河田英正の主張

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2001/03/21 今年も花粉症

春霞の暖かい日は,花粉症に悩まされる。マスクをして歩いている人もたくさん見かけます。いつのころからこんな症状が日本にひろまったのだろうか。

もう10年以上になるでしょうか。静岡県弁護士会に所属するその名も杉山繁◯弁護士が激しい花粉症に悩まされ,国を相手に花粉症は植林政策の誤りの結果であるとして国賠訴訟を提起しました。数年前,その弁護士に会う機会があり,裁判の行方をたずねましたところ,既に取り下げて終了していました。花粉症の原因と責任が問われた裁判だっただけに残念です。取り下げた理由は,その訴訟活動の膨大さに自分の仕事ができないほどになってしまったからだったと記憶しています。

私たちの住む環境が,既に人体が拒否反応を示すようになっていることの警告の一つでしょう。単に植林政策ばかりの問題ではなく大気汚染,人体の抵抗力の変化など様々な要因が関わって発生しているものだと思われます。

暖かい良い天気になるでしょうとの天気予報に気分を暗くしなければならないとは皮肉なものです。「脱ダム宣言」「諫早湾」「エネルギー問題」などこれからの環境問題について,先を見据えたしっかりとした政策の提言と実行が必要です。ついでに,司法改革の一環として中間報告で提言されている弁護士費用の敗訴者負担制度が導入されれば,花粉症の責任を問うような訴訟はとても考えられなくなるでしょう。


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