2004年5月14日(金) >>菅直人代表の記者会見録 戻るホーム記者会見目次

岡田克也幹事長 定例記者会見要旨

○新代表が選出されれば反転攻勢、参院選・総選挙で勝利し政権交代を実現
総理の再訪朝と年金未納問題がタイミングを合わせて出てきたことは許せない
一国の総理が国民に堂々と嘘を言うのは信じがたい、それだけで辞任に値する
少しやり残したことはあるが精一杯やってきた、充実感と解放感に浸っている
未納総理:個人的には、内閣不信任以前に議員辞職を求めたい
新代表がどの会議に出るべきかは新執行部が決めること
正式に一任された幹事長による党規約に基づいた一本化、透明性に問題なし
幹事長1年半:ルールに基づいて決定し、違反すれば責任をとることを根付かせた

■代表選挙

【幹事長】まず、代表選挙に関しては、先ほど両院議員総会で決定されたところですので、私からあえて付け加えることはありません。

 ただ最終的に、分かりやすい選挙という形で次の代表が選ばれることになったこと、基本的に小沢一郎さんで党内のかなりの部分が集約されていることは、大変嬉しいことだと思っています。

 これをきっかけに、来週の火曜日に新代表が決まれば、反転攻勢、民主党らしく攻めて攻めて攻めまくる、そして参議院選挙で勝利し、次の総選挙で政権交代を実現する。その道筋が今日、できたのではないかと思っています。

■総理の再訪朝と年金未納

【幹事長】それから、総理の訪朝が報道されていますが、拉致被害者の家族の皆さん始め、総理の訪朝には慎重な見方が強いわけです。

 もう少し精査してみないと、私の段階で判断するのはいかがなものかと思いますが、前回の訪朝も拙速の中で、拉致の問題が、ある意味で、ボタンの掛け違いがおきて、今日まで家族がバラバラの状況が起こりました。今回も十分煮詰められた結果の訪朝なのか、疑念を持っています。

 あわせて、これは全く許せないと思うのは、このことと小泉総理の年金未納の問題が、タイミングを合わせて出てきているということです。

 情報操作と言わざるを得ないわけで、今までこれほどマスコミ・メディアを利用して自らの問題点を覆い隠そうとした総理は、私は見たことがありません。

 年金未納の問題も明らかに嘘をついていたわけであり、一国の総理大臣が国民に対して堂々と嘘を言うということは信じがたいことでありまして、そのことだけで辞任に値すると私は考えています。

 菅代表が未納で辞任したわけですが、今回の場合、福田さん(前官房長官)よりも悪質、福田さんは4日間隠したことが辞任の理由でした。今回は明らかに、総理が堂々と嘘を述べていたということですから、これは一国の総理大臣が国民に対して嘘を言うということは誠に恥ずべきことであって、語るに落ちたという感じがします。

 そして、そのことと北朝鮮の問題を絡ませているという、そういう姑息なやり方、それだけで総理以前に政治家として「辞められたらいかがか」と思っています。

 大変残念な、「残念」という意味は、そういう総理を持っていることに対して、残念な思いで一杯です。

■最後の定例会見にあたって

【幹事長】最後に、定例会見として今日は最後になりますので、一言申し上げたいと思います。

 皆さんにも大変ご協力をいただきまして、時には厳しいご質問もいただきましたが、約1年半に渡って、お世話になりましたことを御礼申し上げたいと思います。

 一昨年の12月に幹事長になったときには、党の支持率も極めて低い状況の中で、私が最初に取り扱いをしたのは、熊谷さん始め離党の問題、そして連合との関係も極めて悪い状況で、菅代表と二人三脚でそういった難局を乗り切りながら何とか、そして自由党との合流という極めて難しい問題も、良い形で最終的に決着させていただいて、総選挙で大幅な議席増を勝ち取ったことは大変、いろいろしんどいことは多かったですが、私として、自分の能力としては精一杯のことができたと思っています。

 党改革の問題とか、仕掛かり品が若干あります。ここ2ヵ月ぐらい、ラストスパートでやらなきゃいけないと思っていた問題、あるいは参議院選挙、そういったところは心残りではありますが、いずれにしても9月の段階で自分は辞めようと思っていました。

 どこかの新聞が「解任してほしい」と書いていましたが、それはそうではなくて(※編注:正しくは「堪忍してほしい」)、私自身、もう十分なことはしたと考えて、9月の段階でバトンタッチをしたいと考えていましたので、それがやや早まったという感じです。

 少しやり残したことはありますが、精一杯やってきましたので、そういう意味では充実感と解放感に浸っています。今日までお世話になったこと御礼申し上げて、幹事長長として最後の定例会見とさせていただきたいと思います。

<質疑応答>

■総理の未納問題への対応

【記者】先ほど年金問題に関して、総理の対応について政治家を辞めるべきだとおっしゃいましたが、これは新執行部が決めることかもしれませんが、内閣に対して不信任案などどういった対応をされるんでしょうか。

【幹事長】それはまさに新執行部が決めることですので、私が今の立場でコメントするのは望ましくないと思います。

 ただ、私個人の思いを言わせていただければ、これは不信任以前に、議員辞職を求めたいという思いですね。これだけ明確な政治家の嘘はないと思います。

 本人も知らないはずないわけですから、菅代表の辞任をどういう思いで見ていたんでしょうか。もし順序が逆であれば結果は逆だったかもしれませんね。

■新代表から役職を要請された場合の態度

【記者】先ほど「最後の会見」とおっしゃいましたが、新代表から党の結束に当たって幹事長の力が必要だということで何らかの役職を要請された場合に受諾するお考えがあるのかどうか、その点について伺います。

【幹事長】まだ新代表も決まっていない段階で、恐らく新代表になるであろう小沢さんが注目されているという中で、その新代表に何か言われるというような、仮定に仮定を重ねた質問に答えるのは失礼だと思いますので、コメントはいたしません。

 ただ、正直疲れたということは申し上げておきたいと思います。

■選挙開催の提案時期

【記者】今日の小沢代表代行との会談の中で、選挙をやって欲しいと言われたということですが、それは今日初めて言われたのか、それとも内々に伝えられていたのかということと、それから3党合意について何か話があったんでしょうか。

【幹事長】選挙の件は、その場で小沢さんの口から出たことです。私も一本化に失敗した場合に備えて選挙の準備は内々にはしていたわけですが、小沢さんご自身が言われたのはその場が初めてです。私は非常に良い判断をされたと思いましたので、その場で賛成しました。

 それから、3党合意の話は話題になっていません。ただ、一般論として、会見でも言われたと思いますが、自分は政治家としての基本的な理念・信念を代表になったからといって変えるつもりはないということを言われました。

■新代表の会議出席

【記者】先ほどの常任幹事会で、幹事長から小沢代表代行との話し合いについてご報告されたなかで、小沢代行が党の会議に必ずしもすべて出られないかもしれないというようなやり取りがあって、幹事長が「それは新執行部で決めたらいいんじゃないか」というようなことをおっしゃったということが、常幹のブリーフィングで出たんですが、改めてそこの説明と、新執行部で決めたらいいと幹事長がおっしゃった理由を伺いたいんですが。

【幹事長】代表がどういう会議に出るべきかということは、もちろん規約その他で決まっているものもありますが、そうでないものもありますので、私が「出たほうがいいですよ」とか「出なくていいですよ」と言う立場にはありません。

 新しい体制ができれば、役員の間で、あるいは幹事長とご相談されて、役割分担をされればいいわけですから、私が決める話ではありませんので、「新執行部とご相談されたらいかがですか」と申し上げました。

 この党は会議が多いものですから、どこまで誰が出るのかということは、実は極めて大事な話ですから、私は代表が全く会議に出なくていいとは思いませんが、もう少し会議も整理したほうがいいかもしれないと思っています。それは私が決めることではありません。

【記者】代表代行からそういう話があったということですか。

【幹事長】ええ、具体的にあったのは2点だけなんですね。それはさっき言った、自分の政治家としての基本的な理念・信念は変えないけどもそれでいいかと言われましたので、私はリーダーというのはそういう基本的なお考えをお持ちで、それを曲げる必要はないと思いますとお答えしました。

 菅さんのときにも、私が幹事長として支えているなかで、必ずしも意見が一致しない部分があっても、基本的には代表の考え方になるべく揃えてきたつもりですということを申し上げました。

 それから、もう1つの点が今のお話で、自分は会議に全て出るような形にならないかもしれないとおっしゃったので、「それは私が判断する問題ではないと思います。新しい執行部の中で、どう言う会議に出るかということはご相談されたらいかがですか」ということを申し上げました。

■選挙と一本化の順序

【記者】代表の選出過程というのはまだ途中のわけですが、一任を受けて幹事長が一本化作業に当たるということを発表されたときに、記者会見で選挙の手続きをやって、その中で一方で一本化ということはあり得るかもしれないが、まず選挙を行うのが普通じゃないかというような質問をしたと思うんですが、選挙の手続きは最後になりました。

 これはやはり先に選挙の手続きということでよかったんじゃないかということが疑問なのと、いやそうではなくて手順を踏んだから党内一致ということができたとお考えなのか、その辺りをお聞きしたいんですが。

【幹事長】規約上は、必ずしも今回のように正式な選挙の手続き、議員間の選挙ですけれども、それを求められているわけではありません。「両院議員総会において選出することができる」「選挙によらずに選出することができる」と、こう書いてあるわけです。ですから、私としては、選挙ではなくて一本化する道というのを模索したわけです。

 この間、代表代行が出るということを認めなかったわけですから、1回目にお会いしたときには。そのときに、「最後は選挙でやりますか、それとも拍手で両院議員総会で認めますか」などという議論ができるはずがないんで、私としてはより簡便な方法を念頭に置いて話を進めてきたということです。

 しかし、できればより分かりやすい形がいいわけですから、一部の新聞には透明性の問題があるという指摘もありました。私は全くそうは思いませんが、つまり森さん(自民党前総裁)のときとは全く違うわけで、正式な手続きを踏んで私が一任をいただき、党規約に則った手続きの中で、その幅の中で決めてきたことですから何の問題もないわけです。

 ただ、そうは言ってもより分かりやすい形のほうがいいし、選ばれる代表にとっても、そういうより分かりやすい方式で選ばれたほうが、代表としてもより正統性を付与されて、代表としての振る舞いもしやすいわけですから、私は良い選択をされたと思っています。

■幹事長としての成果

【幹事長】他にありますか?

 皆さんも総理にあんなことをやられて黙ってるわけ? 明日、北朝鮮の問題を1面トップにしちゃ駄目だよ。「総理の嘘」っていうことをトップにしないと、ぶつけられたときにさ。見識が問われるよね、これ。方針が。

【記者】最後の定例会見ということでもう1つ。1年半の任期、幹事長として取り組まれたなかで、道半ばというものあると思いますが、一番の成果は何でしょうか?

【幹事長】いろんなことをルールに基づいてやるということを根付かせたということだと思います。

 党ができてまだ日も浅いということで、いろんなことがその場その場の判断で行われてきました。それはそれで悪いことではないにしても、やはり一定のルールに基づいてやっていく。そしてルールに反したときは責任をとるという、そういう形。

 例えば、選挙のときに最終的な応援の問題も、認められた範囲の金額の中で、どの候補者にどれだけの支援をするかということも、恣意的ではなくて、つまり、この人はどういうグループに属するとか自分に近いとか、そういうことは今までもなかったはずですが、きちんと説明できる形で、数字に基づいて、そういったことを関係者と協議をして決めました。

 あるいは党内の経理についても、こういうものはこういう人が決済権者であるということも決めて、そして透明性をもって支出が行われることも可能になったと思いますし、その他いろんなことについて、一定のルールに基づいて行うことができる組織になったということは、長い目で見たときに大きなことだと私は思っています。

 そういったルールに基づいているから、説明責任を果たすこともできるということになります。第三者機関を党本部と47都道府県の支部に入れたということ、これは自民党には絶対にできないことです。迂回献金をやっていることが分かりきっている、だからできないわけです。

 そういったことを将来、間違っても民主党が行わないようにするということにも道を開くことができたと思っています。


編集/民主党役員室


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