河田英正の主張

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2000/12/06 メッセージなき新内閣

 21世紀を迎える新内閣が発表された。相変わらず派閥力学によって構成され、私たち国民になにも訴えるものがない。新しい世紀を迎えようとしているのに何のメッセージもない。首相に理念も未来を語る希望も持ち合わせがなければ仕方がないのかもしれない。野党は一様に今回の組閣を派閥政治の結果であると批判している。なぜかこれもむなしい。

 私たちが具体的に、21世紀をどのようにつくりあげていくのか、その理念と指針をいまこそ明確にアピールしていかなければならない。民主党は、今の自民党では未来はないこと、そして個人の尊厳が守られ、豊かに暮らせる社会を実現していく道筋を、21世紀へのメッセージとしてたからかに発してほしい。製造物責任法(PL法)が成立したとき、当時の通産大臣であった橋本龍太郎氏は「消費者のための法律ができたのだから、あとは自由競争のなかで自己責任でやってもらう」とコメントをしていた。彼らの目指している社会は、強き者のための社会である。いま、グローバルスタンダードだとして多くの場面で「改革」がなされている。そのことが決して真の改革につながっていないことに気づいているはずだ。私たちの目指す社会は、橋本氏のいう社会と違うことをきちんと国民に訴えることが、民主党の支持を拡大し、新しい豊かな社会を築いていくことに繋がるのではないか。


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