2005年8月12日 戻るホーム民主党文書目次

戦後60年の節目を越えて(代表談話)

民主党代表 岡田 克也

先の大戦が終結して60年を迎えようとしています。あの戦争で犠牲となられた内外のすべての方々に対して心から哀悼の意を表します。ご遺族や多くの方々の忘れ得ぬ痛みを思うとき、国民の皆様とともに平和の大切さを改めて認識し、世界の平和の実現に向けて決意を新たにしたいと思います。

日本はかつて戦争への道を選び、悲惨な被爆経験をはじめ、国民に深刻な犠牲を強いたのみならず、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して植民地支配と侵略によって大きな損害と苦痛を与えました。この歴史の事実を謙虚に受け止め、戦後生まれの世代を含めて、率直な反省と謝罪の気持ちを決して忘れてはなりません。そして、なぜあの悲惨で愚かな戦争に至ったのか、どこで大きく間違えたのかについて、今こそ私たち自身がきちんと検証することが必要です。

今日までの60年間、国民の懸命な努力により、日本は平和主義を貫き、民主主義国家として定着する中で、世界有数の繁栄を実現してきました。東アジアをはじめ世界の国々の経済発展を支援し、平和の達成に貢献してきました。今後、21世紀のアジアを世界で最も平和で豊かな、そして民主的な地域にすることに一層の貢献が求められています。同時に、テロや核の拡散が深刻な問題となっていることや、世界各地でいまだに多くの争いがあり、その争いが原因となって罪なき人々が飢餓や病気に苦しみ、死に直面していることを忘れてはなりません。世界とアジアの平和実現に向けてさらに努力することは、日本の大切な役割であり責任です。

戦後60年という節目を越えて、私たちはいままで日本が成し遂げてきたことに対し自信と誇りを持ちながら、同時にその自信に裏付けられた謙虚さをもって、近隣諸国をはじめとする国々との相互の信頼関係を深めることが何よりも大切です。世界やアジアの平和と豊かさと民主主義に貢献するなかで日本の平和と豊かさを実現するという開かれた外交の大切さについて、国民の皆様とその認識を共有できることを心から期待して、私のメッセージとします。


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