河田英正の主張

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2001/10/16 どうしても自衛隊を派遣したいのか

長年の夢であった自衛隊の武力付き派遣をどうしても実現したい。テロ対策の名の下に世論が味方する絶好のチャンスである。憲法のことなどあとで理屈がついてくる。そんな雰囲気ですね。

「憲法の枠内で」というレトリックは常についている。しかし,憲法の平和主義という基本理念を積極的におしすすめようとするのか,憲法の枠をくぐり抜けて別の方向に向かおうとするのか同じ憲法の解釈でもスタンスの違いによって全く結論がことなってくる。今の議論はいかに憲法の規定をかいくぐるべきかの観点からの議論である。ここではもはや憲法は邪魔者扱いなのである。「憲法の枠内で」などというごまかしはいうべきでない。

こんなに危うい議論をして,自衛隊に武器まで輸送させながら海外派遣をするのである。せめて,国権の最高機関である国会が事前に承認することがかろうじて今の体制のなかで容認される(へ理屈の考えられる)最低限度の要件である。これを民主党は絶対譲ってはならない。これまでも譲ってしまうような政党であれば「民主」の名を返上すべきでしょう。文民統制を確保する近代国家であることの誇りはもっておきたいもの。鳩山さん,議員の皆さん頑張って下さい。


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