2003年1月18日 戻るホーム民主党文書目次

2003年度活動方針 政治方針 民主党2003年度定期大会決定


I. 総論――政権交代の実現という結党の原点に戻り、日本を再生する

低迷する経済、雇用や将来への不安、犯罪や暴力の増加、教育問題、山積する外交・安全保障上の課題など、我が国は戦後最大の危機的状況に直面しています。

そうしたなかで、小泉政権発足後すでに1年9カ月、この間何ら成果を挙げることなく時間のみが経過しました。改革の掛け声こそ聞こえてはくるものの小泉総理は重要な局面で何らリーダーシップを発揮せず、混迷脱出の方向性さえ提示できずにいます。

不良債権処理、道路公団改革などの構造改革、税制改革、公共事業などの歳出構造改革、政治とカネの問題などの重要課題は、いずれも自民党内の「抵抗勢力」との妥協の繰り返しで全くの骨抜きとなり、「改革」は遅々として進んでいません。問題の根源は、時代の変化と国民の要請に応えない政官業癒着の旧態依然とした自民党の政治体質にあり、これを打破する以外に日本の未来に展望を開く道はあり得ません。

その一方で、相次ぐ政治家やその秘書の汚職などで国民の政治への信頼はさらに失われ、我が国の民主主義の基盤である政党政治自体が存在意義を問われています。


しかし、このような状況であるにもかかわらず、野党の中心として政権と対峙すべき私たち民主党が国民の期待に応えきれず、次なる政権党として十分な信頼を勝ち得ていないことは、真摯に反省しなければなりません。

とりわけ、昨年後半以降、民主党は国民の支持を急速に失っています。この結党以来最大の危機を乗り切り、国民の信頼を回復するためには、まず私たちが結党時の原点に立ち帰らなければなりません。

すなわち、政権交代なくして真の改革も日本の再生もないということ、そして政権交代の主体は民主党以外にないということを再認識し、その実現のために全力を挙げなければなりません。


私たちが具体的になすべきことは、第一に、国会論戦を通じて小泉自民党政権が国民の期待を裏切りつづけていることを明らかにし、民主党の明確な考え方を国民にしっかりと示していくことです。20日から始まる通常国会において、小泉自民党政権の経済失政、雇用や医療・年金などの社会保障問題、イラクや北朝鮮をめぐる外交・安全保障問題といった重要課題に対する先送り姿勢と拙劣な対応を厳しく追及し、日本と世界の平和と安定、日本経済の再生、国民生活の安心を築いていくために、小泉自民党政権に代わる政権政党として、民主党という別の選択肢を国民に提示していきます。

その際に重要なことは、生活者、納税者、消費者の立場を代表するという民主党の基本姿勢を明確にすることです。そして、少子高齢化、国際化、情報化など我が国を取り巻く環境が急速に変化するなかで、国民が安心して活力ある生活を送れる新たな社会を築くため、積極果敢に政策を打ち出していきます。

第二に、民主党という政党が信頼に値し、政権を任せるに足る存在であることが理解されるように党改革を進めることです。今回の党大会で提案した党経理に対する外部監査の導入はその一例ですが、決めたことは守るという当然のことが改めて議論されなければならない党の現状を思い切って改革し、新たな政党文化を創り出す必要があります。

第三に、春の統一地方自治体選挙、衆参補欠選挙、そして予想される衆議院総選挙勝利に向けて全力を挙げることです。特に、総選挙においては自由、社民両党との野党間協力を含む幅広い協力関係の構築が必要です。そして、当然のことながら、新人候補者に対するサポートの強化も緊急の課題です。


民主党が結党されて4年が経ちました。この間、私たちはしがらみと利権にまみれた古い自民党政治を打破し、真の国民のための政治を創り出すべく活動してきました。

自由で安心な社会の実現という結党時の基本理念の下で私たちが目指してきたのは、透明・公平・公正なルールに基づく社会、あらゆる人々に安心・安全を保障し公平な機会の均等を保障する共生社会、「市民へ・市場へ・地方へ」という分権・共同参画社会の構築であり、「国民主権・基本的人権の尊重・平和主義」という憲法の基本精神の具現化、自立と共生の友愛精神に基づいた国際関係の確立と信頼される国づくりです。

そのなかで、数多くの議員立法の提出など、民主党として、個々の議員として政策立案能力は大幅に向上し、国会活動においても数々の成果を挙げました。そして何よりも、3度の国政選挙を通じて衆参の国会議員の数を131名から176名へと大幅に増やしてきました。

政権交代を実現し、より良い日本を創造することは、私たち民主党に与えられた歴史的使命であり、結党の原点です。今こそ私たちはこの原点を再確認し、新執行部の下、全党一丸となって選挙に勝利し国民の負託に応えなければなりません。

小泉自民党政権への徹底的な攻勢と民主党の自己改革を両輪に、春の統一地方自治体選挙および衆参補欠選挙に向けて万全の態勢を整え、小泉自民党政権を解散に追い込み、次なる総選挙で勝利して日本を再生する真の「改革実行」政権の樹立に全力をあげることを共に誓います。


II.小泉内閣・自民党と鮮明に対決する

1.わかりやすい政策立案・法案対応

「小泉改革」が掛け声倒れであり、雇用・失業情勢や中小企業の経営などへのしわ寄せを顕著にし、しかも医療費や雇用保険などに見られるように次々と国民負担増を打ち出しています。政治資金規正問題や政治家のカネにまつわる疑惑解明など政治改革においては最も消極的な内閣であることも明白となっています。

小泉内閣の実態を鋭くえぐり、先見的で、わかりやすく、自民党との違いが鮮明な政策提案、議員立法の提案にさらに磨きをかけます。

2.『次の内閣』(ネクスト・キャビネット)の発展

民主党の議員立法は法案化作業中のものも含めると100本に近づきつつあります。その精査と一層の充実に取り組みます。その基盤となる『次の内閣』(ネクスト・キャビネット)の機能の充実を追求します。『次の内閣』は党規約により常任幹事会に代わる政策決定機関と位置付けられていますが、衆参、各部門・PTにおける議論の徹底、相互討論をさらにすすめ、また地域との相互討論をめざします。

部門会議、総括副大臣会議、『次の内閣』閣議の議論をより効率的にかつ充実させ、賛否の方向性や対案・修正案作成の早期策定など、より鮮明にして、わかりやすい法案、政策対応を追求します。

また、昨年に引き続き、党外の調査機関、研究者等との共同作業を推進します。

3.政策広報活動の推進

民主党は、政党史上でも群を抜く政策立案・立法能力を発揮しています。大きな課題はその成果を全議員、全国の民主党が共有化し、また、わかりやすく国民に提起するシステムと能力の向上にあります。広報・宣伝委員会等との連携、メールをはじめネットシステムの活用促進、報道機関等への積極対応などをすすめます。

4.重点的取り組み

1)景気回復をめざす雇用・中小企業対策、国民生活の質の向上
現下の経済情勢を看過すれば深刻な経済危機は避けられません。政府予算への対応を強化し、野党共闘をさらにすすめ、平成14年度補正予算、平成15年度予算への対抗案づくりとその実現への取り組みをすすめます。とりわけ、不良債権処理とデフレ対策を車の両輪として位置付け、雇用・失業対策、中小零細企業対策、国民生活の質の向上による起業・雇用創出に全力を挙げます。

2)外交・安全保障政策の積極的展開
日朝交渉、拉致事件の解決、大量破壊兵器開発問題など北朝鮮をめぐる諸課題、中東和平及びイラク問題など、緊迫した外交課題が山積しています。また、テロ特別措置法による自衛隊活動のあり方、国民保護法制を含めた緊急事態法制問題など、わが国の安全保障にとって大きな岐路ともなる課題に対して党内議論を積み重ね、鮮明な態度をもって臨みます。

3)人権擁護の推進
個人情報保護関連法案、人権擁護法案などが引き続き焦点となっています。民主党は、個人情報の保護、言論表現の自由、行政や事業者による個人情報の適正な管理の確保に全力を挙げるなど、人権擁護を推進します。

4)喫緊の重要課題に対応
また、道路関係公団改革、特殊法人・公益法人改革、産業再生、公務員制度改革と労働基本権問題、NPO支援強化、年金制度の抜本改革、労働法制の整備、介護保険制度の改善、教育基本法見直し問題、分権推進と地方財政問題、新たな社会資本整備・公共事業のあり方、食の安全問題、環境教育振興などの政策課題に取り組みます。

5)政治改革の推進
公共事業受注企業の政治献金禁止などを盛り込んだ政治資金規正法改正案の成立、あっせん利得処罰法の抜本的強化をはじめ、政治改革の推進に取り組みます。

6)自治・分権の開花へ
2003年は統一地方自治体選挙の年です。21世紀の自治・分権推進の行方を占うこの重要な選挙において、権限および財源の移譲や一括交付金政策、将来的な道州制の検討など自治・分権政策を高く掲げるとともに、先進的な改革例を全国に広げ住民自治を豊富化させるため自治体改革を推進します。

5.地域の声をもとにした政策づくりへ

地域の声、国民の声をもとに民主党の政策、法案の充実を図っていくために、「『次の内閣』地域会議」(仮称)やシンポジウムの開催、「インターネット政策公募」などをさらにすすめていきます。「地域NC」は、地域の声、公認候補者の要望等を重視し、コンパクトなかたちでより多くの地域で実施できるように取り組んでいきます。

また、全国の政策担当者、党員の声を政策づくりに反映するために、全国政策担当者会議の定例開催などに取り組みます。

6.野党、諸団体との政策協力

野党4党の定期政策協議の充実をはかり、個人情報保護法案、予算組替要求をはじめ、公益開示法、さらに政治改革関連法案など、野党協力を積極的にすすめます。

連合との定期政策協議の充実を追求するとともに、各産別団体や経済団体、NPOなどとの政策に関する協力共同活動の発展をはかります。

7.海外との政策交流

2002年度に実施した韓国の友誼政党との政策を中心とした政党間交流、モンゴル環境調査団の派遣、また、来日したイギリス、ドイツの有識者を招いた研究会の開催などの実績を踏まえ、韓国との交流推進、欧州政策調査団派遣の検討など、海外との政策交流活動をすすめます。


III.国会の論戦をわかりやすく、活性化させる

1.立法府の機能強化

1月に召集される第156回通常国会の最重要課題は、混迷を深める経済問題です。不良債権処理などの金融問題に加え、企業の経営改善や雇用失業問題など、取り組むべき課題は山積しています。民主党は立法府の機能強化に全力で取り組みます。

2.予算審議の充実

政府は昨年同様、平成14年度補正予算案を通常国会冒頭に提出する予定です。しかし、昨年秋に政府が決定した「総合経済対策」ではその具体的な内容を全て先送りしており、いまだにその具体像が見えていません。予算審議においては、このような政府の無策ぶりを厳しく糾すとともに、雇用・失業対策の抜本強化、中小零細企業対策の確立などに強力に取り組むとともに、経済運営の失敗によって大幅な歳入欠陥を生じさせた小泉政権の責任を厳しく追及していきます。

また、党首討論(クエスチョン・タイム)の開催回数を増やし、より充実した内容とします。

3.外交・安全保障への提案と監視

拉致事件の解決や核開発疑惑など日朝交渉は本格的な山場を迎えます。米軍による武力攻撃が取り沙汰されているイラク問題は1月末にも新たな展開を迎える可能性があります。これらの課題は、国際社会の平和と安定を維持するためにも、またアジアとわが国に対する影響という面でも、極めて重要な問題です。民主党は、国会論戦を通じて政府の外交姿勢に対して積極的な提案と厳しい監視を行います。

4.人権と国民生活を守る

次期通常国会では、継続審議となっている「武力攻撃事態対処関連法案」、「個人情報保護関連法案」、「人権擁護法案」の3本の重要法案の取扱いが焦点となります。これらの法案は何れも問題が多く、政府提案のままでの成立を許すことはできません。民主党は昨年の通常国会、臨時国会における議論を踏まえ、より積極的な論戦と提案活動をめざします。

さらに、「産業再生機構関連法案」「教育基本法の改正」や「公務員制度改革」「特殊法人改革」に関連する法案、新たな国民負担増問題など重要案件が目白押しの状況となります。民主党は、勤労者・生活者・納税者・消費者の視点に立ち、これら重要案件について慎重かつ積極的な審議をすすめます。

5.野党共闘の推進

以上のように、重要課題が山積する国会に十分な対応をはかるため、野党第一党として他の野党との院内共闘関係を強めつつ、本会議、予算委員会、党首討論はもとより、衆参の各委員会を通じて十分な審議時間を確保し、国会の活性化を通じて小泉政権と毅然と対決していきます。


IV.政権交代を実現する選挙態勢の整備

1.統一地方自治体選挙への取り組み―─別掲

2.衆議院総選挙勝利にむけた活動方針

2003年の政治情勢に応じて、いかなる状況においても第43回衆議院総選挙に勝利するために、候補者擁立と総選挙態勢の確立をはかります。

1)次期衆議院総選挙候補者擁立作業の完遂
本部選挙対策委員会および都道府県連を中心として、「全候補者が小選挙区から立候補し、同時に比例代表選挙に同一順位で重複立候補する」との基本方針のもと、衆議院250小選挙区以上での候補者擁立を早急にすすめます。

昨年実施した候補者公募の成果をふまえ、幅広い人材の擁立に取り組むとともに、男女共同参画の理念のもとに、女性候補者を積極的に擁立します。

2)候補者支援対策の強化
党幹部による公認予定者の選挙区遊説、候補者研修会の実施、資金対策、情報提供など候補者活動への支援策の拡充を推進します。

3)地域における選挙態勢の整備と幅広い連携の強化
衆議院選挙を担う小選挙区総支部において、候補者を中心とした党員や地方自治体議員、後援会や支援団体が一丸となって活動する態勢の整備をすすめます。

また都道府県連およびブロック協議会を通じて、県内および衆議院ブロック内での広域的な取り組みを推進するとともに、各地域段階での支援団体等との連携を強化するために、本部および県段階での諸団体との協議や共同した取り組みを推進します。

3.参議院選挙対策の推進

2004年7月の第20回参議院選挙に向け、幅広い、多様な人材を対象とする候補者発掘につとめ、比例区・選挙区の候補者擁立作業を推進し、2003年秋までに全選挙区での候補者擁立、第一次比例候補者擁立をめざします。

また、非拘束名簿方式に対応した参議院比例区選挙対策のあり方について検討し、党組織、国会議員・地方自治体議員等と、支援団体が有機的、効果的に連携し、総力を発揮しうる選挙対策方針を確立します。


V.民主党の着実な前進をめざす組織活動の推進

1.党員・サポーターの定着拡大と地域組織の活性化

昨年の代表選挙時に行われた30万人の党員・サポーター登録を基礎に、政権交代を担うに相応しい党組織として、幅広い国民各層の参加のもとに、党員・サポーターの再登録・定着化をめざします。都道府県連・各総支部など地域組織での党員・サポーターの活動を活性化し、総支部長・地方自治体議員を先頭とした、地域での活力ある活動をめざします。

党員・サポーターの本部登録数に応じた県連交付金の交付、内定者総支部への割増交付などを引き続き実施し、組織拡大と財政基盤確立を一体的にすすめます。また党員・サポーターの本部登録のあり方については、「代表選挙制度検討委員会」の検討結果を踏まえて、必要な改善につとめます。

2.地方自治体議員3,000人のネットワーク化

地域での党組織を担う地方自治体議員の党活動への積極的参加を要請し、改革をめざす共同行動への連携を求めて、統一地方選後に3,000人の地方自治体議員ネットワークの形成をめざします。

全国47都道府県ごとに民主党・地方自治体議員フォーラムを結成するとともに、ブロック別および全国規模で地方自治体議員フォーラム研修会を開催し、自治体議会活動の情報交換・研修と、党活動への参加・ネットワーク加入を促進します。また課題ごとの専門部会や党ホームページ・メーリングリストを通じて、情報交換の促進と政策討議の場を提供します。

3.多様な協力・連携軸の創出

市民活動団体や各種団体、労働団体などとの政策懇談会・フォーラム開催などを通じ、双方向の情報発信・活動交流をすすめ、相互に問題意識が共通する課題への取り組みについて協力し合う恒常的な協力・連携関係の創出につとめます。

1)各種団体等とのネットワーク
予算編成や税制改正への政策要望や議員立法制定にむけた共同行動などを通じて、業界団体や各種団体との連携強化をめざします。定期的な懇談会やイベントの共同実施をすすめながら、これまでに築いてきたスポーツ関係団体や各種団体・経済団体との支援協力関係の強化・定着と、新たな各界各層と党との幅広い協力・連携関係の構築をはかります。

2)労働団体とのネットワーク
民主党の議会内外における活動・取り組みについての意見交換を日常的に行うことを通じて、連合本部や地方連合との協力・連携の充実・強化をめざします。統一地方自治体選や補欠選挙での連携を強化するためにも、地域組織段階での懇談会や交流会など、日常的なコミュニケーションの強化をはかります。産別労組の政策制度要求や活動に関する理解を深めるために、政策調査会・『次の内閣』の協力を求めつつ、産別政策議員懇談会やフォーラム等を通じて政策研究や意見交換などをすすめ連携強化をはかります。

3)中小企業者等との連携
中小企業経営者・商店主・ベンチャー起業者等の声を、民主党の中小企業対策や経済・金融対策などに反映し、国会審議にも活用するため、昨年秋に全党的に行った「中小企業実態調査」等を踏まえ、現地視察や地域懇談会、フォーラム・「中小企業セミナー」の開催等をすすめ、「がんばれ!中小企業キャンペーン」を展開し、中小企業を応援します。加えて、党の中小企業政策や国会での関連法案情報などについて、情報提供できるよう取り組みます。

4)文化諸団体とのネットワーク構築
幅広い文化諸団体との懇談会や勉強会の開催を継続し、友好団体との関係強化・拡大につとめ、また地域における友好団体との交流促進にも取り組みます。文化諸団体が取り組んでいる諸課題の共同した解決をめざして、その実現に向けて協力体制を構築していきます。

5)市民団体・NPO団体との連携

(1)市民団体・NPO団体の要求実現への支援
 立法プロセスへの市民団体・NPO団体の関与拡大のため、「市民政策議員懇談会」を開催し、政策NPO法人「市民がつくる政策調査会」をはじめ市民団体・NPO団体の政策要望、取り組み課題の実現をはかります。

(2)市民団体・NPO団体の育成支援・基盤整備に向けた取り組み
 『次の内閣』との連携のもと、引き続きNPO支援税制やNPO法改正問題等、NPO固有の政策課題に取り組みます。また昨年度数県で実施した、NPO関連予算・事業等に係るNPO公開ヒアリングについて、NPO団体等との情報・意見交換を行う場として、各都道府県での開催と地域での「NPO推進地方議員団」の創設をめざし、自治体議員の参加協力を得てNPO事業支援をすすめます。

(3)市民団体・NPOへの個別支援及び民主党議員等との連携
 NPO法人の設立支援に向けた従来の取り組みを継続実施するとともに、個別NPO団体と民主党議員による協力関係づくりをすすめます。

4.青年・学生ボランティアの組織化と体制整備

今年は統一地方自治体選挙や総選挙を意識し、全国1,000名を超える青年・学生ボランティアの組織化に重点をおいて活動をすすめます。具体的には、(1)DPJリーダーズスクールの東海・中国・九州・東北等での開催、(2)学生対象のオフィシャル・インターンの継続開催と選挙区でのインターン実施、(3)「クラブデモクラッツ」の関東・関西以外での設立と全国組織化、(4)災害ボランティア等の社会活動への継続的取り組みと地域の若手秘書や党員との連携、(5)青年学生担当会議の開催と地域での担当設置などの体制整備に取り組みます。


VI.男女共同参画の推進に向けて
  〜あなたの地域にプラス1の女性議員を!〜

女性議員の拡大を目標に続けてきた、これまでの活動を結実させるため、統一地方自治体選挙に向けた対策の強化に取り組みます。

1.女性支持者拡大のための基盤整備の取り組み

1)女性支持者拡大と候補者発掘のための女性スクール・イベント等の開催に、地域委託事業としての支援助成を行います。

2)NPO、労組、女性団体等の協力団体・関係分野等と、男女共同参画委員会とのネットワーク整備をはかります。

3)女性に関わる諸課題の調査研究、情報発信など基盤整備に取り組みます。

2.統一地方自治体選挙に向けた取り組み

1)女性議員ネットワーク会議を全国数箇所で開催し、女性地方自治体議員の情報交換や、地域における男女共同参画の取り組みについての交流をはかります。

2)男女共同参画キャラバンを編成し、自治体選挙勝利に向けた取り組みをを行います。

3.女性候補者発掘・支援の取り組み

「女性候補者セミナー」を開催し、女性衆議院候補者の研修、情報交換をはかります。

4.アフガニスタン女性支援の継続

昨年開催された「アフガニスタン女性支援会議」を出発点に、アフガニスタン女性支援について、NGOや関係支援団体等とも協力して、継続的な支援のあり方について、検討・実施します。


VII.積極的な運動遊説の展開で若さと改革の党をアピール

政権交代を担う改革の党としての民主党の姿勢を、国民・有権者に直接アピールすることを基本にして、党幹部を先頭にした運動遊説を展開します。具体的には、統一地方選挙・統一補欠選挙を視野に入れた「2003地方自治体選挙キャンペーン」と、次期衆院選候補者への選挙対策支援を柱に全国的な遊説を実施します。具体的な遊説支援にあたっては、地域固有の政策テーマをとりあげた懇談会、フォーラムの開催など、国民・有権者との双方向の対話型のキャンペーンとなるよう企画します。


VIII.地域や有権者に浸透する広報・宣伝活動の展開

統一地方自治体選挙や統一補選、総選挙などを視野に入れ、地域における党勢拡大や政策アピールの武器として月刊「民主」のタブロイド新聞化を行います。また、インターネットによるモニター調査を定期的に実施し、データに基づいた広報・宣伝活動を展開します。

1.月刊「民主」のタブロイド新聞・月2回刊行化

月刊「民主」と隔月刊の「D'ear」を統合し、2月号から8ページのタブロイド新聞を月2回発行します(但し、1月、5月、8月は月1回16ページの合併号とします)。これにともない、一般読者にも親しみやすい紙面づくりをめざし、地域での講読者拡大をすすめます。配布体制が未整備の地方組織については、本部からの直送ルートの活用で対応します。

2.民主党Webページの充実、インターネットによるビデオ配信

インターネットを通じた政治・政策情報へのアクセス、意見表明など、新しいスタイルの政治参加が拡大している状況をふまえ、民主党Webページ掲載情報の一層の充実、閲覧性の向上につとめます。

また、02年9月から党大会、代表・幹事長記者会見などのビデオをインターネットで動画配信しています。今後は、アクセス状況を踏まえ配信番組の質・量の充実を検討します。

3.統一地方自治体選挙、統一補選、総選挙に対応した広報・宣伝活動

統一地方自治体選挙、統一補選、総選挙を視野に入れポスター、意見広告、チラシ、グッズ等の制作・普及活動を行います。あわせて、候補者の広報宣伝活動に対しセット広告などきめ細かな支援を行います。

『世党@net』による民主党ンターネット世論調査を毎月実施し、定期的な意見広告の出稿やパブリシティー対策を行い民主党への信頼・支持を高めます。

グッズについては、既存商品の価格・品揃えを大幅に見直すとともに、地方組織の意見を踏まえ新商品を開発します。

また、国内報道、国際報道における効果的なマスコミ対応に取り組みます。


IX.政党外交を充実します

日本の国際貢献は「顔が見えない」と酷評されてきました。多額の予算を使っているODAは「特定の人々の懐を肥やすだけなので必要ない」とまで言われています。私たちは「顔が見える外交・国際貢献へ脱却するため」に、政党だからこそ可能な活動を展開します。

平和的な手段を基本にした人道的な支援、何が必要とされているかを「現地の人々の声に立脚して」組み立てることをめざします。2003年度は国内外のNGOとの連携・共同作業によってODAの調査などを行うほか、各国の政党と積極的に交流します。

1.NGOとの交流推進と海外調査

NGOとの意見交換を主とした交流、ODAなどの援助が有効に使われているかどうかの調査などを目的にした代表団(国会議員以外に地方議員にも参加を呼びかけて)を途上国へ派遣します(地域はアジアを中心にミャンマーなどを予定)。また、NGO世界サミット(ブラジル)やCOP9(イタリア)への参加を検討します。

2.政党間交流の展開

アメリカ、ヨーロッパ、アジアを軸にした政党間交流、地域の政党会議等に積極的に出席します。特に、指導部が変わった中国・韓国、この間関係が希薄になっているロシアとの交流を重視します。SI(社会主義インターナショナル)への加盟問題については検討を続けます。

3.人道的な支援への取り組み

テロの危機、イラクやパレスチナ、北朝鮮問題などが世界を揺るがせている中、日本が期待されているのは人道的な支援です。昨年重点的に取り組んだアフガニスタン復興支援活動のほか、新たな事態に対応した支援を行います。また、海外の自然災害に対しては党内他部局と連携し義援金を募る活動をします。

4.様々なレベルでの交流の促進

在外邦人の政治参加推進のため、在外邦人との意見交換を行います。民主党を理解してもらうため海外メディアとの懇談を行います。なお、昨年の日中国交正常化30周年事業の一環として、中国からの留学生を1名受け入れます。


X.党規約改正と役員選任・承認および党予算

1.党規約改正

12月13日の両院総会において、党規約第23条に「代表は、両院議員総会の承認にもとづき、党最高顧問を選任することができる」との条文を追加する改正を行い、最高顧問に羽田孜議員を選任・承認しました。(党規約第7条第2項および第4項の規定にしたがう報告・承認事項)

2.新体制発足にともなう役員選任・承認

昨年12月の菅新代表の就任にともない、党規約第7条第2項の定めにもとづき、12月13日の両院議員総会において新役員の選任・承認を行いました。(党規約第7条第2項および第4項の規定にしたがう報告・承認事項)

3.党予算

2003年度党予算の編成にあたっては、経費節減のため予算主義の徹底やIT化の成果を活かした事務経費の一層の節減をはかるとともに、新人候補者の支援強化、党員・サポータの拡大、地方自治体議員フォーラムの拡充、男女共同参画の推進などに向けた予算を確保します。

また、政治に対する国民の信頼を高めるため、党会計にかかわる情報開示をさらに進めるとともに、党全体の収支報告書に対する外部監査の導入をはかります。


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