める中に、これこれを調査して報告してくれということは、私、当然含まれると思っております。
○山下栄一君 ちょっと早いですけれども、終わります。
○委員長(尾辻秀久君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時十分まで休憩いたします。
   午後零時七分休憩
     ─────・─────
   午後一時十分開会
○委員長(尾辻秀久君) ただいまから個人情報の保護に関する特別委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、個人情報の保護に関する法律案、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律案、独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律案、情報公開・個人情報保護審査会設置法案及び行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の以上五案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○森ゆうこ君 国会改革連絡会(自由党・無所属の会)の森ゆうこでございます。今日もよろしくお願いいたします。
 まず、片山総務大臣にお聞きしたいと思います。
 裁判管轄の特例につきましては、地方在住者が請求者の所在地の裁判所で訴訟に関して訴訟管轄の特例を設けないという答弁でございまして、そのことについては現場サイドにどんどん権限を下ろしていくんだというお話もありましたけれども、訴訟管轄の特例を設けないということで、その考え方に変更はないでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) これはもう何度も当委員会でもお答えさせていただいておりますように、行政事件訴訟というものは被告の、行政庁の所在地の裁判所と、こうなっておりますから、情報公開法が、あれは議員修正で直ったわけで、今回も、衆議院の方では附帯決議で、裁判管轄全体を見直すときに考えてほしい、又は運用上やってくれと、こういうことになっておりますので、私どもも衆議院でもそういう答弁させていただきましたし、運用上、できるだけ地方機関の長に権限を委任して、だから地方機関の長がいるところで訴訟が起こせるように運用上やってまいりたい、こういうふうに思っておりますし、この行政事件訴訟の管轄をどうするかは大きな司法制度改革の中で議論していただきたいと、行政事件訴訟というのは一杯あるんですからね、そういうふうに考えております。
○森ゆうこ君 せっかく今回、法案、修正して再度提出されたものですから、そのときにこれだけ議論になるものを修正すべきだったと思うんですけれども、なぜしなかったのか。
 特に、情報公開法の関係で法律の整合性ということをよくおっしゃるわけですけれども、そういうことを考えますと、この個人情報保護法案に関しても、きちんと修正した新たな法案を出す時点で訴訟管轄の特例を設けておけば何の問題もなかったのではないかと思いますけれども、その点についてだけ。
○国務大臣(片山虎之助君) 情報公開法がもう例外中の例外なんですよ。普通はその被告の、被告である行政庁のある裁判所なんで、情報公開法だけが特例なんで、こっちの方がもう圧倒的多数なんですよ、情報公開法だけが違うんで。
 ただ、議論はなるほどありましたが、情報公開と違うのは、今回の個人情報保護における開示だとか利用停止だとか訂正というのは、やっぱり件数から見て、何度も同じことを言いますけれども、教育や医療が七割から八割なんですね。そういう意味からいうと、委任もできるんで、運用上カバーできるではないかと。
 それから、これだけ今、司法制度改革が全般に森委員御承知のように大きな議論になっている中で、その司法制度改革の一環として裁判管轄の問題も検討したらどうだろうか、ここだけこれが先走ってやるのはどうかなと、こういう意見もありまして、本来の原則に従って今回は裁判管轄はそういうふうにしていこうと、こういうことにいたしたわけでございますけれども、いずれにせよ大きな議論の中で管轄の問題は私はやっていったらどうかなと、こういうふうに思っております。
○森ゆうこ君 満足はできないんですけれども、次の問題がありますので移らせていただきます。
 罰則規定について、午前中にも様々な御議論がございました。総務大臣はこれまで国家公務員法上の守秘義務や懲戒制度があるから罰則は不要だというふうに答弁してこられたわけです。しかし、本法案では新たに罰則が設けられました。その真意について伺いたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 私は、前の法律、出し直す前の法律では、現行ある罰則と懲戒処分で十分対応できるということを何度も申し上げました。
 ただしかし、それじゃ不十分ではないかと、こういう御指摘が確かに国会でもございましたし、言わば世論というんでしょうかね、マスメディアその他にもそういう意見がございました。そこで、与党三党が御相談して罰則を少し追加したらどうかと、こういうことでございましたので、その内容を我々も中に入って一緒に検討をしまして、三条を結局追加いたしたわけでありますけれども、それならその方が国民のIT時代におけるこの個人情報保護の仕組みについての信頼性が増すんならそれはやむを得ないかなと。
 そういうことで、罰則というのは犯罪であるということがまず必要なんで、それを罰するわけですから、刑事処分で。構成要件をどういうふうにしっかり作るか、構成要件に見合って権利利益の具体の侵害がこの程度あるんでそれに対してはこういう刑罰が適当ではないかと。これ刑罰を作るというのは、大変、立案当局だけじゃないんですね、やっぱり法制局の意見も十分聞き、法務省のそういう専門のところとも調整した結果でございまして、その結果、五十三、五十四、五十四の条におけるような具体的な構成要件に該当した場合について、それぞれに掛けられるような罰則を適用していくと、こういうことになったわけであります。
○森ゆうこ君 この問題に関してはもう何度も議論が行われてきております。その政府案の第五十五条では、職権を濫用して個人情報を収集しても職務の用であると言えば処罰されないわけですね。私はこれでは緩過ぎるのではないかと思うんです。
 そして、官僚性善説、それから官僚の無謬性、無謬性なんという言葉は多分この中でしか使われない言葉だと思いますけれども、それぞれの官僚の皆さんが自分の職務に熱心な余りいろいろな間違いを犯すこともあると。目的は正しいものであっても、そこで一生懸命仕事をして、組織として仕事をしたときに、個人としての罪というよりも、組織的に結果として個人情報を、国民の個人情報を保護するという観点において組織として違法行為がなされる場合もあるのではないかと私は考えますが、この場合についてはいかがでしょうか。
○政府参考人(松田隆利君) お答え申し上げます。
 政府案の五十五条の関係でございますが、本人が職務の用に供するんだということを主張いたしましても、裁判所の事実認定次第でその職務の用以外の用に供する目的だと、こう事実認定されればこの五十五条が適用になるわけでございまして、本人が言えばそうなるというわけではないわけでございます。
 職務の用以外の用に供する目的を要件といたしましたのは、職権濫用して個人の秘密にかかわる事項を収集するわけでありますが、そういう行為のうち、やはり当罰性と申しまして、刑罰に値する害悪を伴う行為、そういうものにやはり限定する必要があると、人権上もそういう限定をする必要があるということで職務の用以外の用に供する目的ということにいたしたわけでございます。
○森ゆうこ君 ここで細田大臣に伺いたいんですけれども、この罰則がこれでいいのかどうか、組織としての違法行為ということについて様々な議論があるわけですけれども。
 これは多分、細田大臣のセンシティブ情報の一つだと思うんですけれども、細田大臣の御趣味は何かパソコンですか、パソコンマニア、ネットマニアという、これはちょっと誤った情報でしょうか、適正に取得したと思っておりますけれども。
 そういうネット、コンピューターに詳しい細田大臣から見まして、もちろんこの担当大臣ですから伺いたいんですけれども、今までの議論は、今あるこのネット社会の現状、それこそ日進月歩じゃなくて、片山大臣が秒進分歩とおっしゃいました。よくコンピューターの社会でドッグイヤーだという話も出ますけれども、それどころじゃない。そういう中で、例えば情報がいったん、いったん外に漏れたときにはそれがあっという間に広がってしまう、取り返しの付かないことになる。こういう状況があるわけですね。
 元々はこの法案が策定された背景にはそのようなネット社会への対応ということがあったと思うんですが、今までの御議論をお聞きになられて、こういうことで十分このネット社会への対応、特にこの住基ネットが本格稼働するわけです、八月から。これで大丈夫だと思われますでしょうか。細田大臣に伺います。
○国務大臣(細田博之君) こういう情報の管理については、これも日進月歩でございます。しかし、まだ日本においては、e―Japan基本戦略を決めて教育等もやり、あるいは光ファイバー敷設などのインターネット環境、高速ネットワークの環境を整備して日が浅いわけでございますので、ハード、ソフトともにやや立ち後れておる感は否めないわけでございまして、そういった中で、よく例示されております最近数年間の不祥事というものもそこから出てきておるわけでございます。官の世界もようやくこの二年ほどで非常に整備を、環境整備をされ、あらゆる法令を変えて、許認可やら手続やら、そういうものをコンピューター化しようと、あるいはインターネットによる許認可申請手続等をできるようにしようということでやっと環境整備をしたところでございますので、まだまだいろんなことが起こり得る環境であると思っております。
 そういった意味では、本当に行政においても、あるいは一般の民間企業、個人においてももっとこの点についてセンシティブに正になるべきでございます。そして、罰則というのは、何度か申し上げておりますように、最終的な担保としてあるわけでございますけれども、片方は個人の利益を、言わばプライバシーの権利の一態様である個人情報というものを大切にするという立場でありますし、もう一つは、今や情報は一種の財物になっており、企業の資産であり、行政の資産であり、あらゆる意味で大きな国家の資産でもあるわけでございますので、その財産をめぐる犯罪的行為についてはきちっと対応できるようにしなければならないという要請もあると思っております。
○森ゆうこ君 それで、片山総務大臣に戻らせていただきます。
 この住基ネットが八月から本格稼働するということになります。このただいま提案されております個人情報保護法案、私どもはこれで十分だと思っておりませんが、これが成立することになりますと、言わば政府は大手を振ってこの住基ネットを稼働できるわけですね。ところが、先日も同僚委員からお話がありましたけれども、このセキュリティーの問題、住基ネットのセキュリティーの問題ですね。総務省の調査では一割の自治体でセキュリティー対策が不十分であると。そのことについてはここでももう御答弁されていましたけれども、私、そんな程度の意識でいいのかなと、一割の自治体でセキュリティー対策が不十分であると、これは大変問題であると思うんですけれども、まず、どういった点に問題があったんでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) 詳しくはまた自治行政局長から答えてもらいますが、全体、全部の市町村に百三十九項目のセキュリティーのチェックポイントを示しまして、例えばセキュリティー関係の体制、あるいは規程をどうしているか、関連施設や設備の管理がどうなっているか、システムの管理がどうなっているか、外部委託をどうやっているか、帳票の管理、それで自己点検をやってもらったんですよ。そうすると、九割はもう百点だったんです。それにびっくりしてもらわなきゃいかぬのです。九割はちゃんとしていたと。一割が百点ではなかったと。
 だから、これはもう一度そこは見直して整備してもらうと、こういうことでございまして、いずれにせよ二次稼働が八月下旬を考えておりますから、今年の一、二月にこの自己点検をやりまして、それをまとめて、せんだっての住基ネットの調査委員会というのがあるんです、いろんな専門の先生方が構成されておる、そこに結果報告をして議論していただいて、更にセキュリティーを高める上にどうするかと、こういうことでございまして、九割は百点だったということにひとつ我々は大変満足いたしておりますが、残りの一割についてはまだ百点じゃありませんから、百点になってもらおうと思っております。詳しくは自治行政局長が話します。
○政府参考人(畠中誠二郎君) お答えいたします。
 大臣、御答弁なされたとおりでございますが、具体的に若干補足して申し上げますと、住基ネットのセキュリティー対策というのは私ども万全を期してやってきたつもりでございまして、先生今御指摘になりました昨年の八月五日からの第一次稼働以来、大きなトラブルもおかげさまで発生しておりません。ただ、そのセキュリティー対策につきましては、念には念を入れる必要がございますし、そういう御要請もございますので、この一、二月、二月にチェックリストを配りまして、三千二百十五の市町村にお配りし自主点検していただいたものでございます。
 私ども、セキュリティー対策につきましては技術的基準というものを総務省告示で定めておりまして、今般のチェックリストは、その技術的基準では抽象的にしか書かれていない面につきましても具体的にチェックリストを作成しておりますので、一部の自治体、一割でございますが、についてはまだ十分でないという回答が得られたわけでございます。
 ちょっと例を申し上げますと、例えば電子計算機及び磁気ディスク等を専用の部屋に設置しているかという問いにつきましては、七割以上が設置しているというお答えですが、五%につきましては設置していないということで、やっぱり庁舎、都合によって急にそう言われてもというところもあろうかということでございます。
 私どもとしましては、必ずしもその専用の部屋、専用の部屋というのが望ましいんですが、そうでなければ、パーティションですか、何か囲いで囲んでいただくような措置ができないものかどうか、今後都道府県を通じて技術的指導をやっていきたいというふうに考えております。
○森ゆうこ君 今、詳しく御説明いただきましたけれども、この今回の調査は今説明がありましたようにチェックリストを総務省が配られて、自己評価なんですね。これで問題ないと言われれば問題ないということになるんでしょうけれども、私はこれで大丈夫なのかなと。この初めて、よく分からないという、始まったばかりですからとかいろいろ言われますが、さっきも申し上げました、事はネット社会ですからセキュリティーが完全でなくていったん漏れた情報というのはあっという間に広がるんですよね。止めようがないんです。しっかりとした、そういう視点でしっかりとしたセキュリティー監査を実施すべきではないでしょうか。両大臣御見解を。──いえいえ、大臣で。大臣。
 短くしてください。
○政府参考人(畠中誠二郎君) 現状でございますのでちょっと私の方から御説明いたします。
 自己点検を行ったわけでございますが、併せて一部の市町村、これは昨年度、数でいいますと百八市区町村でございますが、外部の監査法人に依頼しましてシステム運営監査を実施しております。それで、今回その一割について不十分という結果が出ましたので早速、火曜日ですね、今週の火曜日に都道府県の担当者を集めて会議を開きましてこの結果を説明し、不十分なところはどこであるかを説明するとともに、七月上旬を目途にフォローアップを実施したいということで、その実施状況について報告を求めました。第二次稼働までに住基ネットの適切な管理運営がなされるよう更に努力、徹底を図っていきたいというふうに考えております。
○国務大臣(片山虎之助君) その市町村の自己点検、自己チェックもいいんですが、それだけじゃやっぱりもう一つというところがありますからね。私どもの方で地方自治情報センターというのが指定情報処理機関ですから、これと一緒になって自己点検の結果も分析しいろいろ検討しまして、それによって支障がある場合には都道府県と一緒に、都道府県に中心になってもらいますけれども、いろんな技術的な個別に指導をやってまいりたいと。そして、もう一遍その結果をセキュリティーの調査をやって、七月ごろに、それで八月の稼働に備えたいと、第二次稼働に備えたいと、こう思っておりますから、委員も御心配でしょうから、万全の上には万全を期してまいります。
○国務大臣(細田博之君) 民間企業にとりましてはこの情報の管理は正に信用にかかわる問題でございまして、このような情報漏れがもし起こるとすればノウハウが流出する、あるいは人事や経理や取引やあらゆる要素が流出する可能性がありますので、全面的に一〇〇%の管理をしなければならない、これは企業として当然の論理だと思っております。
○森ゆうこ君 それで、ちょっと質問が前後して申し訳ないんですが、細田大臣に昨日質問しようと思っていたものをさせていただきます。
 午前中も大塚委員から再度指摘がありました。例えば、情報窃盗ということや情報漏えいを罪として今直接罰するものがないわけですね。ですから、例えば先ほどのお話ですと、コピー用紙を自分で持ち込んだら窃盗罪になるのかならないのかという何か笑い話にもならないような話がありますし、大体本当のプロでしたらフロッピーとか、今いろんなものがあるわけですから、自分のものを持ち込んで瞬時に情報を取ろうと思えば当然そういうことをやるわけですよね。
 それで、漏えいしたときに権利利益の侵害が著しい個人情報については情報窃盗や情報漏えい罪を刑法で規定することも考えられるのではないかと思いますけれども、その件に関して細田大臣の答弁をお願いします。
○国務大臣(細田博之君) 直接の所管としては法務省でございますので余り権限を越えてはいけませんが、私もIT担当の国務大臣として申し上げますと、刑法にははっきりと窃盗罪にしても横領、業務上横領等におきましても、他人の財物を窃取したる者は窃盗の罪としとか、あるいは業務上の自己の占有する他人の物を横領した者はと書いてありまして、刑法創設当初に電気を盗んだ人がいて、電気は財物でないということからわざわざ法改正をしたと。これは法律、刑法を学び始めた者の初歩の判例として必ず出てくる罪刑法定主義の要件でございますが。
 しかし、我々一般常識からいえば、このような情報というのは基本的には財物、財産的価値があることははっきりしておりますので何らかの対応ができないものかなと思うわけでございますが、法務省等でも過去に刑事局長等が答弁した内容を見ますと、プライバシーにかかわるような情報、必ずしも財産というよりは、一つ一つの情報自体が財産としてあるいは財物を形成していると必ずしも言えないような情報があるがゆえに、必ずしも刑法上の処罰に、窃盗とか横領とかそういうものに当たるとは言い切れないし、立法論としても必ずしも適当でない面があるので、むしろ個人情報を保護するという観点からの立法を促進することが望ましいというような答えも得ておりまして、しかし、社会の実態はどんどん進んでおりますので、森議員のおっしゃるようなことも踏まえて、法制審議会その他でまたよく議論してもらいたいなと思っております。
○森ゆうこ君 ですから、日進月歩じゃなくて、全然さっきの言葉が覚えられないんですけれども、いろんな、秒進分歩、片山語録でしょうか。今の現時点でそういうものに対応できないということは分かっているわけですよね。しかも、コピー用紙を自分で持ち込んでいたらそれは罪にならないというような話が実際にあって、個人情報保護法案が成立すればそれらのことに対応できると一般の国民は考えると思うんですよ。
 ということは、今の細田大臣の答弁ですと、今回の法案が成立しても、例えば今までそういう個人情報や会社の情報等、そういうものが漏えいしたという場合に、直接的に罰することができない、相変わらずそれはそのままだということで理解してよろしいんですね。
○国務大臣(細田博之君) 刑事罰として、直接その人を捕まえて、犯人を捕まえて処罰することは今できないわけでございますけれども、大変な違法な状態といいますか、問題のある状態が発見されれば様々な自主的措置に加えまして、報告徴収、勧告、命令、そして最終的には懲役又は罰金という制度を創設いたしますので、この法律が成立いたしますと、やはり一定の効果は上げられると思っております。
○森ゆうこ君 先ほどの答弁の中で、構成要件の明確化等も必要なのでというふうなお話もありましたが、やはりこれまでの議論を聞いていますと、きちんとした、例えば金融なら金融の分野、医療なら医療の分野で個別法による対応というのがやはり必要ではないかと思います。午前中の議論を聞いていても、そのためにもやっぱり今ここで決めておくべきことは、基本法としてきちっと基本理念、そして基本原則が盛られた骨組みとしての法律がやっぱり必要なんだな、今回の法案では帯に短したすきに長しというのは、そのとおりだなというふうに感じました。
 そのことについて、改めて触れていただきながら、ちょっと総務大臣に質問したいんです、さっき飛ばしちゃった質問なんですけれども。
 先ほど午前中にも、最終的には意識改革だと、運用するその職員の意識改革が必要であるというお話がありましたが、私もそのように思います。個人情報を最も集積しているのは行政機関なんです。防衛庁のリスト作成問題や今回の自衛官募集の問題など、これは国民の信頼を損ねる、こういう事件なんですね。
 個人情報の適正な取扱いについて、公務員に対する教育研修をしっかりとやるべきではないかと思います。大臣もそのように意識改革が必要であると御答弁されておりましたが、具体的にそのような教育研修ということについてはいかがでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) これも既に御答弁させていただいておりますが、結局、法律の制度運用の信頼性はやっぱりそれに携わる一人一人の職員いかんに係っていると。そういう意味では、職員に対する教育研修を強化することは大変重要なことだと、こう思っております。
 これまでも、セミナーだとか研修会だとか、それから各省庁参加の連絡会議をやってまいりましたけれども、これからは、各省庁ごとに研修会をやってもらってそれにこの立案を担当した職員を派遣して詳しく説明するとか、あるいは部局ごとに責任者を決めていただいて、その責任者の人に教育研修を積極的にやってもらう、そういう責任を持ってもらうとか、また教育研修のガイドラインみたいなものを作ってそれに従って各省庁ごとにやってもらうとか、いろんなことを考えていきたいと思いますし、またインターネットその他を使いまして、できるだけ個人情報保護の仕組みについて広く理解を求めるような万般のことを考えたいと、こう思っておりますので、森委員、いいアイデアがあったら是非教えていただければ有り難いと、こう思っております。
○森ゆうこ君 それで、これは多分誤報だとは思うんですが、私の地元の、新潟ですけれども、地元の新聞に、総務大臣が、各省が目的外利用について相当な理由の有無を判断するためのガイドラインを作る必要があると述べたとの記事が掲載されていますけれども、どのようなガイドラインを作成するおつもりなのでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) この目的外利用や提供というのは千差万別あると思いますね。だから、なかなか難しいと思うんですが、私は、ガイドラインみたいなものがあれば、各省庁も助かるし、我々の方もいいことになるわけですから、各省庁といろいろ相談してみたいと。
 また、これからいろんな目的外利用や提供のケースが出てまいりますから、その症例をまとめて、そういうことでガイドライン的なものを作りたいと。作りたい、これは私の希望ですよ、作るということじゃない、作りたいと、こういうふうに思っております。その努力をいたしたいと思います。
○森ゆうこ君 時間ですので終わります。
 ありがとうございました。
○福島瑞穂君 社民党の福島瑞穂です。
 まず、今日、冒頭に個人情報ファイルについてお聞きをいたします。
 この件については、後ほど共産党の宮本岳志さんも質問されると思いますが、非常に個人情報ファイルが作られていて、それのチェックがなされていないのではないかということについてお聞きをいたします。
 後ほど配付、提出されるでしょうが、私自身も同じ現物、現物というかコピーされたものを持っております。右翼標ぼう暴力団個人カードで、一人の人についての細かいものが全部入っております。内部情報につき令状請求、送致資料等に添付しないこととわざわざ判こが押されております。これは週刊プレイボーイで報道されたものですけれども、行政機関別個人情報ファイルは現時点で把握されているものは千九百七十九件、警察は十件という報告がされておりますが、このようなプレイボーイに報道された個人カードなどはこの中には入っておりません。報道によれば、これがサラ金業者に提供され、さらにやみ金融業者に流れているというものです。警察の作成した個人ファイルがやみで売買をされている。また、警察に対して、そのサラ金業者からお中元、お歳暮、細かいものが出ているというものも、資料として全部いただいております。
 このファイル、こういうものは本当に存在するのでしょうか。
○政府参考人(近石康宏君) 御指摘の週刊誌の報道の内容については承知しておりますけれども、御指摘のような事実関係については承知していないところであります。
 また、お尋ねの週刊誌に掲載された資料につきましては、個人のプライバシーの問題もあるので、答弁は差し控えさせていただきたいというふうに思います。
○福島瑞穂君 この資料は、はっきり警視庁刑事部捜査第四課として判こもきちっとあるものです。ですから、調べていただければ、部内に同じものがあるのかどうか即座に分かると思いますが、いかがですか。
○委員長(尾辻秀久君) 先ほど名前を間違えて指名いたしました。改めて申し上げます。警察庁近石暴力団対策部長。
○政府参考人(近石康宏君) 警察では、警察の責務を果たすために各種の情報を収集し、暴力団関係も同じでありますけれども、これら資料を保管しておるところでありますけれども、その具体的な内容についてお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。
○福島瑞穂君 ただ、この法案で問題になっているのは、各行政庁が持っている個人情報ファイルについてどのような規制ができるかということを議論をしております。各行政が持っている個人情報ファイルについてこの法案が無力であれば、百害あって一利なし、何の役にも立たないということになります。
 現にこういうファイルがあるのかどうか。あるとしたらどういう規制が可能なのか。その前提として、このような個人ファイルがあるのかどうか教えてください。これは偽物なのでしょうか。
○政府参考人(近石康宏君) 繰り返しになって恐縮でありますけれども、これは個人のプライバシーにわたる問題でありますので、これが、その点についての答弁は差し控えさせていただきたいというふうに思います。
 いずれ──よろしいですか。
○福島瑞穂君 個人のプライバシーということを私は聞いておるわけではありません。だれの個人ファイルがあるのかなどということを聞いているのではありません。警視庁刑事部捜査第四課がこのような個人ファイルを作っているのかどうかという点です。
○政府参考人(近石康宏君) 一般論といたしましては、警察では、犯罪捜査を始めあらゆる警察活動を通じまして暴力団や暴力団員等に関する情報を収集しており、その資料等も作成、管理しているところであります。
○福島瑞穂君 行政機関別公示対象個人情報ファイル数ということに、十というふうに書いてありますが、この中には、このリストの中に入っておりません。どういう個人情報ファイルを作っているか、いただいた資料には、家出人ファイル、風俗営業等管理ファイル、二輪車防犯登録ファイルという、こういうものになっていて、いただいた十件の中にこのような個人情報ファイルがあることが示されておりません。
 改めてお聞きします。このような個人情報ファイルはあるのかないのか、教えてください。
○政府参考人(近石康宏君) 今、申し上げたとおりでありまして、暴力団に関する個人カードといったものはございます。
○福島瑞穂君 後ほど宮本委員の方からもあると思いますが、これはかなり詳細なものです。体の特徴から、前科前歴から、家族歴から、細かい情報が一人の人について出ております。これらの情報がお金で売り買いされて外部に流出していると。おまけに、警察の中でお中元、お歳暮等様々なものをもらい、情報の提供の見返りに相手方はいろんなものをくれているということが具体的にあるわけですね。
 では、今の答弁で個人ファイル、個人カードがあるというふうにお答えになりました。それはなぜ行政機関別公示対象個人情報ファイルの中に入っていないんですか。
○政府参考人(近石康宏君) これにつきましては、犯罪捜査についてはこの十件の中に入れなくてもよいということになっております、入れないということになっておりますので、犯罪捜査に資するもの、犯罪捜査に入れると支障が出るというものは入れてないというところであります。
○福島瑞穂君 行政機関が個人情報ファイルについてどのようなものを持っているかということについては、本当に知る由もないわけですよね。
 とすると、非常に重要な個人情報を、ファイルを仮に行政機関が持っていたとしても、そのチェックが全然できない。おまけに、この事件が表しているのは、こんな情報がどんどん転々流通して第三者のところに出ているという、その事実です。ファイルがあることそのものも分からないし、チェックもできないと。
 では、ちょっと質問を変えます。
 これ、立法者としては、このようなファイルについてはどのような規制が可能だと考えられますか。
○政府参考人(松田隆利君) お答え申し上げます。
 これまでも申し上げておりますように、この個人情報保護の一環としまして、個人情報ファイル、体系的に作成されました個人情報の集合物でございますが、こういうものについては、現行法もそうでございますが、現行法は電算処理に限られていますが、事前に総務大臣に通知をして、そして公表をするということになっております。
 ただし、例外がございまして、これは限られた例外になるわけでありますが、一つは、国の安全、外交上の秘密その他、国の重大な利益に関する事項を記録する個人情報ファイル、それから、今警察庁の方からも話がございましたように、犯罪の捜査等、租税犯則事件も含まれますが、そういうもののために作成し、取得する個人情報ファイルということでございまして、これは高度の秘匿性を要しますので総務大臣の事前通知の対象にはいたしていない、公表の対象にいたしていないということでございます。残りの第六条第二項三号以下の個人情報ファイルは非常に軽微なものでありまして、個人の権利利益の侵害のおそれが少ないというものでございます。
 したがいまして、こういう一部のものはそういうことで事前通知、公表の対象になっておりませんが、大半のものは事前通知、公表の対象になっているわけでございまして、何も分からないということでは全くございません。
○福島瑞穂君 今の答弁ですと、もしこれが電子化されていますと、この警察ファイルの存在は法案成立後には届出が義務付けられないということでよろしいでしょうか。
○政府参考人(松田隆利君) この法案の成立後、届出が必要になるかどうかということでございますか。
   〔委員長退席、理事常田享詳君着席〕
 行政機関、新しい法律におきましても、先ほど申し上げましたように、総務大臣の事前通知あるいは公表の対象外としまして、犯罪の捜査、租税に関する法律の規定に基づく犯則事件の調査又は公訴の提起若しくは維持のために作成し、又は取得する個人情報ファイルについては適用対象外になっておりますので、事前通知の対象外でございます。
○福島瑞穂君 再度確認させていただきましたが、つまり、行政内部で歴然とこういう個人ファイルがある。しかし、それについては届出が一切されないわけです。市民は自らの情報を開示させたりその誤りを訂正させたりすることは不可能なわけですね。届出もされていない。これは情報流出をしているわけですが、届出もされていない。ですから、内部で目的外使用などがあったとしても、それは一切分からないと。
 こういう問題については法の欠陥であると。行政情報についての個人情報保護として行政内部でひそやかに作られていて、対外的には出さないことになっている。これ、捜査資料にも添付するなとわざわざ書いてありますから。
 そうすると、どこからもチェックされずに膨大なる個人情報が滞積されていると。それについては全くのアンダーグラウンドでチェックができないということになりますが、これは重大なる法の欠陥だと考えますが、どうですか。
○政府参考人(松田隆利君) お答え申し上げます。
 先ほども御答弁申し上げましたように、正に国の安全ですとか外交上の秘密ですとか、あるいは犯罪の捜査ですとかということで高度の秘匿性を要する、そういうものでございますので、また、それが国益を維持したりあるいは犯罪の摘発を行ったりするために正に必要になるものでございますので、そういう必要性のあるものとして事前通知の対象外といたしているものでございます。
○福島瑞穂君 これは必ずしも犯罪に直結しないものもあるわけですし、詳細なる個人のデータです。これは、もし、これが情報流出に対してはどのような対策が取られるのでしょうか。現に警察がその情報を売っているということについてはどうなるのでしょうか。
○政府参考人(松田隆利君) お答え申し上げます。
 一般論でございますけれども、当然、個人情報の的確な管理をしなければならないようにこの行政機関法案等においては決められていることでございます。したがいまして、そういう安全管理をする責務がそれぞれの行政機関にはあるわけでございまして、そういう、漏出とかそういうことがないように厳しくチェックをしなければいけないということになるわけでございます。
 また、これが新しい法案におきましては罰則も更に追加されておるところでございまして、罰則に該当するような行為の場合には処罰の対象になるということでございます。
○福島瑞穂君 勝手に個人的にそれを売ったりすればこの法律に基づいて処罰をされるわけですが、一貫してこの委員会の中で問題にしているのは、一般の人が知る由もない大量のファイルがやはり行政内部に存在し、そのチェックのしようもなく、知ることができないということについて、この法律は触ることができないということです。
 次に、この行政情報に関しては開示請求等が認められておりますが、情報公開法に基づき開示請求があり、不開示決定処分が情報公開審査会で争われている案件があります。行政機関法案第四十五条一項に該当すると思われる案件もたくさんあります。
 実際に不開示決定処分がなされているものには、例えば平成十四年度の件で法務大臣に対するもの、平成十四年度、法務大臣に対して、本人が府中刑務所において保護房に収容された記録の不開示決定に関する件。平成十四年度、法務大臣に対して、岡山刑務所に収監されている特定個人の病気や体調に関する文書の不開示決定に関する件。
 拘置所や刑務所の件が非常に多いんですが、特に問題なのは、本人が、自分自身が、例えば保護房に自分が入っていたときの記録の開示を求めたとき、これは視察表とか動静視察表とかあるわけですが、本人が自分の処遇がどうだったのか例えば争いたいとか思って開示請求をやっても、これは不開示になっているんですね。今、法務委員会の下ではかなり死亡帳が出てきたりしていますけれども、死亡帳の事案。身分帳に関しては、平成十三年度、法務大臣に対しての開示請求、在監者に係る身分帳の不開示決定というものがあります。ですから、今、国会が努力をして出てきた情報は少しあるんですが、本人が自らの、例えば保護房についての開示請求をやって不開示になっているんですね。
 私が申し上げたいことは、だれのプライバシーも侵害するわけでもなく、自分がどういう処遇を受けたかということについて開示請求をやっても不開示になってしまうというと、自分に利害があることで開示請求をやっても相当不開示に、その情報公開法の取扱いから言うと、なってしまうのではないかというふうに考えられます。
 そうすると、結局、行政が持っているその本人自身の情報の開示というのが非常に限定的になってしまうということについては、いかかがでしょうか。
   〔理事常田享詳君退席、委員長着席〕
○政府参考人(松田隆利君) お答えを申し上げます。
 情報公開法は、国民主権の観点から、政府の国民に対する説明責任ということで、何人に対しても行政文書の開示請求を認めているものでございます。したがいまして、行政情報公開法においては個人情報は非開示情報となっておりまして、何人もだれかの個人情報を開示請求するということはできないことになっております。
 したがいまして、正に今、行政機関個人情報保護法案ということで、本人個人の、本人による開示請求の制度を、さらには訂正、利用停止等の制度を設けさせていただこうということで御提案申し上げているところでございます。この法案が成立をいたしますれば、個人に関する情報は本人から、一定の非開示事項に該当しない限り、開示請求ができるということに相なるわけでございます。
○福島瑞穂君 私が先ほど申し上げたのの中では、不開示になったものは本人自身が請求をした、本人が、自分が保護房に入っているときの保護房収容された記録の開示を求めたら、それが不開示になっているんですね。だれか他人のプライバシーを侵害するとかという問題ではない、本人の開示請求を、情報公開に基づく公開、情報公開法は不開示にしているわけですね。
 ですから、今回、先ほども情報ファイルが何とかという議論の中でもありますが、今回、行政情報についての個人情報保護法案がありますけれども、開示請求をやって、いや捜査のために支障があるとか何のために支障があると、不開示になることが非常に多いのではないかという点についてはいかがですか。
○政府参考人(松田隆利君) お答えを申し上げます。
 繰り返しになりますが、今の情報公開法は、先ほど申し上げましたように、何人に対して、何人も行政文書の開示を請求することができるということになっておりますので、個人の情報は正にプライバシーの観点から非開示情報、非開示になっておるわけでございます。したがいまして、情報公開法の下では、本人からの開示請求であっても開示されることにはならないわけでございます。
 したがいまして、本人からの自らの情報の開示請求の制度を設けようということで今、行政機関個人情報保護法案ということで御審議をお願いしていると。この法案の成立がなされますれば、その後におきましては、本人から自らの個人情報についての開示請求、訂正請求、利用停止請求等の請求ができることになる。一定の非開示事項が当然あるわけでございますが、それを除きまして開示請求が可能になるということでございます。
○福島瑞穂君 私は、情報公開法の趣旨にのっとっても、本人が自分の情報の開示ということがあればそれは認めるべきだと考えますが。
 では、次に、データマッチングについてお話、お聞きをいたします。
 先ほどの警察の個人カードに戻りますが、警察の個人カードがどのように個人情報を収集し作成をされたのか、その過程で不正取得はなかったのか、データマッチングは行っていないのかということについてはいかがですか。
○政府参考人(近石康宏君) 一般論といたしましては、警察では、犯罪捜査を始め、あらゆる警察活動を通じまして暴力団や暴力団員等に関する情報を収集しております。その収集及び資料の作成、管理につきましては、申し上げることは差し控えさせていただきたいというふうに思います。いずれにいたしましても、名称はともかく、カード的なものが存在するということは事実であります。
 あと、情報収集は警察法二条に定める警察の責務を達成するために行っているのであり、その方法についても適法、妥当なものとなるよう、十分配意しているところであります。
 また、データマッチングということでありますけれども、警察の保有するデータにつきましては、法令の定めるところにより適切に管理しているところであります。
○福島瑞穂君 この個人カードを見る限り、いろんな情報をあっちこっちから引っ張ってきて一人の個人情報ファイルにしています。明らかにデータマッチングがされていると思います。このような問題について、全然メスがこの法案では入らないと。今日の答弁でも、漏えいに関してはあるかもしれないけれども、入らないというところが問題ではないでしょうか。
 ところで、防衛庁適齢者名簿問題との関係で問題になるのは、六号の、一年以内に消去することとなる記録情報のみを記録する個人情報ファイルです。DM発送用の電子化された名簿は一年以内に消去するため、事前通知の対象ともならないというふうにされました。しかし、毎年、あて先は異なるとしても同じ趣旨のファイルを作成し続けるわけで、一年以内であっても継続して作成されていることに変わりがありません。
 ですから、常に更新されている場合、あるいは一時的に必要に応じてマッチングされて保存はされないような場合、個人情報の利用は経常的に行われているものの、事前通知はされていません。このような経常的に作成されるものについては事前通知が必要だと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(松田隆利君) お答え申し上げます。
 事前通知の適用除外があるわけでございますが、先生今御指摘のように、経常的に作成されているものでありましたら一年以内に消去されるということにはならないわけでありますから、事前通知の対象になるわけでございます。個人情報ファイルがその時々の用にしか供されないということで一年以内に、言わば直ちに消去されてしまうものもあると思いますが、そういうものについては個人の権利利益の侵害のおそれが少ないというようなことで事前通知の対象外、対象から除外しているところでございます。
○福島瑞穂君 請求者リストは千件以下であるかどうかが問題になっています。千件以内というふうになっていれば対象にならないということで事前通知は必要ないわけですが、これは政府の答弁では、千件以下の個人情報ファイルの場合は個人の権利利益を侵害するおそれが少ないというふうな答弁だったと思いますが、千件以下であったとしても、例えば、先ほど実は申し上げました警視庁の個人情報ファイルだと千件以下であったとしても極めて詳細なわけですね。千件以下ということは妥当でしょうか。
○政府参考人(松田隆利君) お答え申し上げます。
 総務大臣によるこの法律の統一的な運用あるいは適正性の確保という観点からのチェックに資するためということで事前通知の制度を設けているわけでございますけれども、現行法の電算機個人情報保護法におきましても同じような制度を設けておりまして、現在、政令で千件以内ということに、千件以内の言わばそういう小規模のものについては事前通知の対象外にしているわけでありますが、この行政機関法に、新法案におきましても、そういう小規模のものにつきましては、先ほどの個人の権利利益の侵害のおそれが少ないということで対象外にいたしているところでございます。
 具体的な件数につきましては、今後、国会での御議論も参考にさせていただきながら政令で定めていくことになるわけでございますが、いずれにしましても、そういう観点での制度でございます。
 千件未満のものにおきましても、個人情報を利用目的に沿って厳格に管理し、目的外の利用・提供等を厳格に制限していく、そしてそれにつきまして本人が開示請求その他の本人関与によるチェックが可能になると、さらには第三者機関による行政機関の取扱いについての不服審査に関する審議も行われるということで、権利保護に徹底を期する、そういう制度にしているところでございます。
○福島瑞穂君 千件ということにとらわれなく、中身について、もう少し運用面で事前通知が必要かどうかを考えていただきたいと思います。
 行政機関個人情報保護法案八条の相当な理由、特別な理由、これは衆議院でも大変議論になっています。法案審議で、その相当な理由の中身は何か、その判断の公正さ客観性をどう担保するのか、目的外利用、外部提供した事実をどのように明らかにするのか、これについては、分かりませんので教えてください。
○政府参考人(松田隆利君) 相当な理由、あるいは内部で利用する、あるいは他の行政機関に提供する場合に、そういう目的外の利用・提供の場合に、当然、法令に基づく所掌事務のためということでありますし、個人の権利利益の侵害をしないという前提の下に、さらに相当な関連のあるものに限られるということで限定を加えているわけでございます。
 相当な関連というのは、何人もなるほどなという合理的に納得できるようなそういう範囲に限られる、そういう法律用語として我々は理解しているところでございます。
 それから、特別の理由は、行政機関外に、例えば公益法人その他に提供する場合でございまして、行政機関が取り扱うのと同じような公共上の利益があるという場合に特別の場合ということにいたしているわけでございまして、そういうものに限られるわけでございます。
 チェックできるかどうかということでございますが、再三御説明いたしておりますように、総務大臣による施行状況調査ということで目的外の利用・提供の状況等は把握することにいたしておりますし、かつ本人関与によるチェック等々が行われるということでございます。
○福島瑞穂君 目的外利用するときは届出を出させるということはいかがでしょうか。目的外利用がそんなに多くないということであれば、届出を出すということでチェックができると思いますが、いかがですか。
○政府参考人(松田隆利君) お答え申し上げます。
 新しい行政機関法におきましては、これまでのコンピューター処理された個人情報にとどまらず、すべての個人情報に対象を拡大をいたしております。
 一定のものにつきましては、先ほど申し上げましたように、総務大臣による施行状況調査ということでチェックをすることになっているわけでありますが、目的外利用を事前にチェックをするということは、いろんなケースがございまして、それが、先ほどの条件、法令の所掌事務のために必要だ、本人の権利利益を侵害しない、かつ相当な関連があるという範囲内での非常にケースとして多くある話でありまして、これを一々に事前にチェックをする、あるいは審査会等で審査をするということになりますと、国民に対する行政そのものが大幅に遅延をしてしまう、あるいは行政の言わば業務が非常に過大なものになるというようなことで、必ずしも適当でないと考えております。
○福島瑞穂君 ただし、総務大臣における施策のチェックということも一体どれだけやっぱり行われるのか。
 今日、警視庁が持っている個人情報ファイルのことについて質問をしましたけれども、防衛庁のリストにしても、情報公開請求した人のリストの問題にしても、それがどう使われようとなかなかチェックができないし、総務大臣自身のチェックということもどれだけ中に踏み込んでできるのかという疑問が思います。
 行政情報の目的外使用についてのチェックがこの法律に関しては極めて弱く、問題があるということを申し述べて、質問を終わります。
○宮本岳志君 日本共産党の宮本岳志です。
 一昨日の質問で時間切れになった問題を引き続きやりたいと思います。
 議論の前提ということで、二つの法案の対象となる個人情報の範囲についてこの前聞いたところ、電話の通話記録は匿名化の処理がされていない限り基本法案の対象だと細田大臣はお認めになりました。それから次に、行政機関法において基本法とほぼ同一の文言で定義されている個人情報には特定の車の車両ナンバーに結び付けられたデータの集合は含まれるのかと、こう聞きましたら、松田局長は車両の登録ナンバーというものがどういうものか御承知でないという答弁だったが、若松副大臣が、これが車の所有者等に容易に結び付けられるものだという御認識をお示しになりました。
 そもそも、基本法と行政機関法とで個人情報の定義の違いというのは、基本法にある「他の情報と容易に照合することができ、」という部分の「容易に」というこの三文字がないというのが違いなんですね。それだけ行政機関法の方が個人情報の定義を広げていると、こう政府は説明をされております。
 まず確認します。二つの法律を比べれば、行政機関法の方が個人情報の範囲を広くしている、これで間違いないですか。
○政府参考人(松田隆利君) お答え申し上げます。
 基本法案は民間の事業者を対象とし必要最小限の規律を定める観点から、個人情報は行政機関法案の個人情報と異なり、照合の容易性を要件としているものと承知いたしております。このため、行政機関法案の個人情報の方が照合の容易性を要件としない分だけ範囲が広いということになろうかと思います。
○宮本岳志君 そうであれば、電話の通話記録が個人情報に入るわけですから、行政機関が持っているデータである車両の登録ナンバーを含むものが対象にならないはずがないんですね。つまり、この前取り上げたNシステムというこのシステムの情報ファイルは行政機関法の対象に含まれるということは明らかです。
 そこで、前回せっかくお越しいただいて時間切れで御答弁願えなかった警察庁の刑事局長にお伺いをしたい。
 Nシステムの概要、設置目的、設置の根拠法について、かいつまんでお答えください。
○政府参考人(栗本英雄君) お答えをいたします。
 お尋ねの自動車ナンバー自動読み取りシステムにつきましては、自動車を使用した重要凶悪犯罪や重要犯罪に使用されるおそれのある自動車盗難事件が多数発生している状況にかんがみまして、自動車利用犯罪が発生した場合に、緊急配備による交通検問による渋滞などを引き起こすことなく、現場から逃走した容疑車両を速やかに捕捉し犯人を検挙すること、及び重要事件等に使用されるおそれの強い盗難車両を捕捉し犯人の検挙及び被害車両の回復を図ることを目的といたしまして、走行中の自動車のナンバーを自動的に読み取り、盗難車両等の手配車両のナンバーと照合するシステムでございます。
 本システムは、公道上を通行する車両につきまして、道路運送車両法において「見やすいように表示しなければ、運行の用に供してはならない。」と規定されておりますナンバープレートを自動車の走行を妨げることなく読み取るものでございまして、警察法二条による犯罪の捜査を責務とする警察が捜査活動を遂行する上で活用をしているものでございます。
○宮本岳志君 衆議院の保坂議員がこれを取り上げて、車を運転している当事者が、あのときNシステムの監視のカメラの下を通ったと、それでそのことを証明したいといって開示してくれと言っても、これは警察庁は開示しないと。なぜならば、監視カメラの位置が明らかになることと犯罪捜査に支障があるということでありました。
 このシステムによるデータのファイルは、行政機関法の第十条二項の二号、「犯罪の捜査、租税に関する法律の規定に基づく犯則事件の調査又は公訴の提起若しくは維持のために作成し、又は取得する個人情報ファイル」、これに該当するかどうか、警察庁にお答えいただけますか。
○政府参考人(栗本英雄君) お尋ねのNシステムで読み取りました通過車両データにつきましては、都道府県警察が捜査に活用するために犯罪捜査目的で保有しているものでございまして、総務大臣に対する事前通知の対象にはならないものと認識しております。
○宮本岳志君 つまり、第十条、つまり法ができれば第十条二項の二号のこの要件に合致するということですか。
○政府参考人(栗本英雄君) 厳密に申し上げますと、先ほど申し上げました通過車両データにつきましては都道府県警察が犯罪捜査目的で保有しているものでございまして、国の行政機関を対象とした行政機関個人保護法案の適用を受けないものと認識しております。
○宮本岳志君 このデータというのは、私は極めて重大な、国民にとってはやっぱり重大な関心になるデータだと思うんですね。それは公道上のナンバープレートを記録し続けていると、今、御答弁にあったとおりですよ。それで、私は、このNシステムによるデータファイルが第十条二項の二号に当たるかと前回も聞きました。総務省行政管理局長は、詳細を知らないから答弁できないと、こう答えたわけです。今回は警察が答えると、こういうことで今お答えになったわけですね。
 このシステムは、皆さん聞いていただきたいんですが、何か事件が起きたら検問の用に動き始めるというシステムではないんです。今話があったように、常時そこを通る車のナンバーはどんどんどんどん記録し続けると。つまり、ファイルに記録されるデータのうちの、それは中にはおっしゃるとおり犯罪にかかわる車もないとは言いません。そうでしょう。しかし、九九・九九%までは何の犯罪とも関係がない状況の下で自動車、自動的に収集が続けられていると。これが今、捜査目的だ、犯罪捜査目的だと、こういうことになりますと、私は非常に、こういうものを除外していくというのは非常に問題があるのではないかと。
 つまり、第十条二項二号ですね、捜査目的ならば除外というのについては、例えば総務省に聞いても、そういうものがどういうものであるか分からないから判断できないと答えるんですよ。つまり、これは、捜査機関自身がこれは捜査に使うんだと言えばこれはもう除外されると、こういう規定になっているということですか。いかがですか、総務省。
○政府参考人(松田隆利君) お答え申し上げます。
 現行法の電算機個人情報保護法も、新しいこの行政機関個人情報保護法案におきましても、行為の主体といいますか、行政機関の長がそれぞれこの法律を施行、執行していくということに相なるわけでございます。
 したがいまして、先ほどの事前通知の適用除外の対象として犯罪の捜査云々ということで、高度の秘匿性の高いものについては総務大臣への事前通知の対象外になるわけでありますが、それは第一次的には当該行政機関の長が判断をするということに相なります。
 ただし、いろいろ総務大臣にも調査をしたり意見を言ったりするそういう権限があるわけでございまして、法運用の統一性、適正性の観点から必要な権限と申しますか、行為は行うことになっております。
○国務大臣(片山虎之助君) 宮本委員、こういうことなんですよ、今警察が言っているのは。これ、Nシステムをやっているのは都道府県警察なんですよ。この法律は国の行政機関なんですよ。だから、この法律のストレートな対象にならないと言っているんですよ。法律の適用は正にそうですよ。
○宮本岳志君 じゃ、国のシステムでこういう、この法を、行政機関法を作ったとするでしょう、そしてこの行政機関法には十条二項二号というのが入っているわけですよ、これまでと同じように。その際、都道府県警だからといって、都道府県警が国の法律と違ったような運用をやるということはありますか、どうですか。
○国務大臣(片山虎之助君) それは、都道府県がどういう個人情報保護条例を作ってどういう対応をするかに懸かっているんですよ。国の行政機関があなたが言うようなNシステムをやるんなら、それは適用除外かどうかという議論はあるけれども、やっているのは都道府県警察なんだから、そういう答弁だからね。私は実際よく知りませんよ。都道府県警察がやっているんなら国の行政機関の個人情報保護法の対象にはならないと、こういうことであります。
○宮本岳志君 いや、大臣はよくお分かりになっておっしゃっているんだけれども、答弁はそうでしたよ、何もそうでないと言っていないけれども。それは、都道府県警察が勝手な判断でこれをやっているというのは、到底そんな話は国民だってだれも信じないと思うんですね。
 それで、ほとんど大半が犯罪と無関係な膨大な量のデータの蓄積が、将来犯罪捜査に役立つ可能性があるというだけで犯罪捜査目的とみなされ、国民の目の届かないところに置かれると。しかも、その判断は行政機関法を所管する総務省が行うというわけではなくて、正に主管のところがやる、警察自身が行うと。つまり、警察が捜査目的だと言えば、これはもうそれで除外されると。これでは、先ほど福島議員もいろいろそういう議論されましたが、警察は一体どんな形で国民のプライバシーを集積していても全く分からないということになるわけですね。
 私、別に捜査情報の中身を公表しろと、そんなこと言うつもりはないんですよ。少なくとも、警察内部でどのような種類の個人情報の集積が行われているのかということの国民への説明は必要だというふうに思うんですね。
 それで、少なくとも道路の特定の地点を通過した車両のデータをNシステムというやり方で警察がずっと持っていると、これは今日、今お認めになりました。それで、この情報、つまり車両、このナンバープレートの情報を車両登録のデータと照合すれば、これはもちろん犯罪者の特定にも役立つでしょうが、犯罪と何の関係のない個人ともこれは容易に結び付けることができるわけです。
 そこで、国土交通省自動車交通局長に来ていた