第150回臨時国会を振り返る 2000/12 戻るホーム民主党文書目次

9月21日から72日間の日程で開会された第150回臨時国会は12月1日に閉会した。久世公尭参議院議員の党費肩代わり問題に端を発した参議院選挙制度をめぐる国会冒頭からの大混乱と斎藤十朗参院議長の辞任、中川秀直官房長官のスキャンダル報道と辞任、拉致問題をめぐる「第三国発見方式」発言など森首相の数々の失言、KSD問題、自民党の加藤・山崎派の森政権に対する反旗、内閣不信任案の提出と松浪議員のコップの水投げつけ事件、など大混乱の国会だった。

こんな中、平成12年度補正予算案、公選法改正案、健保法改正案など国民生活に影響を及ぽす多くの重要案件・法案が審議された。


予算案と主な法案〜民主党の対応・考え方

予算案・法案 案件の内容・自公保の対応 民主党の対応・考え方
平成12年度
補正予算案
事業規模11兆円、歳出総額4兆7832億円の補正予算。平成12年度の公債発行額は34兆5980億円、公債依存率38.5%。 (1)従来型のバラまき予算である、(2)財政再建なき国債の増発は財政危機を招く、(3)景気回復には構造改革が必要、などを理由に反対。
公職選挙法改正案 久世問題を選挙制度にすり替え、参議院比例代表に非拘束名簿方式の導入を強行。自公保の強引な国会運営で斎藤参議院議長辞任。 (1)選挙制度を与党のみで改正するのは民主主義の否定、(2)全会派による選挙制度協議会では現行制度維持で合意済、(3)非拘束名簿方式は膨大な選挙費用がかかるなど旧全国区の弊害が復活、などを理由に反対。
健康保険法改正案
医療法改正案
(1)高齢者医療費を定額制から月額上限付き定率1割負担制に、(2)高額療養費の患者負担限度額の改正、(3)高齢者薬剤費別途負担の廃止など。 医療制度の抜本改革を先送りにし、増加する医療費を患者負担増で補う、「改革なき負担増」であること、カルテ開示法制化見送りなどから反対。
あっせん利得罪
処罰法案
中尾元建設大臣の公共工事汚職、KSD問題など国民の政治不信の高まりを背景に、私設秘書を処罰対象からはずすなどの抜け道の多い法案を提出し、強行可決。 抜け道の多い与党案に対し、民主党は他の野党とともに私設秘書も処罰対象に加える、犯罪の構成要件から請託をはずす、第三者供与の明記など、「口きき政治」をなくす実効ある対案を提示。
少年法改正案 (1)刑事処分可能年齢を16歳から14歳に引き下げ、(2)16歳以上の故意犯による死亡事件は原則検察官送致(逆送致)、(3)被害者等に対する意見聴取、審判結果の通知、記録の閲覧・謄写など。 改正案の被害者への配慮や保護処分終了後の救済手続きなどは評価。刑事処分可能年齢引き下げや原則逆送致は少年法の理念を損なわないよう配慮すべき。参院で提案。5年後の見直し規定、施行状況の国会報告義務が付則に盛り込まれる。
IT基本法案 (1)高度情報通信ネットワーク社会の形成に関する施策を迅速・重点的に推進する。
(2)内閣に「高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部」を設置。
IT社会での雇用問題等の諸課題への対応を求めた民主党の修正案を盛り込む。修正案が受け入れられたことにより賛成。

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