河田英正の主張

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2000/11/20 景気の回復はほど遠く

 今日、永田町では、波乱に満ちた大きな政治の転換点となっていくのか、あるいは堕落の道をつた走っていくことになるのか、それを占う現象がおきている。権力にしがみつこうとする人々の魑魅魍魎とした動きは政治を遠いものと感じさせる。

 この季節になるとここのところ毎年、年末、年始と休むことのできない相談で仕事に追われることになっている。今年もどうやらそうなりそうな相談をうけた。年末の手形の決済の見込みがたたないというのである。長い間、顧問として法律相談にのってきていた企業である。民事再生法で再建も検討したが、景気の先行きがみえないなか、希望をもつことも困難で破産しか方法がないのではないかときびしく内容を検討をすることにした。景気回復のためとばらまき予算が使われるなか、いっこうにその恩恵に被ることのできないまま、先代から引き継いできた事業を廃業しなければならないつらさはいくばくのものであろう。こうした悲しい決断でこの正月を迎える人もいる。

 政治はこうした現実にどう応えているのだろうか。社会の構造的なもののなかであえいでいる人々の現実をほんとうに考えているのだろうか。日本の政治の大きな転換点にいるとき、あえて私の仕事の現場のちいさな出来事をご報告いたします。


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