2005年8月30日 戻るホーム民主党文書目次

本物の郵政改革 −官から民へ−

民主党案小泉民営化案はここが違う


小泉郵政民営化はここがおかしい!
ムダづかい肥大化、民業圧迫

政策にとって一番重要なのは「目的」です。そもそも郵政改革の必要性が主張され始めた背景は、国民の皆さんから預かった郵貯・簡保の資金=国民の皆さんのお金が政府に渡り、ムダづかいされているためです。したがって、郵政改革の「目的」は、国民の皆さんのお金をムダづかいさせないことにあります。

この視点から小泉郵政民営化案の内容をみると、ムダづかいはなくなりません。政府案は、「民営化」と言いながら実際は政府出資の特殊会社、つまり国有株式会社をつくることになっています。政府出資の特殊会社、国有株式会社が、国民の皆さんのお金をムダづかいしないと信じられるでしょうか。

国有株式会社という「民間会社」をつくり、「民間会社」だから貯金の預入限度額(現在1000万円)をなくすと主張しています。預入限度額がなくなれば、もっと資金を集めようとするのが「民間会社」です。政府案では、340兆円という資金量がもっと大きくなる危険性を抱えています。

そのうえで、「民間会社」として自由に国債を購入するという仕組みで、ますますたくさんの国民の皆さんのお金が政府に渡る結果になることを懸念しています。

さらに、政府案の内容や指摘には多くの大問題や間違いを抱えています。例えば340兆円もの資金を抱える「国有株式会社」が、コンビニをはじめ、様々な他の業務を自由に行える原則になっています。これでは、典型的な「民業圧迫」です。

また、銀行がこうした他業を行うこと、さらには340兆円(メガバンク3行と大手生保4社の合計と同じ)もの資金量を抱えた「民間会社」となることは、明らかに独占禁止法の精神に反します。

職員を非非公務員化することで「小さな政府」に寄与すると言う主張もウソです。実際には職員の給与は全て事業収入で賄われており、税金は全く投入されていません。むしろ、非公務員化によって、共済年金が資金不足となり、その穴埋めとして税金が新たに投入される可能性があります。政府もこの事実を認識しているからこそ、職員を非公務員化する、民間人にすると主張しながら、実際には年金は共済年金のままにしようとしています。これでどうして非公務員化でしょうか。

名前は「民間会社」、でも政府出資の国有株式会社。名前は「民間人」、でも年金は共済年金。掛け声は「官から民へ」、でも実際は肥大化してもっと「官」にお金が流れる。建前は「民にできることは民に」、でもコンビニや住宅リフォーム業に進出して民業圧迫。これが小泉郵政民営化の正体です。国民に正しい情報を伝えず、単純化して絶叫する。これが、小泉首相の正体です。

失敗すれば新たな税金の投入も
非公務員化で小さな政府はウソ


岡田郵政正常化は、ここがポイント!
ムダづかい一掃と民間補完に徹する

それでは民主党はどうするのか。上述のように、郵政改革の「目的」は、国民の皆さんのお金をムダづかいさせないことにあります。最も確実な方法は、政府に渡す国民の皆さんのお金の量をそもそも減らすことです。

現在の郵便貯金の預入限度額は1000万円です。ご存じの方も多いと思いますが、昭和63年から平成3年にかけて、預入限度額が立て続けに300万円から、500万円、700万円、1000万円と引き上げられました。どうしてでしょうか。それは、政府に渡すお金の量を増やすためだったと言っても過言ではありません。

だからこそ、その預入限度額を元通りに引き下げれば、郵貯・簡保に集まるお金は減り、政府や特殊法人などに渡すお金の量も確実に、しかも間違いなく少なくなります。これが民主党の基本的な考え方です。

そもそも、郵政事業の金融業務は民業の補完としてスタートしました。つまり、民間金融機関を十分に利用できない地域、利用できない人たちに対して、政府が金融サービスを提供したのです。これが郵貯・簡保の原点です。

したがって、肥大化しすぎた郵貯・簡保の規模を適正化し、本来の民業の補完に徹する姿に正常化することこそが、本当の郵政改革です。

以上のような観点から、郵政改革の焦点は、郵便業務ではなく、金融業務であることもご理解頂けると思います。国民の皆さんのお金をたくさん集めて政府に渡し、その政府がムダづかいする構造を是正する。これが民主党の郵政改革の基本的な方針です。

一方、郵便業務は万国郵便条約で各国に義務付けられた基本的公共サービスです。したがって、今後も国が責任をもってサービスを提供していきます。但し、国が独占して行う必要はないことから、民間企業の参入障壁を低くして、国民の皆さんが選択可能な「官」「民」双方の競争的サービスを提供できる国にしていきます。

また、郵便局のネットワークは、今や住民票の取得などの公共サービスの拠点としても活用されつつあります。市町村合併が進む中、役場までの距離が遠くなる地域においては、郵便局ネットワークをどのように有効活用していくかが、ポイントです。今日的な新しい役割を考えることも必要です。役場と郵便局ネットワークを効率的に活用する新しい公共部門のあり方を追求していきます。

ところで、小泉郵政民営化は、このネットワークについても、2兆円の基金を積み立てて維持すると言っています。本当の民営化であれば、採算のとれない中山間地、過疎地においてはネットワークがなくなるのが普通です。これを基金で維持するということは、結局、今の郵政公社と何ら変わりはありません。ここでも、政府はウソをついています。

民主党は、ウソをついたり、パフォーマンスに走ることなく、正しいこと、論理的なことを堂々と、粛々と主張していきます。国民の皆さんは必ずや、正しい情報に基づき適切にご理解して頂けるものと思っています。

郵貯・簡保は縮小し適正規模に
郵便サービスは国の責任で提供



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