2000年2月25日 戻るホーム民主党文書目次

越智通雄金融再生委員長の辞任について(談話)

民主党代表 鳩山 由紀夫
  1.  本日、金融検査に関して、「検査の仕方できついところがあったら、最大限考慮しますから」などと、手心を加えるとも受け取れる発言をした問題で、越智通雄金融再生委員長が辞任した。越智委員長の辞任は当然のことであるが、本人が辞任するのを待つまでもなく、小渕総理は越智委員長を即刻罷免すべきであった。越智氏を金融再生委員長に任命した責任のみならず、越智委員長を罷免せずに、予算委員会の貴重な時間を自らの弁解にあてることを許した小渕総理の責任は、極めて重い。

  2.  越智委員長の問題発言は、政官業の癒着構造にドップリと浸かった自民党の体質を、如実に証明するものである。自民党議員の口利きがあれば、何よりも公正さが求められる銀行検査までも、都合のいいようにねじ曲げてやるという姿勢は、まさに「えこひいき政治」であり、言語道断である。さらに、金融システム安定化のために用意した60兆円という巨額の税金を、まるで自分のカネであるかのようにちらつかせていることは、納税者の代表として激しい憤りを禁じえない。

  3.  金融再生委員会は、地に堕ちた我が国金融システムの信頼回復を至上命題として発足したが、越智委員長の問題発言は、再びその信頼を著しく失墜させた。明確なルールの下での透明な検査という大原則が、いとも簡単に打ち捨てられ、金融システムを危機的状況にまで追いやった密室裁量行政が復活した。とりわけ「アンフェア」を嫌う海外の目が、今後我が国にますます厳しく注がれるのは避けられない。その意味で、越智委員長の問題発言は我が国の国益を大きく損なうものであり、信頼回復は容易ではない。当然のことながら、越智委員長就任後に実施された金融検査は、一からやり直すべきである。

  4.  小渕内閣誕生以来、わずか1年半余りの在任期間で、閣僚・政務次官の辞任は、越智委員長が4人目になる。政官業の癒着構造の上に立った利益誘導政治が続く限り、我が国に明日はない。小渕総理は直ちに衆議院を解散し、国民に信を問うべきである。

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