2001年2月26日

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特定非営利活動の促進のための法人税法等の一部を改正する法律案
特定非営利活動の促進のための地方税法の一部を改正する法律案
要綱骨子(案)


第一 法人税関係

1 認定特定非営利活動法人等の認定
  1. 「認定特定非営利活動法人等」とは、事業の開始後1年を経過した特定非営利活動法人又は民法法人のうち次に掲げる要件を満たすものとして、政令で定めるところにより、別に法律で定めるところにより設置される「特定非営利活動等促進委員会」(国家行政組織法上の三条機関)の認定を受け、かつ、その認定を受けた日の翌日から3年(初めて認定を受けたものにあっては、2年)を経過していないものをいうものとすること。

(収入要件)

  1. 市民からの会費・寄附金、財団や基金からの助成、政府・自治体・国連機  関等からの補助金の合計が全体の収入(ただし、不特定多数を対象とした特定非営利活動による事業収入を除く。)の3分の1(最初の認定にあっては、5分の1)以上を占めること。 ただし、特定の個人・法人による寄附については、5%を上限としてカウントする。

(支出要件)
  1. 特定非営利活動に対する支出が、支出全体の3分の2以上であること。

(活動要件)
  1. 法人がその法人の役員等(社員、寄付者、その親族を含む。) に対して、金銭の貸付け、資産の譲渡、財産の運用、事業の運営等について特別の利益を与えないこと。

(情報公開要件)
  1. (1) 役職員の給与(それぞれ上位5名)の公開
    (2) 資金源、資金募集プログラム、事業内容、有料サービスの料金体系、サービス提供要件等の公開

(その他)
  1. 法令に違反する事実その他公益に反する事実がないこと。
  1. 特定非営利活動等促進委員会は、1.の認定に関し必要があると認めるときは、国又は地方公共団体の関係機関に対し、資料の提供その他必要な協力を求めることができるものとすること。
2 認定特定非営利活動法人等に対する寄附金

 一般寄附金の額の合計額に算入しない寄附金の額に、認定特定非営利活動法人等に対する当該法人の主たる目的である業務に関連する寄附金の額の合計額を加えるものとすること。
 
(参考)改正の結果、一般寄附金の額の合計額に算入しない寄附金の額は、普通法人の場合、現行の特増枠と合わせて、所得の金額の100分の2.5まで。

3 認定特定非営利活動法人等に係る寄附金の損金算入限度額の特例

 認定特定非営利活動法人等であるものが支出した寄附金の損金算入限度額は、法人税法の規定にかかわらず、当該事業年度の所得の金額の100分の50に相当する金額(当該金額が年100万円に満たない場合には、年100万円)とするものとすること。 4 みなし寄附  認定特定非営利活動法人等がその収益事業に属する資産のうちから収益事業以外の事業のために支出した金額は、その収益事業に係る寄附金の額とみなすものとすること。 5 認定特定非営利活動法人の収益事業に係る税率  特定非営利活動法人のうち認定特定非営利活動法人等であるものの収益事業から生じた所得に係る税率については、公益法人等の場合と同じ税率とするものとすること。

(参考)認定NPOの収益事業に係る税率(括弧内は、負担軽減措置法による税率)
(現 行)所得金額が年800万円以下の金額…………25%(22%)
  ↓  所得金額が年800万円を超える金額………34.5%(30%)
(改正後)一律、25%(22%)
6 小規模な認定特定非営利活動法人等に係る課税の特例  認定特定非営利活動法人等の各事業年度における収入の金額が三百万円に満たない場合には、当該事業年度における当該認定特定非営利活動法人等の収益事業から生じた所得に対する法人税を免除するものとすること。



第二 所得税関係

1 認定特定非営利活動法人等に係る利子等の非課税  特定非営利活動法人のうち認定特定非営利活動法人等(※法人税法上の「認定特定非営利活動法人等」と同様の要件)であるものが支払を受ける利子及び配当等については、所得税を課さないものとすること。
2 特定寄付金に係る寄付金控除
  1. 特定寄付金の額の合計額に、認定特定非営利活動法人等に対する当該法人の主たる目的である業務に関連する寄付金の額の合計額を加えるものとすること。

  2. 居住者が特定寄付金を支出した場合における寄付金控除について、現行の「1万円を超える金額」という制限は廃止するものとすること。

  3. 特定寄付金に係る課税の特例

    (1)居住者が、特定寄付金を支出した場合においては、(2)の適用を受ける場合を除き、その合計額(その合計額がその年分の所得金額の100分の25に相当する金額を超える場合には、当該100分の25に相当する金額)を、その年分の所得金額から控除するものとすること。

    (2)居住者が、特定寄付金を支出した場合においては、その合計額の100分の50に相当する金額(その金額がその年分の所得税の額の100分の25に相当する金額又は12万円のいずれか少ない金額を超える場合には、当該いずれか少ない金額)を、その年分の所得税の額から控除するものとすること。

  4. 3.の(1)の所得控除又は3.の(2)の税額控除は、年末調整の対象とするものとすること。
3 ボランティア等に係る寄附金控除の特例  特定非営利活動を促進するため、本人及び一定の親族の無償ボランティアへの参加並びに自宅への無償ホームステイの受け入れに要した費用のうち一定のものを所得税の寄附金控除の対象とするものとすること。


第三 相続税関係

 国等に対して相続財産を贈与した場合等の相続税の非課税の特例について、その適用対象に、認定特定非営利活動法人等に対する贈与を追加するものとすること。


第四 地方税関係

1 認定特定非営利活動法人に係る利子等の非課税  所得税法に規定する認定特定非営利活動法人が支払を受ける利子等で所得税が課されないものについては、道府県民税の利子割を課することができないものとすること。 2 個人の住民税に係る寄附金控除  都道府県及び市町村は、個人が一定の特定非営利活動法人等に対して寄附をした場合における当該個人に対する住民税の課税について、寄附金控除の対象とするものとすること。


第五 施行期日等

1 施行期日 この法律は、平成13年10月1日から施行するものとすること。

2 その他 その他所要の規定を整備するものとすること。
2001年2月26日

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